177-参-東日本大震災復興特別委員会-010号 2011-07-27


2011年7月27日

○委員長(柳田稔君) ただいまから東日本大震災復興特別委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、山本博司君、那谷屋正義君、谷岡郁子君、宇都隆史君、山下芳生君、山根隆治君、増子輝彦君及び今野東君が委員を辞任され、その補欠として荒木清寛君、神本美恵子君、舟山康江君、山田俊男君、大門実紀史君、川合孝典君、藤田幸久君及び大久保勉君が選任されました。
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○委員長(柳田稔君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法案の審査のため、本日の委員会に多賀城・七ヶ浜商工会会長安住政之君及び日本弁護士連合会副会長・弁護士新里宏二君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(柳田稔君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(柳田稔君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法案の審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続については、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
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○委員長(柳田稔君) 株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法案を議題といたします。
発議者片山さつき君から趣旨説明を聴取いたします。片山さつき君。

○委員以外の議員(片山さつき君) 私は、自由民主党、公明党及びたちあがれ日本・新党改革を代表いたしまして、ただいま議題となりました株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法案につきまして、提案の理由及びその概要を説明申し上げます。
三月十一日に発生した東日本大震災は、非常に広範な地域に甚大な被害をもたらし、世界でも最も深刻な原子力発電所の事故まで惹起してしまいました。発生から四か月以上が経過した今日にあっても、被災者の方々は依然として厳しい状況にありまして、当面の復旧や生活・仕事の再建のめどすら立っておりません。特に、被災地域においては、多くの事業者が地震、津波等による被害で担保の建物・設備・農地等が損壊し、土地まで使えなくなり、原発地域の場合は入れない、いつ入れるかどうかのめども立たないという状況で、それでも債務は残るものですから、過大債務、新たに事業を始めようとしたら二重債務に陥ります。
自民党を始め各党の申入れもあって、現在まで、手形、借入れ、リースについては一応の返済を止めていただいている状況もありますが、それもおのずと限度があります。年末にかけて、倒産の増加、廃業の続出が懸念され、これに伴い、被災地域からは人口、産業が流出し、復興のそもそも前提が成り立たなくなるおそれが既に現実のものとなっております。
二重債務問題への対応策につきましては、参議院の財金委員会で金融機能強化法を通過させる際にも、「二重債務の問題に関しては、被災者の再スタート支援に資するよう、必要な対応について、早急に検討を進めること」とする附帯決議が全会一致をもって付されております。
これまで、自民、公明、民主のいわゆる三党協議も六月以降数回重ねてまいりました。また、今回共同提案いただいている、たちあがれ日本・新党改革も超党派で同じような勉強会を重ねてこられました。しかしながら、残念なことに、この震災のもたらす過重債務・二重債務の特異性に鑑み、平時の対応を大きく超えた臨時異例の措置を法律によって可能とする新たな公的な、しかもこの任務専門という意味では非常にガバナンスも利いている機構を法的に設立し、被災地域の中小企業者、農林水産等全ての業種に対する金融機関、リースも含めた金融関係の既存債権を買い取ることを法案化するかどうかにつきましては、最終的に合意を見ることができませんでした。政府・与党側は、事業仕分や独立行政法人評価によって、余剰金二千二百億円の返納や、出資の大幅縮小、高額な役職員報酬や給与の見直しを再三指摘されて、七千億円もの累損を抱えている、役員がほぼ全員天下り法人であるところの、あくまで平時の中小企業対策をやってきている中小企業基盤整備機構の八割出資するファンドに、一切の法改正やこの独法の中期目標の変更すらせず、この未曽有の国難に、この被災者の生き死ににかかわるような大切な仕事を丸投げしようとしております。
この投資組合はもうけが出ることが大前提で、投資事業が目的でございます。この投資事業有限責任組合法に基づくと、本来の被災者ではなくても、もうけが出るものにたとえ投資して優先してしまっても、あるいは賄賂をもらっても、守秘義務に反することがあって大切な商売のお客さんリストが流出しても、罰則すらありません。
依然として厳しい状況にある被災地域において、その事業の再生を図ることを支援するためには、従来型の中小企業対策、いわゆる認められたメニューでは全く足りません。日本における中小企業対策は、二千六百万社と言われる中で数百社あるいは数千社を何とか選び出すために理由付けを必ず付けております。それが経営資源の再活用であったり、資源の生産性の革新であったり、投資事業組合においてもこの目的が限定列挙されており、被災地域にある全ての人を漏れなく救おうという発想とは全く違う法律の筋立てになっております。
このためには、やはり靴に足を合わせるのではなく、足に合わせた靴を政治主導で作るしかない、そのような考えによって私どもは特別の法律を作り、その目的として、債権の買取りを通じて債務の負担を軽減し、その再生を支援するということで被災地域からの人口・産業の流出を防ぎ、復興を可能とするということを明確に目的に書いた法律をお出ししたわけです。
以下、その概要を御説明申し上げます。
第一に、この東日本大震災事業者再生支援機構の組織・体制ですが、本社は一つですが、広範な地域と非常に多様な産業に応じて幾つでも支店を設置することができまして、金融機関の方の預金保険制度であります預金保険機構及び系統金融機関の方のそれでございますいわゆる貯金保険機構を通じて国等による資本金の組成を行うことにより設立いたします。そして、債権等を買い取る資金調達は、法律によってのみ可能な政府保証付きの民間からの借入れでできるように法的手当てをしているので、毎年毎年、この非常に深刻な財政赤字の中、一般会計の負担をすることなく抑制もできます。そして、対象事業者から返済があった場合は民間からの政府保証付き借入れに順次充てていきますので、最終的な負担は、二十年後の機構の解散時に債務超過であれば、その全部又は一部を補助できるという条文により対応しております。
第二に、再生支援を受けることができる事業者につきましては、原発被害を含んだ東日本大震災による被害を受けたことによって過大な債務を負っている事業者であって、被災地域において債権者と協力して事業再生を図ろうとするもの全て含みます。もちろん転業していただいても結構です。農林水産業、医療、福祉、その他の全ての業種ですが、大企業と第三セクターは除いており、当然、中小零細、個人事業者も全て含まれます。ですから、この主務大臣は、金融庁を所管し、また、関係省庁の調整を行う内閣総理大臣と財政上のチェックを行う財務大臣のみならず、総務大臣、経済産業大臣、農林水産大臣、厚生労働大臣等を初めから並列で含めております。
第三に、この機構は、支援決定を行った対象事業者に対しまして、リースを含む金融機関等が有する債権の買取り、資金の貸付け、債務保証、出資、専門家の派遣等により、その事業の再生を支援することを行います。農林水産業が主要となっている被災地域も多いのですが、これは土地利用にも配慮しないと総合的な意味での事業の再生はなされませんので、条文上、担保財産の取得や貸付けもできることを法律に明記してあります。この支援につきましては、被災地復興には少なくとも十年は掛かるということが復興基本方針の復興債の年限等も含めまして政府の中でも認められているわけですから、最長十五年は掛けてじっくり行うことができるように法律で決めてあります。
また、再生支援の決定に際する支援基準を主務大臣が定めるに当たりましては、できるだけ多くの事業者に再生の機会を与えることになるよう、適切に配慮するとともに、東日本大震災の復興の基本方針や各県、市町村が作る方針等の整合性にはきちっと配慮しなければならないことも法律に書いてあります。
金融庁の五月末の調査によれば、最も被災の深刻な宮城、福島、岩手三県の金融機関の自己申告による対象債権だけでも五千五百億円とのこと。被災の影響等により集計ができていない二つの信用組合は恐らく大半の債務者が傷ついておりまして、それ以外に農協、漁協等の関係で千数百億円、青森、茨城、栃木、千葉を含めた、私どもが対象と考えております財政支援をする特定被災地域九県、この広がり、さらにノンバンク、これに加えまして、現在は返済を停止せずに辛うじて金利の引き落としが行われておりますが設備の再建資金までは到底貸せるような状況にない債務者は非常に多い。ですから、このままの状況では、金融機関としてとても貸せないけれども今は返済されている方まで含まれればどのぐらいの範囲に金額が上るか、相当大幅な金額になることも考えられます。
ちなみに、被災五県の地銀十二行、信金二十三金庫、信組十二組合の貸出合計は二十二兆一千二百七十億円あります。民間信用調査機関による、東北被災四県の、被害が甚大な地域に存在する企業数は三万二千三百四十一社、雇用者は三十六万三千七百九十六人、売上高合計は九兆八千九百六十二億円です。
これらの数値や東日本の産業界・金融界、そして避難所、仮設住宅、いろんなところからの肌と肌の触れ合いのヒアリングも含めまして、いろんな状況を総合的に勘案し、被災事業者に事業再開への希望と安心感とみんながやればできるという公平感を持っていただくために、当初から二兆円の政府保証借入枠を設定し、被災地の皆様にやる気を出していただくようにしたいと考えております。
多くの被災者が、このような法的安定性を持った、大きな買取り枠を付けることにより、対象の制限のない二重債務買取り組織の設立を求めており、本日も日弁連主導で十万七千人の署名が集まり、いただいてまいりました。
民主党政権の下でJALを再生している企業再生支援機構や、ダイエーやカネボウを成功裏に再生した産業再生機構と同様、この機構には、事業再生に当たって協力が必要な他の全ての債権者に対して法律上の回収停止要請ができることになっております。それは私的整理やあるいは中小企業再生ファンド等による回収停止のお願いより格段に強いものであって、今まで破られたことのない債権者間調整機能を持たせております。
以上が本法律案の提案理由及びその概要であります。
東日本大震災がいまだかつてない被害をもたらしていること、被災地の非常に悲惨な現状に鑑み、何とぞ、御審議の上、速やかな御賛同をいただけますようお願い申し上げます。

○委員長(柳田稔君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。

○大久保勉君 民主党の大久保勉でございます。
先ほど片山さつき発議者より、すばらしい、そして長い趣旨説明がございました。片山先生のこの法案に対する思いが表れているのかなと思っています。
実は、先ほど趣旨説明でもありました民主、自民、公明三党協議に参加しておりました。こちらにいらっしゃっています山田先生そして西田先生も参加されておりまして、二重ローンに対してこれは与野党挙げましてしっかりと解決しないといけないということで、恐らく八割から九割のものに関しては合意ができました。その結果、今週の月曜日、総額二兆円の第二次補正予算が成立しましたが、その中でしっかりと政策を打っていくことができました。もちろんこれは自民党も公明党の皆さんも賛成していただきました。本当にありがとうございました。
その中で、最大の論点としまして、今日の法案であります債権買取り機構に関しまして政府・与党そして野党との間に若干開きがございました。この点に関して今日質疑をしてまいりたいと思います。
まず、発議者に質問したいんですが、こちら、支援機構のイメージ図というのがございます。その中には、政府保証によって二兆円の資金調達をする、また国から政府出資としまして預金保険機構、貯金保険機構に二百億円資金を渡す、その後出資をする、さらには民間金融機関から出資を募るということになっております。
そこで、具体的な数字を聞きたいんですが、預金保険機構、貯金保険機構から幾ら出資をいただき、さらには民間金融機関から幾ら出資をいただくのか、教えていただきたいと思います。

○委員以外の議員(片山さつき君) 大久保委員とは自公民の三党の二重ローンの実務者協議で本当に何度も積極的な意見交換をさせていただいて、この点を除いては大変多くの成果が出たというか、現実にただ一つ動いていた三党協議であるという話もあるんですが、実際に大きな予算を伴わないものについては大変民主党さんの方も御協力をいただいたんですが、非常に大きな予算措置とか法律を伴うものはいずれも全て止まっていたということが非常に残念でございます。
この預金保険機構、貯金保険機構が法律上の出資者になっておりまして、私どもは当初、約二百億円の出資を、預金保険機構と貯金保険機構と、リースの部分につきましては国、経産省、中小企業庁から予定しておりまして、この配分につきましては、一般の債権、それから系統、JA、JFの債権、さらにリースが大体どのぐらいであろうかなという割合で機械的に配分しようかというふうに思っております。
今、企業再生支援機構がまだ動いておりますが、こちらも出資額が二百億円で、役員が十一名、職員が百四十一名、さらに政府保証枠が三兆円ということでございますので、私たちもこの二百億円は大宗は運営費に充てようと思っておりまして、借入枠はあくまでも民間からの政府保証の借入れということで、その辺のバランスも現実的なものになっているのではないかと考えております。

○大久保勉君 片山発議者に質問したのは、いわゆる預金保険機構と貯金保険機構が幾ら出資するかということです。具体的に教えてもらいたい。さらには、金融機関が本当に出資してくれるのか、ここがこの法案が絵にかいたもち法案になるのかしっかりと機能するか最大のポイントの一つですから、是非聞きたいと思います。

○委員以外の議員(片山さつき君) ちょっと誤解があると思うんですけれども、企業再生支援機構の場合は結果的に約半分が金融関係とか事業会社からの民間の出資なんですけれども、この機構は預金保険機構、貯金保険機構、中小企業庁で二百億円を出資して、それでもう成立いたします。
ですから、その時点でもう設立はできるのであって、そこから先に、民間あるいは地方公共団体なりいろんなところから既に、こういうものができるのであれば、それこそまさに今赤十字に寄附をしたお金もなかなか届いていない状況ですから、仕事をつくることに貢献したいという事業家、篤志家の方もいらっしゃいますので、そういった方も含めて、まさに地域おこしのためにアディショナルなお金として入れていただくことはあっても、当面運営できるお金は預金保険機構、貯金保険機構、中小企業庁でこの第三次補正予算に乗せて要求していくということで、おおよそ今我々の現在の見込みでは各々百六十億、二十億、二十億ぐらいの配分かなと思っておりますが、これはまたこの法案を無事に通していただければ、予算要求の際にしっかり精査をさせていただきたいと思っております。

○大久保勉君 分かったような分からないような部分でありますが、かなり抽象的な部分もありますから、これからしっかりと詰めていくのかなというふうに私は理解しました。もし違ったら教えてください。肝心要の民間出資に関しては、まだ決まっていないから、これからするということかなと思っています。
こういったことを踏まえまして、じゃ、実際にこの機構はいつから債権を買い取ることができるのか、もし本日法律が成立しましたら何か月後に買取りができるのか、もちろん希望的観測でも結構ですから、教えてください。

○委員以外の議員(片山さつき君) もう一度先ほどの質問に対して、ちょっと大久保委員の誤解があると思うんですけれども、民間の出資を必ず募らなければならないような法体系にそもそもなっておりません。さっきも申し上げましたように、二百億円の出資で、百十数人の非常に高額の職員と十一名もの役員でかなり立派なオフィス、設備投資、システム等を入れた企業再生支援機構が回っておりますので、私どもは、当初の人数についても一定の見積りを持っておりますが、この二百億円が集まった時点で完全にこの機構はフルに活動が可能と考えておりますので、さらにその上に、助けたいというところが出資をしていただくのであれば、主務大臣の認可があるようなちゃんとした方であれば認めるというお話でございます。
そして、委員の今の質問でございますが、法律が、例えば今日通していただいて、すぐに衆議院も通って、今日できた、そう公布即施行ということができればですが、農林系につきましては、今大体系統金融機関がどういう債権がどういう状況になるかの把握が既にできておりますので、発足して決まれば、もう本当に、まあ一日とは言いませんが、可及的速やかな対応が可能でございまして、それ以外の普通の会社、普通の個人事業者の買取り開始につきましても、一か月から二か月で可能と見込んでおります。
なぜかを御説明いたします。
私どもの東日本大震災事業者再生支援機構は、金融機関や農協、漁協等、既往債権さえ引き取ってくれればこの人のためにニューマネーを出して商売を続けさせるようにするよと、そういう書類が添付される被災事業者について、事業のおおよその見通しを記載した書面さえあれば支援を認めるという、非常に決定までが早いワンストップのことをやっております。
政府案についても非常にたくさんの説明を受けましたが、民間で無限責任を行うゼネラルパートナーというのがいつどうやって見付けられるかについてはお答えがございませんで、それが見付けられない限りは永久に買取りは行われません。そして、一人のゼネラルパートナーが全ての業種について詳しいという状況はいまだかつてないし、考えられないと思います。
今まで、中小企業の再生協議会と、いわゆる投資事業組合法に基づく、ファンド法に基づく投資でございますが、決定までに数か月、半年、一年以上掛かっているものばかりでございますが、これも道理で、無限責任を負う人間が要るというスキームが法定されている以上、あらゆる書類を要求して、無限責任ということは身ぐるみ剥がれるということですから、一個人がですよ。それは当然、バランスシートから、損益計算から、タックスプランから、キャッシュフローから、あらゆる書類を要求する、今までもそうなっております。実際、だから大変な時間が掛かっておりまして、中小零細事業者にとっては全く自分たちのためのものだとは思われておりません。
ですから、思い切った手続の迅速化、簡素化というのは、やはり特別目的の会社について法律を書かないとできませんので、この法案に沿ってやった方がずっと早く、我々は成立後一、二か月以内に買取り開始が可能というふうに考えております。

○大久保勉君 非常に長い演説だったと思いますが、農林系に関しては僅か一日で買取りできるというのは、私も金融機関に長くいましたが、この辺りは本当かなと、逆に短過ぎてこの現実味がなかなか信じられないと思います。これは私の感想で、実際そうならないことを望んでおります。
続きまして、この機構は約二兆円ほど債権を買取りをするというようなことを報道で見ましたし、また片山先生の方から三党協議のときに聞いたやに思っております。具体的に、二兆円の買取りでしたら、買い取る債権の額面は幾らなんでしょうか、質問します。

○委員以外の議員(片山さつき君) 額面というのは幾ら貸したかという金額でございまして、当然買取り価格は適正な時価ということで、様々な状況を勘案し、今現在の止まっているこの非常に悲惨な状況のみならず、過去、この震災がない状態でどのような状況の企業であったか、過去、水浸しあるいは原発で立入禁止になる以前にどういう担保価格であったかということも考えながら、当面の営業の状態の見通しがどのようになるかも、ある程度そういった未来の復旧復興状況も考えながら買取り価格を考慮していくというのがこの法案でございますので、これは当然ケース・バイ・ケースで決まってきますので、額面総額が幾らかということは今現在では、大変大久保議員には申し訳ないんですけれども、申し上げられません。
ちなみに、同じような立て付けをしております企業再生支援機構につきましても、また、かつてもうこれは成功裏に支援が終わって清算しておりますが、産業再生機構についても、最初の枠というものが、企業再生支援機構については三兆円の政府保証枠を設定しておりますが、もちろん三兆円使っているわけではございませんし、その時点で、今からやってくる企業の価値がどのぐらいで、どのぐらいになるというようなことも法律を通過させるときに出してはおりません。
以上です。

