決算委員会 第9号 2009-06-22


2009年6月22日

質問要旨
1.防衛医大と全国自衛隊病院の違いについて
2.防衛医大と全国自衛隊病院の人的交流について
3.自衛隊病院から地域の中核医療施設への医師派遣について

○西田実仁君 引き続き、公明党の西田実仁でございます。貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
私は、まず浜田防衛大臣にお聞きしたいと思っております。防衛省の医療資源につきましてお聞きします。
この防衛省の医療資源につきましては、当然、有事の際に出動して住民や国家のための衛生活動に従事をいただくという意味では、一定の余裕というものが必要であるということはよく認識をしているわけであります。しかし、実際今、地域では医師不足も大変に問題になっておりますし、地域の皆様にその防衛省の医療資源を活用いただくという視点も必要ではないかというふうにも思います。
〔委員長退席、理事神本美恵子君着席〕
今、防衛省には、全国に十五の自衛隊病院、そして防衛医大もございます。そのうち、オープン化している、つまり地域に開いている自衛隊病院は、札幌、中央、横須賀、富士、福岡、そして私地元でございます埼玉にあります防衛医大ということでございます。特にこの防衛医大については、大変に八百床という大きな病院でございまして、昭和五十二年の設立以来、地域に開いてきていただいているわけであります。第三次救急病院、特定機能病院、災害拠点病院の指定も受けて、外来患者の八割以上が埼玉の人だということでございまして、大変に貢献度が高いわけでございます。
ただ、大変に貢献いただいているんですけれども、地域の方々の一部は、お医者さんの数が余りにも少ないとか、看護師さんも大変に少ないというような、医療サービスに対して厳しい声も正直ございます。
そこで、今日お手元にお配りさせていただきましたのは、この防衛医大の病院と全国の自衛隊病院のそれぞれの病床利用率、歳出対歳入率、人件費対歳入率、また看護師一名当たりの患者数。これを見ていただきますとその違いは歴然でございまして、時間の限りもございますので防衛大臣に一問だけお答えいただきたいと思いますが、これを見ていただきますと、やはり相当の違いがあるわけでして、この防衛省が持っていらっしゃる医療資源全体を再編なりして、もう少し防衛医大の、これ余りにもこれだけ違って厳しい状況にもございますので、効率的な、しかし余裕は自衛隊病院にも必要だとは思います、しかし、防衛省の医療資源全体を見直しての再編あるいは人的な交流ということをもうちょっと進めていただくことが、より臨床例を増やすという意味でも、幹部医官の育成という点でも資するんではないかとこう思いますので、大臣に一問だけお聞きしたいと思います。

○国務大臣(浜田靖一君) 先生の御指摘のとおり、我々もその点については問題意識を持っておるところでございます。
医師につきましては、専門研修といった研修等を通じて相当数の医官が防衛医大病院において診療を行っております。また、看護師については、防衛医大病院における研修の必要性を感じており、今現在、若干名の研修を行っているところでございます。
〔理事神本美恵子君退席、委員長着席〕
また、自衛隊病院の看護師の防衛医大における研修を通じた勤務の在り方については、これはもう今先生御指摘を踏まえて我々も対処していきたいというふうに思っておりますし、オープン化に向けて地元の御理解をいただけるように、各全国の自衛隊病院についても今後、我々の防衛省の中でも今議論をさせていただいておるところでございますので、できる限りそのオープン化についても前向きに検討していきたいというふうに思っているところでございます。

