国土交通委員会 10号 2008-05-22


2008年5月22日

【質問要旨】
●地域公共交通の活性化について(財政支援とその裏付け)
●中小鉄軌道の活性化について
●NPOが運営する福祉有償運送について
●高齢者ドライバーについて

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
午前中から、また、ただいまも熱心な議論がございましたが、今回の地方鉄道の再生を目指した地域公共交通活性化再生法、最大のポイントは、やはり今もお話ございましたとおり、自治体が線路などのインフラを保有して事業者に無償で貸し出す、公有民営方式のいわゆる上下分離方式、これを導入するということでの再生ということではないかというふうに思います。いただいた資料等を見ますと、上下分離方式によれば、今完全にこれを実施すれば赤字事業者の8割、84%でしょうか、黒字化をすると、こういう話もいただいております。
そこで、まず初めにお聞きしたいことは、この鉄道事業再構築事業の対象がいかなる範囲かということであります。条文には、最近における経営状況にかんがみ、その継続が困難となり、又は困難となるおそれがあると認められると、こういうふうに定義されているわけでありますけれども、もう少し具体的に、どういった事業が対象になるのか教えていただければと思います。

○政府参考人(大口清一君) お答え申し上げます。
維持、存続が困難となっているという部分でございますけれども、それをどういうような判断でやるかというところを御説明申し上げるとはっきりするかと思います。
ポイントはやはり三つございます。一つは、当該鉄道事業者の鉄道事業全体としての経営状況がどうなのか。これは、鉄道ばかりではなくて、まさに関連事業を含めてでございますけれども、全体、鉄道事業とそれからその他の関連事業も含めた経営状況がどうなのか。それから二つ目は、路線を維持するための取組、これがどのような取組がなされているのか。それから、当該路線をめぐるこれまでのいろんな取組の流れ、あるいは地域社会におけるいろんな人口流動を含めた状況、そうしたものの経緯を総合的に勘案しながら判断していくというようなことかと存じます。
それで、鉄道事業者を取り巻く環境あるいは経営状況というものはもう千差万別、それぞれ異なるものですから、鉄道事業再構築事業の認定に当たりましては、このような個別の事情を勘案した上で、それぞれにまたよくよく判断をしていくということが求められるかと思っております。地域の活性化を図る観点から、鉄道サービスを安定的に確保していくための取組ということで、国としても、幅広くその対象に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。

○西田実仁君 そうした対象といたしまして、このスキームとしては、この鉄道事業再構築事業については市町村で計画を立てて、それを国土交通大臣がその計画を認定すると、その上で様々な特例措置がとられるという仕組みになっております。
そこで、大臣にお聞きしたいことは、国土交通大臣が認定をしますので、その認定の基準がいかなるものかということ。そして、そうした形で国がかかわるわけでありますけれども、認定して計画を立てて実行しても、必ずしもすべてうまくいくとは限らない。すなわち、一言で言えば再生がうまくいかないケースも当然あるだろうと思います。その場合に、認定している国としてはどのような対応になるのかということを、二つお聞きしたいと思います。

