予算委員会-8号 2010-11-22


2010年11月22日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
この補正予算というのはまさに円高・デフレ対策ということで組まれているものでございますので、まず、この円高ということにつきまして私は取り上げさせていただきたいと思います。(資料提示)
このパネルにもございますように、今じりじりと円が上がっておりまして、このところやや一服感はございますけれども、じりじりと上がっている状況でございます。
素朴な疑問をまず総理にお聞きしたいと思います。
総理も御指摘されておられますように、日本経済はいわゆる失われた二十年とも言われている状況でございまして、長きにわたってデフレに悩まされている、そんな脆弱な日本経済でありながらなぜ円高なのか、なぜ今分不相応な円高になっていると認識されているのか、お聞きしたいと思います。総理にお聞きしたいと思います。総理にお聞きしたいと思います。

○委員長(前田武志君) まず、野田財務大臣。

○国務大臣(野田佳彦君) 通貨の方を私担当しますので、先にお答えをさせていただきたいというふうに思いますが、円高の背景いろいろあると思いますが、特に春以降の円高については、当初は欧州経済における通貨危機あるいはアメリカ経済の減速化、こういうことが相まってリスク回避として円が強くなってきたというふうに思いますが、昨今は、米国の追加金融緩和等を背景にドルに対して円だけではなくて各国通貨が増価をしている、強くなっているというふうに認識をしています。
いずれにせよ、為替については引き続きその動向を注視して、必要なときには断固たる措置をとっていきたいと考えます。

○内閣総理大臣(菅直人君) 野田大臣からもお答えありましたが、当初ギリシャの危機などがあったときはどちらかというとユーロ安円高という傾向でありましたが、この間はドルが安くなって新興国の通貨が上がっていると。日本は新興国のような成長はないわけですけれども、やはり金利差あるいはリスクが比較的少ないと見られていることから、結果として円高傾向に進んでいると、このように認識をしております。

○西田実仁君 いろいろな説はございますけれども、外の環境ということ以上に、私自身は、やはりこの円がそもそも通貨投機の対象となりやすい、経済の実態から離れているにもかかわらず分不相応な円高となっていると、このように思うわけでございます。
そこで、なぜ円がこの通貨投機の対象になりやすいのかということでありますけれども、官房長官、お聞きしたいと思います。
官房長官のホームページには、「「強い円」をつくって国際関係力を強化、同時に家計の購買力を高める。」と書かれております。これは円高によって輸入コストを下げて家計の購買力を高めるという意味なのかどうか、円高を容認しているのでしょうか。

○国務大臣(仙谷由人君) 御指摘いただいたのは、多分、〇九年選挙の前に私が地元で配るために作ったマニフェストに書かれていることを御指摘いただいているんだろうと思います。「仙谷由人五つの約束」というところの「一、徳島起点で「政権交代」わが国をつくる」と、その中の四項目の一つに「「強い円」をつくって国際関係力を強化、同時に家計の購買力を高める。」と書いてございます。
これは、円高とか円安とかそういう話ではございませんで、やっぱり自国通貨はしかるべく強いといいましょうか、強いという字も、何というのかな、勁という字でも書いた方がいいと思うんでありますが、要するに、売り浴びせられるような腰の弱い通貨であってはならないというのが私はもうかねがね思っておるところでございます。
自国通貨が強い弱いということは、その時々のレートに極度に左右されないというファンダメンタルズを持っていることが一番でございますし、さらには財政規律との関係で通貨として信認を確固として受けるかどうか、こういうことが基準になるんだろうと私は思っておりまして、そういう一般論をここで書いてあるわけで、その時点その時点のレートのことを書いたつもりではございません。

○西田実仁君 いや、これは二〇〇九年の衆議院選挙とおっしゃいますけれども、今もホームページの中にそのまま書いてあるわけですよ。それで、政権交代が起きてから最初の財務大臣も、円が安ければ安いほどいいというものではないと、こういう発言もされているわけです。強い円を背景にして輸入コストを下げて購買力を上げることによって内需を拡大していくというのは、民主党の経済政策だったんじゃないんですか。