○西田実仁君 大変にありがとうございます。防衛大臣、この一問だけで誠に恐縮でございます。もし委員長のお許しがありましたら、もう結構でございます。

○委員長(家西悟君) 浜田防衛大臣、御退席いただいて結構です。

○西田実仁君 引き続き、金子大臣にお聞きしたいと思います。
テーマは、伝統構法の設計法についてでございます。
大臣の御地元の岐阜におきましては東濃のヒノキ、あるいは私、地元埼玉では西川材といった地場の木あるいは地場の技を生かしての木造住宅というのが日本の伝統的な住宅、家造りを支えてきたんだろうというふうに思っております。こうした伝統木造構法のたくみの技というのは是非とも残していくべきであるという私は立場でございます。なぜならば、このたくみの技というのは、地震が起きたときにもしなやかな構造で地震力を分散あるいは吸収あるいはやり過ごすというようなことを通じて倒壊を防ぐ技にほかならないからでございます。
具体的には、例えばこの伝統構法によりますと、大きな地震が起きた場合、四つの段階でこの地震力を吸収していくという話があるわけです。土壁でまず衝撃力をそぐ、あるいは木の軸組みで力を散らす、あるいは柱脚が動いて力を伝えない、これは石場建てと言われるものでございますが、そして四つ目には通し貫の粘りで倒壊を防いでいくと。特に、私は、このかなめ、伝統構法のかなめはこの石場建てといういわゆる免震構造、ここにあるんではないかというふうに思っております。
今年三月、国土交通委員会で大臣にもお聞きさせていただきましたけれども、この伝統構法による木造住宅の建築確認が大変に通りにくくなっているという問題点がございます。元々法的にきちっと位置付けられてなかったということもございます。そして、その上に耐震偽装事件というのが起きてまいりまして、ピアチェック等の大変厳しい建築確認ということになりまして、なおさら通りにくくなっております。
今日、お手元にお配りをさせていただきましたのは、国土交通省さんで作られているこの木造住宅と設計法ということでございますが、この上の方の壁量計算でできるものはそう難しくないわけであります。下の限界耐力計算を用いなければならない伝統構法に建築確認、これがピアチェックも要し、難しくなっていると。
その限界耐力計算と書いてある右側には、いわゆる東のマニュアル、いわゆる西のマニュアルというふうに書かれておりまして、いわゆる東のマニュアルというのは関東版のものでございます。主に在来工法を対象としたマニュアルでございます。下にあるいわゆる西のマニュアルというのは、近畿版とも言われておりますが、伝統構法を対象としたマニュアル。
この西のマニュアルでは例えば先ほど私が申し上げました伝統構法の石場建ての木造住宅は建築確認が通るわけでございますけれども、東のマニュアルではそれがなかなか通らないと、こういう問題があることを私は三月の委員会で質問をさせていただいたわけでございます。
まず、大臣には、この伝統構法という日本古来伝わる、また今も根付いている、また地震に対しても強いという検証もなされているこうした伝統構法ということについて、私は残していくべきだし、また保護し、また育てていくべきだという立場でございますけれども、大臣の御所見をまずお聞きしたいと思います。

○国務大臣(金子一義君) 西田議員のお地元、私のところも飛騨のたくみという伝統構法がまだ脈々と続いているんでありますけれども、だんだん技術の伝承がいない、あるいは先ほど御指摘いただきましたように、なかなかこの伝統構法に対する技術基準、建築基準法、これ非常に厳しいと、あるいは難しいという状況がありました。
ただ、国会で御議論いただきました長期優良住宅の普及の促進法がありましたですね、あのときには、国会で修正をいただきまして、木造の使用に関する伝統的な技術も含め研究開発の推進等に努めるという旨を国会で修正をいただきまして、そのことをある意味実現をしていきたいと思っております。
国民の大半は木造住宅を志向しておりますし、伝統的構法による木造住宅の振興についても国民のニーズにこたえられるように今後とも積極的に努力してまいりたいと思っております。
たまたま、ある日刊紙に今日の社説で、先生が今御指摘をいただきました伝統木造構法の、こういう地震列島に対してきちんと検討しろという社説の記事も拝しましたけれども、このことを大事にしていきたいと思っております。

○西田実仁君 そこで、具体的にお聞きしたいと思いますが、先ほどの国交省さんで作られた資料、伝統的構法木造住宅の設計法開発という、ちょうど真ん中のところについてお聞きしたいと思います。
今大臣も、この伝統構法の重要性ということについてもお話しをいただきました。今、そういう意味では、伝統構法をきちんと建築確認等で通るようにしようということで設計法の改正が行われているわけです。実大震動実験というのが昨年そして来年と行われることになっております。私が今指摘しました伝統構法の中でも、そのかなめとなる石場建てによる伝統構法、これについては実大震動実験で行ったのでしょうか、国交省にお聞きしたいと思います。

○政府参考人(和泉洋人君) 御指摘の検討は、二十年度から三か年の計画でございます。その中で、住宅全体についての実物大の構造性能実験を行うことになっておりまして、委員御指摘のとおり、20年11月と20年12月に行いました。しかしながら、この中では、初めての実大構造実験でございますので、今委員御指摘の石場建てについてやってございません。
理由でございます。
今回の実験は初めての実験として、伝統的木造軸組み構法全体、上部構造も含めてデータを取りたいという趣旨でございました。委員御指摘の石場建てのケースにつきましては、もしかしたら建物全体がずれてしまって上部構造に関する実験データが得られないかもしれない、こういった性格がございまして、相当数の金額掛かることもございまして、今回は石場建てじゃない、いわゆる基礎等を固定した構法についての検討を行っておるという状況でございます。

