財政金融委員会・第7号 2006-12-05


2006年12月5日

【質疑事項】
1.見直し規定について
2.過剰買付け規制ついて
3.多重債務等対策(生活福祉資金)について
4.ヤミ金融対策について

○西田まこと君 公明党の西田実仁でございます。
まず初めに、ちょっとこれ済みません、大臣、通告してなかったんですが、最初のことですので、題名の改正に込められた意義ということについて、今回、貸金業規制法という規制法ではなくて、貸金業法に改めるとこの第二条で定めておりまして、この転換の意義、そこに込められた意義ということについて冒頭お聞きしたいと思います。

○国務大臣(山本有二君) 今回の改正では、多重債務問題の解決のために様々な措置を講ずる中で、これまで多重債務問題を生んできた貸金業者につきまして、その業務の適正化を図るために、参入規制を強化する、業務運営上も行為規制、取立て規制を更に厳格化して、監督手法としましても現行の登録取消し等の処分に加えまして業務改善命令を導入することとしております。こうした改正によりまして、これまでのように不適格業者を排除するという観点だけではなくて、現行業者の業務を改善して適正化するという考え方に重点を移しておるわけでございます。
また、今回の改正は、リスクに応じた金利設定等、健全な競争を促進することによりまして、貸金業者を消費者金融マーケットの重要な担い手として位置付けるものでもございます。
このような観点から、規制による不適格業者の排除のみに主眼を置いたことの法律から、さらに題名についても規制というものを取りまして、貸金業法というように業法の観点を入れた次第でございます。

○西田まこと君 正に取締りを目的とする規制法から転換をして、そして健全な貸金業の育成、マーケットの育成ということに努めていくという、そういう意義が込められているというお話でございました。
この後、順次、今回の法改正がいわゆる多重債務者にどのような影響を与えていくのかということについてお聞きしたいと思いますが、やはり、先ほど御議論にもなりましたけれども、第十三条の二の過剰貸付け等の禁止ということにつきまして私の方からお聞きしたいというふうに思います。
この第十三条の二におきましては、二項におきましては、いわゆる三分の一ルールというものの適用除外というものが内閣府令で定めるというふうに置かれております。この例外規定についてどういうものなのかということについて、先ほど若干御議論がございました。私の方でも幾つか確認をさせていただきたいと思います。
この法案の概要を説明いただいたときにも、資料等にも、売却可能な資産がある場合というようなお話が先ほど大臣からもございました。まず初めに、この例外規定、府令でこれから定めるとされている例外規定については限定列挙のような形を取るのかどうか、またその内容、どういうことを想定を一応しておられるのかということについてお聞きしたいと思います。

○政府参考人(三國谷勝範君) お答え申し上げます。
今回の改正におきましては、借り手の返済能力を超えます過剰貸付けを防止するために総量規制の枠組み、これを導入することとしているところでございます。年収等を基準に三分の一を超える貸付けを原則禁止することとしておりますが、明らかに返済能力があると認められ、借り手の保護に支障を生じることがない契約につきましては、これは過剰貸付けとして禁止しないこととしております。
その具体的な内容といたしましては、例えば有価証券、これを持っている場合、あるいは近い将来に売却を予定している不動産等の資産があり返済能力が認められる場合などが該当する、こういう可能性があると考えておりますが、今後どういった場合に借り手の返済能力が定型的に認められ、健全なニーズと認められるのか、これは借入れの実態等を十分に踏まえながら、多重債務の発生防止の趣旨を没却しないよう慎重に検討を進めてまいりたいと考えております。

○西田まこと君 確認ですけれども、そうすると、じゃ限定列挙を府令でされていくということでよろしいんでしょうか。

○政府参考人(三國谷勝範君) いずれにしても、これがどういった場合に借り手の返済能力が定型的に認められるかと、こういった観点も必要でございまして、今申し上げましたように、流動可能な有価証券を持っている場合、こういったもの、あるいは近い将来に売却を予定している不動産、こういったものにつきまして、これをできるだけ定型化しながら、そういったものを定めていくということになろうかと考えております。