○国務大臣(仙谷由人君) 今安ければ安いほどいいというお話をされましたが、民主党の経済政策が自国通貨が安ければ安いほどいいというふうに決められているというふうには私は承知しておりません。
とりわけ日本は資源がない国でありますから、資源を買わなければならないと。これだけの資源獲得競争になって、例えば原油がいっとき百七十ドルまで上がりました。そういう場合には、資源に対する購買力が、安ければ安いほどいい円では、これでは全部、稼いでも稼いでも資源購入分に持っていかれるということになるんじゃないんでしょうか。
私は、したがって、適切な価格それから短期間で極度にぶれない、そういう通貨であってほしいなというのが、一般論でありますが、いつも考えていることでございます。

○西田実仁君 総理は、財務大臣に就任されたときに、経済界でも一ドル九十円台半ばが適切という見方が多い、もう少し円安に進めばいいと思っていると、こういう発言を記者会見でされていますね。総理は、強い円という政策は取らないということでしょうか。

○内閣総理大臣(菅直人君) 私も、財務大臣あるいは現在に至っても、あるいはそれ以前からも、為替というものが持ついろいろな意味を私なりに考え、まあ結論までは出ておりませんが、やはり基本的にはマーケットで決まるという、またそれに、基本的にはそういうまさに変動相場制というものに日本がある段階で踏み込んでいるわけです。ですから、その中で、言葉として円高政策とか円安政策ということはありますけれども、基本は、そういうこの変動制に、言わばそういうものとして考えるのか、それとも一部の国のようにあくまで、例えばドルに対してペッグさせるようなそういう在り方を取るのかという、その二つが基本的な差だと、構造的な差だと思います。
その上で何が望ましいかというのは、G20の席の一つの合意は急激な変動は望ましくないということでありまして、私が若干申し上げた時期にやや急激に円が上がりつつあった、あるいは上がってきていましたので、若干その民間の企業の方の意見を紹介をする形で申し上げたので、余りそういう立場にある人間が為替について直接的なことを言うことはその後は控えたところであります。

○西田実仁君 いや、総理、それ経済界の人が言ったけど、自分もそう円安に進んだ方がいいと思うと、こういうふうに発言されているんですよ。
それで、それと同じようなことですけれども、官房長官にお聞きしたいと思います。
九月十五日ですね、財務省が為替介入した際の会見におきまして、一ドル八十二円台は一つの防衛ラインかと、こう記者に問われたときに官房長官はどのように答えられたでしょうか。

○国務大臣(仙谷由人君) その前に、野田大臣が官邸に来られたのは要するに介入を実施するということの報告、相談だったんでしょうかという質問がありました。そこで、総理にどういうふうにおっしゃられたか分かりませんが、その後、私のところへも、つまり私の部屋にもいらっしゃいましたので、まさに発表を行うその前提で野田大臣からやりますという報告がございましたというやり取りがまず記者さんとの間でありました。
記者は、単独の介入だったということで、欧米は協調しないという情勢の中で単独の介入だったということでよろしいんですかという問いでございましたので、そこは確認できておりませんけれども、欧米には説得というか理解を求める行動は取っているというふうに理解していますというふうにお答えしました。
その次の質問が、今回八十二円台になったところで介入実施に踏み切られたわけですけれども、その八十二円というのが一つの防衛ラインというか線になっているという認識でよろしいでしょうかと。私は、いやまあ、財務大臣のところでそういうふうにお考えになったんだろうと思いますねというんで、私は、野田大臣が従来からマーケットを注視し適時適切に断固たる措置をとると、だから、この時点で断固たる措置をとるということで私のところへ報告に来たと、そういう趣旨で答えたわけでありますが、おっしゃるとおり、新聞、プレスでは私がそういうラインを示したという報道をされました。
私は、必ずしもそういうラインとして、レートのラインとして申し上げたつもりじゃなくて、野田大臣がマーケットを注視しながら断固たる措置をとったと、まさにとったんだなということをお答えをしたわけであります。