○大久保勉君 分かりました。
二兆円というのは絵にかいたもちということですね。基本的には、具体的にどのくらいの融資があるのか、それでどのくらいの価値があるかということによって金額を決めていくのが一般的です。ですから、二兆円を最大限として取りあえず機構をつくろうということだったら分かりますが、この辺りももう少し議論していきたいなと思っています。
恐らくは、価格をおっしゃらなかったのは、恐らく価格が五〇%ぐらいになるケースが多いです。その場合は、二兆円買い取るということは額面四兆円の融資なんです。そういった融資が本当に購入可能か、若しくは購入する必要があるのか、この辺りが論点だと思っています。
ちなみに、金融庁に質問したいんですが、二重ローンの対象金額はどのくらいと推定されているのか。もちろん、これは個人、中小企業、そして重要なのは今回は農林水産関係、さらには医療関係、全て合計してどのくらいか、質問したいと思います。

○政府参考人(遠藤俊英君) お答えいたします。
まず、個人、中小企業についてでございますけれども、私ども、被災三県に所在する民間金融機関からヒアリングを行いました。五月末時点で東日本大震災以降に約定返済を一時停止した、若しくは正式に条件変更契約を締結した債権額を集計いたしました。その金額は、個人住宅ローンについては約一千億円、それからその他の事業性ローンについては約四千五百億円、合わせて約五千五百億円となっていると承知しております。
その他の分野の貸出債権でございますけれども、これは各省に確認いたしました。
まず、農林漁業関連でございますけれども、この農林漁業関連はなかなか推計が難しくて、先ほど申し上げましたような約定返済一時停止等の債権額ではございません。被災三県における農協とか漁協の貸出資金残高を集計したものでございます。単純に集計いたしますと、合わせて約七千七百億円。特に被害が大きかった沿岸部の十三農協、三漁協では合わせて約三千八百億円となっております。
それから、医療関連でございますけれども、通常の民間の金融機関による医療関連への貸出し以外に、独立行政法人福祉医療機構というのがございまして、そこで被災三県に所在する医療機関等への債権額として約九百十億円ございます。特に被害が大きかった沿岸部では約二百八十億円となっていると承知しております。
それから、住宅関連でございますけれども、独立行政法人住宅金融支援機構において、同じく被災三県における住宅ローン債権残高として約一兆四千億円あるわけでございますけれども、そのうち、これは国土交通省が推計しておりまして、国土交通省の推計によりますと被災債権残高は約千二百十億円というふうに試算されております。
今申し上げましたように、債務者のそれぞれの区分けに応じまして私ども金融庁がヒアリングいたしました。それから、一定の推計をしているところもございます。それから、推計できずに地域で取っているといった金額もございますので、単純にこの金額全体の範囲を合計することはなかなか難しいのではないかなというふうに考えております。

○大久保勉君 それ合計するのはなかなか難しいのですが、出てきた数字を全部合計したら幾らになりますか、今電卓がなかったもので。

○政府参考人(遠藤俊英君) 今申し上げました数字を単純に合計いたしますと、約一兆円という数字でございます。

○大久保勉君 一兆円がまずはスタートであります。
その中で、今回、自民党、公明党さんも了解してもらいまして、私的整理ガイドラインというのを充実させていこうということであります。この中に、私的整理ガイドラインで金融機関に債権放棄をさせる、若しくはそれを促す、そのことによって債務者を助けようと、こういった金額も出てくると思いますから、私的整理ガイドラインにもし適用できるとしたらどのくらいなのか、もちろんこれはまだこれからの話ですが、どの程度あったら望ましいか、そういった数字が出てきましたら教えてください。

○大臣政務官(和田隆志君) お答え申し上げます。
今、大久保委員の方から御指摘ありましたように、私どもとしましては、債権の買取りということを検討する一方で、やはり当事者ができるだけ迅速に解決していただけるという手法も探るべきであるという視点の下に、私的整理ガイドラインを、今までは事業者についてのみ設定してございましたが、個人について、また個人事業者について与野党にもお知恵をお借りしながら設定したところでございます。
今お尋ねは、これによってどれぐらいの債権が処理できるのだろうかという御疑問でございますが、そこは、大変申し訳ございません、私どもは、債務者と債権者の間の処理スキームをできるだけ多くメニューを取りそろえて、その中で一番自分たちが欲するもので処理していただくということを前提につくっているつもりでございますので、ある面では、全債務者、債権者にこうした私的整理ガイドラインに適用できるかどうか御検討いただいてもよろしいのかなというふうに思っていますが、実際にどの程度の金額がここの部分に持ち込まれることになるかはちょっと今のところ予測が付かない状況でございます。

○大久保勉君 金融庁らしい答弁ですが、この辺りは片山先生とか若しくは西田先生と同じように、もうちょっとしっかりしろよというふうに思うかもしれませんが、しっかりと制度をつくりましたから、その制度が担保されないといけないと思います。
そこで、提案的な建設的なことも含めまして、私的整理ガイドラインの活用件数を増やすために金融機関にインセンティブを付けさせる必要があります。実際には、債権放棄をした場合に無税償却をするとか、若しくは金融機能強化法で公的資金、それも非常にコスト的には安い、また責任を問わないような公的資金を入れて私的整理ガイドラインの適用を促すと、こういったことをやっています。これはいわゆるあめの政策です。
できたら、むちという部分でしっかりと金融機関に対して規制をする必要があります。具体的には、金融検査でしっかりと指摘する、場合によっては私的整理ガイドラインの適用件数、金額を公表させる、こういったことを提案したいと思いますが、和田政務官、これに関する御所見をお聞きしたいと思います。是非踏み込んだ答弁をお願いします。そうしませんと、与党としましては、もしかしたら片山法案の方がすばらしいかもしれないという判断になる可能性もあります。

○大臣政務官(和田隆志君) 済みません、しっかり答弁しろという御指摘でございますので、できるだけ努力いたしますが。
私的整理ガイドラインをできるだけ皆様方に御活用いただきたいという趣旨では、債権者となっている金融機関等に債権放棄を損益として損金の額に算入するということを財政当局との間で交渉中でございまして、それをできるだけ実現したいというふうに思っています。また、債務者としても債務免除益の方を税務上償却できるように考えております。
先ほどお尋ねの、実際に進んでいるかどうかをしっかり当局としてチェックすべきではないかという御趣旨だと思いますが、私的整理ガイドラインそのものが民間当事者の間で設けられているものなので、強制まではできないと思いますが、私どももやっぱり世の中でどれぐらい取り組んでいただいているかを要するにしっかりと知っていただくような環境はできるだけ整えた方がいいんじゃないかというふうに思っておりますので、あくまで主体が民間当事者になりますけれども、それらの方々にしっかりと公表をお願いするよう、私どもとしても動いていきたいと考えています。

○大久保勉君 分かりました。しっかりと公表をさせるということを承りました。
今回は財務省も金融庁もかなり踏み込んでいると思います。税制の優遇であったり公的資金、それも非常に低利、この点に関してはしっかりとやっておりますから、私はしっかりとこのことを国民の皆さんに訴えてまいりたいと思います。
どうして今回野党各党から出ました法案が問題があるのかといいますのは、まず二兆円という金額、実際の二重ローンの対象金額が一兆円で、それに私的整理、仮に五〇%私的整理があった場合には五千億しか残っていないんです。その五千億を金融機関が全額は買取り機構に売らないと思います。百歩譲って全部売ったとしましても、実際の債権価格というのは、額面一〇〇に対して五〇%以下というケースが多いです。といいますのは、津波で建物が流されています。リース、いろんな問題がありますが、全て機械も動かないという状況です。担保価値はありません。会社の操業もなかなかいかないという状況ですから、物によっては額面の一〇%、二〇%というのも多いと思います。そういった状況で、かなり将来の再建を期待して五〇%で買い取るというのが現実的な数字じゃないかと思っています。その場合は、五千億掛ける五〇%ですから二千五百億、全額売ったとしてもそんな金額なわけなんです。
ところが、二兆円買い取るということは何をしているかといいましたら、本来は一〇%から二〇%の価値しかないものをほとんど一〇〇%で買い取るというのは、誰を支援するのか。それは、この債権を売っている金融機関、銀行であったり、JA、JFさんを支援すると。つまり、隠れ補助金の法案なんであります。この辺りはしっかりと議論していく必要があると思います。
その結果、何が起こるのか。これは十五年後、こういう項目があります。四十六条、これに政府の補助の意味がありますが、この場合に、もし損が出た場合には国がしっかりと補助するということになります。全額これは国が、例えば二兆円のうち二兆円、まあ一兆五千億損が出ましたら、十五年後に一兆五千億国が出資しないといけないと、税金を投入しないといけないと。いわゆる飛ばし法案になる可能性があります。この辺りが私は問題じゃないかと思います。
この辺りに関して発議者の御意見を聞きたいと思います。

○委員以外の議員(西田実仁君) 御質問ありがとうございます。大久保先生には大変に三党協議でもお世話になりまして、ありがとうございました。
今御質問ございましたけれども、まず、私どものこの法案につきましては、債務保証によって二兆円を調達するわけですけれども、決してその二兆円全てを瞬間的に買い取るということではもちろんないことは御承知のとおりであります。また、その対象が今回の東日本大震災の直接的被害のみならず原発等も含めた間接的な被害ということも含めておりますので、先ほど金融庁の方から御説明ございました、現時点でのそうした債権債務関係ということに加えて、今後まだまだ広がる。しかも、最大延長期間は、支援計画を立てるのに五年、そしてその後十五年ということですから、最長で二十年という長きにわたるものでありますので、その間のことを見て最大二兆円というふうに考えているということでございます。
そういう意味で、決して二兆円ということを前提にして今御質問のような金融機関を支援するかのような買取りが行われるということはそれに当たらないというふうに思います。
この適正な価格ということがどこにあるのかというのは、確かにそれは簡単な話ではありません。我々の法案でも、第二十三条で適正な時価を上回ってはならないと、このように定めておりますその適正な価格というのは、もちろん、余り高過ぎては金融機関に利するだけになってしまうし、余り安過ぎては誰もこの機構に売ることもないと。こういうところで、被災地の方々の企業を、中小零細企業を、その債務を負担軽減しながら再生をいかにして図るかというところで適正な価格というのがおのずと導かれてくるものというふうに思っております。

○大久保勉君 分かりました。
先ほど、原発の被害もあるから金額が増える可能性があるという御指摘もありました。私もそのとおりだと思っていますが、今回の二重ローンの問題は金融だけでは解決すべきじゃないと思っています。例えば、土地を国が買い上げてあげる、場合によっては、原発の事故で汚染が進んだ農地に関しては、場合によっては機構が、原子力賠償機構が買い上げる、こういった支援もあり得るんじゃないかと思っています。
そこで、関連しまして、今週、参議院で審議予定の原子力賠償支援機構法のことに関して若干質問しようと思います。といいますのは、同じ機構という形で、どういう形でガバナンスを利かせていくのか、この点が重要だと思います。つくることよりも実際に運営させることが重要でありますし、その中で、いわゆる二重ローンの被害者、場合によっては原子力の被害者をどういう形で支えていくか、この辺りから質問してまいりたいと思います。
まず、質問としましては、第二次補正予算で十億二千万円の東京電力に関する経営・財務調査委員会経費が計上されています。賠償支援機構及び東京電力は、多額の予算を使った資産査定の結果を十分に反映させて特別事業計画を作成すべきと考えています。その担保する条項は原賠支援機構法にあるのか、もし、恐らくないと思います、ないんでしたら、松下副大臣がいらしていますが、ここはしっかりと、十億円の予算をつくって第三者委員会で資産査定をしていますから、その結果を東京電力と支援機構に認識させて、しっかりとこの数字を使うと、このことを表明してほしいと思います。

○大臣政務官(和田隆志君) 原発被害対応の方は私でございますので、私の方から御答弁申し上げたいと思います。
今、大久保委員御指摘のとおり、十億円この経営・財務調査委員会の経費として計上いたしておりますのは、むしろ、まさに委員の問題意識のとおり、できるだけ早く政府側として東電の資産内容の査定にかかり、これから先、是非成立をお願いしたいと思いますが、支援機構法案が成立しました後に、支援機構と東電とが協力しながら特別事業計画を策定することになります。その特別事業計画の中にその資産査定の部分をしっかりと反映させることができるよう、今から作業をするということのためにこの補正計上を図ったものでございまして、今委員の御指摘のような運用を努めて努力してまいります。

○大久保勉君 ですから、運用できるということではなくて、運用をさせるということでいいですね。もう一度お願いします。しっかりと第三者委員会の決定したことに関して全て適用させるということで。

○大臣政務官(和田隆志君) 委員の御趣旨が全部丸ごとそっくりそのまま適用ということであれば、ちょっとそこまでお約束できるものではございませんが、しっかりとその結果を受け取った上で、特別事業計画がそれに基づいているのかどうかをしっかり見させていただきたいと思います。

○大久保勉君 実は、ここが問題なんです。今回の賠償支援機構に関しては、東京電力の経営陣にとって強制力があるかどうか、この辺りをしっかりと担保していかないと、機構というのが、すばらしい機構はできたんですが、実際の運用は国会の趣旨とは全く違うおそれがあります。
もう少し、じゃ具体的な部分で申し上げますが、例えば東京電力の株式を機構に買わせる場合に、これは東京電力経営陣が買取り依頼をしないといけません。ですから、買取り依頼をしない可能性があります。じゃ、どうしてやるかといいましたら、いわゆる廃炉、いろんな汚染水の処理にはコストが掛かりますが、そういったコストを計上せず、何とか債務超過にならないと、だから資本は要らないと、こういう状況で経営することも可能かと思います。その場合、何が問題かといいましたら、廃炉が進まず放射能の処理が進まないと、こういった問題が出てきます。ですから、この辺りをどうやって政府がコントロールするか、ここが非常に重要なポイントであります。
そこで、まあこれを担保するものとしましては特別事業計画なんですが、この特別事業計画に関して、毎年若しくは半期ごとに国会に機構及び経産大臣が国会に報告すること、また国会でそのことを質問する、こういった制度が必要だと思いますが、この点に関して、恐らくこれはもう松下副大臣、是非答えてほしいんですが、ちゃんと国会に報告するか、このことを表明してほしいと思います。

○副大臣(松下忠洋君) 東京電力が特別資金援助を受けるためには特別事業計画の提出が必要でございます。その前提として機構は厳格な資産査定を行う必要があると、こうなっております。また、特別事業計画を通じて、汚染水処理等の収束とか廃炉費用についても、その詳細について確認されることとなると考えております。機構による支援に先立ちまして、既に現在、東京電力に関する経営・財務調査委員会による徹底した資産査定が行われているところでございまして、機構においてもこの査定結果は活用されるものと、こう認識しております。
特別事業計画について、必ずしも決算期ごとに更新させる旨の規定はありませんけれども、計画の履行状況につき主務大臣が報告を求めて必要な措置を命ずることができることとしております。政府としても、この特別事業計画が着実に履行されていくようにしっかりと注視していきたいと、こういうふうにしています。
以上でございます。

○大久保勉君 私の質問に答えてもらっていませんが、それは大臣が東京電力に要請することでありますが、政府が国会に対してちゃんと報告するのか、これがポイントなんです。
例えば、同じような機構として預金保険機構があります。過去には破綻金融機関に対して公的資金を投入しています。これに関しては、金融大臣が破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容に関して国会に対して報告を求めています。これはFRC報告と言っています。で、年一回、少なくとも一回は財政金融委員会で質疑をして運用状況をチェックしています。こういったガバナンスを利かせる必要がありますから、是非検討してもらいたいと思います。
これに関して何かございましたら、答弁お願いします。

○大臣政務官(和田隆志君) 今委員の方からFRC報告と同様の仕組みをしっかり設けるべきではないかという御指摘がございました。
私どもとしまして、特別事業計画がしっかりと履行されているかどうかを行政としてチェックすることはもちろんのことでございますが、それを、今回このような法案をお願いしているわけでございますので、国会の方に御報告する機会があるべきという御意見については私ども非常に傾聴に値するものだと思っています。
特別事業計画そのものがどんな内容になっていて、それがどれぐらいのタイムスパンで実行されるものかということが今ちょっと見えていないものですから、例えば毎決算期ごとにというところにはなかなか、いつ、今すぐそうだというふうには理解できませんが、どこかの時点できっちりと国会に御報告申し上げるようなフェーズを設けることそのものはしっかりと考えていきたいと考えています。

○大久保勉君 次に、支援機構がしっかりと原子力事業者の経営状況、若しくは東京電力の株若しくは他電力の株式をチェックする、若しくは安定化のために何らかの行動を起こすことが私は必要だと思っています。さらには電力債、東京電力だけでも四兆円の電力債がありますし、それが暴落した場合に日本の社債市場が大きな打撃を受けます。
こういった観点から質問したいんですが、政府及び機構は、東京電力の経営状況若しくは他電力の経営状況に甚大な被害が想定される場合には電力債を買い支えることができるのか。いわゆるセカンダリーで電力債を買い支えると。また、金融システムに問題が生じる場合にはしっかりと、問題が生じないように何らかの処置をすると。こういったことに関して、これは和田政務官ですか、に質問したいと思います。

○大臣政務官(和田隆志君) 今、大久保委員の御指摘の、政府及び機構が東京電力の電力の安定供給、そして確実な賠償責任を果たすこと、こういったことのために資金が必要で電力債を発行するときには、それに対して引受役となることはできることになっております。
しかし、今御指摘の流通に付された国債、電力債、そうしたものについて、これを買い支えながら株価の維持を図ったりすることは、今与えられている法案の文章上は、東京電力の電力の安定に資するということが読めるような説明が合理的にある場合には考え得るものだと思いますが、一般的な理解からすると市場の安定を目指して行われるものでございますので、それは別途手当てが必要なのではないかと考えます。

○大久保勉君 じゃ、別の質問で、電力会社の電力の安定供給のためにするいわゆる電力債の暴落に対する措置、つまり流通市場で電力債を買い取ることはできるという解釈ですか。

○大臣政務官(和田隆志君) 現時点の判断としては、そういったことが起こらないように、東電に対して資金調達をしっかりしてもらうよう機構と政府で手当てを打っていくということだろうと思っています。