○国務大臣(冬柴鐵三君) まず、認定された場合、認定要件は別としまして、認定された場合にどのような財政支援を行うのかという点につきましては、まずは国の予算による支援といたしましては、鉄道軌道輸送高度化事業費補助ということで24億5千万円の予算が用意をされておりますので、これをもって1/5の補助率を1/3で引上げ、かさ上げをして優先配分を行うと。認定を受けた事業者に重点的に配分をしたいというふうに考えております。加えて、平成20年度の予算において新たに創設されました地域公共交通活性化・再生総合事業費補助、30億円が用意されておりますので、これも十分に活用しながら地域や事業者のニーズに十分こたえていきたいと考えております。
そのほか、これは総務省等のお力添えによりまして、地方財政措置として起債措置あるいは交付税措置と講ずることになっておりますし、国土交通省としては、これらの予算措置等めり張りを付けて効果的に活用することにより頑張る地域の取組をしっかり応援をしたいということでございます。
その要件はということは、これ要件は法定されるわけでございますけれども、抽象的に言えば、今最後に申し上げたように、その地域でこの公共交通を守っていこうじゃないかという、そのような地域の地方首長、議会あるいは地域にお住まいの方々の総意、そして事業者の熱意というようなものが、そういうものによってセレクトされる、その対象は広く事業者が対象になるというふうに思っております。
そのようにして始まった上下分離というような形における鉄道事業の再構築事業、実施してみたけれどもなかなか依然として経営が困難な状態が続いた場合にどうなるのかという問題でございますけれども、これは事業内容を見直して実施計画を変更して引き続き再構築を実施するということで輸送の維持を図るのか、あるいは路線の維持を断念をして鉄道事業者において廃止届を提出するかについて、地域がこれを判断をされるということになりますが、できるだけ、皆が協力をして始めた事業ですから、先ほどのえちぜん鉄道ではありませんけれども、和歌山電鐵についても、いったんこれ廃止を決定していたものを地域の方々の熱意で盛り返して、そしてこれが見事に再生を遂げつつあるという事業が、模範生があるわけでございます。したがいまして、私もえちぜん鉄道の女性のリーダーから手紙をいただきまして、私も返書を出していたしましたけれども、激励もさせていただいておりますけれども、本当に熱意持っておられますよ。その手紙からそれを受け取ることができます。
したがいまして、いったん始まったものが断念することがないように地域が全体で支えていく、そういうことも我々としては支援をしていきたいというふうに思っております。

○西田実仁君 国としての自治体への支援、財政支援のスキームについて今お答えもいただきました。
例えば、この上下分離方式を活用した場合に地方が線路などを保有する場合、取得する費用については地方財政法第5条の地方債の対象にする、あるいは車両等を購入する場合の近代化投資についても、これは自治体助成分の約半分に特別交付税を充当すると、そういった地財措置というものがとられているという話でございます。
これは、実際に、今はこの92社とは限らないのかもしれませんけれども、先ほど局長の御答弁でもございました、仮に92社ということで、そのうち上下分離方式を取れば84%が黒字化するという、その84%部分を今回のスキームの上下分離方式を取った場合には、そうした財政的な支援というのは、総額、大体、もちろん価格の決め方によりますけれども、今現状ある鉄道局さんでお出しになっている統計等を見ますと、それを参考にしますと大体どのぐらいになるんでしょうか。

○政府参考人(大口清一君) 先生のお尋ねはマクロ的なお尋ねかもしれませんが、残念でございますが、現時点で各鉄道会社、それぞれ様々な事情を抱えた経営状況の中にあります。したがいまして、この再構築事業でやる場合に、どのような組合せでどのようにやるかによりまして、やはり自治体の所要とする額、あるいは事業者が上物会社として再出発するようなときのまさに所要額、これは実際合議して、そこで具体的に話合いをして結果を出してもらわないと分からない部分ございます。
したがいまして、私どもとして、例えば一例でございますけれども、公有民営方式と同様の考え方に基づいて、地方自治体が土地を保有した上で、上を運行する鉄道事業者に対して無償でその土地を貸し付けている三岐鉄道北勢線というのがございますけれども、これ20キロぐらいの路線でございます。ここの事例だけ申し上げますと、沿線の3市町が大体3億6千万ぐらいで土地を購入しまして、県がその半分を補助したというふうに伺っております。したがって、大体そんなところが一つメルクマールとしてはあるのかなと思いますが、これは決してすべてに、悉皆当てはまるかどうかというのはまた別物でございます。
いずれにしましても、自治体も厳しい財政事情に直面していることは十分に私どもとしても認識しているところでございまして、このため、公有民営方式によって自治体が鉄道施設を保有する場合についても、一般の民間事業者が保有する場合と同様に、施設の更新とか改修に対する国費の補助対象とすることを私どもとしてはまず想定しております。
それから、あと公有民営化時の施設取得費用について、行政財産の取得費用としてこれは起債の対象とすることができる等の措置も総務省の方で講じていただけるというふうに伺っております。

○西田実仁君 その場合、起債した場合に、先ほどの話で、みんなで努力して何とかしようということですが、仮にうまくいかなかった場合、あるいは起債した後の元利償還金に対してどういう国として財源の手当てをしていくのか、あるいはうまくいかなかった場合にそれをどういうふうに対応するのかというところについては具体的に今お考えはございますか。

