国土交通委員会 6号 2008-04-24


2008年4月24日

質問要旨
○トラックタイヤ脱落事故、概況について
○観光立国推進基本法、基本計画の推進状況について
○派遣添乗員の処遇について

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
最初に、観光立国ということでの本日の審議でございますけれども、観光バスはほとんど余りこういう事件がございませんけれども、大型の自動車ということで、大型トラックに関しまして、昨日、私、地元の埼玉でございますが、大型トラックのタイヤが外れまして店を直撃するという事件が起きました。幸いけが人はございませんでしたが、店の入口のガラスが大破したと、こういうことでございました。また、今月、4月11日には静岡、東名高速道沿いで大型トラックのタイヤが脱落をいたしまして、それが対向車に当たりまして亡くなると、こういう事件もございました。
この二つ、今月起きた事件なものですから、まず初めにこのタイヤ脱落事故につきまして、簡単に概況と今の対応をお聞かせいただければと思います。

○国務大臣(冬柴鐵三君) 今、西田議員がお話しのように、4月11日の静岡県の東名高速でトラックの後輪が外れて、向かい側の車線を走っている観光バスのフロントガラスに直撃をして非常に優秀な運転者が亡くなったという、本当に痛ましいというか、もう何とも言えない事故でした。この人はすばらしい運転手で、そういう自分が亡くなるような重傷を負いながらもブレーキをちゃんと踏みながらそれを止めていたということを聞くと、これは本当に大変なことだということを実感しましたし、それから昨日のさいたま市のダンプカーのタイヤがコンビニエンスストアへ飛び込んだ。そこに客がいたらどうなるんですか。そういうことを考えますと、これはほっとけないということで、誠に遺憾な事件だと思います。
原因等は、調査は警察で捜査をしているところでございますが、国土交通省におきましても、それぞれの事故発生当日に管轄の地方運輸局に対して早速事故車両の破損状況、それから整備状況等について調査を指示しました。
このため、運輸支局の担当官が現地で両トラックの車両製造者、いすゞであった、いすゞ株式会社だということが分かりましたので、タイヤ脱落の原因について同社に対して調査を指示したところでございます。また、この際、自動車の点検整備を徹底することが重要だということが分かりました。そういうことから、国土交通省のホームページを通じて大型自動車の使用者に周知するとともに、自動車関係団体に対して文書を発出して周知徹底を図りました。
さらに、社団法人日本自動車工業会の協力を得まして、チラシ45万枚を、こういうチラシですが、45万枚を作成して、本日24日から順次社団法人全国産業廃棄物連合会、これは産廃業者の車だったものですから、それからもう一つ、後の方は砕石業者で、日本砕石協会を始めとした関係団体への配付、それから貼付をお願いして、そして、こういう恐ろしいことが起こる、これは絶対許されないんだということを周知徹底したところでございますが、今後も、同種の事故が起こらないように再発防止策について頑張ってまいらなければならないという決意でございます。

○西田実仁君 そういう対策を早速取っていただいておるわけですが、原因は今いろいろと調査中ということでございます。
ただ、一つ分かっていることは、この二つの大型トラックは、いずれも昨年車検はそのまま通っているということのようであります。したがって、車検時点では、今は省令も改正を既にされておりましてこうしたボルトの周辺部分も点検をするということになっておりますので、そこはきちっと、それを通ったということは点検なされていたと思います。車検は通っているんですけれども、その後の整備、すなわち定期点検等だと思いますけれども、そこが十分になされていなかったのではないかということが最も推測をされます。
総重量8トン以上につきましては3か月ごとの定期点検ということが求められておりますけれども、これは、今は特にやらなくても罰則があるわけではないんじゃないかというふうに思います。そこの罰則を導入するかというのはそう簡単に決められることではもちろんないと思いますけれども、こうした事故が大変に頻発をしていくという状況が今後ももしあるとすれば、やはりそこも含めて、車検はもちろんでございますけれども、定期点検の在り方、これもやはりちょっと考え直さなきゃいけないのではないかと、このように思いますけれども、いかがでございましょうか。

