財政金融委員会・9号 2007-03-29


2007年3月29日

【質疑事項】
1.日本の港湾や物流産業の国際競争力について
2.日本の物流産業の国際競争力を高めるための改革について
3.特定輸出者申告制度について
4.安全保障輸出管理について
5.次世代シングル・ウインドウについて

本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)

○委員長(家西悟君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
関税定率法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として財務省関税局長青山幸恭君外八名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。

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○委員長(家西悟君) 関税定率法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。

○西田まこと君 公明党の西田実仁でございます。
今般の関税定率法の改正案につきまして、幾つか確認をさせていただきながら質問をさせていただければと思っております。
お手元に配らせていただきましたものは、新聞社、業界紙でございますけれども、昨年の一年間のコンテナ取扱量をランキングしたものでございまして、トップ二十が記されております。これ見ていただければもう一目瞭然なんですが、まず分かることは、日本はどこにもないということで、東京港も神戸港もないわけでございまして、トップテンの港を見ますと、これは括弧内が前年でございますので、上から十位は去年も一昨年も変わらない、前年と同様ということでございます。
ちょっとコピーですので分かりにくいかもしれませんけれども、やや網掛けをしているところが中国関係でございまして、大変に中国勢が大きく躍進しているということもお分かりいただけるんじゃないかというふうに思うわけであります。
一方で、そういう大変に競っている方としては韓国が、伸びとしては釜山なんかを見るとやや苦戦を強いられているということもありまして、この韓国ではいろんな物流特区を設定したり様々な規制緩和をしたりして環境整備を進めているわけであります。
このランキングを見る限りは、やはり日本は、もう物量だけではとてもではないけれども対抗し得ない状況にもう日本の港というのは来ているんだろうというふうに思います。
私も、一昨年でございますけれども、党の方の派遣で香港を訪問したことがございまして、その際、民間の企業でありますハチソンという大きな財閥がございますけれども、このハチソンが運営しておりますターミナルを視察する機会がございました。ここのターミナルは一つだけで東京港の二倍強、二・五倍ぐらいの扱いがあるというふうに言っておりました。二十四時間稼働して、電子情報の事前情報を生かしながら、大変狭いスペースでありますけれども、縦にコンテナを積み上げていって大変効率的に運営をされておられまして、私も大変に勉強になったわけでございます。
こうしたことを踏まえて、まず日本の港湾の競争力ということにつきまして、今日は国交省の方にもお見えいただいていると思いますので、どう認識されているのか。日本の港湾の競争力が、いろんな日本に産業ございますけれども、そういう中で、そういうものと比べてどういう国際競争力を持っているのか、そういう認識をしているのかということについて、まずお聞きしたいと思います。

○政府参考人(林田博君) お答えを申し上げます。
近年、アジア域内におきまして港湾間競争が激しさを増す中で、我が国港湾は相対的にその地位を低下させております。委員御指摘のとおりでございます。これは、アジアの諸港を始めとする海外の港湾と比較してコンテナの貨物一個当たりの取扱コストが我が国の場合高うございます。また、船舶が入港してから輸入貨物を引き取るまでの時間、リードタイムと申しておりますが、この時間が長いというようなことなど、サービス水準が低いことなどによるものと認識をしております。
〔委員長退席、理事峰崎直樹君着席〕
このため、現在、京浜港、伊勢湾、阪神港などにおきまして、平成二十二年度までに、港湾コストは韓国の釜山港、台湾の高雄港並みとなる約三割低減、リードタイムはシンガポール港並みの約一日程度に短縮することを目標にスーパー中枢港湾プロジェクトを推進しております。
スーパー中枢港湾におきましては、コンテナ船の大型化に対応した高規格コンテナターミナルの早期整備を行いつつ、これを一体的かつ効率的に運営するメガターミナルオペレーターの育成を図ること、さらに、港湾行政における手続の統一、簡素化の促進、港湾の二十四時間運営を支援する取組を進めるなど、官民連携の下でソフト、ハードが一体となった総合的な施策を実施しております。
また、アジアなど海外の成長や活力を取り込み国際競争力を強化する取組を推進し、アジアのゲートウェイ機能を向上させるため、スーパー中枢港湾を始めとする国際港湾におきまして、ターミナルと一体となって稼働する臨海部の物流拠点を形成することによりまして物流産業活動を支援し、国際水準を上回る港湾サービスの一層の向上を図ることが重要と考えております。

