183-参-国土交通委員会-010号 2013年06月18日


2013年6月18日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
既に大事な点が幾つも御質問をされておられますので、なるべく重ならないような形で御質問をさせていただきたいと思います。
まず初めに国交省にお聞きしたいと思いますけれども、我が国の国管理空港の収支がどうなっているのかということをまず教えていただきたいと思います。そして、その上ででございますけれども、これは大胆な前提を置かなければなかなかはじき出せないと思いますけれども、今回の法改正が成立をいたしまして国としての財政負担がどのぐらい軽減されるのかと、今法案によってですね。そういうことももし分かれば、一般の国民の皆様にも今回の法改正の意義ということもよく分かるんではないかと思いますので、この二つについてお聞きしたいと思います。

○政府参考人(田村明比古君) 御質問のまず収支でございますけれども、航空局におきまして平成十八年度収支から国管理空港に係る空港別の収支の試算というものを公表しているところでございます。
企業の経営状態というものを把握するための重要な指標の一つでございます償却前営業利益、いわゆるEBITDAでございますけれど、これを平成二十二年度の空港別の試算で見てみますと、国管理空港のうち八空港が黒字で十六空港が赤字であると、こういうことでございます。一方で、国管理空港の収支に民間が実施していますターミナルビル事業でございますとか駐車場事業の収支というものを合算いたしました場合には、赤字の十六空港というのが八空港が黒字に転換をすると。合わせて、ですから八対十六だったものが十六対八になると、そういうようなことでございます。
後段で御質問いただきました、どれぐらい財政負担の削減効果があるのかと、こういう御質問でございますけど、現時点でこの具体的な数字をなかなかお示しすることは難しいわけでございますけれども、一つは、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、本法案に基づく運営委託を行います場合には、現在の空港整備勘定における個別空港ごとの収支の差額分というものは、最低価格として、期待される利益というものを適正な対価として収受をするということがございます。という意味では、民間がコストを削減し収入を上げていく、その一部、その増加収入額というものについてもその対価の中に含んで収受をしていくと、こういうことでございます。そういう意味では、私ども、かなり改善が図られるというふうに期待をしているところでございます。

○西田実仁君 そうした収支の改善が見込まれる今回の法改正でありますけれども、ここで大臣にちょっと大きなビジョンというか、先ほどもちょっと触れられておられましたけれども、空港というのは地域の玄関口でありますし、また地域活性化に不可欠な公共インフラでもございます。
この法案で目指すあるべき空港の姿、面としての空港の姿、これを、大臣の思いをお聞かせいただければと思います。

○国務大臣(太田昭宏君) 今御指摘のありましたように、ある意味では円滑な移動を提供するという点の存在であった空港が、ターミナルビルだけでなくて、先ほど駐車場を入れてやると赤字が十六対八から八対十六に変わっていくというお話がありましたように、面的に地域においての地域活性化の核になっていくということが大きな意義だというふうに思っています。
観光とかまちづくり、地域活性化、併せてどういうふうに知恵を出してやっていくかということの今後になるわけでありますけれども、これを活用して、また、民間による一体化した空港経営を推進していくということで、就航路線や便数のそれによって充実や、空港施設の使い勝手の改善などを通じて利用者の利便性を拡大する、そして、空港に旅客貨物を集め、周辺における関連施設を集積させることで新たなビジネスと雇用というものを生み出す、こうした空港を核とした地域活性化ということを進めるということに意欲的に取り組んでいくと。これから法律が成立させていただければ、何とかそういう具体化に向けて更に力を注ぎたいというふうに思っているところでございます。

○西田実仁君 そうした目指すべき姿を実現していくために、この法案、成立した場合には速やかに空港運営委託の基本方針というものが策定されることになると思われます。
今後のスケジュールとしてスケジュール感を教えていただきたいと思いますが、この基本方針に盛り込まれるべき民間事業者あるいは地方自治体等の幅広い関係者からのいわゆる提案ですね、改正PFI法の中にも盛り込まれておりますこの提案制度、これをいつごろから始める御予定なのか、また、その後には個別空港ごとの運営の民間委託手法の具体的検討もされると思いますし、さらには国管理空港の運営の民間委託の開始そのものがいつごろから始まるのか、今後の基本方針の策定から個別空港のいろんな改善策等々の、今言える範囲で、法案が仮に成立した後のスケジュール感を教えていただければと思います。

