国土交通委員会 第5号 2009-03-24


2009年3月24日

要旨
【マンション再生について】
1.老朽マンションの再生について。2011年に築後30年を超えるマンションが100万戸に達するとも聞くが、再生が必要な老朽化したマンションの現状についての認識如何。旧耐震基準の老朽マンションは全国にいくつあるか。地域ごとの数は?
2.マンション再生を妨げる要因は何と考えるか。
3.特に再生に向けた初動期を支援する専門家が必要と考えるが現状の支援制度は?
4.国土交通省では来年度マンション再生のための支援制度を拡充すると聞くが、どのように改善されるのか。それによりどれくらいのマンションのリフォーム等が進むと想定されるか。(住生活基本計画におけるマンションの共用部のユニバーサルデザイン化率目標との関連で)
5.既存マンションのバリアフリー改修(エレベーター設置など)への補助が必要と考えるが如何。
【防災公園の整備について】
6.埼玉県草加市で進める綾瀬川左岸防災公園整備事業のような防災公園の整備には、国の支援なくして短中期での事業化は難しいと考えるが如何。
7.こうした都市公園の場合には、用地費についても国の支援の充実を図るべきではないかと考えるが、認識如何。

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。機会をいただきまして、ありがとうございます。
先般の群馬の高齢者施設を襲った大変な悲劇がございました。そこから様々なことを学び取ってこれからの政策にも生かしていかなければならないと思っております。
特に、高齢社会が非常に加速していく中で、住まいの確保ということについては大変大きな問題であるというふうに思います。自宅でできるだけ暮らせるようにしたいと、こういうことであろうかと思います。私、地元は埼玉でございますけれども、首都圏、埼玉や千葉あるいは神奈川というのは2015年にかけて大変に高齢化率が上がる、全国的にも最も上昇度の高い地域でございます。そこで、本日はマンションの問題を取り上げたいと思います。老朽マンションのバリアフリー化、あるいはマンションの再生ということについてお聞きしたいと思っております。
老朽マンションの再生につきましては、2011年には築後30年を超えるマンションが100万戸を超えるというふうにも聞いております。今現状で、再生が必要な老朽化したマンション、どう現状を認識されておられるのか。特に、旧耐震基準の老朽マンション、全国にどのぐらいあり、あるいは地域ごとの何か特徴がありましたら国土交通省からお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(和泉洋人君) お答え申し上げます。
今委員御指摘のとおり、マンションにつきましては昭和40年代から急速に普及しまして、今御指摘のように2011年には築後30年を超えるマンションが約100万戸と、こういった実態でございます。
特に、こういった古いマンションでございますが、住戸面積も狭く、エレベーターも付いていない、中層であっても付いていない。あるいは居住者の高齢化、マンションだけが高齢化するのではなくて居住者も高齢化する。加えて言うと、賃貸に増してそういった問題もあると。こういった様々な問題を抱えていると思います。加えて言うと、まさに御指摘のように56年以前の、新耐震基準以前の、言うなれば耐震性に若干不安がある、こういったマンションも百万戸程度ございまして、そういった意味で、耐震性を含めましてマンションの再生は大きな課題だと考えております。
また、地域の分布でございますが、当然、マンションでございますから、東京、大阪といった大都市を中心に集中的に位置していると、こういった状況かと認識してございます。
○西田実仁君 そういう状況でございますが、このマンションの再生というのはなかなか正直進んでいない。大臣として、このマンションの再生を妨げる要因というのは幾つかあろうかと思いますが、どんな御認識でしょうか。
○国務大臣(金子一義君) 確かに進まないんですけれども、建て替えにはマンション全体の住民の賛否でありますけれども、マンション全体の建て替えでは五分の四以上、それから改修の場合も四分の三以上又は過半数の賛成が必要であるという合意、その住民の合意形成、これがなかなか難しいというのが一つ聞いています。それからもう一つ、改修、建て替えのための事業費、それから検討をする費用の確保というのがもう一つ難しい。もう一つ申し上げますと、管理組合において改修、建て替えのために必要な知識や情報が一方で不足、管理組合で不足しているといったことが挙げられると思っております。