○政府参考人(大口清一君) この再構築事業はまさに自治体それから県、自治体は県も含みますが、それと、それから鉄道事業者、地元利用者、NPO等々、鉄道事業者含めてみんなが合議する。その中で一つ一つ課題をクリアしながら取り組んでいくものだと思っております。
したがって、委員御指摘のような再構築事業が難しくなったという場合につきましても、その時点でまさにそういう関係者が再度、その再構築事業がいかなるものであったのか、どこをどういうふうにすればまたその再構築事業を変更しながらクリアしていけるのか、そうしたことをきちんと話し合いながら進めていく形になろうかと思っております。

○西田実仁君 このスキームは、そうした話合いの結果、国が計画を認定するというところでスタートをする形になっておるわけでありまして、様々な事情でうまくいかない場合ももちろんあるかもしれません、そういうことはない方がうれしいわけですけど。そうなった場合にも国として、またそこで更なる支援も必要な場合はきちっとしていただくということもしなければいけないというふうに私は思います。
その上で、今回新たに鉄道事業再構築事業を追加したわけでありますけれども、その92社という中には私の地元埼玉では秩父鉄道が1社だけ入っております。
この秩父鉄道につきましては、フローでは今黒字になっているんです。そこで、今回、より厳しいところにいろんな支援をしていこうということで、それはもう是非とも地域の活性化ということが必要だと思いますが、そうした表面的にというか経理上は黒字になっていても、しかしながら、例えば安全投資一つ取ってみても、秩父鉄道におきましては大変に厳しい状況でございまして、周辺の沿線市町村が特別負担金を総額5億円以上出して何とか安全投資をしようと、そうしなければもたない状態にあるわけであります。
この中小鉄道助成について、今回のスキームはスキームとしてきちっと拡充していただくとして、そのスキームに必ずしも当てはまらない今は辛うじて黒字なところでも、そういう大変厳しい情勢に置かれている中小鉄道も多いということは是非御認識いただいて、その上でやはり大臣にお聞きしたいんですけれども、この鉄道軌道輸送高度化事業費補助という、従前の近代化補助制度に今回新たに鉄道再構築事業が加わっておりますけれども、そうした大変に厳しいところへのスキームに予算は重点的に配分するということはそれで結構ですが、同時に、それのあおりを食ってというのは変ですけれども、辛うじて黒字のところでも、そういう安全投資は市町村から、沿線市町村から負担金をもらわなければできないようなかつかつのところもあるということで、そこがあおりを食ってより厳しくなるというようなことにならないように是非とも御配慮をいただきたいというふうに思いますが、大臣、御所見をお聞きしたいと思います。

○国務大臣(冬柴鐵三君) 大変難しい話だと思いますね。しかし、地方分権の趣旨からも、やはりその地域のことは地域で自主的、主体的に解決するんだと、そういう気概で取り組んでいられるところはあるわけですから、今から失敗事例ばかりを考えても仕方がないと思うんですね。
しかしながら、地方分権言うからには、国がそれにふさわしい財源を渡した後に言うべきだという議論も当然あるわけでございまして、今地方分権を進めようと、権限だけではなしに財源も渡そうじゃないかという議論をしているところでございまして、そういうものを総合配慮いたしまして、地方自治体は、公共交通だけではなしにあらゆることが住民密着で、安全、安心、そういう快適な住民生活を保障する責務もあるわけです。
したがって、こういう制度を用意いたしましたので、できる限りの支援をさせていただきますが、これを成功させるかどうかは私はやはり地方の気概だろうと思いますよ。そういうところはたくさんありますよ。先ほどのえちぜん鉄道なんかでも本当にしておったものが、乗客をたくさん乗せるための工夫までしているわけですから、そういうこともやった上でなおということを聞いておられるんだろうと思います。そのときは我々もできるだけのことはしなければならないと思います。

○西田実仁君 この中小鉄道への助成というのは、今法案に上がっている鉄道事業再構築事業に加えて、従前から活性化対策としては再生計画事業というものもあるわけであります。この活性化対策の一つとしての再生計画事業を使って今様々な努力をしている中小鉄道についても是非とも御配慮をいただきたいというふうに思います。
その上で、例えばサイクルトレインというのが最近随分人気を集めているということでありまして、特に観光と一体となった中小鉄道の活性化ということでは、電車に自転車を持ち込んで、その後、電車を降りた後サイクリングするというサイクルトレイン、こういうことへの支援も今回のスキームでどのようになさっておられるのか。また、先ほど申し上げました私の地元の秩父鉄道ではなかなかトイレも水洗化されていないという問題も正直ございます。そこまでなかなかお金が回らないというのが実態でもあります。そうしたバリアフリーも含めてトイレの改修などにも今回のスキームでどういう御支援を組まれておられるのか、そこもお聞かせいただきたいと思います。