○大久保勉君 そろそろ時間が参りましたので締めの質問に入りたいんですが、ここでは原子力賠償支援機構のケースでいろんな質問をさせてもらいましたが、法律で決めること、で、それをどういう形で運用していくか、これが非常に重要だと思っています。引き続き国会でチェックする必要があると思います。
片山先生以下、山田先生、西田先生等で発議されました東日本事業者支援機構に関しましても、この設立の目的は私も非常に正しいと思いますし、しっかりと応援したいと思いますが、実質的にこれがちゃんと運営するのか、すぐに債権を買い取ることができるのか、さらには税金の投入、将来の投入で多大な国民負担が発生しないか、こういったガバナンスを強化する必要があります。ですから、機会がありましたら引き続き国会の場、場合によっては三党協議の場で議論させてもらいたいと思います。
すばらしい法案になることを期待しますが、残念ながら内容的に政府としまして若しくは与党としましては足りない部分もあるということで、私は反対すべきかなと思っています。
以上で終わります。

○熊谷大君 自由民主党の熊谷大です。本日は質疑の機会を与えていただきまして誠にありがとうございます。
現在、被災地では地震、津波、原発事故、さらにそこに政治災害とも言える政治の混迷が、まあ政府の混迷と言ってもいいと思いますが、加わりまして、かなりの混乱が生じていることをまずは冒頭申し上げさせていただきたいというふうに思っております。
被災地を巡っていますと、最近共通して言われることがあります。それは、結果が欲しいということです。政府の答弁には余りにも検討中、検討します、議論します、そうした内容が多くて、まだ義援金も手元に来ない人が多い中、とにかく抽象的な議論ではなく結果を出してほしいというふうに訴えられます。この結果を、結果を出してほしいの結果ですけれども、四か月以上も被災地では待っています。待てない人たちはどんどん外に出ざるを得ない状況に追い込まれています。被災された者は皆一丸となって復旧にかかわり復興に取り組みたいと、そのように願っています。それを阻んでいるのが政治であってはならないと強く感じておるところです。
地域社会の様々な場面で、また、地域経済、そして雇用の約七割、八割を支えているのは、御存じのとおり、中小企業の皆さん方です。被災した沿岸部は漁業関連会社、農地が浸水したことが注目されますが、それ以外の分野の企業さんも多いわけで、そうした方々の多くが今回被災をしてしまいました。中小零細企業は、この震災により直接施設設備がダメージを受けただけでなく、取引先へその被害が及び、立ち直るための利益、資源確保が大変困難であります。建設業界関係でも、公共事業の仕事をしていて津波被害に遭った重機が一千五百億円分もあります。そうした企業が事業の再生、そして地域の再生を本気で行おうとするときに彼らの頭を悩ませるのがこの二重ローン問題であります。
本日は参考人として宮城県の多賀城・七ヶ浜商工会会長の安住政之さんに上京をしていただきました。
四か月半が過ぎた現在の被災地でありますが、多賀城地区はソニーさん、日本フイルターさん、レンゴーさん、東洋刃物さんなどの大手の企業が多く、それらが事業縮小を考えざるを得ない状況でございます。さらに、そうした大手企業群があるということは、その仕事の下請をする中小企業群が数多くあることということでも御理解いただけるというふうに思います。そうした中に、中小零細企業の現況を質疑させていただきながら、二重債務の苦境に置かれた皆さんの解決策をこの場で議論していきたいというふうに思います。
それでは、安住参考人にお尋ねいたします。
現在の被災地区、特に沿岸部の中小零細企業の全般的な状況をまずは教えてください。

○参考人(安住政之君) 初めてこういう場所に出させていただきましたので緊張しているところがありますけれども、御質問の趣旨に沿って発言をさせていただきたいと思っております。
現在、三月の十一日に震災を受けて以来四か月半が経過をしているわけでございますけれども、まずもって、残骸関係の収集関係についてはある程度は落ち着いてまいりましたけれども、今、多賀城市自体が、六万三千人の人口を有しておったところでございますけれども、七月の二十日現在で一千二百名の方々が他市町村の方に移動をしておりまして、大変な人口の減少、そしてまた先ほど来お話ありました企業の撤退というようなことに直面をいたしておりまして、非常に厳しい状況下の中で今私ども中小の商工業者はあえいでいるところでございます。
私どもの町は、元々は仙台新港の背後地というような形の部分の中で形成をされておりまして、歴史と工業の町というような形の位置付けで運営をしておったところでございますけれども、今回の震災、そしてまたそれを追い打ちを掛けるあの津波でございますけれども、私も当日は胸まで水に浸りながら三時間を過ごしておったところでございますけれども、ようやく自衛隊の方あるいは消防の方々に救出をされて一命を、今ここにあるわけでございますけれども、本当に地獄を見た感がしてならないわけでございます。
多賀城市の商工会、多賀城、七ヶ浜、両方を併せまして、合併をさせていただいたわけでございますけれども、千二百五十名の会員を有しておった県下二番目の規模の商工会でございます。しかしながら、今回の震災によりまして約半数以上、六割の七百四十名の会員の方々が被災をいたしております。全壊が九十会員、大規模半壊が百二十四というような形の部分の中で本当に大変な思いをしておるところでございますけれども、その中で今度は問題として出てきているのが、商工会に対して廃業の届けというような形の部分の会員の方々が非常に多いわけでございます。
その辺で、何とかこれを食い止めなければいけないというようなことで役職員一丸となって今その対策というふうな形をやっているわけでございますけれども、なかなか先行きが見えない。そしてまた、大手の企業さんが次々と多賀城から撤退をしていくというふうな形のものが現実として現れておりまして、それらへの対応ということが非常に頭が痛い部分があります。
個人の方々に対してのいろんな形の補償とか補助というふうな形のものは結構出てきておりますけれども、中小企業に対しての補助金、支援というものが全くないわけでございまして、その辺のことも、やっぱり地元だけでは絶対解決できないことでございますので、国政の方でしっかりとした形のものをつくっていただきたい。また、地域の今後の在り方について、まだ地域の用途指定とかそんな形のものもまだされていないわけでございまして、その辺を至急、早急にやっぱりやっていただきたいというふうに思っております。
会員さんに会いますと言われる言葉が、対応が遅いね、対応が遅いねという言葉がいつも出てまいります。その辺のことを踏まえて、是非ともいい方向付けを国会の先生方にお力添えをいただければというふうに思っております。
以上です。

○熊谷大君 今、御自身も被災された中で企業再生に向けて非常に御尽力又は御努力されている姿もかいま見えたわけなんでございますが、今まで中小零細の皆様は従来ある国の補助又は支援でしのいできたというふうに思われるんですけれども、なかなかその規模が十分でないという指摘も受けておりますが、それについての指摘も是非現況を報告していただければと思います。

○参考人(安住政之君) 今、熊谷先生の方から御指摘いただいたとおり、金融関係につきましてはかなり条件緩和されまして、あるいは金利的なものも下げていただきまして、借りやすくなったことは事実でございます。しかしながら、前々から持っている債権あるいは動産に対するリース関係のその負担が非常に重くのしかかっているのが現状でございます。
そしてまた、いろんな形でグループ化をしたら、そこに対して国の方が二分の一、あるいはそれに県が四分の一というような形のいろんなお話をいただいているわけでございますけれども、先般締め切った中でも、宮城県だけで千二百五十億円、二百十七グループからの申請が上がったわけでございますけれども、実際的に政府の方で御用意いただいたのが百四十四億円、そして青森、岩手、宮城の各県が負担する分が四分の一ということで七十二億円というような形でございまして、これが二百二十六億円になるわけでございますけれども、それを一県当たりで割っていきますと六十億から七十億というような形になるわけですね。それの達成率としまして六%までまだ行っていないということが現実としてはあるわけでございます。
そのような形の、両方から板挟みになったような形の苦しみを今本当に味わっている現状でございまして、その辺のことを是非とも御理解をいただければというふうに思います。

○熊谷大君 ありがとうございます。
本当にスケールも桁も、何もかも足りない、不足しているというのが今、安住会長からの御発言で理解できたというふうに思っております。
そこで、今回、政府が出してある中小企業基盤整備機構の方で話を移していきたいんですけれども、政府案の方では五年間で再生を図らせて、規模が一千五百億円。しかも、この政府が出している機構は、実績が七年間で七十四件しか再生されていないということでございます。果たして被災している方々が、この実績もままならない、そして期間が五年ということで、しっかりとした再生が果たして可能でしょうか。いかがでしょうか、安住会長。

○参考人(安住政之君) 五年というスパンで物事を考えたときに、とてもではないですけれども今の状況下の中では無理だと思っております。少なくとも十年、十五年というような形のスパンの中でその辺の御投資的なものもしていただきたいなというふうに思っております。

○熊谷大君 更に議論を深めていきたいんですけれども、私も週末地元を回っていて、二重ローンの解消を野党側から法案提出をいたしますという話をしてまいりますと、非常に皆さん関心高くて、いろいろと質問をされてまいります。それをそのまま今度は発議者の皆さんに質問をさせていただきたいというふうに思っております。
被災された企業の皆さんは何に心配しているかということ、それは基準なわけでございます。本法の案の第十八条に支援基準がありますが、そこにはできるだけ多くの事業者に再生の機会を与えることとなるように適切に配慮するとあります。私、これすごく有り難い、大変有り難いことだというふうに思っておりますが、続く、東日本大震災復興基本方針、これはいまだ骨子なわけでございますが、及び被災地域の地方公共団体が定める復興計画との整合性に配慮しなければならないというふうに明言しております。
この一文が入っておりますと、支援される事業者は恐らく沿岸部で建築制限を受けてしまう企業が多くなるというふうに予測されるんですけれども、これはどのように考えればいいのか。取りあえず債権を買い取るということに集中するという支援なんでしょうか。基準を教えてください。

○委員以外の議員(片山さつき君) 熊谷議員は宮城の本当に被害の非常にひどいところを歩いてこられた、私も御一緒しておりますが、非常に生の意見をこの法案を作るに当たってもいただいた委員でございまして、まさに沿岸部地域におきましては、津波の関係で全ての財産が滅失し、家族や従業員も亡くなった上で、もう廃業するしかないという方をみんなで説得して、廃業しない、何とか立ち直る。そこで、だからこの既往債権、今まで借りていた債権についてはここで買い取って、十年、最長十五年間においては資本のようにするということは、これは毎月、毎年の返済をしなくてもいいということですから、それで新しいニューマネーを出して、じゃ、仮設の工場ではいつまでも営業はできないから、小さくても安全なところで事業所を造るとか店舗を再開するとかあるいは診療所を造るとか、そういうことをするためのものでございます。
ですから、建築制限が掛かる掛からないがあるからといって、全ての事業者です、今我々が地域として考えておりますのは、九つの県にいわゆる財政支援ができる特定被災地域というのがありますので、宮城県においては全域でございますから、その地域で事業をやっていた事業者が事業を再開する。全く同じ業種でなくてもいいので、被災地域の中で、同じ宮城県内で動いてもいいし岩手に行ってもいいんですが、茨城に行ってもいいんですが、中で動いてやるということだけが条件。そして、こういう債務を引き取ってさえくれれば、この被災者、事業者には金融機関なりリース会社なりJA、JFが貸すよということさえあればいいので、被災地域が建築地域の規制を受けておろうが、それは被災の支援基準から漏れるということには全くならず、むしろそういう方については更にいろんな配慮が必要ですから、それを相談等で考えていって再生するという意味でございます。
ただ、やはりその県や市がいろいろなことを考え、安全を考えて、この地域ではもう工場は無理かなということになったときに、真っ向から被災者が対決してしまって、そこに工場を造りたいということになってしまうと、公的な資金が出てきているということとの兼ね合いがあるので、そこは相談をしながらというだけの意味で、当然最も対象にしなければならない事業者の皆さんだと考えております。

○熊谷大君 被災地の方に配慮を、被災者又は被災企業の方に配慮をしていただくということ、これがやっぱり大前提になってくると思います。そうしないとなかなか希望が見えてこないというのが今の現実かなというふうに思っております。
さらに、その基準とも深くかかわってくると思うので、ちょっと個別具体例のような形で質問をさせていただけたらなというふうに思っております。
女川町という小さな港町がございます。宮城県にあります。小さな町ですが、しかし漁業界にとってはとてつもなく大きな町でございます。水産加工会社も多くあるわけで、そうした加工会社さんは仮設工場を建てるにも、地盤沈下していて大雨や大潮のたびに浸水、冠水してしまうので、災害救助法の復旧の理念の下であると、護岸工事、堤防工事を早急にしてもらわないと町づくりすらできないということを訴えてまいりました。
そののりを越えて町やほかの民有地に仮設の工場を建てようかと計画すると、二つの課題が出てきます。一つはその民有地などが仮設住宅の建設に優先されてしまっていること、もう一つは既往債務でございます。後者の方は、共済などを利用して何とか運転資金を確保しながらやっておるというのがその現状らしいんですけれども、共済の支払が遅れがちなので、事業が続けられるかそうでないかの判断が事業者の方でもなかなか付かないという声がありました。さらに、前者の方、仮設住宅に用地が優先されるという方ですが、用地が確保できないという問題がありますので、どこからか資金の工面ができても用地確保が困難であるというと、なかなか事業再生又は再開につながっていかないという問題も出てくるかなというふうに言っておりました。
ここで何が申し上げたいかといいますと、一体的な政策プランと連携が必要になってきますよということを申し上げたいということでございます。よく浜の言葉で、浜が止まるとおかが干上がるというふうに言われます。今は、浜への企業に対する支援、資金が事実上止まっているような状態なので、おかの方も右往左往しているようなことが見受けられます。そして、それが原因でどんどんどんどん生命力がかれ始めているということ。
用地問題も救済の対象となるならば、大変手続に手間取ってくると思いますが、こうした個々の企業の既往債務、これは将来的に大きな視野を持った政策が必要になってくるというふうに思いますが、法案では主務大臣が支援基準を定めるとなっています。今申し上げた事例のようなものも専門家がしっかりと審査してくれるのか、そしてそれはどれくらいの時間感覚でもって先ほどもありました実行に移すことができるのか、お示しいただきたい。
さらにもう一点なんですけれども、こうした沿岸部の企業さんには、住職、住まいと職場ですね、一体となった、つまり職場が生活の場であり、生活空間が職場と連動しているところが多々あります。そうした債務は事業主扱いにして支援基準となるのかどうなのか、教えてください。

○委員以外の議員(片山さつき君) 仮設の工場、仮設の店舗が遅い、土地が足りないというお話は、私も女川以外でもあらゆるところで聞きました。この仮設の店舗、仮設の工場を担当しておられるのは中小基盤機構でございまして、四月に申し込んだものが十月にしかできない、そのような状況のお仕事をされているわけで、そこに更に既往債務についての二重債務の担当、不可能だと思いますが、いずれにしても、私どもはこのような今おっしゃったような形の既往債務の引取りというようなことを積極的にやるわけでございまして、女川でも気仙沼でもあの辺りは非常にいい漁場でございますので、何とか安全な場所を見付けて機械を入れることができれば将来の採算性は成り立つのだと。私たちは、銀行や信用金庫なんですよ、私たちはお金はあるから貸したいと言っているんですよ。それが今の残酷な基準だと、投資ファンドだか何だか知らないけど無理だと言われてしまうから、それをあたかも凍結するような形で国が、まあ国営ですよね、預金保険機構、貯金保険機構が主要株主ですから、最終的なリスクの受け先となって引き取るということ、そして国が、地方公共団体やあるいは商工会議所、今日もお見えですが、これは中小企業政策の中でも関連団体となっているところとはあらゆるところと連携し、県や市町、一番皆さんに近いのは県もそうですけど市や町なんですよ。その方がしょっちゅう会っているんです。
女川の町長は何とか鉄塔につかまって生き延びた方で、私も十数年来の知り合いでございますが、もうどんなことがあっても、石にかじりついても人口を逃さずにここで再生すると言って引っ張っているわけです。それにくっついて体育館で頑張っている人がいるわけですから、もう積極的にそこに入って、JFだけじゃなくて銀行や信用金庫からも水産の方は借りているんですよ。場合によっては他県の金融機関からも借りているので、県ごとに支援ファンドをつくったってうまくいかないんですね。水産関係というような支店をつくって対応することがこの法案ではできますので、当然そこには職住一体のものもございますが、個人の事業者の債務ということで判然としないのであれば、全てこの機構の方に引き取ることは可能でございます。
我々も私的ガイドラインを個人のものについて作ることには三党合意で賛成しましたが、これはあらゆる関係者が合意して作るもので、事業用のガイドラインを作るときに私は財務省当局で関与しておりました、二〇〇二年です。それから今までに数件しか使われていないんです。なぜかというと、民事再生などを行ったときに、回収できる金額から比べてすごく回収金額が少ないと乗らないからなんです。だから、誰かがリスクを抱えてやらない限り、今、熊谷議員がおっしゃったような方の再生は絶対にできない、コミュニティーが崩壊する、人間の復興ができない。そのためにやっておりますので、是非御安心いただきたいと思います。

○熊谷大君 ありがとうございます。
先ほど会長からもありましたが、対応が遅いというところもあったので、是非スムーズな又は速やかな政策の実行をお願いしたいというふうに思っております。
また、ここで明確にお聞きしておきたいんですけれども、私も政府が考えている中小企業基盤機構にはたくさんの問題点があるというふうに思います。そもそも、仕分の対象になって、更に使い回ししようという感覚が私はちょっと被災地に対して失礼ではないかというふうに思っております。
ここで発議者に、この政府案の中小企業基盤整備機構を利用しようとしている政策的問題点は一体どういう点なのか、明確に列挙してみてください。というのは、政府の考えている機構は、自公政権時代にも行革で中小企業の仕事の目利きや経営の専門家が少ないので外部の専門家に委託しろとも指摘されている、それにもかかわらず是正が行われていないと、そういうのも踏まえてお答えいただけたらというふうに思います。

○委員以外の議員(片山さつき君) 中小基盤機構の事業仕分の結果としては、まず、理事長二千二百万円以下の大変高いお給料、国家公務員の一二七%という大変な高給取りでございまして、何回も是正を勧告、民主党もされているのに、全然やっていません。そこで仕事を増やすということを認めるということは、事業仕分を看板にした政権の自殺行為じゃないのかなと私は思いますが、それで千五百億円をたとえ使うとしても、先ほどから申し上げていますように、潜在的に二十二兆円の債権があるこの地域ですから、これから原発の問題の推移等も考えると、どう考えても千五百億円というのは焼け石に水の金額であります。
そして、法律がなくて投資事業ファンドでやることの問題点につきましては、こういう指導、支援をするときには守秘義務があり、本当に被災者の利益に優先して働かなかったときの罰則がなければ何をするか分かりません。特に、全面的に無限責任を負うゼネラルパートナーという民間人がいないとこの制度は動かないんですが、この人は何かがあって損失が出たら全部身ぐるみを剥がれる人ですから、当然すさまじい量の資料等を要求して、これでも貸せないか、これでも大丈夫かということをさんざんやるので今までに七十件しかないのでございます。
そもそも、その中小企業対策については……

