177-参-文教科学委員会-010号 2011-06-16


2011年6月16日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。本日は、スポーツに関する集中審議ということで、質問の機会をいただきましてありがとうございます。
この度、スポーツ振興法というのが全部改正されましてスポーツ基本法が成立をしていく見込みであるという意味では、実に五十年ぶりの大きな改正であるというふうに思っておりまして、その意義は強調してもし過ぎることはないというふうに思っております。
そこで、特に、今回のスポーツ基本法の中の、基本法でありますので理念ということが大変大事であるというふうに思っておりまして、あえてこのスポーツ基本法に盛り込まれている二つの転換ということについてお聞きをしたいと思います。
より正確に言うと、転換というよりも展開ということなのかもしれません。その二つとは、一つは、体育ということからスポーツということへの展開であり、また企業・学校スポーツというものから地域スポーツへの展開ではなかろうかというふうに思っております。もちろん、体育が要らないとか、企業・学校スポーツが不要というようなことを申し上げているわけでは全くありませんで、そういう意味では、それも含めた新たな展開ということではなかろうかというふうに思っております。
例えば、このスポーツ基本法の中には、従来の体育指導委員というのがスポーツ推進委員というふうに名称変更をされておりますし、また、仄聞するには、日本体育協会も一時期その名称を日本スポーツ協会というふうに変える議論もあったというようなことも聞いております。
そこで、まず文部科学大臣にお聞きしたいと思います。
この一つ目の転換あるいは展開である体育からスポーツへの理念の、この転換の意義につきましてお聞きしたいと思います。

○国務大臣(高木義明君) 西田委員にお答えをいたします。
お話しのとおり、スポーツ基本法を審議をいただくわけでございますが、体育という用語については、第十七条に体育の充実に関する規定、それから固有名詞としては体育の日、そしてまた国民体育大会、こういう用語が使われておられます。委員も御承知のとおり、今文部科学省ですが、前身の文部省時代には体育にスポーツを含むと解釈をされまして、旧文部省設置法においては、所掌事務に体育の振興が掲げられております。括弧書きでスポーツを含むと、こういう記載でございました。
省庁再編の際に、今の学校の教育あるいは社会教育だけではとらえられない、いわゆるまさに人間の極限を追求する、まさに激しい、そしてまた感動、こういったスポーツの持つ言葉というのが定着をしてまいりまして、省庁再編においての文部科学省の設置法においては所掌事務はスポーツの振興に改められまして、行政組織としても体育局からスポーツ・青少年局に再編され現在に至っております。
いずれにいたしましても、やっぱり広い大きな意味、先ほどからも御議論ございますように、スポーツの持つ役割あるいは効果、それは、国民の心身の健全な発展はもとよりでありますが、国際的にも交流や平和への大きな役割、あるいはまた地域においては観光やあるいは地域経済への役割、そして今まさに東日本大震災で不自由な生活を余儀なくされておられる方々への大きな励ましになる、そういう役割も踏まえていかなきゃならぬと思っております。
いずれにいたしましても、私たちは、スポーツの振興というのは体育を含めたこのような社会的に大きな役割を果たす、そういう位置付けで、そういう理念でこれからも取り組んでいかなきゃならぬのではないかと思っております。

○西田実仁君 このスポーツというのは、まさに今回の基本法で私が特に強調したいのは、やっぱり生涯スポーツという観点から、スポーツを楽しむという視点が大変重要であろうと。
スポーツというのは、語源を調べればすぐ分かることですが、気晴らしとか楽しみとかあるいは遊ぶということを意味する中期英語が語源だというふうに物の本には書いてございまして、まさにそういう意味でのスポーツの新たな認識ということが今回の基本法を生み出した大きな力になっているというふうにも思うわけであります。
今大臣からおっしゃっていただいた体育も含めたスポーツということで、また、この基本法にも体育の日、もちろん振興法にも同じく体育の日というのが位置付けられておりますが、そういう意味では、体育の日というのはもちろん祝日法で定められているわけでありますが、この体育の日ということについてはどのように大臣はお考えになっておりますでしょうか。