○西田まこと君 そうすると、売却可能、近い将来に売却可能というお話が今ございました。売却可能ということは、だれがどのようにして証明をすることになるんでしょうか。

○政府参考人(三國谷勝範君) 原則として禁止でございますので、そのそういった定型化が、そういったものが一つの型としてあった場合に、それに該当するかどうかということにつきましては、貸金業者等においてきちんとするものであるということを証明すると申しますか、自分でそれを証拠等として保存しておくと、こういったことが必要になろうかと思います。

○西田まこと君 業者の方が売却可能の可能性というものを証明するということでございました。これは別に担保に取って貸し付けるというのとは違いますね。

○政府参考人(三國谷勝範君) 御指摘のとおりでございまして、例えば具体的にはよく住宅の場合などがケースとして御関心を持たれる方も非常に多いんだと思うのでございますが、近い将来に売却を予定している不動産であれば、それは一つの返済能力と認められますけれども、売却を予定していない居宅などを担保とした貸付けで生活に支障を来すおそれが認められる場合などにつきましては、これは過剰貸付けとして禁止されることになると考えております。

○西田まこと君 そうすると、いわゆるおまとめローンのような形で今市場にもあるようでございますけれども、こうしたことは当然罰則の対象になるというふうに考えてよろしいでしょうか。
〔委員長退席、理事峰崎直樹君着席〕

○政府参考人(三國谷勝範君) まさしくそういった御指摘、そういった問題が生じませんように、借入れの実態等を十分に踏まえながら多重債務の発生防止の趣旨を没却しないよう、この辺は慎重に検討を進めてまいりたいと思っております。

○西田まこと君 もう一つ、客観的な証明というお話もございましたけれども、主観的な証明というのはやはりこれはないんでしょうね。つまり、業者がこれまでのいろんなノウハウとか、いろんないわゆる臭覚というものが業者によってはお持ちかもしれません。この人なら大丈夫だと思ったとか、そういう主観的なものはここで言う過剰貸付け等の禁止の例外にはならない、当たらないと、こういうふうな理解でよろしいでしょうか。

○政府参考人(三國谷勝範君) なるべく客観的な形でそういった類型化を行っていきたいと考えております。
いずれにいたしましても、この辺がどういった場合に借り手の返済能力が定型的に認められ、健全な資金ニーズと認められるのか、これはこれから借入れの実態などを十分に踏まえながら、多重債務の発生防止の趣旨をこれを没却しないように、私どもとしては慎重に検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

○西田まこと君 先ほど住宅を担保にしたローンというのは、これは罰則の対象になるというお話がございましたけれども、よく御存じのとおり、いわゆる英米では略奪的貸付けということについては禁止をしております。また、借入人が資産を売却しなければ返せないというようなケースはもちろん禁止しているわけでありますけれども、仮に売却可能な資産があって、いわゆる過剰貸付けの例外規定で貸し付けた場合、それであったとしても、それは売却可能だからそれを売って返せばいいということではなく、なるべく売却しなくて済むようにカウンセリングサービス等も、やっぱりそこはやらなきゃいけないんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(三國谷勝範君) カウンセリング対策は、その数量的な規制の基となると申しますか、その前段階と申しますか、あらゆる場合に家計管理それから債務管理、こういったものが組み合わされまして、あるいはそれぞれのニーズに応じまして、場合によっては家計管理の問題であり、場合によっては債務整理の問題であると、こういった形で応じていくこと、きめ細かく応じていけるような体制をできるだけこしらえていきたいということで、これからも多重債務者対策本部、こういったところの一つの大きなテーマとして私どもとしても取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