○委員長(柳田稔君) 時間が過ぎていますので、おまとめください。

○委員以外の議員(片山さつき君) 中小企業対策につきましては、元々、今回のような異例の災害について、あまねく全ての地域の復興という概念は全くないので、非常に無理があると我々は考えてこの法案を出しました。
以上です。済みません。

○委員長(柳田稔君) 時間です。

○熊谷大君 以上で質問を終わります。

○荒木清寛君 公明党の荒木です。
今日、新里参考人にお越しをいただいております。新里参考人は日弁連の副会長ですが、被災地、被災県、仙台弁護士会の所属であられまして、今回の被災者の支援活動にはまさに体を張って従事をされておる、このように承知をしております。
そこで、まず参考人に、今の日弁連としてのこの被災者支援の現状、またそういう相談等の中で、どういうことに被災者の方は一番法律的な分野ではお困りなのか、教えていただきたいと存じます。

○参考人(新里宏二君) お招きいただきまして、ありがとうございます。私自身は仙台の弁護士でございますので、まさしく被災地の弁護士でございます。
日弁連では、三月の十一日に本部を立ち上げまして、三月の二十三日から法テラス、東京三弁護士会、また仙台弁護士会と共同で電話相談を始めております。さらに、被災地での相談も積極的に行っておりまして、現在までの相談件数は二万二千件に達しております。
当初は、電話相談では、地震による瓦が落ちて隣に被害が出たとか、壊れた、家賃の不払の問題の賃貸借に関する相談がありました。そして、継続して多いのが被災法令についての相談でございます。被災地での行政機能が相当程度麻痺をしている関係で、弁護士会の相談がそれをこたえているのではないかなというふうに思っております。
それから、避難場所での相談は、今問題になっております二重ローンの問題が非常に多うございます。四月の二十九日から五月の一日、宮城県下で全国の弁護士が約延べ三百人が入って、九十五か所の避難所での相談を行っております。その中では、二割が二重ローンの問題でございまして、極めて深刻であり、こういう法改正をしていただきたい、法律を作っていただきたいというきっかけになったのはまさしく相談現場の声でございます。
以上です。

○荒木清寛君 次に、個人債務者の私的整理に関するガイドラインが七月十五日、関係者が集まった研究会で発表されました。このガイドラインにつきまして、いわゆる私的整理に関するガイドラインの個人版について参考人はどう評価されているのか、また今後このガイドラインの運用に当たって行政当局にどうしたことを望むのか、お尋ねいたします。

○参考人(新里宏二君) 私自身、この私的整理ガイドラインができたということを大きく評価しております。
先ほど述べましたように、被害実態の中で何とか解決をしなければならないという中で、借金のみが残ったケースについて、破産をしなくても解決ができる免除の仕組みができたこと、それから事故情報に登録されないこと、それから原則として保証債務を解除していただく、また手続費用も本人に負担を求めないという意味では、阪神・淡路大震災では実現しなかった画期的なことが実現できているというふうに思っております。
ただ、課題もございます。例えば、個人版私的整理ガイドライン運営委員会で現場のニーズに合った免除がきちっと勝ち取れるようなQアンドAが作れるのか、また被災地の近くに第三者委員会がつくられて被災者の、本当に現場のニーズにこたえられるのかどうかということでございます。更に言えば、今回のガイドラインにつきましては債権者の同意ということが要件になっております。それについて法的に規制することにはなっておりませんので、それをどういう形で実効性ある仕組みにできるかどうか。
金融庁は非常にこのガイドラインを作成することについて熱心でございますので、何とか金融庁の監督の仕組みの中で実効性ある仕組みをつくれないかどうか。
一つは、例えば二重ローンのダイヤルを金融庁の中に設定していただいて、ガイドラインを遵守しないケースについて相談が受け付けるような仕組み、又は金融監督のガイドラインの中にこの私的整理ガイドラインの遵守状況を何らかの形で組み込ませることによって実効性を確保する、そういうことが今求められている。まさしく、官民挙げて被災者のために取り組むことが今求められているというふうに思っております。

○荒木清寛君 参考人にお尋ねします。
七月十三日付けで日弁連会長名で、いわゆるこの二重ローンの問題につきまして、事業者の二重ローン問題につきまして、実効性のある買取り機関を立法により一日も早く設置をすることを求める、こういう立法を求める会長声明をお出しになりました。また、本日も国会内で同趣旨の院内集会を開かれ、十万人を超える国民、市民の方の署名も提出をされたところであります。
そこで、日弁連として、この立法措置でこの買取り機関をというふうに主張される理由、また、そうした意味で今回の議員立法についてはどういう評価をされているのか、お尋ねいたします。

○参考人(新里宏二君) お答えします。
やはり、国として、この被災者の二重ローンの問題をきちっと国が責任を持って解決をするんだという強いメッセージを被災地に与えるというところが大きな国会の役割ではないかということ、それが被災地が極めて今求めていることではないかというふうに思っております。
それから、十五年ないし二十年の長期のスパンの取組でございますので、まず法的な枠組みをきちっと確認をするということが長い年限をもって解決するために不可欠であろうというふうに思っております。
それから、今回の法案についてでございますけれども、まず一番重要なのは、被災地が求める多くの買取りができるような財政規模を確保できるのかどうかということが大きいのではないかというふうに思っております。
民主党の政府案につきましては、中小企業基盤整備機構の千五百ないし二千億円というものプラス復興債等を考えられているようですけれども、それで機動的に十分な資金が確保できるのかということが疑問でございます。
今回の法案につきましては、政府が二百億円の預金保険機構へ出資し、同機構が新機構へ出資すると。それで、政府の方がそのようなお金については政府保証で資金調達を、財源を確保するという形によって二兆円という枠の設定が言われておりますけれども、そういう多くの予算を投入するということが予定されているということが復興にとっても極めて大きいのではないかなというふうに思っております。
ただ、そのためには、やはり国の税金が不正に使われないというようなきちっとした仕組みが必要ではないかなというふうに思っております。そのために機構への監督の仕組みが、法律によってつくることが不可欠ではないのかなというふうに思っております。四十一条以下で監督権限の明確化や、六十六条以下で役員への罰則などが手当てをされておりますけれども、このようなことも不可欠なものではないかというふうに考えております。さらに、二十一条で回収等停止要請等もなされておりますけれども、これも法律があるということによって実効性を確保できるのではないかなというふうに思っております。
それから、業務の明確化のことでございます。よく言われるRCCという債権の買取り機構について多くの消費者トラブルが出されたと言っております。これは時価で買い取って時価以上で請求をするという形でトラブルが起こっておりますけれども、今回は、二十七条で買取り価格の額面についての免除の努力義務が課されておる。これについては、極めて安心感を与える規定になっているというふうに思われます。
それから、十六条以下で機構の業務が定められておりまして、この中では、二次ロスの可能性もあり得るということからすれば、法律によってこのような業務をきちっと規制するということが重要であるというふうに思っております。
先ほど荒木議員から出ましたように、今日十二時から院内集会を開いております。六月の十七日から宮城県の仙台弁護士会を中心に署名活動をしておりました。暑い中で、私も参加しましたけれども、一か月で十万という署名が上がっております。この被災地の声を是非制度としてきちっと早期に確立していただきたい、これを願ってやみません。

○荒木清寛君 しっかりと、参考人といいますか、被災者の方の思いを受け止めてまいります。参考人にはありがとうございました。
発議者にお尋ねいたします。法案の十九条の一項の支援対象の事業者に関してでありますけれども、その事業の再生を図ろうとするもの、こういう定義で被災事業者を支援をするとされておりますけれども、その意味、どういう方がこの対象になるのか、説明を求めます。

○委員以外の議員(西田実仁君) 荒木委員にお答え申し上げます。
その事業の再生を図ろうとするものの意味というものは、この機構に対しまして再生支援の申込みをできるその対象は、今回の東日本大震災によって被害を受けましたことによって過大な債務を負っているもの、加えまして、被災地域において債権者等と協力して事業再生を図ろうとするもの、その対象は、実際は民間の中小零細企業が中心になろうと思います。当然、農林水産業者、社福法人や医療法人等も再生支援の対象になろうかと思います。

○荒木清寛君 そして、この十九条の二項の一号で、再生のおおよその見通しを記載した書面の添付を要件としている理由についても説明してください。

○委員以外の議員(西田実仁君) 今回のこの支援対象にするかどうかを決める際には事業再生計画を出してもらうわけでありますけれども、平時のように、またこれまでの中小企業再生支援協議会が行ってきたような綿密な事業再生計画ではなくて、今回はおおよその見通しでも構わないと、このようにしているわけです。それは、今回大変な被害の中で被災した事業者が平時と同様の事業再生計画を立てるのは大変困難であると、こういう背景があるからでございます。
現行の再生支援協議会スキームにおきましては、例えば、今後の予想損益計算書、あるいは予想キャッシュフロー計算書、予想貸借対照表、実質債務超過の推移、タックスプラン、借入金返済予定表等々、大変に数値基準も含めて厳格な再生計画の提出が求められます。
しかし、今回は私どもは、そうした厳密な事業再生計画でなく、より多くの中小零細企業をより迅速に支援していくためにもおおよその見通しでよいと、このようにしているわけでございます。

○荒木清寛君 そして、この支援対象には農林水産業者、社会福祉法人、医療法人等を含むのか。そして、政府案もこれを対象に含むと言っておりますけれども、この政府案における不都合な点があれば指摘をしていただきたいと考えます。

○委員以外の議員(西田実仁君) 政府案におきましても対象事業者は農事組合法人、医療法人等としておりますけれども、実際この政府案なるものをお見せいただきましたが、その相談窓口は産業復興相談センターという名前でありますが、その本質は中小企業再生支援協議会であります。また、債権を買い取るのは産業復興機構という名前が付いておりますけれども、これは投資事業有限責任組合、すなわちファンドそのものであります。元々、この再生支援協議会も今申し上げたファンドも、名前だけは機構とか相談センターというふうに名のっておりますけれども、その本質は、これまでも農業あるいは医療法人も対象になっていたわけであります。しかしながら、この再生支援協議会の窓口に相談する企業にはこうした農業や医療法人というのはほとんどない。
実際に中小企業再生支援協議会の活動状況というのがこの五月に中小企業庁より平成二十二年度の活動分析として出されておりますけれども、ここには、そうした元々対象になっているにもかかわらず実際には支援ができていない。というのは、これはそもそも、再生支援協議会あるいはそのファンドも含めてでありますけれども、経産省の所管のところでありまして、経産省が認定支援機関という商工会議所等を定めて、そこが中小企業再生支援協議会というのを運営しているわけでありますので、おのずとやはりその対象となるのは経産省所管の業種に事実上限られているというところが大きく私どもの案とは異なるというところであります。

○荒木清寛君 先ほど、与党議員の質問で、機構の行う借入れ、これは三十九条に規定がございます、と政府保証について議論がありました。
二兆円というのは、この法案には書いてありませんので、恐らく三十九条二項の政令でそういう金額を想定しているのかと思いますが、もちろんたくさん借り入れなくて済むのであればそれにこしたことがないわけでありますから、更に精査してもらいたいと思います。
いずれにしましても、この機構の業務というのは、被災事業者の債務の買取りのみならず、貸付けでありますとか、あるいは担保不動産の取得でありますとか、あるいは貸付け、融資ですね、様々な業務があるわけですね。そういうものに使うということで恐らく二兆円という想定をしているんだと思いますが、私も、債務の買取りだけで二兆円使うんであれば、これは過大であると思いますね、先ほどの議論ですとね。
ですから、どういうものに使うということで二兆円の借入れを想定し、これを枠としているのか、あらかた説明を願います。

○委員以外の議員(西田実仁君) 今、荒木委員から御指摘いただきましたように、この機構は、債権買取りのみならず、法律においても資金の貸付け、あるいは債務の保証や出資、さらには事業の再生専門家の派遣、その他助言等々、様々な活動、支援を総合的にやろうということで、必ずしも買い取るだけのための二兆円ではないということは御指摘のとおりであります。

○荒木清寛君 それでは、政府も今日は副大臣に来ていただいておりますので、まず、今、先ほどから、政府案でも農林水産業者の再生が支援できる、このように言われております。ただし、これは経産省中小企業庁が単独で所管をする中小企業基盤整備機構が出資するファンドで支援をするということですね。これ、本当にできるんですか。農林水産省と関係なく、経産省が所管をする機構が農林水産業者の再生を支援をすると言われても、余りそういうところには相談しないのではないか、このように思いますが、いかがですか。

○副大臣(松下忠洋君) 御心配いただいておりますけれども、しっかり対応していきたいと、そう考えています。
三つのことを我々は考えておりまして、基本は、私たちの対象とする事業は、今回の震災で生活の基盤そのものをすっかり失ってしまった事業者に対してしっかり立ち直っていくための支援をしていきたいという、それが心でございまして、これは片山先生たちの法案と半ばその心は一緒だと思っています。
我々、もう一つは、やっぱり地域と、しっかりと特性、ニーズをしっかりつかまえながら、地域金融機関のその協力を得ながらやっていくということを基本としておりまして、そこに主眼を置いて、とにかく喫緊の課題であり深刻な課題ですので、もう発災以来四か月が過ぎました。早く強いメッセージを出して、一緒に立ち直っていくんだぞということをやっていくためのメッセージを出したいと思っております。迅速に、早く対応することが大事だと思って、そのことにしていきたいと思っています。
そのことで今度のワンストップの窓口をつくっておりますけれども、そこで外部人材もしっかり登用して、そしてその補正もしたり予算も組んでありますので、そこで対象の中小商工業者だけでなくて、農業関係者あるいは医療関係者もしっかり対応するようにしていきたいということで、窓口の強化も、人材補強もしっかりと計画に入れております。
以上でございます。

○荒木清寛君 最後に、法案の二十七条には、政府に聞きますが、機構が債務を買い取った場合には、債務者、保証人に対して免除、いわゆる債権額とこの買取り金額の差額についての免除をするように努めるという規定があります。政府のいうファンドでそういう債務を買った場合に、その債務者のみならず保証人や物上保証人に対する負担軽減というのはどうするんですか。これは何の根拠もなしに、何か考えていることがあるんですか。

○副大臣(松下忠洋君) 新たな機構の設立は、被災地の事業者のとにかく早期復興を手助けしたいということを主要な目的としているのは申し上げたとおりでございまして、この目的に照らしまして、再建に十分な期間が確保されなかったり、債権放棄の額が不十分であったりすることで被災事業者の再建に支障を生ずることのないようにしっかりと対応できる制度を構築したいと考えています。
同様に、保証人に対しても、新たな機構設立の趣旨を踏まえて、柔軟かつ適切な対応が図られることを確保したい、そう考えています。
以上です。

○荒木清寛君 対案も出ていないということでありまして、もう野党の法案に政府もきちんと賛成するべきであるということを申し上げて、終わります。
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○委員長(柳田稔君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、川合孝典君が委員を辞任され、その補欠として大島九州男君が選任されました。
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○松田公太君 みんなの党、松田公太でございます。
みんなの党は今回非常に微妙な立場に立たされておりまして、本来今日私がここで実は答弁する予定じゃなかったんですが、小熊議員がちょっと怒りでもしかしたら声が震えてしまうかもしれないという話もあって私が代わりに答弁ということになったわけでございますが、(発言する者あり)失礼しました、質疑をさせていただくことになったわけでございますけれども、先ほど片山さんからも趣旨説明の中にお話がありましたが、ちょっと一文だけ読ませていただきますと、これまで自由民主党及び公明党、民主党の三党による協議を重ねてまいりましたと、共同提案いただいているたちあがれ日本・新党改革も超党派で同じような勉強会を重ねていらっしゃいましたというふうにおっしゃいましたが、実はこの中に是非みんなの党も入れていただきたかったなというふうに思っているというお話がありましたので、それだけ一言まずは申し上げさせていただきたいと思います。
〔委員長退席、理事藤原良信君着席〕
早速質問をさせていただきたいと思いますが、まず本法案の目的についてですけれども、事業の再生を図るものに対し金融機関が有する債権の買取りその他の業務を通じて支援するとありますが、私はちょっと海外生活が長くてちょっと日本語が難しいなといつも思っているんですが、再生を図ろうとするというこの言葉、例えば再生が可能なという言葉とでは非常にその対象者に大きな違いが出てくるんじゃないかなというふうに思っております。これは確認なんですけれども、本法案は、再生を図ろうとする意思、これがあれば基本的には前向きに支援するという考え方でよろしいのでしょうか。

○委員以外の議員(西田実仁君) みんなの党の皆さんには大変に前向きな御提言をいっぱいいただいておりまして、本当にありがとうございます。
今、松田議員の御質問はまさにその再生を図ろうとするものという強い意思があるものに対しましては、これは広く支援の対象にしていこうというのが私たち提案者の思いでございます。

○松田公太君 ありがとうございます。
実は私、以前銀行員をやっておりまして、実は銀行サイドの考え方もよく見えるんですけれども、銀行にとっても、金融機関にとっても、また事業主にとっても、その図ろうとするそのレベルでもう支援するんだという意思表示をしてしまうのは、ある意味、モラルハザード、これを起こしてしまうんじゃないかなというふうに思いまして、ちょっと危惧している部分ではございますが、これについてはどのような御見解をお持ちでしょうか。

○委員以外の議員(西田実仁君) 当然、意思を持っているだけでは支援するという、それだけではありませんが、しかし、まず意思を持っているということが当然大事になってまいります。その上で、先ほど申し上げました、例えば事業再生計画のおおよその見通しをきちんと持っている、また、そのことを金融機関にもきちんと説明をして、そして新たな融資、いわゆるニューマネーが融資されるということも支援が確約されていると、こういうような中小零細企業、ここに対しての債権を買い取る等の支援をしていこうと、こういうわけでございます。
問題は、その価格の問題が、適正な価格を上回ってはならないと二十三条に定めているわけで、その価格をどう算出していくのかというのは、まさにこれは一律に何割とかいうことではもちろんありません。個々のケースによって異なりますけれども、そこはやはり様々なおおよその見通しや復興計画等々勘案をして、適正な時価を上回らないようにしていくということで進めていければというふうに思っております。