○政府参考人(本田勝君) 定期点検の整備につきましては、まずその励行を図っていただくということが基本だと考えておりまして、私ども、先ほども大臣からも御紹介いただきましたとおり、関係者の皆さんに対してあらゆる手段を通じてその励行の周知を図っておるところでございます。
その後それを法的にどう担保するかというのは、その後の実施状況を見た上で慎重に検討させていただきたいと存じます。

○西田実仁君 是非慎重な検討をお願いしたいと思います。
それでは、今回の法案でございます設置法に、今度は、観光庁が設置法を改正して新設されるということの効用につきましてお聞きしたいと思います。
観光立国推進基本法が施行されてもう1年数か月がたちます。同法十条には、観光立国の実現に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための観光立国推進基本計画というのが定められていて、それが昨年閣議決定をされ、既に9か月がたっているわけであります。
現在、この基本計画の推進状況についてどう評価されるのか、また、今回この法律が通れば観光庁が新設をされ、それがこの基本計画の推進にどのような働きを期待できるのかということについて、総括的に大臣にお聞きできればと思います。

○国務大臣(冬柴鐵三君) 先ほどもお答えしていますけれども、観光立国の実現というのは21世紀の我が国の発展のために不可欠な重要課題だというふうに思いますし、18年12月に、観光立国推進基本法が心ある同志の議員の立法によって提案され、衆参において全会一致で成立していただいたと。これには、今後の課題としての観光庁のような、こういうものも附帯決議として付けていただいたということもあります。
これはもう本当に、この仕事は国だけ、国も一省庁だけじゃなしに、もう政府一丸となって取り組まなきゃならない。それからまた、地方団体もこれはやはりそこの国土形成計画の広域地方計画等を考えたときに、自分たちの地域には例えば世界遺産というものがあると、そういうものを、県境を越えてそういうものに来ていただくというようなことを考えなきゃならない。
そういうふうに考えた場合には、例えばこれ私の地元ですけど近畿圏を考えますと、この狭いところに五つの世界遺産があるんですよね。これを一つ一つの県でやるのではなしに、近畿は一つということで、ここへ関空で乗り込んだ人たちもどういうルートで行けるか。奈良なんかは、古都奈良ですけれども、余り宿泊施設ないんですよ。そういうものはどこで負担するとか、こういうもう一丸となってやるということ。ですから、国だけじゃなしに地方も、そして民間も、民間の力は大きいですよ、こういうものを巻き込んで一丸となって取り組むべき課題だと思います。
その意味で、私は、国土交通大臣は、もう御案内のとおり四省庁が一つになった大きなところででして、その上、観光立国と海洋政策担当いただいているわけですが、この中で観光だけをやるわけにはまいりません。ですから、この外局として観光庁ができるということで、外国との交渉も本当に観光庁長官が国を代表して取り組むことができますし、そういう意味で非常に私は有益だろうと思います。
そしてまた、省庁を超えてということを申しましたけれども、長官は、国家行政組織法三条の独立機関として人事権と、そしてまた他省庁に対する意見具申とかあるいは報告徴求するとか、そんな権限まで認められるんですね。そういう意味では、国が一つになって取り組むという体制としてはふさわしいと私は思っております。
したがいまして、こういうことを通じて多くの目的あるいは基本計画まで閣議決定していただいておりますので、これは大変高いハードルですけれども、これを何としてもクリアしなきゃならないということで取り組んでまいらなければならないという決意をいたしております。