○西田実仁君 違うんですよ。これは、八十二円台、一つの防衛ラインかと聞かれていて、財務相のところでそういうふうにお考えになったんだろうと思う。そういうふうにというのは、八十二円台防衛ラインかと聞かれたことに対して、そういうふうにお考えになったと聞いたら、だれもがこれは防衛ラインだというふうに思うじゃないですか。
これは明らかに利敵行為じゃないですか。投機筋に対する利敵行為ですよ、官房長官。是非謝罪をしてください。

○委員長(前田武志君) まず、野田財務大臣。

○国務大臣(野田佳彦君) この記者会見の記録見ていただいても、長官のお答えのとおりで、いやまあ、財務大臣のところでお決めになったんでしょうという、まさにその決断をしたこと、その……(発言する者あり)じゃなくて、その後まだ聞いてください。
というやり取りもそうですが、そういう報道が出ました。速報が流れたので私は官房長官にお尋ねに行きました。八十二円とか防衛ラインとかとお話しされたんですかと。全く記憶されていませんでした。だから、まさに意識としては、さっきの長官の御説明のとおりであるということでございます。

○西田実仁君 全く記憶されていないっておかしいでしょう、だって。八十二円台は一つの防衛ラインかと聞かれて、それに対する答えとして、そういうふうにお考えになったんだろうと思うと。そういうふうにというのは、聞かれたことに対して答えたんじゃないんですか。これは明らかに防衛ラインを語っていることになりませんか、官房長官。

○国務大臣(仙谷由人君) まあ、この為替のレートでこういう誘導質問なのか何かが出たときにはこれからは答えないようにしたいと思っております。

○西田実仁君 これは、日本経済全体に対する、円高、先ほど申し上げたように分不相応な円高になっているのは、投機筋がここをねらっているんですよ。
そういうときに注意深く、そもそも仙谷国家戦略担当相のときに菅財務大臣に対してあなた何と言ったんですか。先ほどの九十円台半ばに行けばいいと思うという発言に対して、為替水準言及は望ましくないと当時の菅財務大臣を批判しているのは、官房長官、あなたですよ。その本人が、うかつにだか何だか分かりませんけれども、そういうふうに思いますよということを言えば、そういうふうに受け取られるんですよ。それは世界中に流れるんですよ。投機筋、全部それが入ってくるんですよ。
これは明らかに日本国に対する利敵行為に当たります。是非謝罪をしてください。

○国務大臣(仙谷由人君) 利敵行為とまでは私、考えておりません。私は、この日の野田大臣の断固たる介入が、私どもが協議をしていた、そのときが来たということで、断固たる措置をとったと、そういうことなんですということを記者さんに申し上げたつもりでございます。

○西田実仁君 つもりじゃないんですよ。こういうのは世界中に一気に流れるわけですから、どういうつもりかということなんてしんしゃくしてくれる投機筋はいません。明らかに、官房長官が、政府高官が、八十二円台防衛ラインかと聞かれて、そういうふうに財務相で考えたんだと思いますよと言ったら、だれもが、ああ官房長官、政府高官はこのラインを防衛ラインと置いているんだなと、こう全世界中に流れるじゃないですか。是非謝罪をしてください。官房長官。

○国務大臣(野田佳彦君) その記者の御質問のところの、八十二円とか防衛ラインとか表現がありますが、介入実施に踏み切られたわけですけどという言葉が多分強く残って財務大臣はそう判断されたんでしょうと長官は私はおっしゃったと思いますし、私はこの件でいろいろな会見を含めて相当御質問をいただいています。国会でも御質問をいただいています。明確にそれを否定していますので、利敵行為という御指摘は当たらないと思います。