○政府参考人(大口清一君) まずサイクルトレインの関係でございますけれども、本法に基づいて法定協議会が策定します地域公共交通総合連携計画、この中で地域の公共交通の活性化とか、あるいは再生を総合的かつ一体的に推進するために多種多様な取組が織り込まれるわけでございます。その中に観光振興等との連携というのも一つ目標の大きな柱に掲げられることになっておりまして、今年度から創設されました地域公共交通活性化・再生総合事業費補助、この中で連携計画に位置付けられた取組であって、協議会において実施するまさにソフト事業、これも対象になっております。で、御指摘のサイクルトレインというようなイベント列車の運行経費等についてもまさに助成ができるようなことになっておりますので、そうした制度の積極的な活用を私どもとしても期待しているというところがまず一点でございます。
それから、委員御指摘のバリアフリーの関係なんでございますが、御承知のように鉄道駅のバリアフリー化、これにつきましては駅の新設又は大規模改良を行う場合にはバリアフリー法に基づくまさに基準に適合するように段差解消を行うことが鉄道事業者にも義務付けられていると。自らの負担で整備が行われているのは御承知かと思います。他方、既存の駅のバリアフリー化を行う場合には、エレベーター、スロープ等の段差解消、あるいは障害者の方々に対応するようなトイレ、そうしたものに対する整備について、地方公共団体が負担する額を上限にしまして国から1/3を基本に補助を行っているところでございます。本年度はこれらバリアフリー化の事業を行う事業者に対しまして約55億円の補助を行うことにしております。
また、その鉄道駅のバリアフリー化につきましては、1日平均的な利用者、御利用の数が5000人以上の駅については平成22年度までに原則としてすべて段差解消を図ることを目標に掲げております。この目標達成のために私ども今、5000人以上の駅に対しましては重点的な支援を行っている状況でございまして、19年度末で大体7割ぐらいまでは行くであろうと、全体のです、というふうに考えております。
それで、一日当たりの平均的な利用者が5千人未満の駅につきましても、優等列車の停車があるとか、あるいは他の鉄道路線との乗換駅というような交通拠点になっている駅、あるいは観光地としてのいわゆるゲートウエーになっているような駅で観光シーズンには利用者が5000人以上になってしまうような、そういう駅も含めましてしっかりと対応できるような運用をしていきたいと考えております。
いずれにしましても、鉄道駅のバリアフリー化というものは高齢者あるいは移動に極めて困難を伴うような方々の、何というんでしょうか、社会に積極的に活動していただくようなまさに礎でございますので、そうしたものにつきましてはこれからも幅広く、それからやらなきゃまずいところはしっかりとやっていきたいというふうに考えております。

○西田実仁君 ありがとうございます。
この地方鉄道の活性化というのは地域の活性化ということとともに、やはりそこに住んでいらっしゃる高齢者の方々の足にもなっているということで大変に再生が求められているということだろうと思います。今、高齢者の方々に優しい社会をどうつくっていくのかということが大きな課題になっております。その中で、地方鉄道は確かに再生できればそれにこしたことはありませんけれども、どうしても行き届かないところもある。そういうときに、マイカーに代わって高齢者の暮らしを支えている民間の移動サービスということがいわゆる福祉有償運送ということとしてあるわけであります。
この福祉有償運送について、やや実務的なことも含めておりますけれども、御質問させていただきたいと思います。このNPOが運営する福祉有償運送については、私もこれは議論にも加わってよく経緯は承知しておりますので、そうしたところは飛ばして御質問させていただきます。
特に、ボランティアを中心にしたNPOが運営しております。まず書類が余りにも複雑過ぎるということであります。特に、新規で登録する場合も更新登録の場合も全く同じ書類の提出を求められ、業者とは違いまして少数で行っている以上、この書類作りだけでも大変な作業になっているという問題点をまず指摘したいと思います。これは、過去のいろんな実績に基づいて、新規と更新では提出すべき書類を変えるべきではないかという意見であります。また御質問であります。
そしてもう一つ、申請書について、e—Taxのようにホームページでも書き込んで申請できるような仕組みにすれば、またこれも少しは事務の繁雑さが減るという声も随分NPOの方からいただいております。
この二つ、特に福祉有償運送という地域のお年寄りの足を支えていく運営主体であるNPOからの御要望として御質問をさせていただきたいと思います。