○国務大臣(高木義明君) この体育の日というのは、昭和三十九年、東京オリンピックが十月十日に開催されました。私も、若きころ国民の一人として強い感動を覚えておることを今思い出しております。そういう中で、昭和四十一年に、その日に体育の日、国民がひとしく心身共に健康なことをある意味では念頭に置かれて国会でそういうものが制定されました。
したがって、今日、この体育の日をスポーツの日にするのかどうかという議論もあってはおりますけれども、これはスポーツ基本法の制定に伴って特に名称を改める必要はないのではないかと、こういう議論もあったことは承知をいたしておりまして、委員御指摘のとおり、国民が生涯を通じてスポーツを行い、そして見たり楽しんだりする、こういう日にふさわしい日と位置付けることがいいのではないかと思っております。

○西田実仁君 もう一つ、このスポーツ基本法の意義である、私がそうとらまえている、企業・学校スポーツというものから地域スポーツへの展開ということについてお聞きしたいと思います。これは競技スポーツの裾野の拡大ということにもつながるわけでございます。
スポーツ振興法におきましてはその九条において職場スポーツの奨励というのが掲げられておりました。しかし、今回の基本法では第二十一条におきまして地域におけるスポーツの振興のための事業への支援を掲げております。その意味で、これまで我々与党の時代も、また今新しい政権になっても、総合型地域スポーツクラブというのが進められておりまして、これは大変にその充実は重要であるというふうに思っております。
そこでまず、この総合型地域スポーツクラブの全国的な設置状況につきましてお尋ねをしたいと思います。

○政府参考人(布村幸彦君) お答えいたします。
文部科学省におきましては総合型地域スポーツクラブに関する実態調査を行ってございます。平成二十二年七月一日時点のデータでは、総合型地域スポーツクラブの数は創設準備中のものも含めて三千百十四クラブという実態になってございます。また、市区町村単位で総合型地域スポーツクラブが設置されているか否かについては、全市区町村の七一・四%の市町村に総合型地域スポーツクラブが設置されているという実態でございます。

○西田実仁君 この総合型地域スポーツクラブにつきましては、私どもも、二〇〇八年の十月でありました、当時は塩谷大臣でありましたけれども、党として、全中学校区、約一万か所でありますが、に一つのこの総合型地域スポーツクラブを設置すべきであるという提言を出させていただいております。今後、こうした創設する目標というのはどのようにお考えになっておられるのか、今申し上げたような中学校区に一つの設置というのを検討されておられるのかどうかということについてお尋ねしたいと思います。

○副大臣(鈴木寛君) 現在のスポーツ振興基本計画におきましては、全国の各市区町村において少なくとも一つ、総合型地域スポーツクラブを育成するということでございますので、先ほど七一・四%ということでございますから、これを一〇〇%にしていくというのが現行計画でございます。
これを実現をするために各都道府県体育協会にクラブ育成アドバイザーを配置をいたしますとともに、この地域スポーツクラブ創設に必要な経費、活動経費に対してスポーツ振興くじの助成を行っているところでございます。さらに、今年度から、やはりどうしても小さい小規模の市町村というのはなかなかつくり難い、あるいはそれを維持し難いということもございますので、こうした地域スポーツクラブを支援をする拠点クラブというものを三百か所程度を目標につくることによって、拠点クラブがそうした三千を超えんとするこのクラブを応援をすると、こういうことを考えているところでございます。
この基本法を成立をされました暁には、今度は改めてこのスポーツ振興基本計画を策定をすることになります。この委員会での御議論、御指導も踏まえて更にこの整備方針について検討を深めてまいりたいと、かように考えております。

○西田実仁君 そこで、一応確認でお尋ねしますけれども、平成二十一年度の事業仕分におきましては、スポーツ予算は大幅削減というおおむね方向性が出ておったかというように記憶しております。
ちょっと、私の数字の見方が間違っていれば是非訂正をし、また確認をしたいんですけれども、この総合型地域スポーツクラブ予算としての育成推進事業という予算は、平成二十一年度には三億九千万、二十三年度、今年度は一億九千万というふうにこの枠では減っているように、大幅に減っているように見えます。先ほど申し上げた事業仕分におきましても、総合型スポーツクラブ育成推進事業は不要であるというような結論にもなっていたというふうにも記憶しておりますが、私の認識が間違っていますでしょうか。

