予算委員会 8号 2009-03-06


2009年3月6日

質問要旨

○中小企業向けの不況対策ということについて。
○低所得者向けの就労支援について。
○生活保護受給者等就労支援事業のことについて。
○産科・小児科医の不足について。
○防衛医大について。
○家読運動について。

○西田実仁君 関連して質問させていただきます公明党の西田実仁でございます。機会をいただきまして本当にありがとうございます。
まず初めに、総理にお聞きしたいと思います。中小企業向けの不況対策ということについてお聞きします。
今回の不況対策は、第一次、第二次、そして本予算と、いわゆる三段ロケットと、こう言われているわけでございますけれども、中小企業向けの不況対策といたしましては、緊急保証制度、また貸付けという30兆円に上る枠がございます。もう既にこれは利用会社は30万社を優に超えているということであります。これだけでも、1会社10人平均といたしましても、300百万人という雇用が守られたことにもつながるという話だと思います。
あわせて、先ほども御議論ございましたけれども、雇用調整助成金、これも申請だけでいきますと、もう12月から大幅緩和していますから、合わせるともう300万人ぐらいの対象になる申請が出ていると。これを早く出るようにしなきゃいけないという問題は別途ございます。
いずれにいたしましても、こういう金融支援あるいは雇用調整助成金という雇用を守るという点は、中小企業向けの不況対策として際立っているというふうには思います。しかし、私、地元埼玉でございますけれども、埼玉の中小企業を回っていると、こういう金融支援やまた雇用を守るということも大事でありますけれども、とにかく今は仕事が欲しいんだと。今、中小企業にとって一番大事なのは需要、すなわち仕事をつくってくれと。
この平成21年度予算、今審議をさせていただいているわけでありますけれども、この予算が成立をしていったときに、地域の中小企業に例えばいつごろどういう形で仕事が増えてくるのか。そもそもまず、この平成21年度予算が成立すると中小企業の仕事が増えるのかどうか、それをまず総理にお聞きしたいと思います。

○内閣総理大臣(麻生太郎君) これは、仕事の話は、もうこれは西田先生おっしゃるとおり。やっぱり仕事がなくなる、自分の実家を考えてみても、あの仕事自体がなくなったわけですから、考えてみれば。光に変わっていったわけでしょうが。私の方も似たようなものですよ、石炭屋が石炭がなくなって石油に変わっていきましたから。木庭先生なんかよく御存じのとおりですから、同じ環境におりましたので。それは、仕事自体がなくなるという状況に両方ともおりましたので、正直言って、この種の話は結構深刻さというのは自分なりに分かっておるつもりであります。
その上で、今、仕事の話を言わせていただければ、先ほど斉藤大臣が言われたような、例えば住宅用の太陽光の発電の話が出ておりましたが、これの導入補助、導入をやるのに助成をする、補助を出すと。こういったようなものとか、例えば学校の耐震化とか、学校にも太陽光のパネルをとかいうような話というのは、これは間違いなく、いわゆるゼネコンではなくて地方の工務店、大工さん、そういった地方の建築部分、土木よりは建築部分というものに関しましては、これは間違いなく受注の機会は増えるというのははっきりしていると、私はそう思っております。
学校の場合より多分一般住宅のあれの方が波及効果としては大きいかなと私自身はそう思っておりますけれども、いずれにしても、こういったようなものの機会は、仕事を創出するという意味におきましては、いわゆる公共工事というものとは少し違ったイメージで、小さな企業に波及していく仕事としては大きいかなと思いますんで、いわゆる420万社とか、いろんな表現がありますけれども、こういった中小・小規模企業の支援というのは我々としては非常に大きい。ここはまた雇用も支えておりますんで、こういったところは十分に配慮してこの案を考えておるというのが背景であります。

○西田実仁君 実家の仕事の話もしていただきまして、ありがとうございました。
まさに、そういう意味ではこの平成21年度予算、これが成立をして太陽光発電とかあるいは学校耐震化の促進で地域に中小企業の仕事が増えていくと、これが大事だと思います。
そして、もっと大事な、更に大事なことは、どのぐらい我慢すればその仕事が増えてくるのか、いつごろになったらこの仕事が増え出すのかということについて大変よく地元で聞かれるわけですね。これはできる限り早くということになるのかもしれませんけれども、大体のイメージをもし総理の方お持ちでしたら、どのぐらい増えるのか、いつごろ増えるのかということをお話しいただければと思います。