○西田実仁君 この基本計画につきましては、毎年点検を行って3年後には見直すということにもなっているようでありますが、観光庁を新設して観光立国を進めていく際、大事ないわゆるこのPDCAについてお聞きしたいと思います。
この観光立国推進基本計画には五つの指標が具体的には目標として挙げられております。例えば、訪日外国人旅行者数を平成22年度までに1千万人、よく言われることでありますし、またそのほかにも海外への日本人旅行者を平成22年までに2千万人にしようと、こういうようなことも含まれております。
計画は示された、そして予算もかなり重点的に配備されていると。そうすると、次にどうそれが評価されるのかと、そしてその評価を次なる計画、施策にどう反映していくのかというCとAの部分の仕組みをどのように考えておられるのか。この法案が通れば秋にこの観光庁が発足するわけでありますけれども、その発足に向けて、現段階、特にこのCとAの部分、どういうふうにお考えになっているのか、お聞きしたいと思います。

○副大臣(松島みどり君) お答えいたします。
委員がおっしゃいましたような観光立国推進基本計画、昨年6月に閣議決定したものですが、これの後、昨年12月に、これは現在の決まり事では国土交通省が主宰して関係省庁の局長クラスをメンバーとするといいながら全役所の局長クラスをメンバーといたしまして、観光立国関係省庁連絡会議を開きました。ここの場でも点検しておりますが、観光庁が設置されましたら、先ほど大臣がおっしゃいましたように、観光庁は三条機関として観光庁が各役所の大臣にも物申すことができるようになるわけでございますから、例えばこの中に入っておりますのは、有給休暇の取得というようなことを目標、これについて考えていくのは厚生労働省でございますし、国立やあるいは独立行政法人、さらに都道府県立の美術館や博物館において、日本語だけでなしに多言語、大体英語、中国語、韓国語だと思いますが、そういった言葉による表示がどれぐらいされているか、それも目標についての点検ということも観光庁の長官から文部科学省に対して問い合わせて確認していくということ。あるいは法務省ですと、入国管理につきましては、例えば中国からですと、以前は団体旅行しか駄目だったんですけれども、今は富裕な層に限って家族旅行ができるようになった、そういうような点検具合を報告させたり、そして進捗状況を見ていくという立場に観光庁長官がやっていくことになります。