○西田実仁君 どう解釈するかということを言っているんじゃないんですよ。この事実を私は言っているわけでありまして、八十二円台が防衛ラインかと聞かれたことに対して官房長官がそういうふうに答えるというのは余りにうかつではないかということを言っているわけなんですよ。それがどのような意味なのかなんということは聞いていません、官房長官。

○国務大臣(仙谷由人君) ずっと、マーケットを注視しながら断固たる措置をとるということをずっとその以前から言明をされてきた大臣がまさにこの日に断固たる措置をとった、介入実施をしたと、この事実だけを私は言わば追認をしたといいましょうか、私もこれでいいというつもりでお話をしたわけでございます。

○西田実仁君 全くうそだらけですよ。そんなこと、だって記者は聞いていないんですから。八十二円は防衛ラインかという質問に対してそういうふうにと答えているわけですから、これは余りにもおかしいでしょう。
今急激なこの円高で、とにかく今大変な状況なんです、中小企業も含めて。こういう先ほどの為替通貨政策もはっきりしないこの民主党政権において、分不相応な円高というのが今現実に中小企業を痛め付けていると。
その一つの大きな事例として私が挙げたいのが、次のパネルに移らせていただきますけれども、ある中小企業の方々が涙ながらに訴えてこられた。年商二十億、従業員が百人、この会社は無借金経営の地域の優良企業なんです。ところが、ある日、二〇〇七年のことでありますけれども、取引先銀行から、取引先である大手金融機関から執拗に勧誘をされまして人民元と円の通貨オプション取引契約を締結、今、明日にも倒産しかねない状況に追い込まれているということであります。急激な円高を受けて被害が拡大して、解約清算金も含めると二億円以上の損失と、こういうことになっているとの訴えでありました。
通貨オプション取引というのは、いろいろ難しいですけれども、ある一定の期間、ある一定の価格で外貨ないしは円を買うことのできる権利、売ることのできる権利を売買する取引で、銀行との相対取引で行われるわけですね。銀行を相手にして中小企業が為替をめぐって取引をするということであります。
この図の例で申し上げますと、一元十六・〇六七〇一円よりも元高円安になれば中小企業はもうかると。反対に、円高に向かいますと差額を支払わなければならない。言わば、金融のプロである銀行と為替をめぐって相対のばくちを打つようなものであります。
この問題、単に欲かいた中小企業が急激な円高になって困っているというのであればこれは自己責任にほかなりません。しかし、こうした為替デリバティブのように専門性の高い金融商品におきましては、大事なことは二つ。一つは、適合性の原則に合っているかどうか、本当に売っていい人に売っているかどうかという、これが判断されなければならない。そしてもう一つは、万が一の場合に大きな損失が起きるかもしれないという説明義務をどこまで果たしているのか。このことが問われなければならないわけであります。
今回、こうした通貨オプション取引によって大きな損失に見舞われている中小企業、大変実は多い。だけれども、相手先が取引先の銀行であったりしてなかなか言い出せない、そういう声がたくさん私の方にも寄せられているわけであります。
今申し上げました適合性の原則ということで申し上げますと、そもそもこの企業の場合でいえば、為替リスク、これをいかに回避するか、ヘッジするかということでこの商品が売り込まれているわけであります。しかし、この企業でいっても、小さな中小企業が直接為替リスクを冒して輸入しているわけではなくて、あくまでも商社を経由してほとんど為替リスクがない中での原材料の輸入というのが実態であります。したがって、実需ではないということであります。にもかかわらず、またそういう中小企業に、ニーズのないところに売り込んでいいのかという問題が一つあります。
そしてもう一つは、何といっても、急激に円高が進んだときに中小企業が負わなければならない損失がどのぐらいになるのかという説明義務を果たして本当に果たしていたのかと、こういう問題であります。
そこでまず、昨年来のこの円高の影響を受けて、中小企業がこうした通貨オプション取引の被害に遭っているケースがどれほどあるのか、私は早急に政府として調査をすべきであるというふうに思います。通貨オプション取引のうち中小企業向けの販売本数がどのぐらいあったのか、そして現在も残っている取引がどれほどあるのか、またその取引の実態は今どのようになっているのか、こういうことについて金融庁として、政府としてしっかりと実態調査をすべきであると思いますけれども、大臣、いかがでありましょうか。