そういう意味で、これらの懸念払拭してマンションが再生できるようにするために、今の三点になりましたけど、円滑な合意形成を可能とする制度や運営についての検討、それから改修、建て替えに対する資金面での支援、ノウハウを有する専門家等の関与による管理組合への支援と、これらの取組を推進していく必要があるんだろうと思っております。
○西田実仁君 まさにお話のとおりだというふうに思います。特に、再生に向けて初動期の支援というのが大変重要であるというふうに思われます。
管理組合、今お話ありましたように修繕積立金も必ずしも潤沢ではございませんので、その見通しが立たない中で再生推進の予算を確保するというのもまた難しい。また、専門家としてマンション管理士あるいは管理会社といった、再生の初動期を支援する人なり組織というのもあろうかと思いますけれども、この再生に向けた初動期を支援する仕組みが現状どうなっているのか、国土交通省の方からお聞きしたいと思います。
○政府参考人(和泉洋人君) 御指摘のとおり、初動期に十分な専門的な知識を持った方が関与して、余り誤解がない形で住民間の話合いが持たれるということ、極めて大事なことだと思っております。委員御承知のとおり、東京、大阪等の早期にマンション問題に直面した都市部等においては、いわゆる相談窓口を設置するとか、あるいはマンション管理士、建築士などの専門家を派遣する、こういった仕事もしておりますが、まだまだ件数で言いますと不十分でございまして、今後、そういった問題を抱える大都市を中心に、すべての公共団体にそういった制度をつくってもらいたいと、こう思っております。
そういう中で、来年度でございますが、そういったマンション管理組合がいわゆる再生のための計画をつくるとか、あるいは管理面で修繕計画の見直しをする、こういった場合に国の方から直接支援をさせていただくと、こういった予算も21年度予算において盛り込まさせていただいておりまして、まだまだ金額は3億円の予算でございますが、こういったものを通じて、初動期対策について、公共団体とも連携し、マンション管理組合の理解も得ながら進めてまいりたいと、こう考えております。
○西田実仁君 まさに、自治体によっては初動期の支援で資金的な支援もしているところも出てきているようであります。大変重要な最初の段階ですね、この合意形成を進めるにも、最初が壊れてしまうとその先に進みませんので、そこでの支援を是非厚くしていただきたいと思います。
今少しお話ございましたけれども、来年度、平成21年度において、マンション再生のための支援制度を拡充するというふうにも聞いております。どのような改善がなされるのかということを是非次にお聞きしたいと思います。そして、その改善策によりましてどれぐらいのマンションのリフォームが進むと想定をされているのか、住生活基本計画におけるマンションの共用部のユニバーサルデザイン化率目標との関連でお話をいただければと思います。
○政府参考人(和泉洋人君) 来年度の拡充二点ございまして、一点目、今御答弁申し上げましたソフト関係を中心とした対策でございます。名称はマンション等安心居住推進事業といいまして、平成21年度に創設させていただきたいと考えております。
具体的には、その中身でございますが、先ほど言いましたように、管理がうまくいっていないマンションであるとか、あるいは新しい試みとして第三者管理に取り組みたいと、こういった様々な意図を持っているマンションに対しまして、そういったソフトに対しまして経費として支援をさせていただく、300百万円ぐらいまでは定額補助で助成をさせていただく、こういったものを21年度3億円の予算でお願いをしているところでございます。
二番目は、今御指摘のいわゆるハードの改修に関連するものでございまして、優良建築物等整備事業の中で、既存ストック再生型というものの創設をお願いしてございまして、マンション等のバリアフリー改修などにつきまして、間接補助、直接補助いろいろございますが、補助をさせていただくと、こういったものでございます。
ちなみにこの優良建築物等整備事業は、平成20年度の予算は40億円でございますが、21年度におきましてはこういった新しい型をお願いすることもございまして52億円の予算をお願いしたところでございます。