○西田実仁君 是非、定量的な目標を立てておられますし、そのほかにも最終成果、いわゆるアウトカム指標として五つ挙げられたり、アウトプット指標も十ほど示されていると思いますので、それぞれの指標がどう有機的につながっていくのかということを、是非、観光立国というわけですから、国民の皆様方にも分かりやすいような形で今後広報等もしていただきたいと思います。
その上で、この今回の設置法の改正では、国交省の任務に今お話がございましたような観光立国の実現に向けた施策の推進という任務が加わるわけであります。そこで、観光立国に欠かせないのはそれを担うやはり人材ということでありまして、今日は特に、海外に限らず国内もですけれども、添乗員の皆様方の処遇等につきまして御質問をさせていただきたいと思います。
特に、派遣添乗員の処遇についてはこれまでも指摘されてきたところでございますけれども、最近特に増えているいわゆる格安ツアーと言われるそういうツアー、その裏に派遣添乗員の方々の大変な労働、過酷な労働ということが指摘されております。
私も不勉強ながら余り知りませんでしたけれども、ああいう添乗員の方はほとんど今派遣の方が多いと。しかも、日当制になっていて、国内旅行でも平均9450円ぐらい、海外旅行でも平均13250円と、年収は230万円ほどというような、そういう派遣添乗員の方が非常に多いと。一見華やかな添乗員のお仕事のように見えますけれども、実態はかなり過酷であるということが指摘されております。ツアーごとに契約をするものですから、ボーナスもあるいは社会保険にも入れないと、こういう実態が多く見られております。
私のところにもそのような働き方をしている方からお手紙がございまして、例えばこの方は女性ですけれども、ある月の1日から10日まで海外勤務をされていると。1日の朝9時に集合してそこから業務が始まって、フランスにツアーがあって、フランスのニースのホテルまでその間はずっと仕事でありまして、その間もちろん眠ることは許されない。後ほど述べますけれども、添乗員マニュアルには移動中寝てはいけないと書いてあるんですね。つまり、仕事なわけですね、ずっと。日本時間の翌2日の午前10時まで仕事をすることになりますので、25時間労働ということになります。それでも日当は1日分が8時から8時までと決められておりますので、その部分の日当しか出ないと。パリでは夜のセーヌ川クルーズに案内をしてと、これだけ聞くとすごくいいようですけれども、夜10時過ぎても残業代は出ないという実態がございました。
こういう実態を受けて、ツアーで旅行する際には旅行日程表というのが示されておりまして、お客様に、こういうものですけれども、配られますね。そこに、添乗員が同行しお世話いたします、また添乗員の業務時間は原則として午前8時から午後8時までとなっておりますので、あらかじめ御了承くださいとお客様には言っているわけなんです。
しかし、実態的にはそんなふうには全くなっておりませんので、大体ツアーをやりますと、終わった後、お客様が添乗員は良かったかとか、このツアー良かったのかというアンケートを取ります。そのアンケートがかなり重要なその人の評価にかかわっていくわけでありますけれども、そのアンケートも、私が入手したところによると、お客様からこういう声が上がっているんですね。
この旅行日程表には朝8時から夜8時までが添乗員の勤務と書いてあるけれども実態は全く異なる、実際のスケジュールは朝6時から深夜の1時ぐらいまで、ハードスケジュールで添乗員の人は働いていると。したがって、この旅行日程表に書かれているような朝8時から夜8時までの勤務というのは全く偽りであり、こういうことは書いても意味がないんじゃないかとお客様が言うぐらいに長時間労働に実態としてなっていると。これが今の現実ではないかというふうに思います。
添乗員のお仕事は、裁量の範囲が大きい、労働時間も把握しにくいということで、みなし労働というのを適用する旅行会社が大変に多いわけですね。実際にその派遣添乗員の方々の雇用契約書というのが今手元にございますけれども、この雇用契約書には、添乗日当、海外添乗日額幾ら、国内添乗日額幾らというふうに書き込んでサインをさせるようになっているんです。つまり、みなし労働というのが前提となった雇用契約を結ぶ。でも、実態は8時から8時までではなくて、もう朝6時から深夜1時まで働くというようなことが続いている。
このみなし労働制度は、言うまでもなく、使用者の具体的な指揮監督が及ばない場合、また労働時間の算定が困難な業務に適用される制度でございます。しかし、これは既に労働基準監督署からも実は是正勧告が出ておりますけれども、こうした派遣添乗員の方々のお仕事につきましては、実際に使用者が具体的にこういうことをしなさいというマニュアルがあるし、また添乗日報というのを必ず出さなきゃいけないことになっておりまして、何時に何をしていたかということも掌握できるわけですね。そういう意味では法的にはみなし労働ということの概念には当てはまらないんではないかと、こういうふうに私は率直に思うわけであります。
こうした派遣添乗員の方々の働き方、特に旅行会社の子会社の派遣会社に属する添乗員の方はまだいいんです。そうではなくて、第三の独立系というか、人材派遣会社に登録をしていて資本系列のないところに派遣されていくケースは大変に、もうこれ以上もっと厳しい状況が実はあるようであります。
観光立国ということを支えていく大変貴重な人材の皆様方でございますので、この処遇の実態、また、今私から説明させていただきましたけれども、どう認識され、今後こうした派遣添乗として働く方々の働き方の改善ということについてどのようにお考えになるのか、御感想また御所見がありましたらお聞きしたいと思います。