○国務大臣(自見庄三郎君) 西田議員にお答えをさせていただきます。
リーマン・ショック後の、今先生御指摘のございましたように、市場環境の急激な変化を受けまして、結果として、ヘッジ目的で契約したデリバティブ、金融派生商品でございますが、中には、大きな差損を発生して、今先生御指摘のように、中小企業で差損が発生して大きな問題となっている事例というのは承知をしております。
金融庁といたしましても、デリバティブ契約をめぐるトラブルに関する情報は逐次確認し、必要があれば金融機関にその販売経緯等を確認しているところでございますが、金融庁といたしましては、こういった事例を踏まえ、特にデリバティブの締結後の金融機関における適切なフォローアップが重要と考えておりまして、本年四月、御存じのように、もう先生は議員になられる前は経済誌の編集の方にも携わっておられたということで大変御専門でございますが、本年四月においても、監督指針においても、顧客からの問い合わせに対して分かりやすく的確に対応するなど適切なフォローアップを取り組むための体制を整備しているかどうか、それから二番目でございますが、顧客が決算処理の解約の判断等を行うために必要とする情報を適時適切に提供しているかなどの監督上の着眼点として明記し公表したところでございまして、先生御存じのように、いわゆる監督指針をそういうふうに変更させていただいたわけでございます。
先生、今さっき、どれくらい苦情があるのかという話でございましたが、一応金融庁に寄せられた主要行デリバティブ関連苦情件数でございますが、平成二十年度には七十四件、それから平成二十一年には七十三件、二十二年度、これ十月末まででございますけれども五十二件、今のところ来ております。
いずれにいたしましても、当庁に寄せられる相談、苦情等を踏まえて、利用者保護の観点から、必要と認められれば個別金融機関にヒアリング等を実施して、引き続き適切に対処してまいりたいと思っておりますが、一番先生の大事な質問点でございました特に中小企業、これは特に銀行から借りれば、当然ある意味で借りた方が、どちらかというとそれは優越的地位が向こうにあるというようなところも実際、現実でございますから、先生が特に中小企業のみの契約額あるいは件数、取引残高のみを調べよという、先生大変そういう強い今御質問であったと思いますが、これは全体のことしか今実は分かっておりませんけれども、そういったことで、意思があれば、しばらく時間は掛かりますけれども、責任持って事務方に調べさせるということを最大限に努力をさせていただくということをお約束をさせていただきたいと思っております。

○西田実仁君 実態調査をきちっとしていただくということでございます。その実態調査を踏まえた上で、現実に本業はしっかりとしているにもかかわらず、こうした先ほどの適合性の原則に反していたり、あるいはきちんと説明義務を受けていないでこの通貨オプション取引にかかわっている。それによって、せっかく本業が黒字でももう倒産しかけているという中小企業が全国に実はかなりあると。そうした苦情とか来るところというのはもうかなり少ないわけで、ごくごく氷山の一角しか来ないわけなんです。ですから、そこをきちんと実態調査していただくと。
同時に、その実態調査に基づいて是非とも行っていただきたいのは、こうした中小企業、もう既に金融庁の監督指針が変わっていることも存じ上げております、問題があるから監督指針を変えているわけですから。ですから、問題があった取引については、その中小企業の本体に、本業に差し障りないようにきちんとその損失を減額処理していくスキームを、仕組みをつくらなきゃならない。当然、金融機関側にも、株主代表訴訟に堪えられるものにしなければなりませんし、また中小企業の方においても、当然そうした負担を減らしていく様々な策というものを取らなければならないと思います。
こうした実態調査を地道に、といってもそんなに、私の手元にも、ある銀行のこうした通貨オプション取引の中小企業向けが何本今あるのか、今千四百十一本あるという資料がありますよ、そんなに難しい調査じゃないです、そんなのは。金融庁がきちんとやればできるんです、すぐに。ですから、実態調査をきちんと行って、それに応じて中小企業のこうした不正な取引による損失を減額していくそのシステム、仕組みを検討すべきだと思いますが、簡潔にお答えください。