○松田公太君 先ほどの答弁の中でもありましたが、そのおおよその計画、ここについてもうちょっとお聞かせいただければなというふうに思うんですが、先ほどの御答弁の中では、中小企業基盤整備機構と比較するとおおよそという計画でいいんだと、細かな事業計画、キャッシュフロー計画、そういったものを全部要求するわけじゃないんだということをおっしゃっていましたが、そのおおよそというそのイメージを是非つかみたいなというふうに思っていますので、是非御説明いただければと思います。

○委員以外の議員(西田実仁君) ありがとうございます。
まさにおおよその見通しというものの中身でありますけれども、もちろんそうした中小企業再生支援協議会で求めるところの書面が出せればそれにこしたことはありません。もちろんそういうところもあると思います。
しかし、それが仮になくても、例えばでありますけれども、再生計画を基本的にどういう方向で進めていくのかという定性的な書面、あるいは当面の取り組むべき改善事項はこういうことである、そして中長期にはこういうことを改善していかなきゃならない、こうした中長期に取り組むべき改善事項というものも定性的に述べていただく、書いていただく。加えて、計画数値につきましては、例えば、営業黒字にいつごろまでに転換しようとか、あるいは債務超過は解消する年数は大体このぐらいを見通しとしていると、こういうようなことは、やはり事業をやっておられる方、また金融機関に対してもそれなりの説得力を持って説明をしていただかなければならないというふうには思っております。そういう意味でのおおよその見通しということでございます。

○松田公太君 ありがとうございます。
大体イメージは付いたんですけれども、実はこれ、私も銀行員時代、中小企業を何百社と回ってきた経験からいいますと、例えば、いろんな事業の五年計画を出してください、三年計画を出してくださいという話をしても、非常に苦慮される方々が多いんですよね。特に個人事業主の方であったり農業関係の方、水産業の方であれば、多分一回も書いたことがないというような方が大勢いらっしゃるんじゃないかなというふうに思うんですが、それは、例えばボイラープレートといいますか、そのひな形みたいなものを用意されて、ここに例えば数字であったり記入してくださいというような、そういった指導も一緒におやりになるというお考えなんでしょうか。

○委員以外の議員(西田実仁君) まさにそうしたことが必要になってくるというふうに思います。
今回、私どもの法律の中には、例えば認定支援機関との協力関係ということが書かれております。この中には中小企業再生支援協議会というのも当然入ってくるわけであります。この支援協議会には協議会スキームというのが既に確立をされていて、今言われたようなひな形というものが実際にはできています。
ですから、私たちは、決してその再生支援協議会を何か排除して新しいものでやろうということだけではなくて、こうした協議会スキームで築いてきたノウハウ、今先生が言われたようなそうしたひな形、こうしたものは十分活用していけるというふうに思っておりますし、また、手を取り足を取る形で丁寧にその専門的な方がアドバイスをするということも十分考えさせていただきたいと思っています。

○松田公太君 引き続きまして、債権者が新規の融資を約束する書面が必要という項目があると思うんですが、つまり銀行サイド、金融サイドがですね、これはどの程度の拘束力があるものをお考えなんでしょうか。

○委員以外の議員(片山さつき君) 拘束力ということでありますと、やはりそれは融資する予定の表明ということでございますから、じゃ、それが破られたからといって罰則だどうだということではないですけれども、今回のような臨時異例の、先ほど私が冒頭申し上げましたように、本当にこの地域に存在する企業全てが対象になるとすると三十万社になりますから、まあそんなことはないかもしれませんけれども、大量の会社について数年以内に緊急避難措置を講じてあげなければならないということが目的で、それでないと、破産しなくてもいい、廃業しなくてもいい事業者や会社が大量に破産、廃業してこの地域からいなくなってしまう。それを避けるということがこの法律の公益ですね、その公益をもってして公的資金や国の責任の裏打ちを立てるという、そういう法律の立て方なんですが、その前提として何を目利きにするかというと、この人が、意思あるところに道があるで、この人が、じゃ本当に、イチゴ農家に水が入って塩だらけなんだけれども、全部ハウスは流れたんだけど、家族も一人亡くなったんだけれども、別の土地の手当てができるのならば、二億の借金を預かっていただければやろうと言うならば、過去のイチゴ農家としての経験を考え、作ってきたものの腕を考えると十分付き合えるという判断、それがまさに融資担当者の判断であり、それがあるかないかということが非常に大きいと思っておりますので、その判断があり、融資担当者として判こがついてあればよろしいのではないかと。
松田議員におかれましても都銀でそういった担当をしていらっしゃったと思いますので、まさに松田議員が中小企業のおじちゃま、おばちゃまとお話をされて、いいよとされた、ああいったもので結構でございます。

○松田公太君 ありがとうございます。
ちょっと流れを私把握できていないかもしれないんで、確認のために教えていただきたいんですが、その申込みというのは、債務者の申込みというのは機構の方に来るわけですよね。その機構がそれを受けて、銀行サイドに、じゃ、ここはサポートしましょうという判断をした後に行って、売ってくださいと、債権を私どもが買い付けますよというお話をしに行かれるわけですよね。そういう流れでよろしいですか。

○委員以外の議員(片山さつき君) 先ほど日弁連の副会長も御相談業務の中でお話しされていましたけれども、今や金融機関も被災者なんですよ。本社が流れたり、データが逸失したり、多くの職員が、被災している方も多いです。先ほど私が合計データを申し上げた東北五県あるいは被災六県の金融機関は、多かれ少なかれ何らかの被害を受けておりますので、一時の不良債権問題のときのように切り捨てるか切り捨てないかと、こういう局面ではない場合が多いんですね。
ただ、やはり金融庁の査定もありますし、今後の自己査定どうするかもありますし、またさらに返済猶予法が今あって、延ばせる期間が一年という、その基準の関係もあって、何でもかんでも、どんな状態に今あっても貸せるというわけにないので、それを貸せる状態をつくっていくためにこういう法律を作ってくれないかというお話がむしろ金融機関の方からあったんですよ。自分たちは、ここの貸し手がいなくなったら、それこそこの銀行もこの信用金庫もこの漁協も地域に存在できないんです。地域崩壊なんです。
だから、かつての不況やバブルの崩壊のときとは全然違う局面で、この地域のコミュニティーを残す意味で、できるだけ不正融資と言われないぎりぎりで何とかやっていきたいという局面で金融機関も持ち込むでしょうし、まさに会議所やあるいは本当に立派な中小企業診断士の先生がずらっとというよりは、商工会の昔の相談員だった方が避難所を回って、何とかやめないで、あるいは何とかお酒に浸らないで、その社会の世界からやっていく話でございますので、金融機関の方も非常に協力的に持ち込んでくるものが最初はあると、そういうようなお話もしております。

○松田公太君 今御質問させていただいたのは、やはり先ほどおっしゃっていましたが、銀行サイドに立った経験を持つ私からすると非常にモラルハザードが、銀行サイドのですね、非常に心配だなという気がするんですね。過去、例えば各支店の支店長がどういう判断で融資を印鑑を押してきたかというのを目の当たりにしてきた私からすると、非常にそこは安易に、国が保証してくれるんであればと、買い取ってくれるのであればということで、そのような案件を回してくる可能性が非常にあるなと思っていますので、そこは何かしらのやはり基準を決めるべきだと思いますし、新規のローンは、やはりある程度拘束力、法的な部分はないとしても、明確にもうちょっとしていただくような形を取る必要性があるんじゃないかなというふうに私は感じてしまいます。──じゃ、どうぞ。

○委員以外の議員(西田実仁君) まさに専門家としての御意見、そのとおりでございまして、私どもの法案では、例えば買い取ってもらおうというときには、きちんと再生しようとする、したいという事業者が金融機関の協力を得て、そして金融機関と一緒になってある意味で機構に買取り申込みをするということであります。
したがって、また書面も、新規の融資を行うという書面も出さなければならないと、こういうふうに法律に定めているわけでありまして、そこを、金融機関にとって、何でもかんでもこの機構に売って自分たちだけがきれいになるというような話にしてはいけないわけでありますから、ここのモラルハザードが起きないような立て付けをさせていただいているということでございます。

○松田公太君 是非その点はよろしくお願いします。サービサーのような感覚で銀行が下ろしてくるようなことがないように、是非お願いできればと思います。
次の質問に移らせていただきますが、この中に既に、例えば自助努力で震災後、新規融資が必要だということで既に融資を金融機関から受けてしまったところ、ここをサポートする体制、過去に遡ってですね、そういうお考えはおありでしょうか。

○委員以外の議員(片山さつき君) 金融機関がつなぎ融資ですとかあるいは運転資金の融資にどのぐらい応じているかということについても、私どもお話を伺ってまいりました。実際にその比率は本当に気の毒なぐらい少ないんですよ。
やはりこの日本の金融界に長年ある担保主義ですか、特に今回固定資産税免除が行われたような水浸しの地域ですね、この地域についての設備投資資金においてはほとんど、とてもではないけれども踏み切れないという状態にあって、運転資金もお付き合いだから貸しているんだけれども、これはあと一年の、一年という人もいましたが、半年という人もいましたが、ところできちっと自己査定をするときにとても難しいということがあったんですが、当然その融資を受けていて、それも新しくこの機構に御相談を受けに来られるときには、今まであった債務でございます、それもその債務の新しい部分に震災後という意味では追加された部分についても、それはなかなか総体としての額が、返済が大変なわけでしょうから、そちらについても一括として当然買い取って資本化するという対処を考えております。
松田議員はもう本当に日本でも大変高名な成功されたベンチャー企業家でいらっしゃいますが、海外においてはこういった法律の立て付けをしなくても、例えば全部担保とローンが一対一対応している貸し方をするところが多くて、その担保が逸失したりそのプロジェクトがプロジェクトファイナンスとして成り立たなかったら、貸し手の方もこれはしようがないということで、さっさかさっさか放棄するんでございます。
ところが、我が国の銀行の約款、これは松田議員が銀行員だったときから今まで基本は変わっておりませんで、非常に債権放棄がしづらい、下手なことをしてしまうとすぐに代表訴訟を受けるのではないかということで支店長はびびってしまってできない。この体制が直ちに変わらないので、過大な債務が日本経済の足を引っ張っているときは、全て買取り機関で処理してきた、全て法律である程度公的なバックアップで処理してきたということです。
これが、アメリカ型の金融であり、簡単なプロジェクトファイナンスが多く、しかも過大債務にほとんどの事業者がなっていない国であればこういう対応ではないのですが、特に東北地域を調べてみますと、元々が過大債務の上にこの状況ですから、こういったことをやるしかないということで考えておりまして、その対象の中には委員御指摘の、その後に出たものもちゃんと入れてまいりたいと思っております。

○松田公太君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
また、本法案ですね、二重ローンの解消というところにどうしてもその重きを置かれているような気がしてしまうんですけれども、再生支援機構という名のとおり、債権買取りだけでなくて、その先の事業再生の目利きとか指導役、ここを徹底的にやっていただきたいなというふうに思っているんですね。
ただ、その際は、どうしても経営のプロや再生のプロが必要になってくるんじゃないかなというふうに思っているんですが、それに当たっては、どのような人を例えばスカウトしてその業務に当たらせようというふうにお考えでしょうか。(発言する者あり)

○委員以外の議員(片山さつき君) 松田委員のような方という声がバックベンチから出ましたんですけれども、実は私ども、先ほどからずっと御説明してまいりましたように、今この瞬間から向こう五年ぐらいまでは、積極的な事業の再構築とか、経営資源の再利用ですとか、経営の高度化ですとか、資源再活用といった、いわゆる中小企業の投資事業の対象で行われているような、ああいうものは五年先だなと思っておるんです。
ちょうどこの審議に踏まえて、我々も中小企業診断士の方とお話をしましたが、今直ちに呼ばれても、もう本当にいら立って絶望した債務者の方から魚か野菜をぶつけられるだけだよと言っておられました。つまり、そういう高給のコンサルタントあるいは中小企業経営診断士が出てくる局面というのは、まずこの倒産、破産を防いで、まずイチゴ農家としてやっていける、あるいは漁船が船として出れるところに持っていった後で、それでもその後は大変ですからね。やはり全体としてこの地域自体に風評がありますし、そこからは経営の高度化も合併も共有化も要るでしょうが、まず個人個人の意思あるところの道を開いて、最低限の生活と復旧をやるのに五年ですよ。その時点では、私どもは、破綻した企業や銀行の再生にどんな人に来ていただけるかというと、学歴やお給料の高い方じゃないんです。苦労して商工会の窓口でずっと人の話を聞いてきた方、役場でもそんなに偉くなったわけではない方、一通りの経歴と事務書類、行政書類が見れる方で、まず話を徹底的に聞く。
人間の復興ということをやって、その後で全体の産業政策やプランが出そろうのに恐らく五年ですよ。そこからの話というふうに考えて、まず最初には相談業務、その後五年ぐらいたったら、それこそ中小企業庁さんが大変こだわっておられるように、そのときまだそのスキームがあればですが、中小企業経営診断士とか高額のコンサルタントの方をお願いするという次の段階のステージに行ってもいいなというふうに二段階に考えております。

○松田公太君 ありがとうございます。
先ほど、松田公太議員のような方というお褒めの言葉をいただきましたが、実はベンチャーを起業するのと再生をするのとすごく違うんですよね。私、再生ってすごく難しいなと思っているんです。私自身は多分無理だろうなというふうに思っている。本当にその意味では再生のプロが必要なんじゃないかなというふうに思っていますので、是非そのような方々を多く、私は必要となると思いますので、やはり設置していただきたいなというふうに思っております。ただ単にその二重ローンの解消だけではなくて、未来に向けた取組を是非本法案で推し進めていただければというふうに思っております。
続きまして、ちょっと時間も残り少なくなってきましたが、この政府保証を含め現在総額二兆円規模の支援を考えていらっしゃいますが、その試算というのはどのように出されたのか、先ほども似たような質問がありましたが、教えていただければと思います。
そして、もう一つは、その試算をして、同時にある程度の数値目標というものは持っているのでしょうか。例えば、同機構によって何人、何社の事業者を再生させようと思っているかであったり、何人の場合によっては雇用をこれによって創出させようと思っているのか、そのような、目的は明確になっていますので、目標の部分、これがしっかりあるのかどうかということを是非教えていただければと思います。

○委員以外の議員(片山さつき君) 大変いい前向きな御質問をありがとうございます。
最初の趣旨説明でも、あと先ほどほかの委員も答えさせていただきましたように、今さっき金融庁の方から、調べられるデータで調べられたものが合計一兆円と言っておられましたが、全部の対象を、パーセンテージ額を掛けないと一・六兆円ぐらい彼らは見ておられましたが、例えば町の赤ひげ先生の診療所は何とか事業団からだけしか借りていない病院というのは一個もないんですよ。銀行も借りていますし、信金も借りていますし、率直に言ってノンバンクも借りております。
私は破綻処理的な業務を長らく役所の方でやってまいりましたが、実際に債権債務処理をするということになってみんなに送達をすると、債権って湧いてくるんですよ。本当にそうなんです。それはもう会社をやった方なら多分よく御存じで、まあ倍できけばいい方だと思いますね。
それも、例えば、先日も一関の方で広く畜産関係の会社を営む方とお話をしたら、飯舘村で大規模な鶏の、養鶏の大きなプロジェクトを持っていたら、当然入れなくなって、鶏は全部死んだ。全部チャラ。今だってどうなるか分からないけれども、そこの鶏も扱っている畜産会社の製品は非常に引き合いがいいので、ほかのところにつくりたいと言ったときに、そこで借りている金融機関は一関の岩手の金融機関じゃないんですよ。
つまり、その地場地場でお付き合いがありますし、都銀からも借りていますし、そういういろんなことを考えますと、先ほどの最大限言った三十二万人という数字であったり、最大限ここにある金融機関の債権額だけで二十二兆円だったりという数字、これらを総合的に勘案した上に、日本の不良債権比率が最大だった時期、あるいは欧米でリーマン・ショック前後で最大だった時期の歩留りを掛けて、そして全くの個人の住宅ローンとかと、それから大企業を我々除外していますので、それを引くと、今の当座のところでは二兆円あれば、皆さんがこれで自分たちは疎外されたと思わないという枠が重要でございまして、企業再生支援機構も小さく産むということだったのが、JALを積んだところでまた予算で枠を増やしたと。かつてほかにもそういう例があるので、この枠についてはあくまでそういうものだとお考えいただいて、我々は、みんなの党さんにも御理解をいただいてこれを通していただければ、この枠は、例えばこの状況がどういうふうに展開するか分からない、もっと増えてきたら増やせるわけですよ。みんなで共同すれば予算枠は増やせます。
そして、今非常にいいお話をいただいたので、そこまでは私たちは思いは至らなかったんですが、雇用の創出目標なんかは、是非、附帯とかで付けていけば、大変いい考えだと思いますので、前向きに考えさせていただきたいと思います。

○松田公太君 是非よろしくお願いします。
最後の質問をさせていただきたいと思うんですが、これは政府にも是非お願いできればと思いますけれども、この買い取る価格ですね、この債権のところの。この算定方法、それを例えばデューデリジェンスなんかを担当者ベースでやらせてしまうとなると……

○理事(藤原良信君) 時間ですので、簡潔にお願いします。

○松田公太君 はい。大きく変わってきてしまう可能性があるのかなというふうに思いますので、できればある程度マトリックスを入れて震災以前の資産の価値にある程度の掛け率を掛けて効率的にどんどん数字を出していってしまうようなやり方の方がいいんじゃないかなと思いますが、どのように思われますでしょうか。

