財政金融委員会・第8号 2006-12-07


2006年12月7日

1、貸金業法改正法案の成立後の体制準備期間について
2、貸し渋りや貸しはがしに等の悪影響等の対策について
3、グレーゾーン金利の廃止により、利用者が貸し渋りや貸しはがしを受ける可能性について
4、多重債務に陥っている人の当座の資金手当てについて
5、中小零細企業の現場に金融が十分に行き渡っているのかを検証と対策について
6、金融庁・財務局と都道府県における登録業者の検査、監督体制について

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。前回に引き続きまして、若干御質問させていただきたいと思います。
今日は、まず初めに、この貸金業法が改正された、法案が成立した後の体制準備期間ということにつきましてお聞きしたいと思っております。
いろいろ資料をいただいておりますけれども、その中には、現在貸金業者を利用している方々が急に返済を迫られる、貸し渋りとかいわゆる貸しはがしという問題でございます。そうしたことが迫られて生活や事業に悪影響が出るような事態を招かないようにすると。これがおおむね三年をめどに、上限金利引下げ、新たな過剰貸付規制の仕組みを実施するまでのこの三年間、こうした事態を招かないようにすると、こういうふうにされているわけでございます。
金融庁といたしましては、この三年間、おおむね三年後までの金利引下げまでの間に、こうした貸し渋り、貸しはがしということによって今現在借りておられる方々に悪影響が出ないようにどういう、この三年間の行動計画というのかですね、今年はこういうことをやると、来年はこういうことをするというような、今現時点で決まっている範囲で結構でございますけれども、お考え、また指導監督体制についてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) 今回の改正は、上限金利を引き下げますとともに、返済能力を超える借入れを防ぐ総量規制の仕組みを導入するなど、一定の借り手の方々に影響が出ることは否定できないと考えておりますが、そういったことにも考慮いたしまして、公布からおおむね三年間の準備期間を設けることとしているところでございます。基本的な考え方といたしまして、その間に貸金業者によります不適切な取立て行為等があれば、厳正に指導監督してまいりたいと考えております。
なお、既存の借り手の方々に対しましては、カウンセリング体制の充実が重要な課題であると考えておりまして、これにつきましては、内閣官房に設置されます予定の多重債務者対策本部、ここにおきまして基本的議論を行いまして、関係省庁と連携いたしまして具体的な方策を検討、実施してまいりたいと考えているところでございます。
○西田実仁君 当局としての御認識をお聞きしたいと思いますけれども、この三年ぐらいの間に、おそれ、懸念として持たれている貸しはがしあるいは貸し渋り、こういうことが起きることは否定できないという多分お話だったと思いますけれども、それによって影響を受ける可能性がある借りている人はどのぐらいいるんではないかというふうに見ておられるんでしょうか。そうした見通しに基づいた監督指導体制ということも当然必要になってくると思いますので、念のためにお聞きしておきたいと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) 具体的に借り手がどの程度の影響を受けるかにつきましては、これから業者の実際の審査でございますとか、個々の貸手と借り手の事情によるところもございますため、現段階で定量的にお示しすることはなかなか困難でございます。
しかしながら、御指摘のとおり、現在、二〇%以上の貸付けが消費者金融の大宗を占めてございまして、今回の改正では、この金利を現在の実勢金利を下回る水準に引き下げるとともに、過剰貸付規制等も行うわけでございます。したがいまして、借入れの際の審査が現状より厳しくなりまして、これまで貸金業者からの借入れが可能だった方の一部が借りられなくなるといった可能性は、これは否定できないと考えているところでございます。
しかしながら、直ちに上限金利を引き下げることにつきましては、こういった貸し渋り等を発生させる懸念もありますことから、こういった急激な貸し渋り等による家計や企業へのダメージを防ぎ、借り手が無理のないペースで返済できるようにする、このための時間が必要と考えておりまして、おおむね三年の準備期間を置くこととしているところでございます。
現段階で定量的な形でお示しすることが困難であることにつきましては御理解賜りたいと存じます。
○西田実仁君 衆議院の方の参考人の質疑でも、大手の消費者金融会社の方が、既存利用者の八割ぐらいが影響を受けるんじゃないかというような御指摘もありました。また、このグレーゾーン金利による貸付けが全体の消費者金融の、いろんな統計がございますけれども、大体七割ぐらいを占めているというような統計もあるようでございまして、マクロではこういうことが言えると思いますが、今後どういうビジネスモデルをつくってくるのかによっても随分影響度は変わると思います。
実際に、貸しはがしあるいは貸し渋りというような具体的な兆候みたいなものは、今既に当局として何らかの情報はお持ちなんでしょうか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(佐藤隆文君) 全般的な調査をいたしておるわけでございませんので、確たることはちょっとまだ申し上げられない状況でございます。
ただ、取り急ぎ幾つかの大手の貸金業者からヒアリングをしてみました。その結果、与信基準を変更していないにもかかわらず新規契約申込みの成約率が低下する動きが見られるという回答がございました。
この原因というのもまだ確たる分析できていないわけでございますが、例えば、中小業者から締め出された利用者が困難を承知で申し込んでいるといったケースもあるんじゃないかと、こんなことを指摘する業者もございました。
○西田実仁君 今既に利用している方々の御理解というのは、法律そのものについても十分にまだ知られていない面もあるんじゃないかというふうに思いますし、今、具体的な兆候で成約率の低下というようなことも若干御指摘がございまして、これがどういう背景、どういう原因なのかということはいろいろともっと調べなきゃいけないんだろうというふうには思いますけれども。