○西田まこと君 私もこの多重債務によって金融被害に遭っておられる方、随分お話を聞きましたが、なかなか、金融被害ではなくて普通に借りて健全にしている人の話というのは微に入り細に入りなかなか聞く機会が正直言ってなくて、ただ先日、ある方とお話ししていましたら、正にそういう意味では多重債務なんですが、月々滞ることなく普通に返している人の話をお聞きしました。
プライバシーにかなり立ち入るものですから、なかなか実態が分からなかったわけですけれども、この方は今銀行系のカードローン、それから通販系、そして信販系で五社から借りているんですね。加えて商工ローンも借りている、これは個人店舗をやっている人でありますので。その商工ローンまで含めますと、いわゆるその事業収入も含めて、その世帯、世帯というかその人の年間の収入の三分の一はもう優に超えているんです、もう半分ぐらいになっています、商工ローンがやっぱり大きいですから。
ここでお聞きしたいのはこの過剰貸付け等の禁止でございますけれども、これはあくまでも個人向けということですから、この商工ローンは外れると。事業向けということですので、多分そういうことになるんだろうと思いますが、その個人とか法人とかいっても、私の知っている知人の方は家で店舗をやっているという人ですので、ほとんど混然一体となっているわけですね、個人とか法人とかいっても一人でやっていますので。こういうようなケースが当然多くあろうかと思っておりまして、ここを、こういう個人事業主の場合、商工ローンも含めれば三分の一を優に超えますけれども、ここをどう考えるかなんですね。そこをちょっとお聞きしたいと思います。

○政府参考人(三國谷勝範君) 個人であれば明快でございますし、一方その方が全く事業者であるということであれば、これは事業性資金の問題になるわけでございますが、その事業をしている方が個人だったという場合にどうするかということかと思います。
この場合には、原則としてそれは個人貸付けということになりますけれども、今ほど申し上げました返済能力の調査ということになりますと、事業をやっておれば、その事業の計画の中でいろんな返済計画、これは合理的に見積もることがあり得るわけでございます。これは個人の言わば個人的な所得ベースではなくて、事業の中からいろいろな返済能力、返済計画というのが導かれてくるわけでございまして、これがきちんと返済能力があるとすれば、それは事業という性格の中でこれは認められる、それは返済能力があるという具合になってくることかと思います。

○西田まこと君 そうすると、こういう個人事業主が商工ローンを既に借りていて、今の段階でもう既に三分の一に近くなっていると、全体の年収のですね、給与プラス、給与というか事業収入とほかのアルバイトとかやっている収入でですね。そのときに追加で三分の一を超えるような個人向けのいわゆる消費者金融が貸付けがなされようとするときには、これはやっぱり実態を見て、貸していいか貸していけないかということを判断すると、こういうことになるんでしょうか。

○政府参考人(三國谷勝範君) 例えば、その方が、事業の方につきましては事業の方できちんと返済計画が立つであろうと。しかし一方で、個人として個人の消費用に借りるとすれば、そこのところは個人の生活でございますから、個人の収入の中から返済をするわけでございますから、それはこちらの方で三分の一原則が掛かると。一方、事業の方は事業の方で、そこがきちんと事業の中での返済計画が認められれば、それはその中で返済能力が証明されると、こういうことになろうかと思います。

○西田まこと君 そうやってきれいに分かれれば一番いいんですけれども、実際は事業がうまくいっていなくて、その人はアルバイトをやっているんですね。アルバイトを幾つか深夜とかもやっていて、ようやくこの返済するお金を生み出しているんですね。そうすると、このアルバイトは多分個人のアルバイトですね。店舗の方は余りうまくいっていないんで事業収入は非常に少ないと。こういうなかなか個人と法人とはっきりと分けていくといっても同じ財布の中にあって、大規模、大規模じゃなくてもかなりの規模の事業主であれば別ですけれども、本当に一人でやっているようなケースは、これはなかなか難しいんだろうなと思うわけですけれども、いかがですか。