○西田まこと君 今御丁寧にいろいろと御答弁いただきましたけれども、今回のこの関税定率法の改正も、正にそうした国際競争力、港湾も含めてでございますけれども、港湾も含めた物流、また物流産業の国際競争力、これを強化していくための一つの環境整備として通関制度を改善していこうと、こういうことが大きなねらいだろうというふうに思うわけであります。
そこで、こうした日本の物流産業の国際競争力を高めるために、じゃどういう改革が必要なのかということについて、この法案の中身にも、そこに随分盛り込まれておりますのでお聞きしたいと思いますが。
昨年末に国際物流競争力パートナーシップ会議というのが開かれておりまして、ここでは、経済産業省、国土交通省、そして財務省関税局が連携してのいわゆる行動計画というのが策定をされております。その中身は、二〇一五年のASEAN統合というものを視野に入れて中長期的にASEAN域内での物流コスト及びリードタイムの半減を目指すと、こういうことで一言で言えば行動計画は作られていると思いますが、この行動計画は大きく二つ中身がございまして、一つはASEAN各国に働き掛けていく内容と、もう一つは日本自身が取り組むべき内容というのに大きく分かれると思います。
そこで、まず、ASEAN各国に働き掛ける内容として行動計画に盛り込まれておりますASEAN統合に向けた輸出入通関手続の電子化に関する行動指針、行動計画というのが盛り込まれております。具体的には、ASEAN各国のシングルウインドーをどう構築していくのか、それをどう支援していくのか、人材面、また資金面、こうした支援を今後どういうふうに進めていこうとされているのか、お聞きしたいと思います。

○政府参考人(青山幸恭君) 御指摘の物流パートナーシップの件でございます。二つございまして、委員御指摘のとおり、国内をどうするかという議論、これは今国会、今お願いしておりますような法律の議論と、あとはシステムの議論がございます。それからあと、ASEAN各国をどうするか、ASEAN域内全体をどうするかと、こういう問題に分かれます。
ASEANの域内で見ますと、やはりそれぞれ国ごとによりましてかなり電子化のばらつきがございます。まだ全然できていないところもありますし、マレーシア等かなり進んだところもございます。もちろんシンガポールは一番進んでいるわけでございます。こういう点を中心にいたしまして、私どもNACCSセンター等を利用しまして、そこら辺の全体のシステムをどういうふうに考えていくのかということを中心にASEANとの関係をいろいろつくっていこうということで、各国ごとにそれぞれ、私ども関税局からも人を派遣いたしまして、どういう状況になっているのか、あるいは具体的にどういうことで何をこれからしたいのかという点を含めて、今後また検討させていただきたいと。
それに応じまして、いわゆるキャパシティービルディング、能力構築なり、あるいは技術支援を行うというような形をやっていくということがまず大事だと思っておるわけでございます。そのためにシステムをどうやって構築させるか、さらには日本とどうやってつなげるかという点も出てまいるわけでございまして、ここら辺がやはりこれからのキーポイントになろうかというふうに思っているわけでございます。

○西田まこと君 こうしたそのシームレスなアジアをつくっていくときに、今のシングルウインドーの支援、お金の面も、どういうふうなスキームでそうした支援をしていくのか、債務保証していくのか、あるいは基金みたいなのをつくっていくのかですね、この辺はどんなお考えなんでしょうか。