○政府参考人(本田勝君) ただいま先生からお話のありました自家用有償旅客運送の制度でございますが、これは、タクシーを始めとするいわゆる公共交通機関だけでは十分な対応ができない方々、具体的には移動制約者と呼ばれる皆様、あるいは交通空白地の、そこに住んでおられる方々に交通を確保するという見地から、平成18年10月から法制度として実施させていただいております。
その際に、制度的には登録という手続も経ますが、やはりその地域の関係者の皆様にちゃんとした理解あるいは合意を得た上で行おうという形で、運営協議会という場で議論がされておりまして、今御指摘の点は、そういった登録あるいは運営協議会の場に提示させていただいております書類が非常に多い、あるいは手続が煩雑であると、こういうお話であろうと思います。
制度ができまして一年半たちましたので、私どもも本当に制度が円滑に運営できているかどうか、これを検証するために関係者のフォローアップ会議を開催して御意見を賜っておりますし、その中で、まさに当事者であられますNPOの方々から先生が御指摘のようなことも含めて様々な御意見を今ちょうだいしております。
我々も、この制度を適切に普及していくためには、やはり手続もあるいは書類も必要不可欠なものに限定すべきだと、こういう考え方を持っておりますので、この3月からは、より具体的な改善のための検討をするための場としてワーキンググループというものを設置し、現在、月に1回関係者に集まっていただいて、個別の書類についてもその必要性をもう一回検討するなり、あるいは今先生からアイデアをいただきましたような電子申請みたいなのはできないかといったことも含めて検討してまいりたいと考えております。

○西田実仁君 是非お願いいたします。
福祉有償運送については、現場ではこんなようなことが起きています。今回、法律の枠組みで会員は介護保険の対象者ということに限定を基本的にはされています。今まで、グレーゾーンと言っていいのか分かりませんが、グレーゾーンとして高齢者の送迎を有償運送で行っていた方も正直言ってありました。その方々はこの新しい法律ができていくことによって正式に認められたわけでありますけれども、一方で、介護保険の対象者とならないと安心して会員として利用できないということで、本来、本人としては介護保険に別に申請はしようと思っていないんだけれども、会員になるためには介護保険申請しないと会員になれないということを言われて、実際に介護保険申請を、まあ無理やりと言ったら変ですけれども、本人の意思とはやや異なってしていると。で、実際に要介護、要支援になっているというケースがあって、その方はそういう意味では会員になれたわけでありますけれども。そういうことで、市町村の現場の職員の方からお聞きしますと、この3月、介護保険の申請者数がいつもより随分増えたと、こういう介護保険という制度がややゆがめられているという状況に正直言ってあります。
ここは大臣にお聞きしたいと思いますけれども、中には先ほどの運営協議会で介護認定を受けていない方でも会員になっているケースが1カ所だけあるということを、今日、朝、国土交通省の方からお聞きしました。それがどういう運用になっているのかということも是非つまびらかにしていただければ、そういうふうにわざわざ介護保険の申請をしなくても会員として利用できれば地域の足が確保されるわけですから、それは是非後々教えていただきたいと思います。
また、介護保険ではなくても65歳以上で過疎地の有償運送というのもありまして、これは過疎地として指定されたところについてはこれが適用できます。しかし、過疎地は市町村丸ごと指定されますので、町の中でいわゆる本当の町中と、町の中で山の方とある場合に、山の方にいるお年寄りが足が確保されないという問題が最大の問題になっておりますが。過疎地では、そこはいろんな基準で当たらない以上、この介護保険の認定を申請していない方が会員対象となり得る過疎地有償運送も使えないと、こういう問題がありまして、様々な制度のはざまにあって、なかなか地域の足が確保されないというお年寄りがいらっしゃるのも事実だろうというふうに思います。
そこは運用の問題もあると思いますが、どうしたらそういう人たちを救えるのかということで、是非ともこういうふうにしてやればいいというふうなことを国土交通省としてもお示しいただきたいと思っております。
大臣には、もう時間もありませんので、こうしたお年寄りの地域の足を確保していくために、様々な制度はありますけれども、もちろんそれは厳格に守らなきゃいけないんですが、だからといってそのはざまに入ってしまった人が不便を被るということがないような運用の仕方、あるいは適切なアドバイスということについて、御所見を伺いたいと思います。