○理事(藤原良信君) 山口内閣府副大臣、簡潔に答弁をお願いいたします。時間でございます。

○副大臣(山口壯君) はい。
もちろん、被災前の事業の状況あるいは見通し等を十分それぞれの事業に応じて勘案して決めていきたいと思っています。

○理事(藤原良信君) 西田実仁君、簡潔にお願いします。

○委員以外の議員(西田実仁君) 大変に具体的ないい御提言をいただきましたので、それも含めてしっかりとやっていきたいと思います。

○松田公太君 ありがとうございます。みんなの党でもしっかりと検討させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。
まず、今回の法案の策定に参加されました議員の皆さんに心から敬意を表しておきたいというふうに思います。なかなかよくできた法案だというふうに思っております。大変御苦労さまでございました。まだ賛成と決めたわけではございません。何かこれから修正が行われるというような話がありますので、ちょっと最終的にそれを見てから判断ということになると思いますが。
いずれにせよ、私も早くから予算委員会等で公的な買取りスキームの提案をしてまいりましたし、民主党のチームの責任者の方とも何度かお話をしましたし、中小企業庁とは随分早くからこの議論をしていたところでございます。当初、中小企業再生ファンドというものを出して、それじゃ駄目だということの議論もして委員会でも取り上げて、ようやく一応、いろいろ批判ありますが、公的な買取りスキームという形で政府が出してきましたけれども、まだまだ不十分といいますか、大変心配される点が多いわけでございます。
そこで、昨日、実は、こういう法案審議にもかかわりますので、我が党として今まで国会で提案してきたことも含めて緊急提言ということで、配付していただきましたけれども、まとめました。是非、政府も野党の皆さんも参考にしていただければと思いますが、今日は若干この観点で質問させていただきますので、少しだけ紹介をさせていただきたいと思います。
三枚目にスキーム図がありますので、その方が分かりやすいかと思いますが、要するに、絵にかいてみると、自公案と似ているところはございますが、中身的にはうちの方が先に打ち出していたということもありますので、御理解いただきたいと思いますけれども、まず違いだけ申し上げます。
一つは、黄色いところですが、各県被災事業者支援委員会、ここのところが、恐らく自公案も考えておられると思うんですが、踏み込んで書いてございます。金融機関がやっぱり、市場経済ですから、力関係でいろいろ思うとおりにやってしまうということがないように、被災事業者の立場で支援する、相談を受ける、あるいは金融機関とも交渉、調整するというふうなところがどうしても必要じゃないかということが一つです。
二つ目には、後でも質問いたしますが、要するにどこまで債務免除するのかと。被災者の事業者の立場に立ちますと、要するに、いろんな機構がありますが、機構から離れたときに、自立するときに、その後の事業計画で返済できる金額まで債務免除してもらわないと、そこでがばっと後から負担しろということになると、また倒産とか廃業が生まれるわけですから、返済可能額まで、軌道に乗った段階の時点で返済可能額まで、どこが債務免除の負担を受けるかは別として、するべきだということを明確にしたと。
三つ目は、左上の預金保険機構の部分ですけれども、これは自公案もかませると、出資というのは同じですが、我が党の場合は、後々もし国民の負担、損失が負担と出た場合、やはり預金保険機構の資金を活用すべきじゃないかと。
この三つの点が、少し踏み込んだといいますか、特徴かというふうに思います。
今日はその点で質問させていただきたいんですけれども、まずその入口の話で、黄色い部分ですけれども、どんなにいいスキームを作っても、結局入口で、金融機関の判断、いろんなものがあって、そこで排除されると後のスキームが幾ら良くても救われないということになるのが現実の問題でございまして、実際には民事のルールでございますから、あるいは市場原理が働きますので、そこで金融機関が意図的に支援を拒否したり、あるいはもう売っちゃうと、売っ払っちゃおうとか、いろんなことが起こるわけですね。
そういう点で、金融機関任せにしない、こういう第三者機関をつくって、中身的には、私は地方自治体が絡んだ方がいいとか、あるいは日弁連なども参加してもらったり、いろんな専門家の第三者的な方々でこういう委員会をつくって、具体的に被災事業者といろいろ一緒になって取り組むという形が現場的には実際問題最も大事なことではないかなと思いますので、載せました。
今日は日弁連の新里先生に来てもらっていますけれども、まず、この点で日弁連のお考えをお聞きしたいというのと、せっかくですので、この我が党の案についても一言、御感想あれば聞かせてもらいたいと思います。

○参考人(新里宏二君) 御質問をいただきまして、ありがとうございます。
〔理事藤原良信君退席、委員長着席〕
日弁連として今、公式な見解ではございませんけれども、個人版私的整理ガイドラインの中でも、各自治体単位で運営委員会をつくる、そして、その中に法律家、それから公認会計士、それから税理士さん、不動産の鑑定の業務を行う方、そのような専門家の方が入って調整作業をする、なるべくワンストップ型できちっと受け止めるような組織をつくるべきだということで、もう既に動いております。その支部も各沿岸部に十五か所ぐらいつくったらどうだろうかということで今動いているところでございますので、そのやり方は参考になると。
私的整理ガイドラインの場合については、債務免除の申立てが、一つのコースは金融機関、一つのコースはこの第三者委員会を通じて免除ができるという格好になっておりますので、そういう仕組み自体が今回も参考になるのではないか。十分御検討して、やっぱり被災地で使われない仕組みではない、やっぱり寄り添うような格好で、専門家が優しく相談に応じられるような仕組みから入っていくのが極めて重要だろうというふうに思っております。
その意味で、大門先生がいろんな形で二重ローン問題について国会で御質問をしていただいていて、各党も取り組んでいただくという格好の中で提言をまとめられたということについて、非常に熱心にやられていただいたということが種が広がっているというふうに思っておりますので、大変評価しております。
以上でございます。

○大門実紀史君 それでは、この点、こういう、まあ名前はともかく、第三者的な支援体制、これについて発議者の皆さんはいかがお考えか、お聞かせください。

○委員以外の議員(片山さつき君) ありがとうございます。
予算委員会等様々な場で大門先生始め御党の先生方がこの問題につきましていち早く御指摘をされて、何段階かこの図がどんどん変わっていって、その質問のときには私どもも含めて全党から拍手が出ておりましたのを記憶しておりまして、私どももこういった御指摘を参考にさせていただいてこの法案を作っているという心がございまして、当然こういう第三者委員会のようなものがないとうまく機能いたしませんので、法律の上でも協力機関のようなものについて全てそれが対象になるようにしておりますし、現実にも日弁連さんからも何度も我々もヒアリングをさせていただいておりますし、およそこういった問題に関係ある全ての士業ですね、それから商工会議所、商工会、それから各種業界団体、もう何とかこの二重債務をしてくれ、その代わり我々も徹底的にその相談で付き合うよというお話をいただいているので、何とか御理解いただいて法案が成立したら直ちに、県ごとにと言わずにもっと細かい単位で、あるいはその業種も変えてもいいと思うんですね。やっぱり農業と商工業ではちょっと違うんで、第三者委員会をつくって円滑に動くようにやってまいりたいと思っております。

○大門実紀史君 ありがとうございます。
もう一つの点、先ほどスキームで言いました、要するに、支援した後、機構を離れて自立していただくときに、返済可能額でなければ、全部支払うとかいろいろありますけれども、要するに御本人が返せる金額で再出発してもらうということが重要だと思いますが、その点でこの債務免除額は、簿価とか買取り価格とかいろんな前段であるんですけれども、最終的に御本人の何年かの事業計画の中で返済可能額のところまでいろんなところが協力して債務免除をしなきゃいけないというふうに思いますが、この点、自公案ではいかがお考えですか。

○委員以外の議員(片山さつき君) 被災した事業者の再生でございますから、私どもは買取りについて五年、それから皆さん最長だったら十五年ということを考えているんで、かなりスパンが長いんでその辺は無理せずいけるんですが、そこでしっかりと見通しを持って返せる額ということを考えておりますし、そのために、債権を債権として持つだけではなくて、会社だったら株式なんですが、そうじゃなくても劣後債とか持分とか出資分とかそういった形で事実上凍結して、その間、その復旧や復興がしっかり見えてくるまで待って、そこから現実味を持って返していくというようなこともできるようにして、ですから、債権の放棄につきましても事実上法律でしっかりと言及してあると、これは非常に大きいと思うんですね。それがないとなかなか動けないということもありますし、第三者保証等につきましても外すような方向をしっかり書いておりますので、それは現実的に返せる額ということで間違いなくやってまいりたいと思っております。

○大門実紀史君 この問題は結構、自己責任論が出てきたりモラルハザード論とかいろいろ出てきて、いろんな話がすぐごっちゃになるんですけれども、これはやっぱりこれだけの大震災でございますから、個人の責任がそもそもない話から出発しているというのと、何度も片山先生からあったように、そういう方々がそこで仕事をやってもらわないと面としての地域が復興できないという点で、本当にそういう位置付けで考えなきゃいけない、債務免除額もそういうことだというふうに思います。
この点で、今のところ中小企業庁が中心になっているスキームでございますけれども、政府案、基盤機構を使った政府案では再出発の返済可能額まで減額するという想定があるのかどうか、長官、お願いします。

○政府参考人(高原一郎君) お答え申し上げます。
結論から申し上げますと、ございます。今般、新しい政府案による機構は、被災事業者の方々の債権を買い取ってから一定期間の経過後に、事業の状況を踏まえて一部の債権放棄を行うことにいたしております。ただ、ここで再建に十分な期間が確保されなかったり、あるいはまた債権放棄の額が不十分だったといったようなことで被災事業者の方々の再建に支障を生ずることがないように対処するということにいたしております。
以上でございます。

○大門実紀史君 つまり、自立したときに返せない金額をおっかぶせたら倒産してしまいますから、そこは基本的にそう違わないという解釈を今させてもらいました。
ただ、そうなるかどうかとか、いろいろ仕組み上問題点があって、先ほどからちょっと指摘されていて、私は中小企業庁の肩を持つわけではありませんが、もう少し中小企業再生ファンドとは違う形で、投資事業有限責任組合ではありますけれども、もう少しそうではない、いわゆる投資会社が入ってちょっともうけようという形ではないものとして今回打ち出されたというふうに与党の責任者からも聞いておりますけれども、ちょっとその辺どうなんですか。

○政府参考人(高原一郎君) まさに御指摘のとおりでございます。新たな機構の運営に関しましては、まさに被災地の事業者の方々の早期復興ということが最大の眼目でございますので、通常のファンドに想定されますような利益を上げるとかそういうことを目的としたものではない、全く新しいものとして設計をいたしておるというところでございます。
以上でございます。

○大門実紀史君 もう一つは、先ほどの三つ目ですけれども、最終的な国民負担が出た場合のその国民負担を最小化するという努力は当然政治の責任でしなければなりません。幾ら国民に負担を掛けてもいいというわけにはまいりません。そういう点で、この自公日改の案は預金保険機構をかませておられます。我が党もそう思っております。
問題は、将来の国民負担というか、機構に損失が出てその最終負担をどうするかと、どこがどう負担するかというときに、私は、預金保険機構にも今一兆数千億の余剰資金もありますし、これは地域金融機関を一定支援するという側面も間違いなくあるわけですから、この預金保険機構が持っているお金を使うことは十分理屈が通ると思っております。
もちろん今法律によって勘定が設けられている関係があって、例えばこの自公日改が提案されている法案が通ったらそれに伴う勘定がつくられるわけですから、もちろん法改正が必要とか、何々勘定の勘定間の整理は必要なんですけど、それは分かってはおりますが、趣旨として預金保険機構が持っている資金を国民負担を最小に抑えるために使うことは十分あり得ると思いますが、検討すべきだと思いますが、自公案はいかがお考えですか。

○委員以外の議員(片山さつき君) 異様に厳しい財政の中で、しかもその復興に要する資金の全体が幾らになるか、復興債の年限が幾らになるかという議論を今政府の方でしている中でやっていくということを考えると、私どもは最初から、返ってくる可能性のものを買い取るのは、借入れに政府保証を付けるか、あるいは交付国債という形でずっと財政上やっておりまして、私も法律のチェックをする仕事を政府でしておりましたが、その二種類以外の例外というのは見たことがありません。なぜかというと、一般会計でも特別会計でも、買い取った上でそれが返済されたり、あるいは場合によっては収益を生むこともロスを生むこともあるというようなものの場合に、その返済がどうなるかを受けるという部分がないんですよ。
ですから、千五百億円の余剰金をお使いになる、これは本来は一般会計に戻るものだったものを使っているというわけですから、これは税外収入の減収に立ちますので、それだけで財政赤字に貢献しちゃうわけですが、それでは足りないというのはほとんど全員の共通認識ですから、毎年のように一般会計に政府予算で要求していくわけですね。場合によっては何千億円要求する。
その要求自体が我々はやり方としては適当ではないと思っていますが、それが仮に返ってきても、新しい投資事業法を使った新手のファンドですか、そこから必ず中小基盤機構に返納され、あるいは中小基盤機構から必ず一般会計に、政府に戻ってくるという保証が一切ありません。
ですから、出し切ったものは返ってこない、財政赤字がその分悪化するというスキームにしかなり得ないわけなので、今まで、大門先生も財政金融委員会からずっと、大蔵委員会から長いですが、この手のものを買い取るときには、全て借り入れ、それを返すことでやっているわけで、そのことのメリットとしては、十五年前に住専が起きたときに、いわゆる二次ロス問題として兆円単位のロスが出るだろうと言われておりました。私は担当課長で大変な国会審議を乗り切りましたけれども、そのときに金融安定化基金とかいろいろつくった上で、さらに、最終的にはこれは金融システムの安定化になるものなので、今回の国会で、預金保険機構の方から出したので追加的な財政赤字の悪化に資するような支出は一切なかったんですよ。そういったことも当然視野に入りつつ、預金保険機構が出資し、金融システムの安定化、この地域の金融システムの安定化にひいては資するからやっているということでございますので、当然、先生がおっしゃったようなことを考えながら国民負担を最小化する努力をしてまいりたいと考えております。

○大門実紀史君 どうもありがとうございました。
あとは買取り規模の問題で中小企業庁長官にお聞きしますが、今日もお話があったとおり、被災地の被災債権というのは、当面は少なくとも数千億オーダーで救済を考えなきゃいけないと私は思っておりますけれども、政府案は基盤機構が一千五百億、それが八割で、地域金融機関が二割ですから、せいぜい二千億弱の規模であります。そうすると、数千億の被災債権を二千億ぐらいで買うということは、三分の一の値段で買いたたくかしかないということになりますよね。さっき平均半分というお話がありましたが、それ以下でないとなかなかその規模では買い取れないということになって、これは大変難しいことを生むと思います。金融機関が売るインセンティブが働かない、三分の一で売らせるためには相当時間が掛かる、結果的に被災者が救われない、小零細が救われないという可能性があるわけですね。
この少なさについては、実は高原さんとも何度か議論したと思うんですけれども、少ないと思いますが、これは中小企業庁としてやっぱり財政当局に増やすように要求されるべきじゃないかと思いますが、いかがですか。

○政府参考人(高原一郎君) 先ほど来審議の過程で出ておりますとおり、一体どのぐらいの規模の買取り価格が実際に起こるかということについてはまだ不明確な点が多うございます。かつ、他方で、同様に重要なことは、被災地における中小企業の方々を中心として、事業者の方々が新たな歩みを始められるということに十分な体制をしくことだと思っております。
したがいまして、機構が必要な資金の規模につきましても、今被災県などとも調整をいたしておりますけれども、今後もし更に必要だということになれば、必要な支援のための財源につきまして財政当局としっかりと議論をし、相談をして対応していきたいというふうに考えております。
以上でございます。

○大門実紀史君 もう質問はいたしませんが、中小企業庁とは当初からいろんな相談をして、彼ら非常に熱心にいろいろ考えたのは事実でございまして、それにストップを掛けようとしているのが財務省であり、一部の与党の政治家の皆さんでございますので、本丸はそこにあるということを思いますし、あしたは財務省を呼んで詰めたいということを申し上げて、今日は質問を終わります。
ありがとうございました。

○藤井孝男君 たちあがれ日本の藤井でございます。
時間が限られた時間でございますので、答弁者は簡潔に御答弁をいただければと思っております。
最初に、この趣旨説明、片山発議者から趣旨説明を聞きましたが、大変丁寧に、私、配付されたこの趣旨説明を見ていましたけど、途中からどこを読んでいるのか分からなくなるぐらい丁寧にやっていただいて、本当にありがとうございました。
そこで、余り頭のいい私ではありませんので、発議者の一人である荒井発議者に、政府が、まあ政府は法案として出していませんけど、政府が考えているいわゆる二重ローンの対策、それでは不十分だということは趣旨説明でよく分かりましたが、もう一度それを、ここのところが本当にこう違うんだという明確なこの法案を出したその趣旨について簡潔に答弁いただければと思います。

○委員以外の議員(荒井広幸君) 先生にはいつも御指導ありがとうございます。
先ほど来からずっと議論がございましたけれども、非常に端的に申し上げますと、中小企業基盤整備機構、政府案ですが、八割が出資するファンドでございます、投資ファンド。ここが法改正もなく中期目標の変更もせずにこういう状況を乗り切れるか、こういう問題があります。
これはどういうことかと申しますと、先ほど来から、三万約三千社あるんですが、果たして投資ファンドをつくって買い取るときにほぼ確実に再生してもうかるだろうというような事業者がいるんだろうかという問題なんです。先ほど長官がいろんなこと言いましたけれども、そもそも入口のときにすごい高いハードルなんです。後で回収できるようにする。
こんな不条理な、ある日突然流された、原発で入れない、仕事はあったけれども仕事ができない。本当にマイナスからスタートする人たちを、何とかこの災害と立ち向かって勝っていただいて、やる気が萎えないうちにもう一回みんなで頑張りましょうという法律にそのメッセージをこれは書いている。その法律でメッセージを書いているというのは簡単でございます。法的に、先ほど日弁連さんからもありましたけれども、おおよその見通しを出してくださいと言っているわけです。二つ目は、できる限り多くの事業者に機会を与えなさい、これだけのことを法律でぴしっと書いております。
ですから、より多くの方に、政府案とは違いまして、政府案はほとんど使えないんじゃないかなという危惧をいたします。より多くの方に機会を与えて、そして地域が再生する、こういう雇用を生み出してもらう、そういうための法律であるというところが私としては最も違うというところで、今回は取り上げさせていただきたいと思います。

○藤井孝男君 大変明快に分かりやすく説明していただいて、ありがとうございます。
そこで、この法律案の中の目的をちょっと見てもらいますと、こういうふうに書いてあるんですね。東日本大震災によって被害を受けた事業者というふうに書いてありますね。被害を受けたという意味、この範囲ですね。
これ、私なりにちょっとこの、いわゆる被害を受けた範囲というのは二つあって、大きく分けて、一つは東日本大震災により事業用資産の全部又は一部が滅失したという直接的な損害を受けたということが第一点、もう一つは原子力損害の賠償に関する法律、いわゆる原賠法による賠償の対象となる損害を受けたこと、つまり紛争審査会の指針にある損害を受けたということが、この二つというふうに私は大きく分けて考えられるんですが、この解釈でいいかどうか、また付け加えることあれば、直すべきことあればお答えいただきたいと思います。