○政府参考人(青山幸恭君) 今、ASEAN各国におきます電子化の進捗状況がまちまちだと申し上げました。大変これ、いろいろそれぞれまちまちでございますし、まずは通関手続自体の電子化の議論がございます。次に、その各国国内におきますシングルウインドーがございます。さらに、ASEAN域内におきます、今AFTAができるわけでございますので、その間の共通フォームはできておりますが、その電子化というのが今実験段階でやっておるわけでございます。
したがいまして、ここら辺の進捗状況と、私どものどの程度支援できるかというところを中心にいたしまして、税関当局間のいろんな集まりがございます、そういう場面を利用しまして、今後いろいろ検討させていただくと。したがいまして、まだ、先生御指摘のような資金がどうかという議論までは、まだ正直言って至っておりません。

○西田まこと君 次に、日本が取り組むべき課題ということで今回の法整備の中身に入っていくわけでありますけれども、今回のこの法改正で、こうした国際競争力を高めていく物流を目指したときにどういう環境をつくらなきゃいけないのかというところで、この通関制度をどう改善していくのか、それによって物流産業の国際競争力をどう高めていくのかということにつながってくるんだろうというふうに思うわけであります。
〔理事峰崎直樹君退席、委員長着席〕
そこで、まず大臣にお聞きしたいのは、私自身問題意識として持っているのは、やはり様々な省庁が取り組んでいかなければ物流産業自体の競争力を高めるのは難しいと思いますけれども、その様々な省庁、また官と民との連携ということも含めて、いろんなパートナーシップというのはやはり相当強めていかないと、日本全体のこの物流産業の競争力を高めていくというのは非常に難しいんではないかなというふうに私自身は思っているわけでございますが、今回、日本国内で取り組むべき課題として、いみじくも国際物流競争力パートナーシップ会議と命名されている、そのパートナーシップが入っているわけでございまして、そうした官民での連携、また府省間での連携、こうしたパートナーシップということについて、特にこの物流産業の競争力を高めるという視点からどのように大臣としてお考えなのかをお聞きしたいと思います。

○国務大臣(尾身幸次君) 省庁間の連携、また官民の連携ということが大変大事だと思っておりますが、大きな方向は、二十四時間体制をきちっとつくるということが一つ、それからワンストップで通関とか検疫とかそういうことが全部できるようにすると。これは、やはり省庁の権限とか役割がばらばらになっているということが現在まだ問題としてかなり残っておりまして、これを協力をしながらやっていかなきゃいけない。つまり、利用者の視点に立った手続の簡素化をやり、かつ、昨今問題となっておりますテロ対策等もしっかりと含めましてやっていかなければならないと考えております。
先ほど最初に申し上げました二十四時間体制については、これはもうほとんどの地区で、地区というか、ほとんどの国の港湾あるいは空港においてそういう体制ができているわけでありますが、率直に言って、私はこの面において大変に我が国は遅れているというふうに考えております。これはいろんな社会制度や規制やいろんなことがあると思いますけれども、アジア・ゲートウェイという方向で日本の経済のオープン、オープン化を実現していく上においては避けて通れないというふうに考えておりまして、先ほど申しましたようなことでこれからも努力をし、できない理由を並べることではなしに、どうやったらできるかということを考えていかなきゃならないというふうに思っておりまして、この点について我々やらなきゃならないことがたくさんあると思っております。

○西田まこと君 できることからということでいえば、特にその電子化ということは大変重要になってくる。特に、府省庁間でのパートナーシップでいえば、来年の十月に次世代シングルウインドーの開発がなされ、いわゆる府省共通ポータルというのができるというふうに聞いているわけでございますが、この次世代シングルウインドーの中でのNACCSの今後の方向付けについてはどういうお考えでしょうか。