○国務大臣(自見庄三郎君) 西田先生にお答えいたしますけれども、これはデリバティブ、金融派生商品というなかなか分かりにくい金融商品でもございますので、金融庁といたしましては、本年四月に、デリバティブ販売に関しまして監督指針を今申し上げましたように改正しまして、最悪なシナリオを想定した説明が行われているかどうか、それから二番目に、顧客のヘッジニーズに対する有効性を確認して実は説明しているかどうか、そして、契約後も顧客の業況変化に応じてヘッジニーズに対する有効性を確認するなどのフォローアップしているかどうか、それから、相談、苦情が多い商品の販売について検討しているかどうか等の監督上の着眼点を明記して公表したところでございます。

○西田実仁君 是非、減額処理をするための仕組みづくりを検討いただきたいと思います。
最後の質問でありますが、今大変に売れている本は「デフレの正体」という本で、私も拝見をいたしました。デフレはなぜ起きるのかということについて、生産年齢人口が縮小していく、内需が縮小していく中でこれに対応しなければならないと、こういう趣旨であります。そこで取られる施策は、例えば、生産年齢人口を増やしていく、そのためには女性の活用、活用というとあれですけれども、女性が社会進出してより働きやすくする環境をつくっていく、こういうことが大事であるということも、これまた恐らくほとんどの人は同意することではないかというふうに思われます。
ところで、先日の行政刷新会議における事業仕分第三におきまして、女性と仕事の未来館の閉鎖、そして男女ワークライフ支援事業の廃止が決まりました。同館は、キャリアカウンセリングや心の相談、また企業セミナーなど、働く女性を直接支援する厚生労働省で唯一の施設と認識をしております。取りまとめコメントを見ますと、箱物の時代ではないというのが最初に来ておりまして、だから閉鎖をした、ほかにも理由がありますけれども、何度も何度も箱物の時代ではないということが書かれております。
しかし、この未来館につきましては、本年五月の事業仕分におきまして、これをなくしていいという話ではなく、直ちに事業の目的等を再検討していただくための契機として、まず廃止、また、女性と仕事の未来館をどのように活用すればいいのかについて、真剣に厚労省に検討していただきたいという取りまとめが五月に行われたわけであります。
つまり、この未来館という箱物をどのように活用するのかということがテーマになっていたはずにもかかわらず、いきなり閉鎖、廃止というのは余りにも乱暴ではないでしょうか、蓮舫大臣。

○国務大臣(蓮舫君) お答え申し上げます。
この事業仕分におきましては、いきなり箱物廃止という議論があったわけではなくて、様々な評価者の御議論がございました。中でも、皆様の中で否定はしていないのは、この事業の目的そのもの、女性の社会進出を後押しするのが政府として大切だというのは、これは御党がこれまで何度も主張してこられて、私もその意見には全く賛同しております。
女性と仕事の総合支援事業の政策目的あるいは男女共同参画、男女ワーク・ライフ・バランスの重要性は否定はされてはいませんが、この建物を使ってどのように支援をしていくのか、その中身についてより適切な手段をお考えをいただきたいという思いで仕分評価がまとまったものと承知しております。
この評価に沿って厚生労働省にいま一度再検討をお願いしているところでございます。

