財政金融委員会・第5号 2006-11-30


2006年11月30日

【質疑事項】
1.人の移動を含むEPAについて
2.関税割当制度について
3.経済連携協定の締結及び国内法制の簡素化について
4.税関のテロ対策について

○西田まこと君 公明党の西田実仁でございます。
まず、初めに大臣にお伺いしたいと思いますけれども、先ほどの御答弁でもございましたけれども、この経済連携協定の促進に積極的に取り組んでいきたいという決意表明もなされておられました。この経済連携協定を積極的に迅速に締結をしていくということの中には、国内の法体制をどう簡素化していくのかということも含まれてくるんじゃないかというふうに思われるわけであります。
この経済連携協定に係る積極的な取組ということについて、その早期発効に向けた国内手続の迅速化ということを考えたときには、今既にシンガポール、メキシコ、マレーシアとそれぞれ、関税暫定措置法を条文を追加していく形で様々なことを法定しているわけでございますけれども、こうした個々の協定の署名の都度に条文追加するんではなくて、かなり共通できるところは包括的に一般的な規定化というのが必要ではないかという議論もこれまで随分なされてきていると思うんですね。
そうした観点から、大臣には是非、この連携協定の早期発効に向けた国内手続の迅速化と、こういう観点からお答えいただければと思います。

○国務大臣(尾身幸次君) この連携協定は、アジアの活力を日本に取り込むということと、また、日本のいろんな意味でのエネルギーをアジア各国の繁栄のためにもプラスに働かせるというウイン・ウインの関係であるというふうに考えておりまして、私どもこれを前向きに進めていきたいと考えているわけでございます。
さはさりながら、それぞれの国によりましていろんな経済事情の違い、産業構造の違い等がございますから、そこにおのずからそれぞれの国との連携協定の内容が違っているところもございます。そしてまた、国内におきましてもいろんな関係省庁が所管が異なるわけでございまして、その相手国に応じましてどういう問題があるかということを取り上げ、そしてまたその解決を図りながら全体としては前向きに進めていくという考え方でございまして、そういう意味で、先ほど申しましたEPAを促進する体制を一元的に取りながら積極的にこれを進めていきたいと考えている次第でございます。

○政府参考人(青山幸恭君) 今の大臣の御答弁をちょっと補足させていただきます。
EPAの締結の際には、これまで二国間のセーフガード制度と二国間の関税割当て制度に関します規定の整備をその都度行ってきたということでございます。税率とかあるいは原産地規則等につきましては、これは条約を直接適用したということでございます。
これらの制度につきましては、交渉相手国によりまして、先ほど大臣からお話ございましたように、具体的な内容の細部につきまして若干の差異がございますので、暫定措置法の改正に当たっては個々の協定ごとに規定の整備を行ってきたということでございます。
〔委員長退席、理事峰崎直樹君着席〕
今のお話でございますが、規定の一般化という議論でございますが、これは実は日・メキシコEPAの締結に伴います、ちょうど二年前でございますが、当委員会におきまする関税暫定措置法の改正におきます国会の審議の場におきましても御指摘をいただいておるわけでございまして、今般でこれ四回目になっております。
今後のいろいろな交渉の進展を見つつ、包括的に手当てすることができるかどうかという点につきましても、今後、私ども事務当局といたしまして十分検討を進めてまいりたいというふうに思っております。

○西田まこと君 正にこの経済連携協定の締結の実績が蓄積された一定の成果が上がってきますと、今言われたような規定の一般化ということの法的な可能性も出てくるんではないかというふうにも思っておりますので、引き続き是非御検討いただければと思います。
続きまして、関税割当て制度につきまして農水省の方にお聞きしたいと思いますが、今回のこの関税割当て制度の中身ですけれども、関税割当て制度と一言で言ってもいろんな種類があろうかと思いますが、今回のフィリピンとの連携協定においては事前割当て方式というのが取られているわけでございます。
この事前割当て方式ですけど、メキシコとの場合には、それ以外にも輸出国管理方式とかシーリング方式とか市場開拓方式とか様々な方式が取られているわけでございますが、なぜ今回、フィリピンとの経済連携協定におきましては事前割当て方式というものが取られたのか、その背景についてお聞きできればと思います。