○西田実仁君 今年夏にもつくばで、これから要素実験を経まして、つくばにおきまして実大水平加力実験というのを行う予定だと思いますけれども、これは昨年に行いました実験、この二棟、これを前提として行うんでしょうか。

○政府参考人(和泉洋人君) 今委員御指摘の石場建ての実験でございますけれども、住宅丸ごと一棟ではございませんが、二十年から二十二年にかけての検討委員会にも参画しておる独立行政法人建築研究所におきまして、十九年度から二十年度にかけまして、石場建て構法の構造体について、純然たる石場建ての場合とアンカーボルトで固定した場合の震動実験をしました。
このうち、特に水平移動を拘束しないいわゆる純然たる石場建ての場合につきましては、木材と石との間の摩擦力についての分析や、柱脚の滑り量などについての分析、これ極めて伝統的な構法ゆえに最新の型になかなか乗りにくいということもございまして、委員の先生方が今分析をし、二十年から二十二年にかけて行う全体の設計法の中にどう入れ込んでいくのかというようなことについて真剣な討議がなされているというふうに承知してございます。

○西田実仁君 私がお聞きしたのは、この夏につくばにおいて建築試験研究センターで行われるものは、平成二十年、昨年に行ったものを、二棟、実大震動実験を行っていますけれども、それを元に行っていくんでしょうかという質問です。

○政府参考人(和泉洋人君) 当然、十九年度から二十年度にかけて行った、今私が御説明した石場建てに関する検証結果も踏まえながら、更に知見を深めるための実験をするというふうに伺っておりますし、建築研究所自体が二十年から二十二年にかけての全体設計の中のメンバーでございますので、その知見がどう全体に生かせるかということについて関係者で真剣に勉強してまいりたいと、こう考えております。

○西田実仁君 今、中間報告で、この伝統的木造軸組み構法住宅の耐震性能検証実験ということがこの三月に発表されておるんですね。
今おっしゃっていただいているような検証の委員会の委員の方々を見ますと、確かに現場で伝統構法に携わってこられた職人の方も随分入っておられまして、大変そういう意味では委員会構成、検討委員会の構成自体は画期的なものであるというふうにも思います。当然のことながら、大学の先生、専門家の方々も入っていらっしゃいます。
しかし、今いろいろとるるお話しされて、石場建ても何か実験をしているかのようなお話に聞こえましたけれども、現実には、この検討委員会に参加されている職人の方々、また国宝修理にもかかわっている方々から提案書というのが出ていますよね、五月に出ております。私、手元にございますけれども、これは伝統構法についての共有認識事項提案書というものでございまして、特に伝統構法に現場で携わってこられた方々が、この検討委員会においてその方々の意見が十分に反映されていないんではないか、この実験、検証の進め方の中にそもそも石場建て自体が外されてしまうんではないかという大変な懸念を持って提案書を出されているんではないかというふうに思われます。
この点につきましてはどんなように受け止めておられますでしょうか。

○政府参考人(和泉洋人君) そもそもは、伝統的木造軸組み構法、石場建てを含めて、非常に多様性があります。加えて言うと、今委員御指摘のように、それに関連する技術者とか棟梁等も非常に様々な意見があるというのが実態でございます。
そういう中で、今回設けました委員会につきましては、関西で実績のある石場建てについての専門家を一名入れ、加えて、いわゆる大工さんの団体等から推薦された実務者から成るメンバーを、ある意味ではかなり公平な手続で選んでいただいてつくられたメンバーでございます。したがって、率直に言って、今の委員会構成自体100%じゃございませんから、そういった御意見もあるかもしれません。これが一点目でございます。
もう一点は、そういった御心配する向きの中に、今回の設計法の開発の中で詳細設計法、限界耐力計算法を延長させ詳細設計法を作る際に難しさゆえに石場建てが落ちてしまって、その結果、石場建てを造ることが不可能になってしまうんじゃないかと、こういった御心配をされる向きもあるのかもしれません。
それにつきましては、今回の詳細設計法というのは、現在使われている限界耐力計算法を在来木造軸組みに使う際によりスムーズに使えるようなマニュアルを考えてございまして、一方で、限界耐力計算法自体が建築基準法の中に規定もございますので、その法律を守る範囲で個別にエキスパートジャッジで造っていくという道は当然残されると、その点については御心配ないかと思います。