今委員御指摘の住生活基本計画でございますが、その中で、高齢者、障害者を始めとする多様な者が安全で快適な住生活を営めるよう、住宅のユニバーサルデザイン化を促進すると、こういった方針がございまして、その具体的な数値目標としまして、共同住宅の共用部分のユニバーサルデザイン化率、平成15年の住宅土地調査においては10%にすぎませんが、これを何とか平成27年度に25%に高めると、こういった目標を掲げさせていただいております。
今申し上げました様々な補助制度の拡充等を通じましてこの目標が実現できるように努力してまいりたいと、こう考えております。
○西田実仁君 併せてちょっとお聞きしたいんですけれども、まちづくり融資というのが機構によってございますけれども、これの要件というのは何か今回変わるんでしょうか。
○政府参考人(和泉洋人君) 住宅金融支援機構のまちづくり融資の関係だと思うんですが、この点につきましては、今回のマンション問題に限ってという話ではございませんけれども、住宅不動産市場が冷え込んでいる中でそういった事業者資金がうまく回ってこないという話がございまして、そういう中で要件を緩和する等の工夫をこれからしようと考えております。
加えて、マンションについては、特に高齢者の方々が年金収入等で、参加はする気があるんだけど、自分がそのお金を返していくことはできないということがございます。かねて平成13年度に高齢者居住安定法を作ったときに、広義のリバースモーゲージ的な融資、言うなれば、御存命中は金利だけ返していただいて、フローの収入が少ない方でもマンション建て替えに参画していただいて、残念ながら亡くなったときについては財産で残りの元金を償還すると、こういった融資制度も準備してございまして、そういったものを使いながらフロー収入の少ない高齢者の方々がマンション建て替え等にも参画しやすくするように、そういうような取組もさせていただきたいと、こう考えております。
○西田実仁君 今後予想されるこうした建て替えというのは、結局は自己負担による建て替えが大変に多くなるわけでありまして、なかなか余剰地を使って自己負担ゼロで建て替えるというのは、中にはごくまれにそういう例もありますけれども、基本的には難しい、その分自己負担が増えるということになろうかと思います。
そこで、今制度としてはございませんけれども、既存マンションのバリアフリー改修、例えばエレベーター設置などが含まれると思いますけれども、こうしたことへの国庫の補助、それ当然事業者あるいは地方負担も必要になろうかと思いますけれども、こうした新しいマンション共用部の改修費に対する補助制度というのを是非検討していくべきではないかと、こう考えますけれども、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(金子一義君) 西田先生、この問題、長らく先頭に立ってお取り組みいただきましたけれども、今年3三月6日の社会資本整備審議会、ここでマンション政策の在り方、答申をもらいました。築30年超えるマンション、これが今急速に増えてまいります。2011年に100万戸になりますけれども、こういう状況を踏まえてマンション再生に対する支援について、地方公共団体とも連携しまして、来年度創設する補助制度の活用あるいはマンション再生の検討のための専門家の派遣といったようなことについて取組を進めてまいる予定であります。
○西田実仁君 この支援の充実ということを図って、住まいの確保ということがとにかく高齢社会では大事な点であります。もちろんこれだけじゃございませんけれども、マンション再生ということについて特にその資金的な支援ということもより厚くしていく必要があると、こういうふうに私は訴えて、この質問を終わりたいと思います。
次に、防災公園の整備につきましてお聞きしたいと思います。
首都圏の直下型地震が発生した場合の帰宅困難者というのは東京、埼玉、千葉、神奈川の一都三県で約650万人に上ると、こういう中央防災会議の推計がございます。東京に勤務されている方がそれぞれ戻ってくる際に、帰宅困難者としてそれを受け入れる防災公園が首都圏には必要になっております。特に駅とかあるいは幹線道路沿いの防災公園の確保が肝要であろうというふうに思います。私の地元埼玉の草加市で今進めております綾瀬川の左岸防災公園整備事業もそうしたことの一つであるというふうに思います。