○政府参考人(本保芳明君) お答え申し上げます。
委員大変詳しく今の派遣添乗員の状況についてお話がございましたが、添乗員のサービス、これはある意味では日本独特と言えるぐらいに大変きめ細やかなサービスが提供されておりまして、それがパッケージの旅行の良さを形作っていると、こういうふうに認識をしているところでございます。
ただ、そういうきめの細やかさが、多少お客様のニーズが高いこともありまして行き過ぎている、あるいは結果として添乗員の方の負担になっているという、こういうケースがあるということは私ども実はお聞きをしているところでございます。どうしても海外旅行になりますと、先ほども夜のツアーの例の紹介がございましたが、遅くにツアーに出かけたり、また旅慣れないお客様から本来添乗員の業務じゃないことについてもいろいろ頼まれてしまう、それをお断りするのは実際上はなかなか難しいと、こういうことでだんだん添乗員の行う仕事の中身が変化をしてきていると、こういう面もございます。
そういう中で負担が大変重くなってきているということで、御指摘のようになかなか添乗員のなり手が見付からないというような、そういうような問題意識も出てまいりまして、そうなりますと、添乗員を提供する側の企業にとっても大きな問題でございますけれども、同時に添乗員にお願いをしてサービスを提供する旅行会社にとっても大きな問題であるということで、現在、日本旅行業協会とそれから日本添乗サービス協会などの関係者の間で、まず、添乗員が行うべき業務の範囲というのはどういうものであるべきなのか、対価を取るべきものはどういうものなのか、あるいは待遇を改善するためにはどういった手だてを講じたらいいのかということをいろいろ議論をしているところでございます。精力的な議論をされていると承知しておりますが、まずは、私どもその帰趨を眺めなければいけないということで、状況をウオッチしているというのが今の状況でございます。
結論が出、まとまっているところで私どもとしても必要な手だてを講じたいと、このように考えている次第でございます。

○西田実仁君 見守っていただくのはいいんですけれども、実際に既に、ある会社の子会社である人材派遣会社における添乗員の仕事の仕方について労働基準監督署から是正勧告というのが出されているわけであります。しかしながら、それは内容は、要するにこの添乗員のお仕事はみなし労働とはできないと。なぜならば、先ほど私が申し上げたことであります。
したがって、ここの働き方ということについていろいろ協議をしていただくのは結構ですけれども、やはりかなり無理がある、法的にも問題があるという労働基準監督署からの是正勧告が出ているということを踏まえて、そこもしっかり指導していただかないと、担う人たちがいなくなってしまう、こういうふうに私は大変強く懸念を持っておりまして、この辺りの事情について、厚生労働省の方来られていると思いますので、ちょっとお聞きしたいと思います。

○政府参考人(森山寛君) お答え申し上げます。
先生今御指摘がありましたように、この事業場外の労働に関するみなし時間制、これにつきましては、まさにその事業場外で業務に従事した場合において労働時間を算定し難い場合ということでございますので、それは個別に判断をしているところでございます。もちろん、そういう法律に違反する場合につきましては、是正指導を行い、現在やっているところでございます。
それから、先ほど来長時間労働につきましてもお話ございました。これは、私どもこの長時間労働につきましては、当然、労働者の健康を確保するためにも、それからまた仕事と生活の調和を取れた社会を実現するためにも、この長時間労働の抑制を図ることが必要であるというふうに考えておりまして、このために、これまでも、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準に基づく適正な労働時間管理、あるいは時間外労働の限度基準に基づく適正な時間外労働の締結等がなされるように取り組んでいるところでございます。
今後とも、先ほど来の監督指導も含め、適正な労働力の確保に努めてまいりたいというふうに思っているところでございます。