○委員以外の議員(荒井広幸君) 先生の御指摘のとおりでございまして、その二つというものが対象になることは間違いございません。

○藤井孝男君 それでは、それに関連して、第一はすぐ分かる話ですが、二番目のこの原子力損害の賠償に関する法律による賠償の対象となる被害ということで関連していきますと、私どもこの提出者の一員でありますけれども、昨日衆議院で修正可決、委員会で可決されましたいわゆる原子力被害者早期救済法、要するに簡単に言えば仮払いと基金の法案ですね、これが昨日可決されたわけですけれども、この法案では国の紛争審査会指針になくても、例えば福島県が独自にこの基金をつくり被害者の実情に合わせた対応ができることになったと。ということになると、この福島県の基金の対応範囲でもって損害を受けたこととして、東日本大震災によって被害を受けた事業者と解釈していいんじゃないかというふうに思いますが、いかがですか。

○委員以外の議員(荒井広幸君) 全く共感いたします。
先生のたちあがれさんが発議者でもありましたから、昨日衆議院通過の仮払いと基金の法案お詳しいわけで、その中では福島県が今度基金を立てます。原賠審、紛争審査会の対象にならなくとも、福島県が、ああ、これは困っている、三十キロ圏外、対象になっていないじゃないか、こういうところも救済していこうと。額は小さいじゃないか、もうちょっと上げよう。まあいろんなことができるわけですが、そういったところで、この福島県が基金として設置して対象にした、ここは当然、今度の東日本災害によって被害を受けたという中の事業者ということになるわけでございます。

○藤井孝男君 これ意外とちょっと気が付かないところなんですけれども、大事なポイントだと思うんですよ。だから、そういうふうな解釈でいいということであれば、是非そういった解釈で進めていっていただきたいと思っています。
そこで、私はこの法律にある、この今度皆さんが出した、私どもも提出者の一人ですが、この大変な特徴、ポイントというのは、いわゆる支援基準をしっかり設けたということですね、支援基準を。それから、その支援基準というのはこれも二つあって、再生の支援をどうするかということが一つ、それからもう一つは債権買取り等をするかどうかという、この二つに分かれる。そこで、更にそれを踏み込んで、じゃ、この支援基準をどうするかという内容なんですが、それが事業再生計画というふうになるわけですね。
そこで、先ほど荒木委員も質問して、この法律案ではおおよその見通しというふうに抽象的に書かれているんですけれども、これは荒木委員からも質問があって、たしか西田発議者から答弁があったので、ここのところはもう再質問いたしませんけれども、要するに、広い範囲で被災して困っている農林漁業者、福祉・医療関係者、また私立学校、そして中小零細企業者等々、とにかく少しでも多くの人たちを救済するという、そういう工夫をこの中に記されているんだと思って私は評価している一人なんですね。
ところが、そういうことであるんですけれども、これまた先ほど松田委員から質問があって、なるほどなと私も非常にちょっと心配しているのは、この趣旨説明にもありましたように、靴に合わせるというのじゃなくて足に合わせて靴を作る、そういったことを政治主導していくというふうに言っておられましたね。これ大変大事なことなんですよ。
ところが、これは大企業は対象外ですから中小零細企業ですよね。非常にかゆいところに手が届く、靴に足を合わせるんじゃなくて足に合わせて靴を作るということは大事なことなんですけれども、ここでちょっと間違えますと、余りきめ細かいのをやると、相手は中小零細企業ですよね、そして広い範囲ですよ。地域によって、もうちょっと町を一つ越えただけで、あるいは通りを越えただけでも事業者によってこの損得の考えが全く違う。ここが非常にバランスというのは物すごく難しいと思うんですよ。
ですから、JALだとかダイエーだとかという例を出されていましたけれども、これはまあ大きな企業で大きな組織の中で、そして金融なり、あるいは貸付けなり不良債権の買取りなり、そういったことで大きく動いていきましたけれども、今度は本当に中小零細企業の方が対象ですから、そこのところを余りきめ細かくやり過ぎたことがかえって逆に、変な言い方ですけれども、提出者の私どもも一員ですけれども、自縄自縛になってしまうんじゃないかという、そこのところの心配があるんですけれども、この点について御意見があれば。

○委員以外の議員(荒井広幸君) まさに事業再生計画の中身そのものの本当にきめ細かい御指摘をいただいているわけです。
先生と私は郵政で御一緒でございましたけれども、バングラデシュでノーベル平和賞をもらったユヌス博士の、ちょうどソーシャルファイナンスといいますかマイクロファイナンスといいますか、本当に困っている、地域全体で何とかしていかなくちゃならないという金融を今議論しているような感じで、あのころの先生と御一緒に議論していたことを思い出しているわけですけれども、そのように非常に不条理な形で困っている方々に対してきめ細かい対応をしなくちゃなりませんが、同時に、やはりパン屋さんのお母さんがどこまで、そしてまた、本当に仕事来るわけだったのに放射線があって入れなくて、いや、困って、そして何とか資金繰りもしなくちゃいけない一人事業者というのもたくさんいるわけなんです。そういう方のまずそばに寄り添うということが非常に重要で、それを法律の中できちんとそういう姿勢、対応を書いているということが非常に、先ほど御評価いただきましたけれども、重要なところのまず第一歩だと思っております。

○藤井孝男君 新里参考人が今日いらっしゃっていますけれども、いわゆる弁護士会の、もう退席されて結構なんですけれども。
結局、この今の話、答弁からいきますと、私なりに解釈しますと、きめ細かなことが非常に大事なんですよ。ところが、やっぱり第三者のそういった意見をよく聞いていかないと、はい、与えましたよ、はい、どうぞどうぞとやっているうちに、結果的に、善かれと思ったことがかえって逆になってしまって、何だと。本当にそれが、もう被災者からしてみれば、何やっているんだと、私たちはこれを要求しているんだ、あなた方、こうやってただ与えればいいのかと。確かに細かくやってもらったけれども、結果的にそれは、かえって何かもううまくいかないじゃないかというようなことになりかねないぐらい、この広い範囲と、対象者が物すごく、中小企業、零細企業者ですから、その点のバランスといいますか、その点を本当によく考えて第三者の意見、アドバイスと。
松田委員もおっしゃっておりましたけれども、私もやっぱり同じなんですけれども、企業は起こす方が簡単だと思うんですよ。再生する方が難しいと思うんです。ここを間違えちゃいますと、本当にこれは、私は結果的にこの法律が生かされないふうになってしまうんじゃないかなというそんな思いがありますので、私の気持ちを申し上げておきたいと思います。
そこで、再生ということになったと。しかし、それについてはある程度の再生計画があればいいという話になっていますが、それでもなお、努力したが結果的にこれはもう再生できなかったということもあり得ると思うんですね。そうしたときに、これ一体どうするんだねと。
まあ私なりに解釈して、ちょっと趣旨説明を解釈しますと、これ塩漬けにするのかなという、乱暴な言い方をすると、債務というのは不良債務になりますけれどもね。そういったものについてはどういうふうに、最終的にこの負債が生じたときに、処理ができなくなったときにどういうふうに考えているか、ちょっとその点についてお答えいただければと思います。

○委員以外の議員(荒井広幸君) お答え申し上げます。
いろいろなケースがあろうと思います。しかし、一生懸命努力しました、おおよその見通しに基づいて一生懸命頑張りました、しかし原発地域、あるいはこれだけの地域ごと流されたような状況の中で、頑張ってはみたけれども本当にどうしようもなくなったというケースもあるだろうと思います。その場合は、先生が今端的に言葉を、愛情ある言葉をいただきましたけれども、塩漬けということは当然場合によっては出てくると、そのように思います。
しかし、日本人の皆さんが本当にどんな中でも頑張って返済していく、そういう真面目で勤勉な方々でありますから、災害と闘っていく、そしてもう一回地域を再生して働いている人に戻ってもらって、それでふるさとを再生したいという気持ちですから、その気持ちに私たちはこたえるように、まずは既存債務というものをこの重荷から取ってさしあげて、せめてマイナスじゃなくてゼロからスタートしていただく、国民みんなで応援していく、そういうものを法律に書いたということでございます。

○藤井孝男君 是非そういう気持ちをしっかりと持ち続けて、この法案が生かされていくように努力していただきたいと思います。
私がもう一つ申し上げたいのは、これはもういろんな、国土交通委員会であるとか復興特別で別件でも申し上げているんですけれども、結局、総合戦略が、国家戦略というものが政府になさ過ぎるものですから、こういう場当たり的な個別的な形でやってくるから、今度のこのローンのことについても、二重ローンについても政府の対策が非常にこれはもう不十分であるということでこういう議員提案になってきたわけですね。それは非常に大事なことです。
だけれども、ただこれをきめ細かくやれば全てが解決するんじゃなくて、やっぱりそのためには社会資本の整備、港湾であるとか道路であるとか鉄道であるとか通信であるとか、そういったことも含めた形の中でこれが生かされてくると思いますので、そういう意味においては、ただこれだけを通せばいいということじゃなくて、本当にこれも一つの核となってこの法案が生かされるように、是非、私どもも努力したいと思いますので、発議者の皆様方もまた努力していただきたいと思います。
以上で終わります。ありがとうございました。

○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。
社民党も、二重ローン問題の解決のために、債権買取り機構を含む特別立法を求めてまいりました。その点で提案者の皆様とお気持ちは同じでございます。法案をおまとめいただきまして大変丁寧な対応をしていただきました片山さつき議員を始めとする提案者の皆様方にお礼を申し上げたいと思います。
荒井広幸議員を中心とする超党派の官民連携推進研究会が日弁連の案をベースにして検討、勉強を重ねてまいりました。私も社民党を代表して参加をさせていただきました。そうしたこともございまして、重い腰を上げて先般成立した二次補正予算の中で、産業復興相談センター及び産業復興機構による中小企業の二重ローン対策を政府としても打ち出してこられたのではないかと、そのように思っています。
先ほど藤井議員からも質問がございましたが、政府のスキームと法案のスキームの違いですね。要は、政府は既存の法律の枠内でやるんだ、提案者の、今回の議員立法の案は買取り機構は新たな法律を作ってやるという、それはもちろん違いがあるわけですが、どうもこれまでの答弁を聞いていますと、政府は、今までの再生ファンドとは違うんですよと、しっかり踏み込んでできますよ、提案者の皆さん方は、いや、従来と余り変わらないという答弁であったと思いますが、その点についてもう少し分かりやすく違いを、先ほど荒井先生からは明快に答弁いただきましたけれども、片山先生から是非その辺の違いをお聞かせいただきたいと思いますが。

○委員以外の議員(片山さつき君) 法律に基づかないということですと、まずいろんな債権者が出てくるこの債権債務の整理の関係の中でその機構なりファンドなりがイニシアチブを持っても、それでまとまるという可能性は非常に減ります。
預金保険機構出資の公的な会社として我々の法律は作ってありまして、回収停止のお願いができるんですが、いまだかつてこういう回収停止の法律の要請について割って入った例はほぼなくて、なぜかというと、預金保険機構の上部機関にある金融庁が銀行等金融機関を押しなべて監督しておりますので、そこに割って入るということはほとんど我が国では起きないことでございますが、そうでないと、たとえ公的な機関が一部出資しているにしても、債権者としては平等ですから、この債権回収額では不満だと思った時点でノンバンクなりなんなりが回収を掛けてくる可能性は非常に高いので、そういうことがありますので、今までの中小企業ファンドでは債権放棄で合意した例はほぼありません。繰り延べているだけです。私的ガイドラインの事業会社版がほとんど使われなかったのも同じ理由でございます。
結局、どこかの債権者が法的な要請が全くない中で自分たちがこれだけの猶予や放棄に応じていいのか、それは駄目だろうと、やはり株主に説明できないだろうということになるんですが、法的に枠組みがあれば、我が国ではほとんどその辺について、それこそ支店長が判こを押すというような長年の積み重ねがあって、実務ではそれが全く違います。
そして、投資事業組合というものを使っておられる以上は、投資事業組合の対象は限定列挙されておりまして、それはあまねくどんな中小企業のどんな経営状態でもではないんですよ。そこは何らかの事業革新なり、さっき四つ私が列挙しましたけれども、それに当たるものだけです。その点をまさに民主党の事業仕分が延々と議論しておられたんですね。二千六百万社を助けるものじゃなくて、一部を選ぶときにどの基準か、ああ、この四つかということで何千社なんですねと。
今回それをやったら、それに引っかかる会社はほとんどございませんし、さっきから出ている亘理町のイチゴ農家、家族が流され、ハウスが流され、そして町に三人しかいない普通の診療所、看護婦さんがいないけれども、あと自分は十年働ける、でも診療所をもう一つ建てないと、その二重ローンがないとできない、そういった状況においては、事業再構築とか経営資源の再合理化のような概念がそもそもそのジャンルに全然ないんですよ。全く違うんですよ。ですから、私は、そこまで無理をしないでも、こういった枠組みに中小再生協議会が乗っていただければ万事うまくいくのになというふうにずっと思っているわけでございます。

○吉田忠智君 従来、政府は、私有財産の形成は自己責任によるべきであって、税金による支援は認められないとの立場を取ってきました。これは、そういう姿勢というのは私は変わっていないと、そのように思います。そうした自己責任論が阪神・淡路大震災やその他の中越、中越沖地震など多くの被災者の生活再建支援を妨げてきたと、そのように思っていますし、社民党はこの問題について一貫して公的な生活支援策を求めてまいりました。そして、政府の見解を批判してまいりました。
今回、提案者は、二重ローン問題に対する被災者支援について税金による支援にまで踏み込んだわけでありますけれども、基本的なことではありますけれども、今回なぜ公的支援がなされるのか、改めてお伺いをします。

○委員以外の議員(片山さつき君) 阪神大震災当時、党首で当時おられたかどうか覚えていないんですけれども、土井先生も近くの御出身でしたので、私自身も被災後二か月ぐらいで現地に入りまして、まさに地元の団体の方と延々とその議論をいたしました。
個人的にはもう本当にここまで、当時は火災も多かったんですけれども、逸失しているときに、本当になしでいいのかという議論はあったんですが、ただ、そのとき見ていたのは、やはり神戸という土地には価値があるんですね。そして、破綻した会社が阪神大震災の下でも半年、一年たって急激に増えたんですけれども、その当時大阪等から入ってきた会社も多かったので、企業数が激減することにならなかったんです。そして、何よりも、先ほど多賀城の商工会の会長が言っておられましたが、私も九回現地に入っていろんな避難所とか町を見ていますが、どの町でも一様にどんどん人が抜けていくんですよ、どんどん廃業していくんですよ。これと同じペースのことは神戸ではなかったんですね。だから、その政令市というものの町の強さ、積み重ね、商業基盤、経済基盤があるところと、元々仙台の一部を除いてはほとんど全部過疎地域であるという状況との違いが非常に大きいということがあると思います。
それから、吉田先生には怒られるんですが、我が党も野に下って以来、直ちに綱領を作り直しまして、依然として、自助自立の個人を尊重し、その条件を整えるとともに、共助、公助する仕組みを充実すると。自律と秩序ある市場経済を確立するといいながら、自助自立する個人を尊重し、共助、公助する仕組みを充実するということに加えて、家族、地域社会、和ときずな、温かい地域の人間関係をしっかりと守るというようなことを入れております。我が党の綱領には市場原理主義という言葉はかつても今も一度もありませんが、民主党さん結党のときの方針には入っております。先ほどからお話を聞いていると、どちらかというと市場原理主義的なのは今の与党かなと思っておりますが。
我々は、地域の再生ということがない限り経済の再生はないと思っておりますので、今回のように村落やコミュニティーが完全崩壊するおそれがあるようなことは神戸では割合少なかったんですね。当時の反省として、仮設にお入れするときに町内を分かってしまった、分けてしまったことによって再生するのが非常に難しくなったということはありますが、今回の、特に原発避難地域なんかはそもそもコミュニティーに入れないわけですから。このような状況は日本だけでなくて世界的にもほとんど起きたことがございません、津波の規模としても千年に一度ということで。これは国家のこの地域を守るための緊急避難として必要であると考えております。

○吉田忠智君 自民党さんが政権を担われているときに、私どもの受け止めとしては、やっぱり自己責任論というのが基調にあったと思いますが、今、片山議員の答弁によりますと、そういうところも、やっぱり基本的なそういう考え方も改めたといいますか、そういうふうに受け止めていいわけですね。

○委員以外の議員(片山さつき君) 前の綱領のときから入っていたことではあるんですが、家族や地域社会が近年の経済社会情勢の変化によって崩壊しつつあるということの中で、我々は政党として、温かい人間関係、和ときずなの暮らしということを明確に掲げると。ですから、自助自立がもちろん基本なんですけれども、こういう条件を整える上ではやはり共助、公助の仕組みが充実される必要があるということをはっきりと入れております。言葉の修正という意味では、確かにそういう意味で変化があったのではないかと、私は個人的には思っております。

○吉田忠智君 分かりました。
この法律の肝の部分なんですけど、過去の災害で二重ローンを負った国民もおられるわけですよね。そうした国民の皆さんにどう対処するのか、この法律を考え、議論する上でですね。その点についてはいかがでしょう。

○委員以外の議員(西田実仁君) 今、過去のローンについて、二重ローンを負った国民に対するお話がございましたが、今回の私どもの東日本機構法は、やはり東日本大震災という地震そのものの大変甚大な被害に加えまして、津波による事業用地等の流失、さらには原発災害と、かなりこれまでの災害とは比較にならない大変甚大な被害があるということから、過去の災害とはかなり質が異なる特異なものであるということから、今回の二重ローンの買取り機構を設けるようなことが国民の皆さんにも御理解いただけるんではないかという趣旨で作らせていただきました。

○吉田忠智君 同様に、今後の災害において今回のような立法措置に基づく二重ローンの買取りスキームが用意されるべきかどうか、その点についてもお伺いします。

○委員以外の議員(西田実仁君) まさに、今後、こうした災害の状況に応じましてまた検討をしていかなければならないというふうには思っております。

○吉田忠智君 今回、政府案でも本法案でも、住宅ローンや自動車ローンなど事業性の希薄な個人の二重ローン対策は、買取り機構ではなく個人版私的整理ガイドラインによる処理に委ねられました。このことについては一定の前進であるわけですが、その点についての理由ですね、どういう理由からでしょうかということと、またそれぞれの扱いにどのような相違があると想定されておられるのか、また今後住宅ローンや自動車ローンについて新たな対策が必要とはならないのかどうか、お伺いします。