○政府参考人(三國谷勝範君) まさしくそれはいろいろ個別の実態に応じまして、それぞれの事業と個人のそういった借入れの組合せに応じまして、それは貸金業者の方でそういった返済能力があるということを証明していただくと、こういう話になろうかと思います。

○西田まこと君 分かりました。実態をよく見て、いずれにしてもやっていただくということが大事だと思っております。
それから、ちょっと飛びますが、「検討」というところ、第六十七条のところをお聞きしたいと思います。いわゆるこの見直し規定と言われるところでございますけれども、これにつきまして先ほど午前中のたしか議論の中でも触れられていたかと思いますけれども、この見直し規定は必ずしも特例金利という、あったこの議論を想定しているわけではないというたしか御答弁があったろうかと思っております。これはそういうことでよろしいんでしょうか。

○副大臣(渡辺喜美君) 午前中答弁したのはそういうことでございます。

○西田まこと君 ということは、これから見直しをしていく、いろんな状況が想定外だというようなことも起きるかもしれないということで、この見直し規定というのが入っていると思いますけれども、そのときには当然いろんな状況で金利も見直すこともあるということも含んでいるんでしょうか、それともそれは全く含んでないんでしょうか、この条文を読む限りでは金利も含んでいるように思うわけでありますけれども、いかがでございましょうか。

○副大臣(渡辺喜美君) 金利について一定の方向性を持った見直しは考えておりません。あくまでも多重債務者をなくす、みなし弁済規定を廃止をする、出資法の上限金利を引き下げる、そういった中で必要性があれば、そういったことの実現のための見直しを行うということでございます。

○西田まこと君 大臣にお聞きしたいと思いますけれども、この特例金利を最初から設けて、本当に借りたい人が借りられないということがあっては困るという趣旨で当初は特例金利が設けられていたかというふうに私は理解しておりますが、最終的には、いろんな議論があった末、最初からはその特例金利は設けないと、こういうふうになりました。初めに特例金利ありきなのか、それともいろんな状況を見て、必要とあらばいろんなことを考えるという方が、どちらがいいのかということはそれぞれメリット、デメリットがあると思いますけれども、現時点で大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
〔理事峰崎直樹君退席、委員長着席〕

○国務大臣(山本有二君) 御質問に正確な答えになっているかどうかちょっと分かりませんが、今回の改正におきまして、政府が改正法の施行後二年六か月以内に施行後の資金需給の状況その他の経済金融情勢や貸金業者の業務実態などを勘案して、上限金利の引下げや総量規制を円滑に施行するために講ずべき施策の必要性の有無について検討を加え、その結果に応じて所要の見直しを行うことといたしました。
現時点で見直しの具体的なテーマや方向性を念頭に置いているわけではございませんが、この見直しにつきましては今後、内閣官房に設置される予定の多重債務者対策本部を中心に議論されるものと考えておりまして、与党ともよく御相談しながら検討を進めてまいるところでございます。したがって、どちらとも言えないという回答であります。

○西田まこと君 せっかく法案を良い形でまとめていこうということでありますので、これからそれがより良く社会に根付くようなことをしっかりと私どもも注視をしていきたいと思っております。
次ですけれども、「政府の責務」というところの第六十六条について、今日は菅原政務官も大変お忙しいところ、急遽お越しいただきまして、誠にありがとうございます。生活福祉資金貸付けにつきましてお聞きしたいというふうに思います。
この生活福祉資金貸付制度そのものは、昭和三十年に創設されて以来、様々な利用変遷を経てきておると私たち承知しておりますけれども、今回のこの多重債務問題につきましていろいろ議論していく中で、やはり消費者金融にも頼らない、だけれども大変に必要なときに何らかの公的な資金というものが貸し付けられるということが必要ではないかという議論も随分となされてまいりました。
そこで、この生活福祉資金貸付制度というものをつぶさに見てまいりますと、平成十六年度末の段階では貸付原資が一千百三十五億円と、そのうち貸付け今している金額が八百四十六億円。こういうことでございます。この流れは、簡単に説明しますと、国と県とが貸付原資を分かち合って出しまして、そして都道府県でそれぞれの社会福祉協議会等の審議を経て貸し付けられるということのようでございますけれども、これは、全国でこうした生活福祉資金について実施していない県もあるやに聞いておるんですね。また、この生活福祉資金貸付けが必ずしも十分に活用されていないという、今申し上げた都道府県のこともそうですけれども、中身としてもなかなか十分に活用されていないんじゃないか。また、市町村等で私もいろんな声をお聞きしますけれども、なかなか借りにくいと、あるいは知らなかったというようなこともお聞きします。
このセーフティーネットとも言うべき生活福祉資金制度が、今現状どういうふうに見ておられて、改善すべきとすればどういうところを改善すべきだというふうに思っておられるのか、お聞きしたいと思います。