○内閣総理大臣(麻生太郎君) これは私より二階先生とか財務大臣の方が適当ではないか、適切ではないかと思いますが、先ほど木庭先生の御質問にもありましたように、執行のいわゆるパーセントを今の61、62%というものを、90はちょっと自信がありませんけれども上げるといたしますと、こういったものが予算が通った段階から実行に移せることになりますので、常識的には4月後半ぐらいからということになろうと思っております。
したがって、こういうのは、出るであろうと思うのであれば、あらかじめきちんとしたものを各市町村とか学校でということを考えるんでしょうけれども、財務大臣に聞いていただいた方が正確だと存じます。

○国務大臣(与謝野馨君) 大事なことは、なるべく早い段階で国会で予算が御承認いただけるようにすることでございますし、それと併せて関連法案の御審議もお願いをしたいわけでございます。
また、予算の執行に当たっては、財務省は当然のこととして、予算が御承認され次第、新年度開始早々なるべく早い段階で前倒し執行を各方面にお願いしなければならないですし、また総務省にもそのような姿勢で臨んでいただきたいと思っております。

○国務大臣(金子一義君) 公共事業、国交省所管で申し上げれば、従来、予算下りましてから発注にたどり着くまでが7週間ぐらい掛かっていたんですが、これをお互いに手続をもっと、書類を減らしてもらいまして、3週間ぐらいで発注を出られるようにしていきたいと。したがいまして、先般通していただきました第一次、第二次補正は、この3月までに去年の倍ぐらい、6割ぐらいは年度末に発注できるように今進めさせていただいております。
新年度予算については、今既に総理の方から答弁していただきました。

○国務大臣(二階俊博君) 中小企業を担当する立場から申し上げたいと思いますが、中小企業の皆さんに、私どもは各出先の局長がそれぞれ訪問して、一人でも多く雇用していただけないだろうかということのお願いを申し上げましたところ、1000社を目標にしてやってみました。そうしましたら、1400社の皆さんから雇用するということでありますが、それぞれの企業はいずれも立派な企業であります。
そして、そのことを県の方に連絡等をいたしておりますと、県も実はそういうことをやっておるんです。合わせると大体今申し上げた1400の倍ぐらいになるだろうということを思っております。今の失業者の数からいいまして、それがどれほどの数だと言われてみればそれまででありますが、私どもは、ほとんど中小企業では新たに雇用するそういうゆとりがないのではないかと思われておった方々が今一生懸命やってくれております。私は、これは大企業の皆さんもこのことを見習っていただきたいと思います。
なお、一昨日、金融関係の皆さんにお集まりをいただきまして、中小企業に対する金融のことをお願いしましたが、私は、こんなことに協力してくれる今申し上げた1400百社の方々等の金融の申込みがあれば当然そのことに配慮をすべきだと、このように思っております。共に頑張っていきたいと思います。