いずれにしても、おおむね三年後には大きく抜本的な今回の改革が、すべてが実施されるということでございまして、三年間準備期間を設けたわけですから、この三年間の準備期間できちっと、今借りている方も含めて、貸しはがし、貸し渋り等で悪影響が出ないように、ここはかなり綿密に緻密にスケジュールを立てて、当局としてもソフトランディングをしていくということが是非とも必要ではないかというふうに私自身は思っております。
その中で、今、多重債務に陥っている人の中で、当座の資金手当てをじゃどうするのかという問題も出てくる。また、債務を整理するにしても、その費用をどう捻出していくのかということも出てくるでしょう。こうしたきめ細かい対応ということについて当局としてどういう御認識なのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) 今回の改正の影響というようなことも、いろいろな観点を踏まえまして三年間の準備期間ということを一つ置いているところでございますが、やはりこれからは、多重債務に陥っている方々のカウンセリング体制あるいはやみ金対策、こういったことにつきましても真剣に取り組んでいく必要があると考えているところでございます。
カウンセリング体制につきまして、これは多重債務者対策本部、ここにおきまして、やはり関係省庁などと連携しながら対策を講じていく必要があろうと考えております。
また、公的セーフティーネットの充実の問題もございますけれども、こういった政策につきましても、多重債務者、多重債務問題の解消のためどのようにしたら効果的な施策ができるか、これは関係省庁等が連携して検討すべきものと考えておりまして、今後この本部においてこういったことを総合的に検討してまいりたいと考えているところでございます。
○西田実仁君 この質疑の中で何度となく出てくるこの多重債務対策本部なるものですね。ただ、まだ本部長だれになるかも決まっていないというふうに聞いております。
今、大変に、法律を作っていく途上でも多重債務によって金融被害を受けている方もいらっしゃるし、ある意味で、よく理解なさらない中でいきなり貸しはがしに遭ってしまうかもしれないというような進行している問題でございまして、この多重債務対策本部で検討されるということは、それはそれでよいわけですけれども、これは早く、この対策本部長も、どういう体制を組んでいくのか、どういう計画でいくのかということをやはりずっと並行してきちっとやらないと、これは法律を通ってあと対策本部という、それがいつごろ立ち上がるのかもよくまだ見えないということもございまして、私自身大変に不安にも思っておりますので、是非ともこれは政府一丸となって早急な体制を組んでいただきたいと思います。
あわせて、中小零細企業の現場に金融が十分に行き渡っているのかを検証していかなければならない。もし問題が発生しているならば具体的な対策を是非とも取っていただきたいと思いますが、大臣、この点いかがでございましょうか。
○国務大臣(山本有二君) 中小企業に対する融資につきましては、全国の財務局、財務事務所職員が商工会議所等を定期的に訪問しておりまして、借り手の皆様の声をお伺いするなど、実態把握に努めているところでございます。
中小企業に対する金融の円滑化はなお重要な課題であると認識しておりまして、具体的な施策といたしましては、取引先企業に対する経営相談、支援機能の強化、事業再生に向けました積極的取組、担保・保証に過度に依存しない融資の推進等を掲げる地域密着型金融の機能強化の推進、中小企業の実態に即したきめ細かな金融検査の確保、金融機関に対する資金供与の円滑化の要請、これらに取り組んでおります。
なお、今回の改正では、貸金業者の上限金利を現在の実勢金利を下回る水準まで引き下げることとしていることから、急激な貸し渋り等により現在の借り手に大きな影響を与える可能性は、御指摘のとおり否定できないものでございまして、このため、急激な貸し渋り等による家計や企業へのダメージを防ぎ、借り手が無理のないペースで返済できるようにするための時間を確保しなければならないと考えております。
また、御指摘の多重債務対策本部につきましては、今週、官房長官としっかり協議をさせていただきたいと思っております。
○西田実仁君 是非ともよろしくお願いしたいと思います。
最後に、ちょっと細かい話で恐縮ですけれども、よく、今回の問題で、消費者金融の利用者に、業者が正規の業者なのかどうかということが、意外と、非常にいかにも本物の、本物というか正規の業者のように振る舞って、あるいはそうしたチラシを作って被害に遭ってしまう、やみ金の被害に遭ってしまうというようなケースも随分あるということも、私自身もお聞きしてまいりました。
今回の改正案の中でも、四十一条でしょうか、加入貸金業者の公衆縦覧ということがうたわれておりますけれども、見ようと思えば見れるというのではなくて、利用者がもっと手軽に本当の正規の業者なのかということを確認するすべというものも、これは整備していかなきゃいけないんではないかと私自身は思っておりますが、これをお聞きして、私、質問を終わりたいと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) 御指摘のとおり、現行の法律におきましても、当局、これは国と都道府県知事と二つございますけれども、登録貸金業者が一覧できる登録簿、これを一般の閲覧に供することとされているところでございます。
それから、貸金業協会にも、登録貸金業者の協会員の名簿を公衆の縦覧に供することを義務付けております。それから、貸金業者が貸付条件について広告を行うときは、この貸金業者の登録番号を表示することが義務付けられていることでございます。
こういった措置によって、制度的に担保されているわけでございますが、一層今後利用者が個々の業者につきまして正規の業者かどうか確認できるように、改正後においても適切な運用に努めてまいりたいと考えております。

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