○大臣政務官(菅原一秀君) 西田先生お話しございました生活福祉資金の貸付制度、昭和三十年から既に五十年の歴史を持つわけでございますが、今御指摘ありましたように、各県によっては利用されていない、活用されていない、このようにPR不足の点があったのか、あるいは、この制度の中において、これまで平成十三年、十六年と、それこそいろいろなニーズに応じまして改正をしてきて、とりわけ離職者の支援資金あるいは緊急小口資金といったものも創設をしてきたところでございます。
そういった中で、今、各県、すべてどこが実施をしていていないのか、またそれはなぜなのか、今つぶさにここに資料はございません、把握いたしておりませんが、いずれにいたしましても、この資金が、本来の事業の性格からいたしまして一定の貸付要件を設定することが制度上、運営上必要と考えているわけでございますが、現行制度の活用によって、今先生が御指摘をされました多重債務の、あるいは多重債務に陥る前のセーフティーネットとしてしっかりその低所得者の経済的な自立あるいは支援というものにつながるように考えていきたい、このように思っております。

○西田まこと君 今御指摘いただいたとおり、この生活福祉資金貸付けと一言で申し上げましても随分いろんな種類がございまして、緊急小口資金というのは、今政務官も御指摘いただきましたが、緊急に三%の金利で五万円を借りれるというものでございます。そもそもこの緊急小口資金は、消費者金融に頼らずに当面の生活費を確保するために創設をされたというふうに理解しているわけであります。
私はここで、この緊急小口資金も含めて、全般的な生活福祉資金につきまして是非ともお話をさしていただきたいことは、一つは、PRが不足しているからなかなか使われていないんではないかというような指摘もございますけれども、それも一因かと思います、しかしながら、より重要なことは、この資金の持っている性格、その構造そのものがなかなか積極的に貸し付けられないということにつながっているんではないかというふうに私はやや疑問に思っているところがございます。
というのは、そもそも、簡単に言えばこのお金自体は償還金を原資として貸し付けるという仕組みになっているわけですね。ですから、簡単に言えば、返ってくるところのお金、返ってきたお金で更に貸すと。そういうことどんどん行くと、返ってきそうもないところには貸さないと、当たり前ですけれども、そういうことになるわけですね。実際に、この生活福祉資金の中身を見ると、ほとんど六割近くが学資資金として使われている。それは、一番そういう意味では返ってきやすいというか、いうことなんだろうというふうに想像するわけでありますけれども。
幾つかのこれまでの変遷がございます。一九八四年には厚生省社会局生活課長通知というものが出されておりまして、支払免除に係る償還金の元金に相当する額は欠損補てん金を取り崩しこれを貸付資金に充当しなさいと、こういう通知が出ています。しかしながら、この償還支払免除や償却等によって欠損補てん積立金そのものが不足しています。不足していますので、貸付資金に充当できない自治体が増えている。
ということもありまして、また、九〇年には、要保護状態に対する支払免除規定を除外するというようなことも出ております。こうしたことが重なっていって、結局貸し付けする原資そのものがまずなくなってきていると。さっき申し上げたとおり、返ってきたお金で新しく貸すということになっていますので、返ってきそうもないところというのにはもう貸したがらないと、あんまりPRしたくないと、消極的にどうしてもなってしまう、原資がどんどん減っているから、こういう構造があるんじゃないかと私は思うんですね。
そうすると、じゃ、もしこれを、この多重債務問題、これからいろいろと対策本部の中で議論していく中で、セーフティーネットとして本当に機能させようと思えば、原資を増やすということが一つ、それから次には償還金を増やすと、そして三つ目には、やはりこれ給付事業にしなきゃいけないと、大体三つとしてはこういうことしかないんじゃないかと思うんです。
今申し上げた、二つ目の償還金を増やすというのは、これはそもそものねらいからしておかしいじゃないかというふうに思います。もちろんモラルハザード等は防がなきゃいけないわけでありますけれども、しかし、返ってきそうなところにしか貸さないんであれば何のためのセーフティーネットかということにもなりかねないわけでありまして、そうしますと、やはりこれは貸し付ける原資そのものをもうちょっと厚くしていくということにするのか、あるいは、そもそもその返ってきたお金で貸すという仕組みではなくて給付事業にするのか、こういう方途を取らない限りは、なかなか十分に機能しないんではないか。
単にPRが不足しているからとか、そういうことではないんではないかというふうに私は問題意識として持っておりますけれども、その点、もし御所見がありましたらお願いします。

