180-参-法務委員会-007号 2012年06月14日


2012年6月14日

○委員長(西田実仁君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、安井美沙子君及び石井一君が委員を辞任され、その補欠として田城郁君及び田中直紀君が選任されました。
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○委員長(西田実仁君) まず、理事の辞任についてお諮りいたします。
松野信夫君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(西田実仁君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(西田実仁君) 御異議ないと認めます。
それでは、理事に小川敏夫君を指名いたします。
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○委員長(西田実仁君) この際、滝法務大臣、谷法務副大臣及び松野法務大臣政務官から発言を求められておりますので、順次これを許します。滝法務大臣。

○国務大臣(滝実君) この度、法務大臣に就任いたしました滝実でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
昨年九月から法務副大臣として法務行政に携わっておりましたが、今度は法務大臣としてその重責を担うこととなり、身の引き締まる思いでございます。
法務行政は、社会の法的基盤を整え、国民の生活を支える重要な役割を担っており、法秩序の維持と国民の権利利益の擁護を通じて、国民が安心して生活できる社会をつくることが求められております。
また、凶悪かつ重大な殺傷事案等が後を絶たず、社会の変化に伴う新たな不安要因も発生する中で、治安の維持に努めることは法務省の重要な役割であると考えております。
法務行政は様々な分野で課題を抱えておりますが、国民の皆様からの御意見や国会等における御議論などを真摯に受け止め、政務三役及び省内でも十分検討した上で政策に反映させていきたいと考えております。
検察改革についてでございます。
検察改革については、検察に対する国民の信頼を取り戻し、その再生を図るため、監察体制の構築や検察基本規程の策定など種々の具体策を策定、実施しているところであり、本年四月にはその進捗状況を取りまとめて公表したところでございます。刑事司法において重要な役割を担う検察がその使命を全うすることができますよう、引き続き検察改革を推進してまいります。
被疑者取調べの可視化を含む新たな刑事司法制度の構築についてでございます。
我が国の刑事司法制度が抱える諸問題に向き合い、被疑者取調べの可視化を含め、新たな刑事司法制度の構築に積極的に取り組んでまいります。この点については、現在、法制審議会において幅広い観点から活発な審議が行われており、実証的な審議に資するよう、検察において被疑者取調べの録音、録画の試行を行っているところでございます。今後とも、この試行を積極的に実施するとともに、現在進めているその検証作業等の取組を含め、時代に即した刑事司法制度の構築に向けて充実した審議が行われ、できる限り早期に結論が得られるよう引き続き尽力してまいります。
司法制度改革の推進についてでございます。
国民主権の理念に従い、国民にとってより身近でより利用しやすい司法を目指した司法制度改革は各制度の実施段階に入っています。今後は、その運用状況を見定めながら更に制度の成熟に向け努力してまいります。
法曹養成制度の検討についてでございます。
司法制度改革において新たに導入した法曹養成制度については、質、量共に豊かな法曹を養成することを目指したものですが、各方面から様々な問題点が指摘されています。これまでも法曹の養成に関するフォーラムを開催して検討を進めてきたところであり、今後も、司法制度改革の理念を踏まえつつ、関係機関等と連携しながら継続して検討を行ってまいります。
今国会においては、司法の中核を成す裁判所の体制の充実強化等を図るため、判事の増員等を内容とした裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を提出しているほか、外国法事務弁護士による法人の設立を認める外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法の一部を改正する法律案を提出しています。十分に御審議の上、速やかに成立させていただきますようお願いいたします。
日本司法支援センターの充実についてでございます。
日本司法支援センター、愛称法テラスは、民事法律扶助業務や国選弁護等関連業務など国民への法的支援の中心的機関として大きな役割を果たしています。また、東日本大震災の被災地に出張所を設置して現地の様々な法的ニーズに対応するほか、本年四月一日に施行された東日本大震災の被災者に対する援助のための日本司法支援センターの業務の特例に関する法律に基づき、利用者の資力を問わずに無料法律相談や弁護士・司法書士費用の立替えなどを行う被災者の法的支援業務にも精力的に取り組んでいます。
今後も法テラスの業務体制の一層の充実に努め、法テラスが行う国民のための様々な取組を支援してまいります。
裁判員制度の円滑な運用についてでございます。
裁判員制度については、本年五月にその施行から三年が経過しましたが、裁判員の方々の誠実な取組により国民の間に定着しつつあります。今後も様々な課題に適切に対応し、引き続きこの制度が国民の御理解を得ながら一層円滑に実施されるよう、関係機関とともに尽力してまいります。
法教育についてでございます。
法的な物の考え方を身に付けるための法教育は、自由で公正な社会の担い手を育成する上で不可欠なものであり、社会の複雑多様化に伴い、その重要性はますます高まっています。
国民一人一人が、法や司法に対する理解を更に深めることができるよう、幅広く法教育を推進いたします。
再犯防止対策の推進についてでございます。
犯罪対策の中で、刑務所出所者等の再犯を防止することは非常に重要な課題であり、政府の新成長戦略にも掲げる刑務所出所者等の社会復帰支援を更に推進してまいります。