○政府参考人(田村明比古君) 仮に、この法案、成立させていただきました場合には、成立後直ちに基本方針の策定に掛かろうというふうに考えております。この基本方針を策定した後で、今御質問ありましたように、国側が有する情報というのは最大限に開示しつつ、民間事業者あるいは関係の自治体等の関係者から個別空港の運営委託手法等についての具体的な手法を募集をすると、いわゆるマーケットサウンディングと言っているものでございますけれども、これを基本方針策定後に必要に応じて実施してまいりたいというふうに考えております。
具体的な運営委託の開始時期でございますけれど、これはもちろん地域ごとによく自治体等と協議しながら進めていくことになりますけれど、例えば仙台空港などでは、宮城県知事さんが民間委託の第一号になるんだと、こういうふうにおっしゃっておられますから、今年度中にいろいろな制度設計だとか準備というものを進めまして、来年度には運営権者の公募のプロセスを進めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。

○西田実仁君 次に、問題が発生したときの対応についてお聞きしたいと思います。
この事業契約そのものが解除されるというのはどのようなケースを想定されているのか、契約に定めている義務を履行できない場合は当然そういうことになるんでしょうけれども、例えば赤字、民間に委託して赤字経営がどのぐらい続いた場合に契約解除というふうになるのかどうか、あるいは解除の手続、解除の際の補償についてどのように考えるのかについてお聞きしたいと思います。

○政府参考人(田村明比古君) 事業契約が解除されますのは、運営権者が例えば法令や契約等に違反をしたような場合、それからその運営権者が破綻したような場合というのが考えられます。それから、個別のケースによりまして異なるんでございますけれど、相当期間赤字が続いて事業継続ができなくなる場合、こういう場合には、契約を解除して新たな運営権者に引継ぎすることで空港運営が止まることがないように対応してまいりたいというふうに考えておりますけれども、その相当期間というのは、これいろんなケースが考えられますけど、過去の例では例えば三年間赤字が継続したとか、そういう場合に解除要件になるというふうなケースもございます。
なお、契約解除の手続につきましては、まず契約解除に至る前に、国、それから運営権者、それからその融資をしている金融機関等の間で協議を行いまして、事業再生した上で継続が可能かどうかと、こういうことを議論をするということでございます。破綻に至る場合には新たな運営権者への引継ぎまでの措置等につきまして協議を行います。
契約解除の際の補償につきましては、国の事由によってその契約解除に至るような場合には、国は運営権者に対しまして損失補償を行うことになります。これはPFI法に定められているわけでございますけれども、一方、運営権者側の事由で契約解除に至る場合、これはケースによりますけど、罰則規定の対象になったり、それから損害賠償の対象になったりというようなことでございます。そのケースごとに決定されるということになります。
以上でございます。

○西田実仁君 今、後段で言われた企業に瑕疵がなくて事業継続そのものに重大な問題が生じた場合、これについては、政府としてはそういう場合は損失補填をする場合もあるという御説明でございました。
これは本当にケース・バイ・ケースでありましょうけれども、政府としては、損失補填以外にも、例えば料金の値上げを許可するとか、あるいは事業期間の延長を認めるといった対応もあり得るんでしょうか。一応確認しておきたいと思います。

○政府参考人(田村明比古君) 御質問のとおりでございまして、契約期間の延長でございますとか、もちろん設定している料金の値上げ、そういったことも当然考えられると思います。

○西田実仁君 この法で定めております国管理空港特定運営事業というのがございます。これは、空港周辺の航空機の騒音その他の航空機の運航により生ずる障害を防止し、若しくはその損失を補償する、騒音などによる損失補償や生活環境の整備等と、こういうふうに定められているわけでありますけれども、これは、空港を所有する国と空港運営権者との間でこうした業務分担はどういう分担をイメージされているのか、教えていただければと思います。

○政府参考人(田村明比古君) 御質問の周辺環境対策でございますけれども、この実施主体ですね、その空港の運営委託に当たりまして、もちろん個別空港ごとに地域の実情を踏まえて自治体とも調整して決定しますけれど、一般的には円滑な空港運営のためには周辺地域との共生が重要であるという観点から、空港運営と密接に関連する周辺環境対策については基本的にはその運営権者が空港運営を行う中で一体的に実施するべきものというふうに考えております。
この場合、運営権者は騒音防止法に基づく周辺環境対策を適切に実施する責務を負うことになるわけでございます。国としては、運営権者が騒音防止法、それから個別の事業契約に基づきまして周辺環境対策を適切に実施するようにしっかりと指導監督を行ってまいりますとともに、これまで国がいろいろ持っている技術的なノウハウというものもございますから、いろいろな助言等の支援をしてまいりたいというふうに考えております。