○西田実仁君 大変御丁寧に御答弁いただきまして、ありがとうございました。
私の方から、次は、所得の低い方々向けの就労支援につきましてお伺いをさせていただきたいと思います。
今、戦後最大の経済危機と言われる中で、生活保護の申請件数が大変に増えております。先日も、私自身、ホームレスの方々を支援する団体の方から話を聞く機会がございました。最近はホームレスというよりも、派遣切り等に遭った10代から30代の若い方々が大変にその相談が増えているというお話でございました。相談に来られましたある26歳の男性の方、会社を解雇され、転職活動の費用もなく、生活費が途絶えて、最終的に生活保護の申請をすることになったそうであります。こうした方々が今後更に増えていかざるを得ないという状況の中で、いわゆる稼働能力がありながら一時的に生活保護を利用していかざるを得ない方々に対しまして経済的な自立を支援していくという重要性が高まっているんではないかというふうに思います。
そうした具体的な施策の一つとして、自治体の福祉事務所とハローワークが連携して実施しております生活保護受給者等就労支援事業のことについて取り上げさせていただきたいと思います。(資料提示)
これは、福祉事務所、自治体のケースワーカー等が参画をいたしまして、そしてハローワークにおきましては就労支援ナビゲーター、民間の方ですけれども、参画をし、就労支援チームというチームをつくって、生活保護を受給されている方をバックアップして、そして就労による自立を図ると、こういう仕組みでございます。そのポイントは、何といってもこの就労支援チームでございますし、またそこに支援に当たるケースワーカーの方あるいはナビゲーターの方ということになるわけであります。
しかし、この就労支援チームに参画する福祉事務所の方に、ケースワーカーの方に私もお話をお聞きしました。多い方はもう月100時間を超える残業時間ということでございます。なかなか、生活保護受給者の方に丁寧に対応せよと言われてもなかなか実際にはできないという大変な忙しさでございます。そしてなおかつ、ケースワーカーの方は基本的に公務員の方しかなれないわけでありますが、この就労支援をするというようなそういうスキルを身に付ける、そういう機会は少ないわけでございまして、さらには、公務員の方ですから2、3年ないしは5年で配置転換をされてくるという意味ではなかなかその専門能力が高まるという機会もないと、こういうことであります。したがって、今、国庫負担10分の10で、このケースワーカーの方も、公務員ではなくて民間の方がこの就労支援チームで生活保護を受けている方をバックアップすると、こういう仕組みになっているわけであります。
しかし、結論を急ぎますと、この就労による自立というプログラムを持っている全国834の自治体のうち専門員を配置しているのはわずか307しかないわけであります。つまり、500の自治体におきましては、この大変に忙しいケースワーカーの方が生活保護の管理とともに就労も兼ねているという大変過酷な状況に置かれているわけであります。
したがって、ここでお聞きしたいのは厚生労働大臣です。この際、経済的な自立を促す意味からも、福祉事務所におけるケースワーカーは生活保護受給者の方の給付に専念をしていく、そして就労支援は対人サービスの専門家に委嘱するという役割分担を明確にしていくべきではないか。また、この支援員を今置かないで就労支援をやっている自治体については国がもっと督励をして就労支援をもっときめ細かくできるようにすべきでないか、この二つについて大臣にお聞きしたいと思います。

○国務大臣(舛添要一君) 生活保護を受けておられる方々は一人一人ケースが非常に多様でありますので、やっぱり一人一人きちんとお話を聞いてどういう仕事がいいんだということをやる必要があると思いますので、就労支援の専門員、これ今おっしゃったように、これは今たしか43%ぐらいはハローワークのOBがやっていますので、こういう方をもっと活用したいというふうに思っておりますし、いい活用例があれば自治体の方にまたこれは御紹介したい。来年度、今御審議いただいています21年度予算案では、前年比15億円増しの210億円をこの予算としてこの問題に振り向けるようにしております。
基本的に非常勤の地方公務員という形で入ります。そういう中で、各自治体、給与水準も全部そこが決めますので、国が一律にどうだということは言えませんけれども、しかし、今委員がおっしゃったように、全額、つまり10分の10国庫補助、それから上限額も設けませんということでありますので、この自治体の要望に沿えるように国としてもしっかりやっていきたいと思っております。

○西田実仁君 このケースワーカー、とにかくお忙しくてもう大変な状況でありますので、また専門的なスキルを持った民間の支援員の方がもっと働きやすくなるような環境をつくっていただきたいと思います。
次に、産科・小児科医の不足につきましてお聞きしたいと思います。
今、臨床研修制度の見直しが進められておりまして、そこでは都道府県ごとに臨床研修医の定数上限を設けて地域ごとのばらつきをならすという考え方が入っていると聞き及んでおります。
今後の検討で是非とも入れていただきたいのは、この診療科ごとのばらつきと地域ごとのばらつきの調整ということであります。産科、小児科につきましてはやはり住んでいるところに病院がないとなかなか大変でございます。極端にその産科・小児科医が少ないところについては、それを誘導する政策が必要ではないか。
正直、私の地元の埼玉は全国で産科、小児科、非常に低いレベルでございますので、今後の初期研修のみならず、いわゆる後期研修のところも含めてそうした政策的な誘導ということを是非御検討いただきたいと思いますが、大臣、いかがでございましょうか。