○政府参考人(山下正行君) 農産物の関税割当て制度の運用、特に事前割当て制度の運用についてのお尋ねでございますけれども、関税割当て制度の割当てに当たりましては、その申請手続、それから資格要件、割当て基準等に関し、あらかじめ品目ごとに具体的かつ詳細に定めて公表し、運用の透明性の確保に十分に配慮しているところでございます。
今回、日・フィリピン経済連携協定におきまして、幾つかの農産物につきまして関税割当て制度が設定されまして、けれども、フィリピン側の強い要望によりまして事前割当てによる実施が合意されたところでございます。
交渉の詳細につきましては差し控えさせていただきたいと思いますけれども、フィリピン側から、行政負担につきまして日本側の方でやってくれないかと、行政負担をかんがみると日本側の方でやってくれないかという、そういうことがあったと聞いております。

○西田まこと君 正に、事前割当て方式と輸出国管理方式との最大の違いは今の行政負担の問題だろうというふうに思いますが、この事前割当て方式におきましては、輸入者がですね、申請者が農水省に対して申請をし、それに対して農水省の方から審査をするということになるわけでございます。その輸入者に対する審査の厳格度が事前割当て方式と輸出国管理方式とは随分違うということでございますけれども、一方、この事前割当て方式ということは、その審査する基準というのがあろうかと思いますので、まずこれについて農水省にお聞きしたいと思います。

○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
農産物に関する関税割当て制度につきましては、品目の特性などに応じまして、原材料として使用する製造者、いわゆる実需者への割当てと、それから商社等輸入者への割当てがございます。
で、実需者への割当てにつきましては、その対象となる産品が確実に輸入され使用されることに留意をして行っておるわけでございますけれども、新規参入者であっても、製造設備を有しているなど既存の業者と同一の要件を満たしている場合には割当てを実施しているということでございます。
また、商社等への、輸入者への割当てにつきましては、新規参入者を念頭に置いた枠を設定するなど、その運用の透明性、公平性の確保に努めているところでございます。

○西田まこと君 そうしますと、やはり輸入の実績というのが一つの審査の基準にも入っているというふうに思われますが、この申請者の輸入の実績が考慮されるということになると、よく指摘されることは、これでは新規参入者の障害になるんじゃないかというようなことも指摘されたりします。それを回避する意味で、例えばオークション方式というようなやり方もあると聞いておりますけれども、こうした懸念を、その新規参入者が参入する場合に障害になるんではないかという懸念をどう回避していくのかということについてお答えいただきたいと思います。

○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
関税割当て制度、特に今先生お尋ねの事前割当て制度でございますが、すべて、対象となっているすべての産品につきまして新規参入が可能でございます。実際の割当てに当たりましては、その数量枠の範囲内におきまして、申請者による当該物品の使用計画等を勘案いたしまして適正な割当てを行っているところでございます。

○西田まこと君 では次に、今回のEPAは人の移動を含むという点でこれまでも様々御指摘がございました。そのことにつきまして法務省並びに外務省の皆さんにお聞きしたいと思います。
具体的にお聞きしたいのは、特に、今回のEPAではございませんけれども、全般的な人の移動ということで研修・技能実習制度についてお聞きしたいと思います。
この制度が平成五年にできまして、当初は研修・技能実習の滞在期間は二年間であったと、それが平成九年に三年に延長したというふうに承知をしておりますが、ちょうどこの滞在期間ということにつきましてはもう見直して十年がたとうとしているわけでございまして、この延長ということにつきましても、見直しということにつきましても、様々な関係各機関で御議論いただいていることも承知をしております。
〔理事峰崎直樹君退席、委員長着席〕
目的がそもそも、この研修・技能実習制度の目的というのは、技術移転による国際貢献ということが第一の目的になっているということでございますが、それはもちろん、目的に対してどの程度それが達成されているのかという議論は大きくあろうかと思います。あろうかと思いますが、実態も見なければいけないというふうに思っております。
私、地元は埼玉でございますけれども、この埼玉におきましても、様々な業種におきまして研修・技能実習制度を活用した技術の移転ということが行われておりまして、例えば埼玉の戸田市というところでは、製本とか加工等の印刷とかの業種が多いわけでございますけれども、そこにおきましてはかなりそうした研修・技能実習制度を用いた技術移転というのが行われる、日本の製本、印刷技術は非常に高いわけでございまして。
そこで、例えば研修生、実習生の方から出ている議論としては、実態としての実態論を申し上げたいと思うんですけれども、自国での借金をして来ている場合も数多くございますし、また家族への仕送りというのもあったりして、三年というのはやっぱり短いんじゃないかというような、これは本来の目的とは違うと言われればそうなんですが、実態の話をしているわけでございます。また、企業の方も、三年でようやく仕事に、仕事というか、技術移転がようやくその初期段階が終わって、いよいよこれからというときに帰国しなきゃいけないと、こういうような話も聞いております。
そこで、結論めいたことはここではおっしゃることは難しいとは思いますけれども、議論として、滞在期間の三年から五年への延長と、その場合に、どういうような枠組みで国内雇用市場への影響を考えていくのか、あるいは滞在の長期化による社会への様々な影響もどう考えていくのか。これは大変難しい深い問題、議論が必要かと思いますけれども、今の段階で、今申し上げた私の問題意識からして、この研修・技能実習制度の滞在期間の延長ということについてお考えをお聞かせいただければと思います。

