国土交通委員会 第2号 2007-10-30


2007年10月30日

1.改正建築基準法の運用について
2.車の安全と安心について(整備に関して)
3.MOTASを利用した自動車登録情報の電子情報提供制度について

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。引き続き御質問をさせていただきたいと思います。
まず初めに、改正建築基準法の運用につきまして、1点だけお聞きしたいと思います。
いわゆる構造計算適合性判定に回される対象となる建築物の範囲につきましては、高度な構造計算を伴う建築物というふうになっているわけでありますけれども、実際はかなり広範囲にわたってしまっているという現場の声をたくさん聞いております。いわゆるピアチェックにかけられることによって、それだけ審査期間が長くなるというわけであります。極端に言えば、もう倉庫とか物置以外は全部ピアチェックに回されるんじゃないかというような極端な意見を言う方もいらっしゃるぐらい、今現場で状況になっております。
我が党としても、既に今月末に申入れをさせていただいておりますし、大臣の記者会見でも、この1、2か月経過を見て回復基調に向かうだろうというような見解も述べられておりますけれども、ここはやはり極端な行き過ぎた運用というものを大きく改善をしていかなければ、建築士業界のみならず、その関連業界も含めて、大変大きな波及、影響というものが生じてしまうということを懸念をしているわけでございまして、また同時に、既に10月9日には追加措置がとられておりますけれども、これで万が一足りない場合は更に追加の措置をして、長引いているこの審査期間について、運用の改善によってそれをより円滑にしていくということが大変に今求められていると思います。 大臣の御決意をお聞きしたいと思います。

○国務大臣(冬柴鐵三君) 御案内のとおり、本年6月20日に改正建築基準法が施行されました。構造の専門家による二重のチェックを行う構造計算適合性判定制度の導入とか、あるいは確認審査等に関する指針の制定等、建築確認検査の厳格化の措置を講ずることとしたわけでございます。
このような中に、10月15日でございますからつい先ごろでございますが、横浜市内における新たな耐震偽装の事案が明らかになりました。幸いにして、これはまだほとんど着工しただけというような状況でありました上に、これはマンションでございます、相当大きなマンションでしたけれども、販売等は一切しておりませんので、そこですぐストップしたわけですけれども、驚くべきことに、これはもう160数か所、70か所にも及ぶ偽装がされていたということが明らかになりました。我々は、これはもう社会挙げてと申しますか、こういうようなことが行われないようにということで努力しているときに行われたことは極めてショックであり、遺憾であるというふうに思います。
こういうふうなことを考えますと、今回、相当厳しいという御指摘が諸所であるわけでございますけれども、やはりこの建物がもし建ち上がっていたらどんなことになっただろうということを考えたときに、これを見付けることができたということは、本当にそれはやはり改正の方向性は正しかったんではないか。
ただ、方向性は正しかったけれども、確かに7月、8月、9月の確認件数は大分落ちてしまった。確認はいいんですけれども、着工件数は非常に落ちてしまったということは、経済にも影響を与える。すなわち、特に中小の建築業者の方々あるいはそういうものを販売する方々あるいは住宅資材というものの御商売をなさっている方々にとって大変大きな影響を与えてしまっていることについては、これは私は遺憾なことだと申し上げなければなりません。
そういうものに対しては、我々は、資金手当てとして中小企業の政府系金融機関の手厚い融資手段というものを講じることといたしております。普通は、中小企業金融公庫あるいは商工中金等は2億4千万円というのが貸出し限度ですけれども、これを倍額、4億8千万まで拡大していただき、そしてまたその返済期限も、これを5年から7年に延ばし、そして据置期間も、普通は1年ですけれどもこれを2年にしていただく等、手厚い金融上の措置も講じているところでございます。
しかし、それとは別に、今後、実務者の要望、いろんなことの要望も踏まえまして、実務者向けのリーフレットを30万部印刷をしまして、関係箇所にこれを配付して、そして余り肩ひじを張って慎重にならないようにしていただきたい面もありますので、そういう点を実務に沿って分かりやすく説明した文書を作ったり、あるいは、地域によって大分進んでいるところと依然として遅れているところあります。したがいまして、そういう特定行政庁や指定検査機関等に対する個別のアドバイスをして、そして落ち込んでいるところを引き上げるように努力すると。あるいは、実務の現場に即したきめ細やかな情報提供を始め、建築確認手続の円滑化に向けて、要するに解釈が区々に流れたりしているところは我々がはっきりした解釈を出す。あるいは、不要と思われるような資料の添付をもう要らないというふうにきちっとして、もっと簡略化しようという努力をしているところでございます。
いずれにいたしましても、全力でこの影響を最小限に抑えるように努力をしますけれども、この方向性については御理解を賜りたいというのが私の考えでございます。