○国務大臣(舛添要一君) この問題は、文部科学省とともに、研修医制度の在り方についていろんな検討を進めてまいりました。一定の方向付け、つまり研修医制度の弾力化ということで、今委員がおっしゃったような方向を目指すようにしておりますけれども、個々の若いお医者さんの卵にしてみると、いや、自分が行くところを決めるのは自分の自由でしょうというようなこともあり、その検討会の先生方でもいろんな意見がございました。
しかし、今言ったような、特に今埼玉の例を出されましたけれども、特に今産科、小児科はこれ女性医師が半分になっていますから、院内保育所を設けるというようなことで離職防止をする。それから、へき地なんかで働く方に対しては特別の手当てをすると、そういう手を打ってありますし、今申し上げたように、まずどういう形で弾力化するかというと、この産科、小児科を目指すような方、若い学生さんは早い段階からその専門をやる。今まで2年間で総合的にやって、それはそれでよかったんですけれども、必修選択という科目を一部設けることによって専門科を早くやることを可能にする。それから、規模の大きい研修病院では、これは産科、小児科を必須とすると、こういう施策も取っておりますし、それから、今埼玉の例を出されましたけれども、極端にこの数が少ないところでは研修医の募集定員の増員を認めるというようなことで、なかなか個人の職業選択の自由とかいろんな、住居選択の自由とかいうことと、それから、やっぱり公共の福祉、医師が足りないところは皆さん頑張って行ってくださいよと。これをどういうふうにしてミックスするかということで、いい政策を出したいというふうに思っていますので、さらに臨床研修修了後の後期研修で産科を選択する医師の処遇を改善するための新規事業もこの予算案の中に盛り込んでございますので、そういう総合的な施策で今委員がおっしゃった問題に対応していきたいと思っております。

○西田実仁君 もう一つ、防衛医大について防衛大臣にお聞きしたいと思っております。
防衛医大は、地域の拠点病院としても大変に地域に貢献をされておられます。災害拠点病院あるいは災害医療派遣の指定病院にもなっておられます。一般の外来者のうち82%は埼玉県民でもございまして、この防衛医大のオープン化というのは既にすっかり定着をしている。
しかし、防衛医大の場合は、一般診療をどんなに行ってもその診療報酬はそのまま防衛医大を擦り抜けて国庫に入るだけなんですよ。ハイリスク分娩とか地域で望まれているようなことを幾らやっても、加算されても、何のメリットが医大にはないと、こういう状況であります。
しかし一方で、防衛省設置法の16条では、幹部医官を育てるということのためにあるわけです。しかし、地域の貢献もされていると。これを両立させていくということが大事だと思っておりますので、これは単なる組織論の独立行政法人化ということにとどまらず、もうちょっとお金の流れも考えてこれからその改善、両立を図っていくことをすべきだと思いますけれども、いかがでございましょうか。

○国務大臣(浜田靖一君) ありがとうございます。
先生のおっしゃるとおりでございまして、我々とすると、今この防衛医科大学の在り方につきましては、昨年12月に独法化の仕切り直しを行いまして、防衛医官を育成するという防衛医科大学校の設立趣旨を踏まえながら省内で検討を行っているところでございます。その際には、先生から御指摘のあった、今地域医療への貢献、動機付けを高めるためには何が必要かという観点もしっかりと踏まえながら今後検討してまいりたいというふうに思っているところでございますので、また御指導いただければと思います。

○西田実仁君 最後に、来年、2010年は国民読書年ということが国会で決議をされました。そして、第二次子どもの読書運動の推進に関する基本的な計画というところでも、この子供の自主的な読書運動を推進する社会的機運の醸成と期待されております。
ここで、余り聞き慣れない言葉かもしれませんけれども、家読運動というのがございまして、朝の読書運動を朝読と言って、もうこれは全国の8割ぐらいの小中学校で実践されておりますけれども、これを家でも読書をして、本を介して親子のコミュニケーションを図っていくということが大事ではないかということで、既に青森県あるいは茨城県の自治体でもこの家読運動というのを事業化しているというのがあるんですね。
これについて、今後の親子関係、コミュニケーションをもっと図っていくと、本を介してのコミュニケーションを図っていくという意味で家読運動をもっと国としても支援すべきではないかと、こう私は思います。最後、総理に御感想をお聞きしたいと思います。

○内閣総理大臣(麻生太郎君) 数独の方は有名ですけれども、家読の方は余り有名ではない、これはもうはっきり、もう先生よく御存じのとおりだと思いますが、これは基本的にはいいことです。私どももうこの話を、去年だかおととしだかこの話が上がってきたと記憶していますが、僕は基本的にいいことだと思って、子供のときにおばあさんから聞かせてもらったとか、大体勉強ができる子はみんなそうですよとか、いろんな都合のいい話を私も大分聞かされて、本当かよとちょっと思わないでもなかったんですが、いろいろな話を聞いて、ああ、これはいいことだなと正直思いましたんで、これ、そういった年にするということだと思ったんで、私どもとしてはいいことではないかと言って、これを応援したらどうですと申し上げております。

○西田実仁君 終わります。

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