○大臣政務官(菅原一秀君) 西田先生、るる詳しくお話を賜りました。
今、一千百三十五億円の貸付原資で、貸付け現在しているのが八百四十六億、ただし、御案内のとおり、離職者の支援資金分、これがこのほかに九百六十四億、実際にはそれが百三十七億貸付けをしておりますが、合わせますと、大体ボリューム的には二千百億円の原資がございます。そして、現在半分がその貸付けをしているわけでございまして、そういう意味では、この歴史的な経過の中で、原資自体は減っていないというふうな私ども認識をしております。そして、また前段の御質問のときに、どこの県の社会福祉協議会が行っていないかということでございますが、大変申し訳ございません、佐賀県のみやっておりませんで、あとの四十六都道府県の言わば社協においては実施をしているということでございます。
ただ、この資金、今先生御指摘のように、多重債務者を何としても救済しなければいけない、しかし、この資金の趣旨あるいは目的といいますのは、それぞれ更生資金であったり福祉資金であったり住宅資金であったり、療養、介護の資金であったり、こうした福祉目的のためということでこの制度が今日まで継続され、そしてまた多くの人々を救ってきたというような認識を持っております。
そして、給付にすべきではないかという御指摘、これもなるほどなという思いはいたしますが、あくまでも貸付けをして、そしてまたお返しをしていただく、その中で運営をしていくということでこの事業の目的を達していきたいと、厚生労働省としてはこのように考えておりますが、金融庁を始め、他省庁ともよく協議をしながら、先生の趣旨を踏まえて、今後どうあるべきか努めてまいりたい、このように考えております。

○西田まこと君 特に多重債務の問題解決との関係で言いますと、先ほど申し上げたこの緊急小口資金がそもそも創設された背景には、当面の生活費を確保するときに、すぐに消費者金融に行くんではなくて、こういう緊急小口資金というのがあるからという趣旨でできているはずなんですね。それが今、まだ一億とか、十六年度で四億ということで、すごい増えています。それだけニーズがあるということだと思うんですよ。ですから、この生活福祉資金全体の制度設計をどうするかということの中に、特に多重債務の問題を考えるのであれば、この緊急小口資金というところをやはり特出しして考えなきゃいけないんじゃないか、そのときには、県によっては、あるいは市町村によってはそうしているところもございますけれども、今の五万円というのがちょっと少な過ぎるんじゃないかと。十万円でやっているところもあります。そんなこともちょっと検討の一つに入れていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○大臣政務官(菅原一秀君) この貸付原資、御案内のとおり、国が三分の二、都道府県が三分の一それぞれ負担をいたしております。
したがいまして、今の御指摘、都道府県各社会福祉協議会等々とよく協議をしながらそうした方向に向けて努めていきたいと、このように思っております。