具体的には、まず、刑務所等での改善指導や職業訓練、保護観察中のプログラム等の処遇や教育を一層効果的なものにするとともに、刑務所出所者等の住居や就労の確保等の社会復帰支援対策を充実させてまいります。また、そのための体制整備として、刑務所等の施設整備、保護司の方々の活動に対する支援の拡充を進めます。
さらに、今後は、犯罪対策閣僚会議の下に設置されている再犯防止対策ワーキングチームにおいて、関係府省との協力関係を密にしながら、中長期的な視点に立った総合的な再犯防止対策を検討、推進してまいります。
なお、衆議院において継続審議中の刑法等の一部を改正する法律案及び薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律案について、十分に御審議の上、速やかに成立させていただきますようお願いをいたしております。
少年矯正の基盤整備等についてでございます。
少年矯正につきましては、社会に開かれ、信頼の輪に支えられる少年院、少年鑑別所を目指して諸改革に取り組んでいるところでございますが、少年の健全育成を図るという少年矯正の理念にふさわしい法的基盤を整備するため、少年院法案、少年鑑別所法案とそれらの整備法案について閣議決定し、今国会に提出いたしました。十分に御審議の上、速やかに成立させていただきますようお願いをいたします。
民事基本法等の整備についてでございます。
民事基本法についても、国民の意識や社会情勢の変化に対応し、必要な見直しを進めてまいります。
今国会においては、国際的な子の連れ去り問題に対処するため、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約、いわゆるハーグ条約を実施するために必要な法律案を外務省とともに提出いたしました。十分に御審議の上、速やかに成立させていただきますようお願いをいたします。
また、現在、法制審議会においては、民法の債権関係及び会社法制について、それぞれ見直しに向けた審議が行われております。今後、これらの審議結果を踏まえて、必要な法整備を行ってまいります。
登記、地図整備等の促進についてでございます。
東日本大震災からの復興のため、倒壊した建物の職権による滅失登記の実施や地図の修正等の施策を推進してまいります。また、全国的に取り組んでいる登記所備付け地図の整備についても、引き続き積極的に取り組んでまいります。
人権救済のための体制整備等についてでございます。
政府からの独立性を有する新たな人権救済機関の設置については、これまでの間、国民の理解を得られるような制度の構築を目指し、法案の作成作業を進めてきたところでございます。今国会での法案提出に向け、努力してまいります。それとともに、国民の人権が保障され安心して暮らせる社会をつくるため、引き続き人権啓発活動の効果的な実施に努めるほか、人権侵犯事件の調査・救済活動を適切に行ってまいります。
また、人権諸条約に基づく個人通報制度の導入については、通報事案への具体的対応の在り方や体制整備について、関係府省とともに検討を進めてまいります。
北朝鮮関連動向、テロ行為等に関する情報収集についてでございます。
北朝鮮関係については、核、ミサイルをめぐる動向や金正恩体制発足後の国内情勢等の把握に努めるとともに、日本人拉致問題等の重大な問題の解決にも資するよう、関連情報の収集、分析等を積極的に行ってまいります。国際テロについては、調査を一層充実することにより、その防止に努めてまいります。また、オウム真理教については、引き続き団体規制法に基づく観察処分を適正かつ厳格に実施することにより、公共の安全の確保に努めてまいります。
適正な出入国管理の実現についてでございます。
東日本大震災からの復興や我が国の経済成長のためにも、外国人観光客や我が国の活力となるべき外国人の円滑、適正な受入れの促進が重要な課題であると認識し、適切な対応を進めてまいります。
適正な出入国管理についてでございます。
本年七月九日からは、新しい在留管理制度がいよいよスタートいたします。これまでも関係政省令の公布などその施行の準備を行ってまいりましたが、積極的な広報活動を行うなど、引き続きその円滑な施行に向けた準備を着実に進めてまいります。また、退去強制事由該当者については、その摘発の推進や自発的な出頭を促す等して一層の減少に努めてまいります。
これまで新成長戦略にのっとり、観光立国の推進の観点から円滑な出入国管理を進めてまいりましたが、今後ともクルーズ船に対する迅速な審査を試行するなど更にその取組を推進してまいります。
他方、国際的に依然として脅威となっているテロを防止する等の観点から、バイオメトリクスの活用等により、違法行為をもくろむ外国人の入国を水際で確実に阻止してまいります。
難民の保護についてでございます。
さらに、昨年の第百七十九回国会では、難民の保護と難民問題の解決策への継続的な取組に関する決議が衆議院本会議及び参議院本会議において全会一致で採択されました。法務省としても、その趣旨を十分に尊重いたしまして、国連難民高等弁務官事務所や民間支援団体などとの連携の強化、本年三月に延長が決定されたパイロットケースとしての第三国定住による難民の円滑な受入れなど、難民問題への対応に引き続き積極的に取り組んでまいります。
国際協力の推進でございます。
国際貢献に関しては、現在、国際連合と協力し、我が国と関係の深いアジアの国々等の刑事司法実務家を対象とする国際研修等を行っています。また、開発途上国の基本法令の起草や法律家の人材育成等を柱とする法制度整備の支援も行っています。これらの国際協力は、各国における法の支配の実現に貢献するものとして関係諸国の期待も高まっておりますので、その期待にこたえるため、より一層積極的に取り組んでまいります。
結びといたしまして、委員長始め委員の皆様方には、平素から法務行政の運営に格別の御尽力を賜っております。安心、安全な社会の構築に向け、法務大臣として、谷副大臣、松野大臣政務官とも協力し、様々な課題に全力で取り組んでまいりますので、より一層の御理解と御協力をいただきますよう、よろしくお願いをいたします。
ありがとうございました。