○国務大臣(冬柴鐵三君) 先ほど局長からも答弁がありましたように、この運送の対象者につきましては国土交通省令で定めるんですけれども、身体障害者、要介護者等、等であって、他人の介護によらずに移動することが困難な方とされておりまして、その認定はこの運営協議会で行われるわけです、運営協議会。したがいまして、介護保険の要支援者の認定を受けていない人であっても、運営協議会において先ほど言いましたような対象者とすることが妥当だという認定が得られた場合は、運送することが可能になるわけでございます。
ただ、今委員も言われましたように、その事例が非常に希有なものだということは、もっと運営委員会にそういうことを、そういうものがあるんだということを周知することが必要であると思いますので、国土交通省といたしましては制度の周知徹底をこれから図ってまいります。また、その認定方法等も含めて制度の運用の在り方についても、これはやはり検討していかなければならないというふうに考えております。

○西田実仁君 是非よろしくお願いいたします。
実際に私の地元で、町なんかでやっている方も、こういう事例があることもやっぱり知らないわけですね。ですから、周知徹底と、どういうふうにやったらいいのかという具体的なアドバイスも含めて教えていただきたいと思います。
時間がなくなって申し訳ございません。ちょっと警察庁の方もお聞きしようと思ったんですが、最後に大臣にだけ、申し訳ないんですけれども、お聞きしたいと思います。
先ほど申し上げているとおり、高齢者に優しい社会をどうつくっていくのかというところで、最近はやはり高齢ドライバーの方も随分多いわけですね。有償運送がなかなか会員になれないとか今の問題もあって、やはり自分で運転したいと、こういう方が随分いらっしゃいます。
しかし、ここであえて一つだけ具体例で申し上げますと、標識の問題があると思います。高齢者の方々の特性に応じた標識に変えていくということも、これから、ちょっとお聞きすると昭和35年ぐらいにできた標識令であったりするわけでありまして、高齢者がどんどん増えていきつつあるし、これからもっと増えていくという、またしかも高齢ドライバーの方がもっと増えていくという状況にありますので、そうした高齢者の方々のいろんな体の特性に応じてそうしたものも見直しをしていく必要があるんではないかというふうに思います。
その意味では、高齢者の方々が実際にどういうことで標識等で困っておられるのか、運転する際にお困りなのかという総点検を是非行っていただいて、そして高齢者の方々に優しい社会づくりに役立つようにしていただきたいというふうに思うわけでございますけれども、最後に大臣の御所見を伺いたいと思います。

○国務大臣(冬柴鐵三君) たしか2月23日だったと思いますが、新名神高速道路が部分開通をいたしました。私もこれに、開通式に行かしていただきまして、そしてまた走ったんですけれども、びっくりしたのは、高速道路の標識がすごく大きいんですね。普通のもう倍以上です、しかも字も大きい。それから、もっと感心したのは、その字が夜間には光を発するそうです。そして、太陽の光線を背から受けると見えにくくなりますね、ペンキでは。これがよく見えるような、まあガラスの、透明なんですかね、何かちょっと技術的には分からないんですけれども、非常に見やすいものが用意をされていて、ああ、新しい道路というのはここまで配慮しているんだなということを感心いたしました。
私は、そのような配慮が、御高齢者だけではなしに、これからは外国人も国際免許で観光地等を走るわけでして、日本の標識にはハングルとかそういうものは書いてありません。韓国へ行きますと、このごろ漢字も一部書かれているところあります、ローマ字が多いですけれども、ハングルだけじゃなしにね。そういう配慮も、私はこれから必要、御高齢の方、そしてまた外国人の方が使いやすい、そういうような社会に対する配慮が必要だというふうに考えておりますし、その方向で進めてまいりたいと思います。

○西田実仁君 終わります。

TOP