○副大臣(富田茂之君) 財務省は、平成十五年の七月から税関手続に関する通関情報処理システム、今先生御指摘のNACCS、又は船舶の入出港に関する港湾EDIシステム等関係システムを接続、連携しまして、複数の手続を一回の入力、送信で可能とするシングルウインドー化を開始したところであります。
さらに、FAL条約の締結に合わせまして、平成十七年十一月から、港湾手続に係る各官庁統一申請様式の採用や申請項目を三分の一程度に削減するなど簡素化、合理化を図っております。現在、NACCSと港湾EDIのシングルウインドー機能を完全一本化するなど、現行シングルウインドーよりも利便性を一層向上させた次世代シングルウインドー、府省共通ポータルですが、平成二十年十月に稼働させ、これをNACCSセンターに運営させる予定であります。
NACCSを中心とした次世代シングルウインドーの構築に当たりましては、船会社など利用者の意見を十分聴取するとともに、国土交通省港湾局など関係省庁と密接な連携を取り、NACCS自身の利便性を更に高めるとともに、システム稼働後におきましても地方港湾の手続の統一的な処理などの新規機能の追加にも機動的に対処することとしております。
また、我が国の国際物流競争力の向上を図る観点から、アジア諸国の通関システムとNACCSの連携にも取り組んでまいりたいと考えております。

○西田まこと君 来年の十月にそうしたNACCSセンターを中心にして府省共通ポータルがシングルウインドーとして開発されるというお話でございますが、これもうちょっと早められないのかと、その開発を、そういう声も出てきているようですけれども、これはなかなか難しいんでしょうか。

○政府参考人(青山幸恭君) 御指摘のように、なかなか難しいというふうに伺っております。

○西田まこと君 そうだと思いましてお聞きしましたけれども、この府省共通ポータルに民民も加えてほしいという声も随分ございまして、今NACCSと民間団体が運営するシステムとのEDIがどこまで進んでいるのかということを踏まえながら、この次世代シングルウインドーにおける、民民もどこまで加えられるのかということについてちょっとお聞きしたいと思います。

○政府参考人(青山幸恭君) 御指摘の点は多分TEDIの話、その他の議論だと思います。
貿易金融をめぐるEDI化というのは、確かに歴史的には十数年前からやっておるんでございますが、なかなかいわゆる船荷証券の電子化等含めまして、大変技術的、法技術的にも難しい問題があるということでございますが、いずれにしましても、TEDIというのは今ございますんで、そこら辺を含めて、ちょっと余談になりますけれども、先ほどの、アジアでまだPAAという、そういう言わば、何といいますか、システムの団体がございます。ここら辺を含めて、NACCSが実質的に参加することによりましてそういう問題解決に資するのではないかなということで、今関係者とちょっといろいろお話をさせていただいているという段階でございます。

○西田まこと君 来年十月にこの次世代シングルウインドーが開発されるというときに、その次はどういうふうに考えているのかと聞くのもちょっとどうかとも思いますけれども、次世代のその次ですね、次々世代というのはどういうふうな構想をお持ちか、お持ちであれば可能な限りお答えいただければと思います。

○政府参考人(青山幸恭君) 今のは次世代シングルウインドーでございますが、一応、船会社等利用者の御意見を伺いながら港湾局等を含めまして関係省庁ともやっている段階でございます。
そのシステム、来年十月稼働後でございますが、例えば地方港湾の手続の統一的な処理という新規機能の追加にも機動的に対処できるようにしようかなというふうに思っておるわけでございまして、先ほどもちょっと申し上げましたようなことでございますが、外国とどうやってつなげるかという点も含めまして、今後大きな課題になろうかなというふうに思っているわけでございます。