○委員長(西田実仁君) 谷法務副大臣。

○副大臣(谷博之君) 法務副大臣の谷博之でございます。
滝法務大臣の御挨拶にもありましたように、法務行政の諸課題についてはいずれも国民生活の基本、根幹にかかわる大変重要なものばかりでございますので、松野法務大臣政務官とともに大臣を支え、精力的に取り組んでまいります。そして、委員長を始め委員の皆様方からの一層の御指導、御支援を賜りながら、法務副大臣としてその職責を果たしていく所存でございます。
何とぞよろしくお願い申し上げます。

○委員長(西田実仁君) 松野法務大臣政務官。

○大臣政務官(松野信夫君) この度、法務大臣政務官、拝命いたしました松野信夫でございます。
滝法務大臣、そして谷副大臣をしっかりとお支えしながら、法務行政の推進に取り組んでまいりたいと存じます。
私はこれまで民主党の筆頭理事として皆さんに大変お世話になりましたが、引き続きまして、西田委員長を始め委員の皆さんの御指導を賜りまして取り組む所存でございますので、今後ともどうぞよろしくお願いを申し上げます。
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○委員長(西田実仁君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に法務省民事局長原優君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(西田実仁君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(西田実仁君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題といたします。
去る平成二十年十二月四日の国籍法の一部を改正する法律案に対する附帯決議に基づき、改正後の国籍法の施行状況に関する件について、政府から報告を聴取いたします。原法務省民事局長。

○政府参考人(原優君) 国籍法の一部を改正する法律に係る参議院法務委員会における附帯決議に基づき、平成二十三年十月一日から平成二十四年三月三十一日までの間における改正後の国籍法の施行状況を報告いたします。
まず、国籍取得の届出状況について報告いたします。
平成二十三年十月一日から平成二十四年三月三十一日までの間における改正法に係る国籍取得の届出件数は五百六十二件であります。このうち、改正法の施行によって新たに国籍取得が可能となった事案、すなわち、父の認知のみで父母の婚姻がない事案は二百九十四件となっております。
国籍取得の対象となる子の国籍については、フィリピンが三百五十八件と最も多く、次いで韓国・朝鮮が五十七件、タイが四十九件、中国が二十五件、その他が七十三件となっております。
また、国内でされた届出は三百八十二件、在外でされた届出は百八十件となっております。
処理件数については、受理が五百十件、不受理が十四件で、期末に審査中のものが三百二十一件となっております。
なお、虚偽の国籍取得届をしたとして国籍法第二十条違反の疑いで関係者二名が立件された事案が一件あります。
次に、改正法の周知状況について報告いたします。
国籍法の改正及び改正法に基づく国籍取得の要件については、引き続き、法務局等における国籍取得の相談等において適切に説明しているほか、法務省ホームページ、ポスター、リーフレット等により周知を図っております。
次に、国籍取得の届出の調査方法について報告いたします。
法務省では、虚偽認知による不正な国籍取得を防止するため、届出人に対して国籍法施行規則の一部改正により見直した添付書類の提出を求めているほか、全国の法務局等あてに民事局長通達を発出し、国籍取得の届出に係る慎重な調査を実施しております。
具体的には、法務局等における届出の受付後の調査として、父母双方の出頭を求め、父母から認知に至った経緯等の聴取をするほか、必要に応じ、届出人や関係者に対する文書照会、現地に赴いての事情聴取、出入国記録の取り寄せなど、父子関係の有無を確認するための厳正な調査を行っております。
次に、関係機関との連携について報告いたします。
法務省民事局は、不正な国籍取得の防止及び虚偽の届出をした者の制裁の実効性を確保するため、全国の法務局等に対し、都道府県警察及び地方入国管理局との間で虚偽認知に関する情報を交換し共有する体制を整備するよう指示しており、法務局等は、随時、関係機関との間で情報交換を行いつつ、慎重な調査に努めております。
法務省におきましては、今後とも、更に関係機関との連携を深め、虚偽認知に関する情報収集に努めるとともに、より慎重に調査を行うことにより、不正な国籍取得の防止に努める所存であります。
以上、御報告申し上げます。

○委員長(西田実仁君) 以上で報告の聴取は終わりました。
本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
午後一時五十分散会

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