○副大臣(鈴木寛君) 事業仕分におきましてはそのような方針が出されたわけでありますが、その後の国会での議論、もちろん政府部内での議論を踏まえまして、その年のスポーツ予算も過去最高を計上させていただき、そして成立をしていただいたというのが経緯でございます。
総合型地域スポーツクラブにつきましては、先ほども申し上げましたように、更なるこの目標の実現に向けて、やはりてこ入れをすべきところ、そのために拠点クラブによるてこ入れと、こういうアイデアを我々スポーツ立国戦略策定の中で議論をいたしまして、そして新たに三百を目標とした拠点クラブ整備の予算を計上させていただいていると、こういうことでございます。

○西田実仁君 この地域の活動拠点の確保というのは、総合型地域スポーツクラブの運営にとっては大変大きな課題であります。
昨年の夏、文部科学省ではスポーツ立国戦略におきまして、学校は重要なスポーツ活動拠点であると位置付け、その有効活用について強調をされておられます。しかし、かつて二〇〇〇年の六月の保健体育審議会におきましては、スポーツ振興基本計画の在り方を検討した際に、その中間報告で、部活動の土日原則休止が盛り込まれておりましたけれども、最終的には時期尚早であるということで結論が先送りをされたわけであります。
日本のスポーツ施設の六割が学校施設であると言われているようですが、こうした部活動の在り方と地域スポーツクラブとの関係も含めて学校の施設を地域の財産としてもっと活用していくための環境整備、これを今回の基本法成立を機に更に再考していくべきであると考えますけれども、いかがでありましょうか。

○副大臣(鈴木寛君) まさにその点がこれからのポイントだと思います。
これまでは、青少年のスポーツというのはほぼ学校教育及び部活に委ねてきたわけであります。その指導というのは、結局は教員が部活の顧問として、指導者としてやっていくということになります。そこにいろいろな意味でのひずみといいますか負担が掛かり過ぎていると、こういうことがあります。したがって、学校施設をまさにクラブ財として活用しながら、指導者あるいはその運営に携わっていただく人材は教員にこれまで頼り過ぎていたものを地域の様々な人材に担っていただくというような方向に大きく踏み出してまいりたいというふうに思っていますし、今回の基本法案もそのような方向に、先生先ほど御指摘のとおり踏み出すものだというふうに思っております。
それで、一応、一応といいますか、今のところその九五・三%の市区町村で開放のための条例はございます。ですから、規則上はできます。しかし、これをどうやってその利用率を上げていくのかということでございますが、それは、これも委員御指摘のとおり、やはりこの地域スポーツクラブがもっと、何といいますか、その体力といいますか、事業推進力というものをもっと充実させていくということによっていくんだろうというふうに思います。
そういう意味では、会員の確保であるとか財源の確保だとかあるいは指導者の確保と、地域スポーツクラブが学校を使うということになりますと、やっぱりそれの管理責任、指導責任と、こういうことを負っていくことになります。当然、そこではいろいろな保険を掛けていくと、それから管理体制をちゃんとやると、そうするとやっぱりスポーツに通じた人材というものを確保しなきゃいけないということになりますと、やはり財源あるいはまた会員と、こういうことになってくるわけでございます。
今、スポーツ振興くじでこうしたものを支えているわけでありますが、これももう間もなく与野党、超党派の御尽力で寄附税制の抜本的な本当に歴史的な改革が行われるという運びになっていると思います。寄附税制、つまりは個人の寄附に対して税額控除という恩典ができるという税制でございますが、となりますと、これは三千円以上、百人を集めたそうしたクラブは寄附税制の税額控除の対象クラブになり得るわけでございますので、そういう意味でも財源の確保、もちろん予算の拡充、これは三百拠点に向けた予算の拡充、これは一般の財源、そしてスポーツ振興くじに加えて寄附税制の充実というようなこと、それから、学校といいますと小中高校を考えるわけでありますが、私ども併せて推進をしてまいりたいと思いますのは、大学等が地域のスポーツクラブと共同して成果を収めている事例が幾つもございます。
群馬県のNPO群大クラブとか、所沢の早稲田とか、びわこ成蹊スポーツ大学とか、大阪産業大学とか、鹿屋体育大学とか、こうしたことがさらに、もう本当に北は北海道、南は鹿児島等までもう数十事例ございますので、こうしたことも今回のフレームワークの中で応援していきたいと思いますし、こうしたことに取り組む大学等に対する寄附というものも集められるフレームワークが間もなくでき上がるということで、そういうことを総合的にきちっとパッケージにして具体例も示しながら周知徹底、グッドプラクティスを示していくと、こういうことをしっかりやっていきたいというふうに思っています。