○西田実仁君 我々も、申し入れたことに対してしっかりフォローアップしてまいりたいと思っております。
残された時間は、車の安全と安心ということで、特に整備に関しまして御質問させていただきたいと思います。
今、国土交通省といたしましては、日車協や日整連に対しまして点検整備不良が原因と考えられる事故などの事例について報告するよう要請をされておられます。この情報収集を行うねらい及びこの検査により車両トラブル事例に何らかの顕著な傾向が見られる場合、どのような対応をされていかれるのか。例えば、事故終了後の完成検査の法定化というようなことにもつながる可能性は全くないのかどうか。これは、実は平成5年の段階でも同じような調査をして、結果的にはそうしたものは杞憂であったという結論にはなりましたけれども、再び今調査を掛けておられる。その背景には様々な問題があると思います。中古自動車の2割強は事故破損車両であると。事故を起こしてから中古で販売されて、次の検査までの間、ほとんどの業者はきちっと修理しているわけですけれども、中には資格要件を満たさない者による修理が原因となる不具合ということも実際には発見されていると思っております。
時間も限られておりますけれども、今なぜ国交省として点検整備不良が原因と考えられる事故の事例について情報収集を行っておられるのか、またその結果次第によってどのようなことが考えられるのか、具体的には事故終了後の検査、完成検査の法制化というようなことも全く否定されるものではないのかどうか、これについて最後、承りたいと思います。

○国務大臣(冬柴鐵三君) 今回の調査は、事故情報の収集を強化いたしまして、情報量を増やすことによりまして、点検整備の不良による車両故障事故の事例の幅を広げるとともに、分析精度を向上化させる、十分な分析を実施して対策の改善充実を図るということが目的でございます。
この結果、調査の結果、過去の事故時の整備に問題があるというふうなものが考えられる場合があれば、必要な対策を講じていかなければならないと。必要な対策というのは、道路運送車両法に基づく車両の1つの保安基準というのもありますから、それを満たしていないような自動車が町を走っているということは非常に大変なことでございますので、この道路運送車両法に基づく、我々はその権限に基づいて厳正に対処もしていきたいと思います。
また、不良な整備というものをチェックする場合もあります。そういう場合もこの法律に基づいて対処したいと思いますし、それから街頭検査というのもやっているんです、走っている車を止めて。そういうところでもそういう車両を見付けたときには厳正に対処して、そして保安基準に達しないような車両が町を走ることがないように頑張ってまいりたいと思います。

○西田実仁君 車両法ではフレームなどの重要な部位の修理を行う技術者の資格要件というものは規定されておりません。また、フレーム修正作業を分解整備記録簿に記録することも、記載することも求められていないと。今の、最近の自動車の大半はいわゆるモノコック構造になっておりまして、わずかな衝撃でも車体がゆがみやすいということを考えると、こうした車体のゆがみに対する修正、これもしっかり技術資格要件を定めていく必要があるんではないか、このように考えておりますけれども、いかがでございましょうか。

○政府参考人(本田勝君) 御指摘のとおり、そもそもの点検整備をする方々の技能、これを向上していくのは大事だと思っておりまして、そういった意味での技能試験、これを充実をさせてまいりたいと、かように考えております。

○西田実仁君 この11月からいわゆるMOTASを利用した自動車登録情報の電子情報提供制度というものが始まります。今後、こうした事故を起こした車両、またそれをどこでどう点検したのか、いわゆる中古車のトレーサビリティーということを、こうした電子情報の提供も利用しながら、今後の方向として行っていくべきではないかと私は考えますけれども、大臣、御見解いかがでございましょう。

○政府参考人(本田勝君) 先生御指摘のとおり、今や電子化の時代でございまして、昨年5月に改正をしていただきました道路運送車両法に基づきまして、本年11月18日から、自動車使用者の皆さんは登録情報提供機関を通じまして自動車登録の情報の提供を電子的に請求あるいは入手することができるようになります。
その際に、こうした自動車の登録情報の電子的な提供が開始されますと同時に、自動車の登録情報に、今先生がおっしゃいました事故履歴でありますとか、あるいは走行履歴、あるいは整備の履歴、こういったものも、民間で取得なさった情報、これを付加したデータベースが構築されましたら、それはそれで、おっしゃいましたとおり、確かに中古車の取引などに非常に有用だと思います。現に、こうしたデータベースの構築につきましては、ちょっと採算の問題がありますので、すぐさまとはまいりませんけれども、中古車販売事業者の団体の方々などでその導入について検討されていると承知しておりまして、私どもその動きを見守ってまいりたいと、かように考えております。

○西田実仁君 終わります。

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