○委員以外の議員(荒井広幸君) 吉田先生、社民党の皆さんには大変お世話になっておりました。
今お話がございましたけれども、当初は住宅ローン、それから自動車ローンというところも検討しております、おりましたですね、我々も。今回は事業者という意味で、非常に幅の広い事業者、先ほど来からいろんな業種、業態がございます。今回、事業者というところに光を当てました。
いずれ個人というところでこの自動車あるいは住宅ということを、先生がお考えになっているように我々も同じ気持ちを持っておりますので、まずはこの段階、特に住宅と自動車のところは若干猶予していただいているところがあるんですが、あした借金取立てだというのがいっぱいあるんです。ですから、まずはこの事業者の方を優先させていただき、後の段階でまた与野党の先生と御相談してそういった個人のローンのところに入っていければいいなと、これは私の私見でもございますが、そういう区分けであろうというふうに思っております。
それから、先ほど個人版私的整理ガイドラインというのがありましたけれども、先ほど新里弁護士からもありましたように、結局は銀行がそうしてくれなきゃいけないというところにありますので、金融庁がきちんと目を光らせる。それから、民主党さんからも御提案がありましたが、これだけだよと開示する、まあいろんな形をしていく。それはそれなりに実効性がある程度担保される。新里弁護士は画期的であると、こういうことで評価されましたけれども、私もそう思っております。
しかし、薬と同じで、被災者の方々はそれぞれ自分に合った薬を探されます。ですから、その薬の引き出しをいっぱいつくっておくということが非常に必要で、ガイドラインというのも必要でございますし、同時に今度の議員立法の法的枠組みと、こういうものも必要だろうと思います。そのほかに、様々な社会保障制度の充実だとかインフラの整備だとかもういろんなもの、予算措置の部分もございます。そうした被災者の方々に複数の選択肢と、そして薬でいえば複数の薬と併せて飲んで調合して効き目を出していただくと、そういうことが必要ではないかと考えております。

○吉田忠智君 個人の課題については、また今後とも議論をさせていただきたいと思います。
一刻も早い被災地の復興につなげるため迅速な債権買取りが必要となるわけでありますが、機構の人員、組織はどのようにつくっていくおつもりですか。政府が二重ローン対策で活用する予定の産業復興相談センターと産業復興機構の両組織の人員との関係はどのようになるでしょうか。また、機構の人件費、運営費用はどれくらいとお考えか、伺います。

○委員以外の議員(西田実仁君) 機構の人員につきましては約二百名の体制で臨めると思っておりますが、当初五年間ほどとその後の、最長二十年ですから、十五年間とは異なってくると思いますが、当初の五年間につきましては特にこの役員三人、職員二百人体制で進めながら、その後は、管理が主になりますので、少しずつ減らしていくことになるのではないかというふうに想定をしております。
この機構は株式会社であります。預保や貯保等を株主といたしまして、発起人といたしまして、そうした機構が発行するこの株式を全部引き受けるということになるわけであります。
また、今御質問にありました産業復興相談センターあるいは産業復興機構との関係という話がございました。このセンターも、また政府が言っている機構も、その本質、法的な根拠というのは中小企業再生支援協議会であり、また投資有限責任組合であるところのファンド法に基づくものでございます。
こうしたところの関係は私どもの法案では法六十一条に定めておりますけれども、認定支援機関との協力ということが書かれておりまして、例えば中小企業再生支援協議会では、協議会スキームというものでこれまでにも、例えば事業デューデリとかあるいは財務デューデリのノウハウというものはそれなりに築かれているわけでありますから、当然そうしたところと協力関係を築き、そして迅速な再生に向けて協力体制を強めていくということが必要だというふうに思っております。

○吉田忠智君 ありがとうございました。
そこで、債権者である銀行間、あるいは債務者である被災者間の取扱いの公平公正の確保が必要でありますし、課題になると思うんですが、どのような措置を考えておられるのか、お伺いします。

○委員以外の議員(西田実仁君) まさに、今御指摘のとおり、それが大事なところでございますので、この支援基準や支援の手続、あるいは買取り価格などにつきまして法律上きちんと規定をしているというのが今回の東日本機構法になります。具体的には、政令及び運用基準などによって、御指摘のとおり、公平公正がしっかりと確保されるようにしてまいりたいと思います。

○吉田忠智君 中でも買取り価格の適正化というものは、費用が国民負担であるという理由もあって、言うまでもなく極めて重要でございます。買取り機構の価格決定は誰がどのように決定をするのか、決定に際しては、救済、買取りの迅速性と時価の適正性、透明性の両者のバランスが重要と考えますが、それぞれどのように確保していかれるのか、伺います。

○委員以外の議員(西田実仁君) 一番大事なところでございまして、まず、この機構は、債権の買取りの申込みに対しまして、支援基準に従いまして債権の買取りをするかどうかを決定しなければならないと、このように二十二条第一項で定めさせていただいております。買取り価格につきましては、詳細は省きますが、適正な時価を上回ってはならないと、このように定めているわけであります。
そして、今御指摘の時価の適正性また透明性のバランスという話でありますけれども、適正性につきましては、これは先ほど申し上げたこの債権の買取り価格、適正な時価を上回ってはならないというこの適正な時価につきましては、もちろん協議会スキームでいうところの協議会のノウハウもありましょうし、また法律では、金融庁又は日銀に対して技術的な助言、その協力を求めることができるというふうにもされております。また、この機構が買取り決定を行ったときには主務大臣に報告しなければならないと、こう法律で定めているわけであります。主務大臣は機構に対して監督を行うというふうにも定めておりまして、時価の適正性を担保しているということであります。
さらに、透明性につきましては、機構は買取り決定を行ったとき速やかにやはり主務大臣に報告をしなければならない、またその公表もしなければならない、こういうふうにも定めておりまして、適正性また透明性についてはしっかりと確保してまいりたいと思っております。

○吉田忠智君 残された課題については、また明日質問させていただきます。
ありがとうございました。

○亀井亜紀子君 国民新党、亀井でございます。
これまでの中小企業対策について振り返りながら質問したいと思います。
国民新党は、返済猶予法案も作りましたし、元々中小企業に対しては非常に力を入れている政党です。返済猶予法案に関しては、震災がありましたから全会一致で三月末に延長することができました。そして、四月の十四、十五に党で視察に行きまして、そのときに被災した中小企業の方との懇談会を持ちました。その時点で二重ローンの話というのがもう出てきておりましたので、それを持ち帰って、民主党に対しても二重ローンのこと出てきますということを、ずっと対策に入れるように要望をしておりました。一次補正、本当は十兆円規模で組みたかったんですけれども、そこまで財務省がお金を出しませんで、国債も発行しないということでしたので、残念ながら四兆何がしかの一次補正になり、そこで入ったものとして中小企業等向け資金繰り支援として五千百億、それから無利子貸付けのための利子補給で百億というのが入りました。
その後、国会でやはりこの二重ローン問題というのが随分いろいろな党から指摘されるようになって、三党協議も始まりました。この三党協議は我が党は蚊帳の外ですので何をやっているかは全然聞こえてこないんですけれども、ただ、最終的にまとまって被災地のためになればいいと思って、余り口は出さずといいますか様子を見ているんですけれども、いつも最後、まとまらないんですよね。それで何か法案が出てくると。
私たちは、経産省に対して直接いろんな与党ですから要望をしておりまして、六月の末にこの方法で行きたいと思いますという政府の方針が出ました。今回は法案は提出しない。それはなぜかといえば、なかなか法案がねじれ国会でスムーズに通らないので、法案を必要としない方法で迅速に対応したいということだったんです。
まだ三党協議は続いておりまして、まとまればいいなと思っていたら、六月末に方針が決まったのに、七月、ほとんどもうこれ末ですけれども、今になってこの議員立法が出てきたということなので、この三党協議に入っていない多くの政党からすれば、結局、原子力賠償もそうなんですけれども、いつまでたってもまとまらず、協議には時間を使い、そして法案審議に時間を使うので、やはり一番困るのは被災者だろうと感じているんですけれども、今回なぜこの法案を出さなければいけなかったのか、その理由についてまず伺いたいと思います。

○委員以外の議員(片山さつき君) 私は、与党でいらっしゃるので民主党からの三人の代表者が、亀井先生は国民新党の政調会長ですから、お話が逐次行っているのだと思っておりました。そうでないならば、私が直接存じ上げているわけですから、説明に行けばよかったと思っております。
今現在でも、私は金融に対する考え方として、この法案は絶対に国民新党と近いと思っております、絶対に。その一つの点としては、やはり今の日本のずっと引きずってきた金融の慣行、プロジェクトファイナンス型で貸しているわけではないので、先ほど申し上げましたように、やれハウスが流れた、やれ工場が流れた、やれ船が流れた、元々が過大債務の状態になっている状態で担保が流れると、全部の債務について債権放棄をするということをほとんど銀行がやらないんですよ。その部分全体について、一対一対応ではなくて債権者分類において貸しているものですから、この担保の滅失はこの人の責に帰すものでは全然ないということを、アメリカでいえばそれは債権が放棄されてその分が減っていくんですが、日本ではバブル崩壊以降、何回もずっと金融界と議論してきて、一度たりともそういうことが行われたこともないし、当時は亀井先生は建設大臣で私何回も通いました、その議論もしたんですけれども、やはりあの亀井元金融大臣でもそれはできなくて今の返済猶予法に至ったという経緯を見ておりますので、今回もこの特別な、原発も含めて、いまだかつてない損害に着目して、この地域の再生、この地域から人口や産業が流出したら、政府全体、政治全体として取り組んでいる復興復旧の前提が成り立たないだろうということを公益として、公益がなければ法律をもってして義務を付けたり、公的資金を出すことはできませんから、そこに公益があるということを着目して特別法を書くという方向になったのは、私どもも中小企業庁と大分議論をいたしましたし、企業再生支援機構は使えないのか、中小基盤機構は使えないのかというのを一つ一つ見てまいりましたが、やはり投資事業組合と今回のあまねく全てが、全産業全部がこの地域で自分の責に帰する理由ではない理由で根本的に傷ついていて、金融機関としては、前の状態なら貸せたのがこの状態ではどう考えても貸せないという実態に対する救済には投資事業ではならないし、企業再生支援機構の改正法案も考えましたが、企業再生支援機構から我々はJALで手いっぱいで、今の政権の、とてもここまではできないと強い拒絶があったものですから、特定の目的で刑罰や債権回収停止命令まで付けて、しかも大きな買取り枠ができるような保証が書けるというのは法律がなければ書けませんので、その保証枠も付けた上で新しい法律をもって対応する方法しかないということで、ずっと六月時点の三党協議でも出してまいりましたが、検討する検討するというお話があって出てきた返事が、やはり自分たちは今までの既存の枠組みで、しかも新しい予算は一切使わずに事業仕分で召し上げられる部分の、召し上げる部分は五百億取られた残りだけを使うというお返事だったので、これでは我々が考えていることと余りにも違うので、ほかの部分は合意したけれども、事業者についての対応は今我々が出しているように野党で法案を議員立法として出したいということで、そういう形でやりたいということは一か月以上我々は提示しておりました。そのときに国民新党に御説明できていればよかったと思っております。

○委員長(柳田稔君) 片山君、答弁は簡潔にお願いいたします。

○亀井亜紀子君 では、次の質問に移ります。
今回、この法案拝見して、政府の方針と比べてそれほど正直申し上げてすばらしいとは思えなかったんですね。その違いについていろいろ見させていただいて、大きな違いは新しい機構をつくるということだと思います。政府の対策の方は各県ごとに新しい機構をつくるということで、その理由としては、県ごとに状況が違うので、例えば福島と岩手で状況が違うと、なので県ごとに組織をつくった方がかえって細かい対応ができるのだというのが中小企業庁からの説明でした。
それに対して、皆様は全国で統一した機関を一つつくって、それに支店という形で市町村に置くということなんですけれども、私が懸念していることは、本社と支店の関係になったときに、例えば本社の方でマニュアルを作ってそれが画一的に支店に採用されたりとか、そういう硬直性みたいなものが生まれないだろうかということを気にしてしまうのですけれども、そのような心配はないのでしょうか。

○委員以外の議員(西田実仁君) 御心配いただいております今のお話でございますけれども、法律には確かに全国に一つだけ置くということで本店、そして私どもは支店をもちろん各県、あるいはもっと細かく、さらには業種ごとというふうに置いていければいいんじゃないかと。さらには、支店決裁をより多くすることによって迅速性を確保するというようなことが可能になるんではないかと思っております。
もちろん政府案の方も、例えば広域に、先ほど提案者からも答弁あったかもしれませんけれども、岩手に本社があって福島で事業展開しているような場合、これについて県ごとであるとなかなかそれを越えて支援をするというのは、今の中小企業再生支援協議会のスキームでも基本的には県内のところを支援するというふうになっているんです。もちろん県外は全く排除はしないけれども、原則は県内というふうになっているわけでありまして、そういう意味ではむしろ広域的な支援をするには私どもの方がいいんではないかと思っております。
なお、再生支援協議会にも実は中小企業再生支援全国本部というのがあります。元々なかったのを後からつくったんです。それはなぜ必要になったのかというと、まさに全国の一つの統一的なものが必要だと、支援する体制が必要だということで、本店と支店があるじゃないかという御指摘ですけれども、今のスキームも実は本部とそれぞれの県ごとにあるという意味では同じであるというふうに言えると思います。

○亀井亜紀子君 被災地の企業といろいろ連絡を取りながら私たちも対策を考えているんですけれども、今回の政府案と皆様の案を並べてどんと出しましたらば、両方の案に対して同じ不安を述べてきました。それは何かといいますと、やっぱり債権の買取り価格がどうなるかということなんですね。
私が経産省に対していろいろ要望してきたことの中に、やはりなるべく簿価に近い形で買い取ってほしいということと、それから、被災者の金融機関を助けないでほしいと言ってまいりました。それは、先ほど金融機関も被災者なのですというような御発言もありましたけれども、現地の被災企業からしてみると、今までも貸し渋りに遭っていると。それで、今回、例えば利子補給などで被災地の金融機関を助けたときに、いや、これは助かった、自己資本比率を維持したいと。そこからお金が出ていかないかもしれないから、ちゃんとお金が回る仕組みにしてくださいねということを言われておりました。それをずっと経産省に伝えておりまして、その中で政府の方も考えた仕組みなんです。
ですので、この買取り価格についての質問なんですけれども、これは誰が査定するのでしょうか。例えば、地元の被災企業のメーンバンクが支援に消極的な場合、買取り価格が低く査定される可能性がありますけれども、適正価格を決める上で、新機構又は政府案の産業復興機構はどのようなかかわり方をするのでしょうか。
初めに、今日、中小企業庁長官いらしていただいているので、政府案の方から伺って、それで法案提出者の方にも伺いたいと思います。

○政府参考人(高原一郎君) お答えを申し上げます。
旧債務の買取り価格でございますけれども、新規の融資を行うに当たって前提とされる事業の将来の見通しですとか、被災前の事業の状況を基に算定することとなることが基本となりますけれども、いわゆるワンストップの相談窓口を中小企業再生支援協議会に置きまして、将来の事業計画、これはただ、この時点では、七月八日の政府案には書いてございますけれども、その時点では詳細な再生計画などの策定が困難な事業ということになりますけれども、こういう方々の計画につきまして確認をさせていただいた上で、その新たな機構がこの協議会と密接に連携をしながら、統一的な判断、つまり、債権者である金融機関の皆様方と御相談をしながら買取り価格について決定をいたしていく、そういうことになると思います。
以上でございます。

○委員以外の議員(西田実仁君) この債権価格の査定というか、誰が査定するのかということですけれども、事業の再生をしようとするものが、協力をしてもらう必要のある金融機関、これに対しまして債権の買取りを申し込む際に、機構に対して価格を示さなければならないというふうになっているわけでありまして、そして、支援基準に従ってこの債権の買取りを行うかどうかを決定すると。その買取り価格については、何度も申し上げておりますが、適正な時価を上回らないこととするというふうに定めておりますが、その決める際には、支援決定に係る事業再生計画、おおよその見通しも含みますし、また被災地域の復興の見通し、これは政府の方も復興ビジョンで十年という一つのめどがございますので、その価値としての、十年間でどのぐらい再生するかということも含めたもので当然勘案されなければなりません。また、再生支援を開始した後における対象事業者の経営状況の見通し、また担保の財産の価格の見通し、こうしたことを勘案して適正な時価を決めていくと。
先ほど申し上げたその適正性あるいは透明性については、法律において別途担保させていただいているということでございます。

○亀井亜紀子君 先日、日本・バングラデシュ議員連盟主催でノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌスさんの講演が議員会館でありました。そのときに、二重ローンについて触れていた部分がありました。バングラデシュは洪水など自然災害が多いので、被災した場合というのは常に念頭にあるそうで、その場合に、最初のローンは超長期ローンとして処理されて被災者の再建への障害にはならないというようなことをユヌスさんは話しておりました。
これは銀行の体力に関係することだと思うんですけれども、私もグラミン銀行の詳しい仕組みは分かりませんが、どうしてそんなようなことが可能なのか、政府の方で何か御存じでしたら教えていただきたいと思います。

○大臣政務官(和田隆志君) 御質問をいただきましてから事務方を通じて調べておりますが、まだ確たるところまでは分かっておりませんが、今までに聞いておりますところ、このグラミン銀行さんの超長期ローンが組める一つの背景としては、元々その預金貸出業務をされるときに、一定の余資を基金化して、そういったときのためにある程度ファンドとして持っていらっしゃるということもあるようでございます。
また、聞いてみますと、やはり資金規模がかなりミクロな貸付けが多うございまして、そういったところにつきまして超長期で長いタイムスパンで返していただくということは、比較的金融機関として組みやすいのではないかというふうに思います。
ただ、これを今回の大震災に対する我が国の金融機関のオペレーション上適用可能かというふうに考えてみますと、やはり津波によって、バングラデシュとはかなり規模が違う、大きな規模の融資がほとんど要するに被災債権となっておるがために、それら全てについて超長期のローンを組むということは、この、たった今、現状における金融機関の回収資金がほとんどなくなる状態ということになろうかと思いますので、そのまま適用するようなことは非常に難しいかなと。
しかし、いろいろ御指導もいただいておりますので、円滑化法の趣旨にのっとって、かなり実質的にこの数か月間は、要するにその利払いも含め債務の返済を猶予している段階とは聞いておりますので、これから先、事態が定まるまでその返済を止めるという実効上の措置がとられているように思います。

○亀井亜紀子君 じゃ、時間ですので、以上です。
ありがとうございました。

○委員長(柳田稔君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
午後四時四十六分散会

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