○西田まこと君 そうした外国との連携や、また地方の港湾との連携も含めて開発にお願いを申し上げたいと思いますが。
もう一つ、府省庁間でのパートナーシップのもう一つは、官民でのパートナーシップということになろうと思います。今回の改正案の中には、日本版C—TPAT導入の基盤としての通関制度の改善ということがうたわれておりまして、先ほどの行動計画の中にも、「我が国の通関手続を網羅するコンプライアンス・プログラムを完成させ、これを日本版C—TPATの基盤とする。」というふうに指摘されているわけでございます。
この日本版C—TPATというのは一体何なのか。いわゆるアメリカで始まった官民での非義務的な取組であることは、C—TPATそのものは理解しておりますけれども、日本版というわけですから、じゃアメリカと何がどう違うのか、これをちょっとまずお話しいただければと思います。

○副大臣(富田茂之君) コンプライアンスの優れた事業者に迅速な輸出入を可能とするいわゆる日本版C—TPATは、昨年六月に経済財政諮問会議で決定されました経済成長戦略大綱におきまして導入が提言されたものでありまして、セキュリティー強化と物流効率化の両立を確保するという考え方に立つものであります。
この両立を図る制度といたしましては、これまでコンプライアンスの優れた輸出入者を対象として、輸入者については納税申告前の貨物の引取りを可能とする簡易申告制度があり、また輸出者につきましても保税地域への搬入原則を適用しない特定輸出申告制度が既に導入されているところであります。両制度につきまして、事業者のコンプライアンスの高度化を図りつつ利用者の利便性の向上を図るなど、通関制度の改革を今回の関税改正に当たりまして行うこととしております。
今後、更に輸出入にかかわる各事業者のコンプライアンスを向上させるとともに、有機的連携を実現するような仕組みを構築してまいりたいと考えております。
また、こうした国内制度の整備を推進するとともに、同様にコンプライアンスに着目した輸出入制度を導入している諸外国との連携を図ることも今後の重要な課題と考えております。

○西田まこと君 元々アメリカで始まっているC—TPAT自体は、セキュリティーの強化ということで、例の九・一一以降、国際物流関係の組織を統合して、そして税関の国境保護局が示すセキュリティーガイドラインに従ってそれぞれがセキュリティーを強化すると、こういうようなかなり一本化した形でのセキュリティーの強化、一方での利便性の向上ということを追求をしているんだろうというふうに思いますけども、この日本版C—TPATではその辺はどういうふうになるんでしょうか。

○政府参考人(青山幸恭君) 今アメリカの例を申されましたけれども、確かに九・一一以降、そもそも国土保安省ができました、安全省ができました、その中に税関も入ったということでございまして、一応全体としてのいわゆるセキュリティー関連は一元化されているというようなところでございます。
我が国におきましては、現実の姿としましては、警察、あるいは国土交通省の中におきましては海上保安庁なりあるいは港湾局なり航空局なり、あるいは法務省は入管局、それから経産省というところが関係しているわけでございます。そういうところで実務面では密接なつながりは持ちながらセキュリティー対策をやっているというところでございますが、問題は、私ども今回の制度改正の中でのポイントは、やはり他省庁との関係でいいますと、主として経産省とあるいは国土交通省だと思っております。いわゆる安全保障管理等々を含めた部分とのどうやって整合性を保つかという議論でございます。
私ども、特定輸出申告制度でございますが、これは昨年の三月からスタートして、もう先生御案内でございますが、コンプライアンスプログラムにおきましては、特定輸出者の承認を受けようとする方が貨物管理の適正化ということで法令遵守事項を定めるということになっているわけでございます。
他方、外為法の世界におきましては、経産大臣の輸出等の許可を包括的に受けようとする場合におきましては、いわゆる輸出貿易管理を確保するための法令遵守を含みます安全貿易、安全保障の貿易管理ということに係ります輸出の管理社内規程を定めて経産省に届け出るように定めているということになっているわけでございます。
実は、昨年三月からやっております私ども今の特定輸出申告制度におきましても、運用の中では既にこの経産省のコンプライアンスプログラムがあればそれで結構でございますということで、申請者の事務負担に配慮をさせていただいているというところでございます。
ただ、一点ちょっと違いますのは、国土交通省さんのやられているような施策におきましては、例えば航空貨物利用運送事業者等を対象といたしましたいわゆる航空保安という世界になれば、ちょっとこれは今度のサプライチェーン、国際物流全体の中との話でいえば少しちょっと違うかなという感じになっておるわけでございまして、いずれにいたしましても、輸出、輸入双方、今回私どもの制度を見直させていただきます。
こういう中で、コンプライアンスプログラムの策定を要件としているわけでございますが、これに係ります見直しの中で、各省庁間、それからあと企業、経団連等を含めまして、調整しながら全体としてやっていこうというふうに思っておるわけでございます。