○西田実仁君 その上でも地元自治体のいろんな意向がどう反映していくのかということが大変重要になると思いますが、この運営委託に関しまして地元の意向についてどの程度反映されるのか、これを伺いたいと思います。
法案には地元自治体の意見を聴くというふうに定められておりますけれども、その具体的な関与の方法がいま一つ明らかではないという声が地域によって聞こえてまいります。どの程度地元自治体の意向が反映されるのか、不安に思っている自治体もあるようであります。
この法案自体は前政権下でも議論されたことでございまして、従前の法案に加えまして、本法案では空港運営に地元の意向がどう反映されていくのかということについて確認をしたいと思います。

○政府参考人(田村明比古君) 本法案では、再提出に当たりまして、いろいろこれまで御議論も先生方からもいただいたのを踏まえまして、運営委託というのは地域の意向をしっかり踏まえて進めていくべきであるということを明確にするための規定を幾つか加えております。
具体的には、国土交通大臣が定めます国管理空港等の運営委託に関する基本方針、この基本理念といたしまして、地域の実情を踏まえて運営委託を実施すること、それからその空港関係者の密接な連携協力の下に運営委託が行われるべきこと、それから運営委託の目的が地域の活力の向上であること、これらを明確に規定をいたしております。これらが反映された基本方針に基づいて個別の実施方針それから事業契約というものが作られていくということでございます。それから、その基本方針策定時には関係自治体が意見を具申できることになっております。それから、運営委託の対象空港それから事業者の選定の際には、空港ごとに自治体を含みます関係者で構成される地域協議会の意見を聴いた上で進めることになっております。
これらを新たに明確化したわけでございまして、こうした修正を加えることで運営委託実施の各段階で地域の意向が空港運営に反映される仕組みを確保してまいりたいというふうに考えております。

○西田実仁君 今御説明のように、再提出に伴いまして、かなり地元の意向が反映できる、そういう修正が加えられたということを確認できました。
最後、二つお聞きしたいと思います。
一つは、空港に関するコンセッション方式というのに関しましてはこの法律が成立をすれば導入されることになりますけれども、他の既存インフラにおきましても運営権の設定というのはほとんど可能というふうにされているわけであります。中でも、国交省所管の下水道、あるいは都市公園、賃貸住宅や鉄道、港湾なども挙げられております。こうしたインフラにおけるコンセッション方式の導入は今後どう進められていこうとしているのか。
また、道路は法改正をしなければ導入はできないというふうにも聞いておりますけれども、そうした道路におけるコンセッション方式の導入に関しましての法改正の道筋というか方向でしょうか、これをお聞きできればと思います。

○国務大臣(太田昭宏君) アベノミクスと言われるこの成長戦略の中で、いろんなそうしたインフラをコンセッション方式でしっかりやっていくということは極めて重要だというふうに認識をしています。私は、具体的にそのコンセッション制度の活用も含めたPPP、PFI、こうしたことを推進するということが大事だというふうに思っております。
国土交通省の所管の施設では、利用料金を徴収する都市公園、下水道、そして賃貸住宅、鉄道、港湾、これらについては現行制度でもコンセッション方式は導入が可能で、法改正の必要はないという状況にございます。また、例えば下水道については、下水道施設の運営におけるPPP/PFIの活用に関する検討会、これを設置しまして、コンセッションを含めたそうしたPPP、PFI、この活用等について検討しているところでございます。
政府全体としまして、先般、コンセッションのガイドラインを策定し、今申し上げたアクションプランを決定をしたところでありまして、更に具体的な案件の形成に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。

○西田実仁君 民間資金を導入して、PPPであれ、あるいはPFIであれ、積極的に取り組んでいただけるという今の大臣の御答弁でした。
最後、一つ大臣にお聞きしたいと思いますが、先日閣議決定されました成長戦略の中でも掲げられておりましたけれども、首都圏空港の機能強化をより一層進めていくべきであると私も考えますけれども、大臣のお考えを最後にお聞きしたいと思います。

○国務大臣(太田昭宏君) 空港自体、羽田そして成田、そのそれぞれにつきまして、平成二十五年度末までに旅客ターミナル等の拡張もありまして、両方合わせて七十五万体制というものをしようということで拡大をしていくということが一つでございます。
そして、成田と羽田を一体的にという考え方の下で、そこを結ぶ都心と両空港のアクセス改善ということでございます。そして、そこに、地下鉄等も使いますけれども、三環状の早期完成ということも含めまして、環状道路でそこで結んでいくというように、空港自体、そして地下鉄との連携、そして三環状との連携、これらをもってこの首都圏空港の機能強化ということを一層進めていきたいというふうに考えております。

○西田実仁君 終わります。

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