○西田実仁君 しかし、実際に今、実験はこの石場建てを外した形で行われているわけですね。このままこの既成事実が積み重ねてまいりますと、来年には大臣告示という形になるんでしょうけれども、その大臣告示に石場建てが外されてしまって、マニュアルの方でできるからといっても事実上はできなくなる、そういう懸念を持っているわけでございますが、どうでしょうか。(発言する者あり)

○政府参考人(和泉洋人君) これ、大臣からやれという指示があるものですから。
まず、正確に御説明しますと、設計法の開発の中に簡易設計法と詳細設計法がございます。簡易設計法の方は、今やっています限界耐力計算法という高度なことをやらなくてもやれる範囲でまとめると。ある意味では、若干の木造在来軸組み構法に関する制約はあるかもしれません。二番目の詳細設計法というのは、現在行われております限界耐力計算法だとしても、それを現場の設計者や工務店がより簡素に、簡易に使えるように、一種のマニュアルと考えていまして、前者は今先生おっしゃったように告示、後者は一種のガイドライン、マニュアルというふうになるかと思います。
先ほど御答弁申し上げたのは、そういったことをした上で、さらに、当然のことながら、その告示やマニュアルから外れる部分についても、現在の建築基準法に従って限界耐力計算法をして西の方でやっていますようにエキスパートジャッジをやれば、当然造り得る道は残されていますし、それを我々としては振興していきたいということでございます。
その上で、じゃ二十二年度に石場建てを含む実大実験をやるかどうかについては、今私がここでやりますとかなんとかということじゃなくて、専門家が集まった委員会の中で、限られた予算をどう使うことが在来木造軸組み構法についての振興について一番プラスかということを議論する中で、石場建てについても十分、今の委員の御指摘を踏まえながら検討してまいりたいと、こう考えております。

○西田実仁君 大臣にお聞きしたいと思いますけれども、伝統構法には確かにいろいろあるんですよね、いろいろあります。その中で、確かにいろいろあるんですけれども、石場建てというのは非常に重要な技術なんですよ。結局、免震という地震の揺れを水平方向に動きながら力をそいでいくという、そういう重要な技術だと思います。いろいろあるという割には実大震動実験には石場建ては外しているという、こういうことがあっては、このまま、皆さん心配になってしまうわけであります。
まだ夏、これから震動実験もするし、来年もまだありますので、これ是非、現場でこの伝統構法を、特に石場建てに取り組んでいらっしゃる方々がきちんとこの日本の伝統技術を継承してまた発展をさせられるような環境を少なくとも邪魔しないようにしないと、これはもう本当に途絶えていってしまうと私は危惧しております。
大臣、今ちょっと技術的な話もございましたけれども、御感想、また御決意をお話しいただければと思います。

○国務大臣(金子一義君) 技術的な部分は余り軽々に申し上げるわけにいきませんが、何とか石場建てというのが、さっき委員が御指摘された四つの要因の中で一つの大きな、これだけではありませんけれども、これも重要な要素であるということは私も理解をしております。そういう中で、住宅局長が言ってくれたように、これがどの程度の効果があるのか専門家にも相談をさせるということをちょっとさっき指示をいたしましたものですから、その検討結果を見守らしていただきたいと思います。
結構この石場建てについては、中小の工務店等々も関心持っておられますよね。私のところにも、お盆の上にパチンコ玉三つ持ってきた人がいましてね、お盆をこういうふうに横にすると、ちょっと傾けるとパチンコ玉おっこっちゃうよねと。だけれども、これ、揺らしてごらんなさいと。こういうふうにぐらぐらっと揺らせるとパチンコ玉三つが真ん中に集中するんですと、これを在来工法に使えないかなんて、結構そういう、言わばこれ軸受けです、下のところの。石場の代わりですけれども。こういったような技術開発みたいなものも一方でかなり皆さん研究してくれている方々も多いものですから、そういうものを生かすという方法と、方向性として是非何らか対応できるようにしていきたいと思っています。

○西田実仁君 ありがとうございました。じゃ、よろしくお願いいたします。

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