○西田実仁君 ということは、この未来館は閉鎖をしない、どのように活用するのかということで今厚労省として検討しているということですか、大臣。

○国務大臣(細川律夫君) この女性と仕事の未来館というのは、これは女性が健康でかつその能力を十分発揮できるようにするための各種事業を実施して、働く女性、働きたい女性を支援してきたところでございます。
ただ、今回この閉鎖というような仕分があったところでございますけれども、厚生労働省といたしましては、この仕分の評価結果というのを真摯に受け止めなければいけないというふうに思っておりますが、この政策目的、これは大変重要だというふうに取りまとめのコメントでもされておりますので、私どもとしたら、女性の就業支援の意義等も勘案いたしまして、改めてゼロベースで見直しを行って早急に抜本的な改革案を策定をしていきたいというふうに考えております。

○西田実仁君 今年七月の二十三日に、「第三次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方」というのが男女共同参画会議議長の仙谷官房長官から菅総理に提出をされております。ちなみに、この男女共同参画会議は大変重要な政策に関する会議の一つとして挙げられておるものでございまして、この答申の中には未来館ということが二度ほど出てきておりまして、固有名詞で出てきているわけであります。つまり、この答申におきましては未来館の存続が前提の答申となっているわけであります。
この答申を出した男女共同参画会議は男女共同参画推進本部の下に置かれております。推進本部長はだれでしょうか。

○委員長(前田武志君) どなた。総理ですか。

○西田実仁君 総理。

○内閣総理大臣(菅直人君) たしか私自身だと思います。

○西田実仁君 菅総理が本部長を務めておられるこの推進本部の下に置かれた男女共同参画会議においては、この未来館においては存続することを前提にしてその活用ということが検討されるということでありまして、そういうこの未来館を、ただ箱物だからとか、乱暴にも閉鎖せよとか、挙げ句の果てには、このコメントを見ると、迷惑施設とかあるいは障害だなんという評価コメントが出ているんですよ。もう考えられないですよ、こういうのは。
どういうことなのかと本当に思いますが、そこまで言うのであれば、当然、評価する人、特に国会議員はこの施設すべて見ているんでしょうか。

○国務大臣(蓮舫君) お答え申し上げます。
一言一言の言葉ではなくて、是非、この一時間、またここに至るまでのヒアリングも含めて相当な準備をしてきたものでございますので、一言でこの仕分を代弁できるものではないと考えております。また、この仕分を行った国会議員のメンバーは実際ここに現地調査にも行っておりますし、私自身もかつてここで講演をしたこともございます。現場を知っております。
これは議論の中でも大きく意見をいただいたところですが、まず建物があって、この建物があるからセミナーを開いていくのか、それとも、そうじゃなくて、地方に対して、このセミナー、この建物、これまでの過去のいろいろなスキルがたまっているものを発信をしていく方がいいのか、どういう在り方が女性のあるいは男性のワーク・ライフ・バランスをより確実なものにするための支援となるのか、そういう議論をしたものと承知しております。

○西田実仁君 今回のこの仕分に当たりまして、この閉鎖、閉館、廃止ということの断を下した国会議員は全員、すべて今回の仕分に当たって施設を見ているんですね。もう一度確認します。

○国務大臣(蓮舫君) 現地調査に行く日程が限られていましたので全員ではございませんが、でも中では見に行っております。

○西田実仁君 閉館をするという、こういうときに、現地にも行かないで利用者の声も聞かないで断を下すんですか。はい、やめということを断を下すんですか。そんないいかげんなことなんですか。

○国務大臣(蓮舫君) 現地を見に行った方もこの評価者の中には国会議員として入っておりますし、現地に行かなくても、知見を持った方々が第三者的な客観的な立場から、本当にこの建物で女性の、男性のワーク・ライフ・バランスを支援していくことにつながるのかという議論をさせていただきました。

○西田実仁君 もうあれですけれども、現地にも行かない。民間人の方はまだ分かりますよ。国会議員で現地に行っていないというようなことがあってもしこの断を下したというのであれば、これは大問題ですよ。現地にも行かないで、施設も見ないで、利用者の声も聞かないでと……

○委員長(前田武志君) 西田委員におかれましては、時間が過ぎておりますのでおまとめください。

○西田実仁君 こういうことは本当になかったかどうか、後できちんと委員会の方に報告してください。

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