○西田まこと君 済みません、一つだけ。
もう一つ申し上げますと、この制度自体を利用している世帯がどういう生活実態になっているのかということが正直言ってそんなにつまびらかじゃないんじゃないかと思うんですね。ですから、いい制度にしていくためには、私もある程度想像で言っているところもありますので、私が言っていることはすべていいとは言いませんが、それを今利用している人たちがどういう生活実態なのかということをしっかりと把握をするということがまず最初の段階で必要だということも思っておりますので、その点についてもちょっとお考えをお聞きしたいと思います。

○大臣政務官(菅原一秀君) あくまでも低所得者世帯の一時的な生活支援あるいは経済的な自立を促すという目的を持っております。
ただ、多重債務者の中には、努力をして頑張って仕方なく多重債務に陥った方もいれば、言わば、具体的にはあれですけど、パチンコ、マージャン等々ギャンブル等でそのような方向になった方々もいらっしゃる。いろいろな状況はあるんではないか。
そういう意味では、西田先生おっしゃるように、その現状、対象者、よく調査をして把握をしてしっかり多角的に努めてまいりたいと、このように思っています。

○西田まこと君 ありがとうございました。
最後に、このやみ金融取締り体制ということでお聞きしたいと思いましたが、午前中にも議論がございましたので、一つだけお聞きするようにします。
貸金業者がこの改正法によって大量廃業をするかもしれないということがよく言われております。懸念としてはあり得るんだろうなというふうにも正直思うわけでございます。その際に、残ったこのローン債権の処理ということに困って、債権譲渡や回収を委託してトラブルが発生しかねないと、こういう問題がよく指摘もされております。こうした違法回収の広がりをどう防いでいくのかということについて、午前中だったと思いますけれども、御議論がございました。
今日は、特にサービサー法との関連で法務省の方に来ていただいていますので、そのことだけ申し訳ないですけれどもお聞きしたいと思いますが、残債を回収代行するサービサーでございますけれども、だれがその回収をするのかというところの問題で、不良債権か正常債権かということの分かれ目がなかなかはっきりしていないので実際難しいんじゃないかというようなことが言われております。
この違法回収をどう防ぐのかということと、だれが回収代行等も含めてするのかということについて、法務省からお答えいただきたいと思います。

○政府参考人(菊池洋一君) お答え申し上げます。
他人の債権を回収するという言わば法律事務に当たる場合には、弁護士法によりまして、原則として弁護士でなければすることができないということになっておりますが、今委員御指摘のとおり、債権回収会社、いわゆるサービサーは、特別の措置法によりまして、弁護士法の特例といたしまして、貸金業者の貸付債権等一定の範囲の債権を譲り受けて回収をする、あるいは管理、回収の委託を受けて回収をするということができることになっております。したがいまして、そのような場合で言いますと、管理、回収をするのはサービサーであるということになります。
それから、不良債権か正常債権かというお尋ねでございますが、サービサー法では特定金銭債権という言葉で定められておりまして、不良債権かどうかということではございませんので、どのような債権でも取り扱うことができると。
ただ、委員御指摘の点は、もしかしたら弁護士法との関係かもしれません。弁護士法につきましては、法律事件については原則として弁護士でなければできないということになっております。この法律事件というのは、貸手と借り手の間に争いがある、例えば債権の存在自体に認識の不一致があった争いがあるとか債権の額について争いがあると、そういう争いがある場合については、法律事件として、原則として弁護士でなければできないけれども、サービサーはその特例として管理、回収ができると、こういうことになっております。

○西田まこと君 終わります。

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