○西田まこと君 今お話ありましたように、経産省プログラムと税関でのプログラムの整合性というか、利便性を高めるための様々な整理というものが今回なされるということを御指摘いただきましたが、この経産省プログラムですね、一番やはりいわゆるコンプライアンスの中で重視されるというか問題だなと私自身は思うのは、やはりこの安全保障輸出管理の面でございます。
経産省の方にお聞きしたいと思います。この安全保障輸出管理で、最近幾つかの企業でこうした問題が起きていると思いますけども、その実例をちょっと挙げていただければと思います。

○政府参考人(押田努君) お答えいたします。
外為法におきまして安全保障貿易管理の観点から輸出規制をやっておりますけれども、特に昨年、大企業などで違反事例が生じました。一つは、ヤマハ発動機の中国向けを中心とした無人ヘリの輸出についての不正輸出事件、あるいはミツトヨ、これ三次元測定機でございますが、これについてシンガポール等を通じた不正輸出事件、あるいは北朝鮮関係で凍結乾燥機、これは生物化学兵器等に転用ができるというものでございますが、こういったものの不正輸出事件と、こういったものが生じております。

○西田まこと君 これは、中小企業が大変に苦しくて何かそういう違反してしまうという、それももちろんいけないわけですけども、そうではなくて、もうかなり有名な大企業ですね、こうした大企業がこうした安全保障輸出管理に反してしまうという、このコンプライアンスのそもそも在り方そのものがかなり問われてくるんだろうというふうに思うわけでありますけども。
どうなんでしょうか、これ、こうした安全保障輸出管理に関してもうちょっときちっとコンプライアンスを徹底させるために、一つの意見としては欧米並みにもうちょっと社会的制裁を強くした方がいいんじゃないかというような声もございますけども、経産省として今どんなお考えでしょうか。

○政府参考人(押田努君) お答えいたします。
経済産業省におきましては、東芝機械事件が昭和六十二年に発生いたしましたが、それ以降輸出関連企業等に対しましてこの輸出管理規程の整備を求めまして、現在では千二百を超える企業がこの輸出管理規程を保有するに至っております。
しかしながら、先生、議員から御指摘のとおり、大企業、これコンプライアンスの規定を定めているわけでございますが、その外為法違反事案が発生していることは我が国の輸出管理に対する内外の不信感を惹起しかねないということで、極めて遺憾であると思っております。
こういった事態は経営者の輸出管理意識の低さなどにも大きな原因があるものと考えておりまして、経産省におきましては、昨年の三月に大臣名で輸出管理の強化について主要な団体に要請をしたところでございまして、その中で、何といっても輸出管理の成否が企業の存亡にかかわりかねないということを経営者自身が十分認識して、体制強化に努めるようということで要請をしたところでございます。
そして、これは単に定めると、コンプライアンスを定めるということだけではいけないわけでございまして、体制が実効的なものになるように、を確認するために企業に対する立入検査、これを大幅に強化をしておりますし、あるいは普及啓発のための安全保障貿易管理説明会、これを全国各地で開催をしておるところでございます。
悪質な事例につきましては、当然刑事的な対応もございますし、あるいは私ども行政制裁ということで輸出禁止という処分もございますので、こういった取組を引き続き着実に進めていきたいと思っております。

○西田まこと君 終わります。

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