○西田実仁君 地域にスポーツ団体はもちろん実際にあるわけですけれども、そうした特に少年スポーツ団体からいただく要望で大変多いのは、中学生がスポーツの交流でいろんなところに出かけていく、試合だけではなくて練習も含めてですが、特に、その中でも公式大会などのスポーツ活動にかかわって大変に交通料金が高いという御要望をいただいております。
中学生の交通料金は大人料金と一緒ということでありまして、せめて、こうしたスポーツに関して交流をする、あるいは公式大会という、いろんな条件が必要かもしれませんが、この中学生のスポーツに関連した交通費について何らかの支援が必要ではないか、こういう声が多いんですね。この辺、どう大臣お考えになりますでしょうか。

○国務大臣(高木義明君) 委員御指摘のとおり、小学生から中学生になると大人の料金になるということもあったりして、もちろん、全国大会はもうもとよりでありますけれども、県内の大会でも、あるいはまた離島を抱える県内においての競技大会においても、その辺の交通費の負担をいかにして減らしていくかということで関係者、もちろん保護者もそうですけれども、大変な御苦労をされておることは承知をいたしておりまして、しかし、やはりそういう全国大会など、県大会などに参加するということそのものが日ごろの練習の成果をそこで発揮するという非常に大事なことだと思っております。
今、全国大会などに参加するのは通例これは個人負担になっております。私たちもよく町で見かけるんですけれども、子供たちの全国大会に当たり募金活動なども御父兄がやられている姿を見ておりまして、しかし、それでも埼玉県を始め各都道府県においては補助制度があるということを承知しております。
今、国の補助制度については、過去の経緯からいわゆる三位一体改革の中でこれが廃止をされたということも聞き及んでおりますが、私どもとしましては、今のところ全国中学校体育大会あるいは高校総体、いわゆるインターハイなどについては、その開催県に対して運営費の補助をしておるということでございます。
しかし、いわゆる部活動というのは非常に大事なことでございまして、更に知恵を絞りながらその充実に努力をしていきたいと思っております。

○西田実仁君 今回のスポーツ基本法でも障害者スポーツということについてまた大きく取り上げておるわけでありますが、最後に、もう時間がございませんので、一つお聞きしたいと思います。
障害者スポーツの中でも、特にパラリンピック等の世界の頂点を目指すというのではなくて、障害をお持ちの方が日常的にスポーツ活動に励むということに対する支援が一体どこが担っていくのか、文部科学省なのか厚労省なのか、その辺の縦割りで支援が厚くないというのでは問題であるというふうに思っておりまして、今日は文部科学省だけですので、大臣に、こうした競技を目指す人ばかりではもちろんありませんので、障害をお持ちの方で日常的なスポーツ活動に対する支援、これについての大臣のお考えを最後にお聞きしたいと思います。

○国務大臣(高木義明君) 障害者のスポーツも非常に重要であることは論をまちません。文部科学省といたしましては、これまでもスポーツ施設の整備については、障害者も広くそこを活用できますようにバリアフリーの設計をしておるとか、そういう努力もしております。また、スポーツ振興センターにおいては、スポーツ振興くじの助成金を通して障害者大会への助成なども行っておるところであります。
これからどうしていくかということになりますけれども、これはもう当然、障害者の所管として厚生労働省のこれまでの経過もございます。今後は、やはり連携協議会の中でこの辺のまさにバリアをフリーにしなきゃなりませんので、もちろん障害者団体の自主性を尊重しながら、これからも障害者とともにスポーツが発展するというそういう精神に立って最大限の努力をしていきたいと思っております。

○西田実仁君 終わります。

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