○政府参考人(齊藤雄彦君) お答えいたします。
現行の制度におきましては、研修及び技能実習制度を合わせまして最長三年ということはもう委員御案内のとおりでございます。一方、最長の滞在期間の延長を求めるという意見が多方面から出ておるということも重々承知しているところでございます。
他方、一方、研修・技能実習制度の悪用事例というものも各方面から指摘されているところでございまして、法務省といたしましては、現在、関係省庁、関係機関と連携しつつ、このような不正研修・技能実習事案の排除に強力に取り組んでいるところでございます。
これらの結果も踏まえまして、研修・技能実習の適正化の観点から、委員御指摘の最長滞在期間の見直し等も含めまして、そういうことの可否も是非も含めまして、その制度の見直しに早急に取り組んでいきたいということになるというふうに考えているところでございます。

○西田まこと君 是非、この制度の目的ということもありますし、一方で、既に実態が進んでいるという、両方あると思いますし、当然違法なことをしていることについては罰則も強化していくという側面も必要だというのももっともでございまして、是非熱心な議論をお願いしたいと思います。
残りの時間、最後でございますけれども、税関のテロ対策につきまして最後お聞きしたいと思います。
この七月に税関組織が再編をされております。その際、様々テロ対策ということで、言えないことも多々あろうかと思いますけれども、おっしゃれる範囲で、テロ対策という観点から、どのような今回の税関組織の再編がそれに資するのかということについてお聞きしたいと思います。

○政府参考人(青山幸恭君) 御指摘の税関をめぐるテロ対策という議論でございますが、今回七月一日に、取締りなりあるいは検査機能をまず集約させようというのが一つございます。もう一つは、情報分析と管理機能を集約させようと、こういう観点から新しく見直したわけでございまして、新しい私ども監視部というのがございますが、ここは事前の情報を活用しながら輸出入通関にかかわる物流の中で一貫した貨物の取締りを行いましょうということで、テロ関連の物資を含めまして、いわゆるハード面等の取締りを強力に行うということが一つでございます。
調査部というのが、新しくつくりましたが、ここではテロの関連の情報を含みますようないわゆるインテリジェンスな情報の分析あるいは管理機能を統合強化しておりまして、そういう中で犯則調査に結び付けると、こういうのがねらいでございます。

○西田まこと君 今おっしゃったとおり、様々な対策が打たれておりますけれども、テロリスクをより正確に把握していくということが必要になってくるわけでありますけれども、そのための情報収集体制、また分析体制ということについては、これは各地区の税関のその機能だけではなくて、いろんな関係諸機関との連携強化ということが大事になってくるんじゃないかと思うんですね。そういう場合には、やっぱりそれぞれの各地区の税関にそのテロ対策についていろいろと各機関が協議をするような委員会的なものも必要なのかなという感じもしているわけでありますけれども、その点について最後お聞きして、終わりたいと思います。

○副大臣(富田茂之君) 税関におきましては、テロに対する情報につきまして、まず、警察等国内関係機関との密接な連携の確保、そして次に、税関の国際機関である世界税関機構を中心とする国際的な情報交換ネットワーク等を活用した外国税関当局等との情報交換の実施、そして東京税関内に設置されております全国センター機構にテロ専担班を設置しました。そしてまた、各種通関情報等を蓄積した通関情報処理システム等の税関システムを積極的に活用するなど、その収集・分析体制の強化を図っております。
今、局長の方から御説明ありましたが、本年七月の機構の見直しにおきましては、テロや不正薬物等の密輸出入などに関する情報収集・分析体制を強化するため、各情報部門を統合して調査部を設置しまして、情報の一元化及び情報分析支援機能の強化を図ったところであります。
また、関税制度面におきましても、平成十八年度関税改正におきまして、政府が一体となって実施しているテロ対策の一環として、外国貿易機等の旅客、乗組員及び積荷に関する事項について入港前の報告を義務化したところであり、来年二月から施行する予定であります。
財務省としましては、税関において今後とも、関係機関との密接な連携の下、情報収集・分析の強化に努めてまいりたいと思っております。

○西田まこと君 終わります。

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