防災事業の効果を考えますと、やはり中心市街地に整備する必要がございます。しかし、中心市街地というのは急速な宅地化が既にもう進行しちゃっていると。また、公園、広場などの公共空地がそれによって確保が難しくなっています。そして、農地とか緑地などのオープンスペースもほとんどない状態、こういう現状でありまして、防災公園等の一定規模の空地を確保するというのは大変に難しい現状がございます。
そこで、突発的に発生する大規模な工場跡地とかあるいは農地などが出てきた場合には、短時間でそれを取得して事業化していくという必要がございます。したがって、長期的に計画的にというのはなかなか難しい、土地が出たときにぱっと確保しなきゃならないということであります。しかし、こうした土地は当然地価も高くございまして、多額の用地補償費等の負担が発生するわけでございます。
そこで、こうした今私が申し上げた草加市の例えば綾瀬川の左岸防災公園整備事業のような防災公園ですね、ここのこうした整備にはどうしても国の支援を必要とするわけでありますし、また短中期での事業化、それがなければ難しいと、こう考えますけれども、国土交通省としてどう認識されているでしょうか。
○政府参考人(加藤利男君) お答え申し上げます。
国土交通省におきましては、安全で安心できる都市を実現するため、先生御指摘いただきましたように、大地震等の災害が発生した際の避難地ですとか、災害復旧活動の場となりますオープンスペースを計画的に確保していくということが喫緊の課題であるというふうに認識をしております。このために、地震災害時に復旧復興の拠点となる広域防災拠点ですとか、広域の避難地、延焼防止帯等となります防災公園の整備につきまして、全国の地方公共団体に対しまして重点的な支援を行い、その積極的な推進を図っているところでございます。
ただいま先生の方から例に取り上げられました綾瀬川左岸の防災公園でございますが、これは平常時は地域の皆さん方の憩いの場として御活用いただく、また災害時には地域の住民の方が集結する一時避難地として機能する防災公園として整備が進められております。
国土交通省といたしましては、平成19年度からまちづくり交付金の事業として支援を行っているところでございます。また、平成21年度からでございますが、これは都市公園事業によりまして、主に災害応急対策に必要となります防災用のトイレですとか救護所として活用できる施設の整備が予定されているところでございまして、引き続き積極的に支援をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○西田実仁君 ありがとうございます。是非、積極的な支援をお願いしたいと思います。
今すぐという話ではないんですが、一つの課題として、次に最後、質問させていただきますが、こうした東京とか大都市から帰宅困難者を受け入れる、まず最初に受け入れるという防災機能を重視していくとすれば、今申し上げた用地補償費等の大変な多額になるという問題をクリアしなければならない。これは、決して私の地元の埼玉だけではなくて、どこでも同じだと思います。
そうしたときに、こうした都市公園、防災公園の場合には、用地費の国の補助率が今三分の一なんですね。他の整備費等については二分の一になっておりまして、私はやっぱりこれは、どこでもというわけではもちろんありませんけれども、防災公園、特に大都市の帰宅困難者を受け入れるというような地域においては、そうした用地費がどうしても多額になるという背景から、補助率もやっぱりこれは引き上げていかなきゃならないんじゃないかと、そういうことも検討していくべきではないかと私は思っているわけであります。
これはなかなかそう簡単に、じゃやりますということにはならないと思いますが、そういう私の問題意識をお伝えさせていただいて、大臣にはこうした大都市周辺で帰宅困難者を受け入れる防災公園を整備する自治体に対しましての支援の更なる充実ということについて御決意をお聞きし、最後にさせていただきたいと思います。
○国務大臣(金子一義君) これまでもやらなかったわけではありませんで、一時避難地となる都市公園、これを新たに補助対象にするということですとか、備蓄倉庫とか耐震貯水槽、こういう災害応急対策施設、これ防災公園の補助対象施設に追加するといったようなことで、かなり、土地だけじゃなくて、装備そのものに対しての支援は国としてやってはきているんだと思っております。ただ、その上で更に何が必要なのか。委員の御発言はちょっと預からせていただきたいと思います。

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