○西田実仁君 長時間労働だけではなくて、こんなこともあるんですね。
この方のお手紙によりますと、フランスではガイドの免許を持っていない者がガイド業務をすることを禁止していると。フランスではそういうふうな法律です。しかし、この添乗員の方は、私はガイド業務もさせられると。もちろん、ガイド料金などはもらわないと。そして、通訳もさせられると。しかし、通訳代金もないと。すべてが労働条件の中に入っているそうですが、その労働条件たるものを見たことがないと、この人はこういうふうに言っているわけなんですね。
この社団法人日本添乗サービス協会というところが出している派遣添乗員の業務ガイドライン、また事例集、こういう小冊子があります。この中には、実は派遣添乗員の業務として、その他状況に応じて臨機に行う業務というのがあります。その①にガイド不在時の代替案内・説明と、こう書いてあるんですよ。つまり、これはまあケース・バイ・ケースということなのかもしれませんけれども、例えばフランスではガイドの資格を持っていなければガイドをやっちゃいけないのに、この業務ガイドラインには、ガイドがいないときにはやっていいですよって書いてあると。これはちょっとおかしいんじゃないかと、こういうふうに思います。
そして、こうしたいわゆる付加業務、付加業務については、当然のことながらその対価をあらかじめ覚書等で定めてお知らせしなきゃいけないと。それはこのガイドラインにも書いてあるんですね。しかし、今申し上げたとおり、全部込み込みで日当幾らって書いてあるだけで、そのうち、ガイドをもしやるんであれば、違法ではない形でガイド業務を営むんであれば、それは幾ら、あるいは通訳は幾らというふうにしっかりとその対価を決めて示さなければ、こうした派遣添乗員の、特に海外という日本から離れたところでの仕事になりますので、目が行き届かず違法な付加業務というものがある意味で強制されていると、こうした状況もあると認識しておりますけれども、いかがでございましょうか。

○政府参考人(本保芳明君) お答え申し上げます。
ただいまいわゆる無資格ガイドについての御指摘がございましたですが、実は旅行業法でこういうものは禁じております。
具体的に申し上げますと、旅行地において施行されている法令に違反するサービスの提供を受けることをあっせんする、お客さんにそういうことをしなさいというあっせんをするとか、あるいはその提供を受けることに関しまして便宜を供与する、したがいまして違法なガイドを受けるようなことが可能な状況をつくるということでございますが、こういうことを旅行業者が行うことについては旅行業法で禁止をしております。
したがいまして、今御指摘のような事実が具体的にございましたら、適正に法の執行をしてまいりたいと、このように考えております。

○西田実仁君 ございましたらというか、あるんですね。実際、ある人から聞いている話ですので。
そして、このガイドラインも社団法人日本添乗サービス協会という立派なところで作られているガイドラインですから、もうちょっと正確に書かないと、要するにガイド不在時にはその代替案内、説明を臨機に応じて行う業務と書いてありますからね。それは当然、括弧書きにでもして、当然違法じゃない場合はそれでいいかもしれませんけれども、違法じゃない場合でも当然対価は払わなきゃいけませんが、これでは違法な場合も違法でない場合も、そのガイド業務を行うのが添乗員であるというふうに読めなくもないと。そこはもうちょっと正確に書かなきゃいけないんじゃないかなというふうに思うわけであります。
こうした長時間労働、また違法な付加業務ということが実態として起きているということにかんがみまして、観光立国ということを目指す大臣として、そこに従事する人の働き方、これどういうふうにしていったらいいのか、思いも含めて最後お聞きして質問を終わりたいと思います。

○国務大臣(冬柴鐵三君) すばらしい御指摘、ありがとうございました。
2010年を目標に、我が国から外国へ旅行に出掛ける人を2千万人にしようという目標が観光立国推進基本計画の中の第二項めに盛り込まれております。大変なハードルだとは思うんですけれども、これ何としてもやり切らなきゃならないと思っておりますが、それには今御指摘の添乗員、ガイドさん、添乗員が是非必要です。そういう人たちがそのような扱いを受けているということを今如実に教えていただきました。
我々も、厚生労働省所管の官庁とも十分連携しながらこれは改善しなければならないと私は強くそのように感じましたので、そのようにやらせていただきます。

○西田実仁君 終わります。

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