183-参-国土交通委員会-009号 2013年06月13日


2013年6月13日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
時間に限りがございますので、早速御質問をさせていただきたいと思いますが、まず、現状認識ということでお伺いしたいと思います。
今、政権において一番大事なことは、日本にとってでありますけれども、大事なことはデフレからいかに脱却するかということだというふうに思います。デフレの原因というのは幾つかあるかと思いますけれども、デフレから脱却するにはやはり不動産価格の適正化ということは避けて通れないというふうに思うわけでございまして、まず現状認識として、現在の首都である東京の地価というのが、世界的な国際都市と言われるロンドンとか、あるいはパリ、あるいはニューヨークなどに比べてどのぐらいの水準にあるのか、まず、現状をお聞きしたいと思います。

○政府参考人(佐々木基君) お答えいたします。
世界の地価を比較できる調査といたしましては、日本不動産鑑定士協会連合会が行っている世界地価等調査というものがございます。その平成二十三年の調査によりますと、OECD加盟国の主な都市の標準的な地点について、当時の為替レートで単純換算いたしまして比較してみますと、まず、土地、建物を含む戸建て住宅地の価格でございますけれども、東京は十三都市中二位で、東京を一〇〇といたしますと、ロンドンが一二五・六で一位、ニューヨークが三三・四で十位ということになっております。なお、パリについてはデータはございませんでした。
同様に、集合住宅地の価格について見てみますと、東京は十四都市中八位でございまして、東京を一〇〇といたしますと、ニューヨークが三五一・一で一位、パリが二五一・九で二位、ロンドンが二三八・六で四位ということになっております。
また、高度商業地の賃料について見てみますと、東京は十四都市中二位でございまして、東京を一〇〇といたしますと、ロンドンが一四九・〇で一位、ニューヨークが六九・〇で三位、パリが六三・八で四位と、こういう結果でございました。

○西田実仁君 様々な指標によって比較いただきまして、ありがとうございます。全体的に、先ほど話がございました、バブルの時代があって不動産価格が高騰して、それが暴落する中でまた逆に行き過ぎてしまってデフレの大変な要因になっている、そこからどう脱却するかという適正化が今求められているんだと思います。
今日はお手元に、世界の都市力比較ということで、世界的な会計事務所でありますプライスウォーターハウスクーパースが出しております、二〇一一年に出された資料でございます。第四回の共同分析ということで、世界二十六の国際都市を比較しておりまして、十の領域、また六十六の変数を用いて分析をしている、そういういわゆるランキングでございます。この中で東京は、二十六の国際都市の中では総合スコアは第十四位ということで、一位のものもございます。例えばソフトウエア・デザイン、あるいは研究開発、交通・インフラ、高層ビル建築等については一桁台という、そういう分析になっているわけでございますが。
ここで注目していただきたいのは一番最後の自然災害リスクというところでございまして、この自然災害リスクは二十六の国際都市の中で第二十六位、最下位であるという、こういうことでございます。しかも、大事なことは、この調査が実は二〇一一年の三・一一の前に行われて発表されているということでございまして、自然災害、防災・減災ということがいかにその都市の国際競争力、先ほど都市間競争というお話も大臣からございましたけれども、それがいかに大事であるか。これは東京に限りません。当然、地方都市におきましても、防災・減災を基盤といたしまして都市の競争力を強化していくということを国家挙げてやはり今こそやらなければならないのではないかと思っております。
今日審議にかかっておりますこの改正法案、これが成立した後には、まさに都市力をいかに向上させていくのかということにも大いに資すると思っておりますけれども、都市力の向上に懸ける大臣の思いをお聞かせいただきたいと思います。

○国務大臣(太田昭宏君) プライスウォーターハウスクーパースの取材も四月に私は受けまして、発言が最近載っております。
日本は災害リスクというのがあると。しかし、そこで災害を抑えるという、建物でいえば免震とか制震ということでしっかりしたものが造られれば、それだけ技術力というものが評価されてくるというふうに私は思っています。そういう点では、よくぞ脆弱国土日本の都市がこれほど強靱なものにできたものだといったそのシビルエンジニアリングというのは、土木工学はシビルエンジニアリングというんですが、メンテナンスエンジニアリングという新しい学問が樹立されるぐらい、このメンテナンス元年はそこにスタートを切るということが私は大事なことだというふうに思っております。
それから、デフレ脱却、成長、都市力ということからいえば、このプライスウォーターハウスクーパースの指摘は極めて重要で、もう二十六の中の二十六位というのが今災害等でありましたが、健康・安全・治安という部分で、その中でも病院、外国人が医療を受けることができる病院が余りにも少ないというのが二十四位であったり、オフィスの賃貸料が高い二十六位、家賃が高い二十一位、消費者物価指数が二十六位、こういうように、災害リスクとともに、これが遅れているという面が外国人から見ますとありますから、その辺を強化をしていくということだと思います。
今、この法律は、大都市というだけでなく、地方都市ということの都市力ということを再構築するということのシーズになるというふうに私は思っているところでありますけれども、前田先生始めとして、小泉先生御指摘のように、この仕組み、法律を一つのシーズにしていろんな手だてというものを集合させて、それで知恵の結集の中でまちづくりがされていくということのこれは一つの機縁にするものだというふうに思っております。

○西田実仁君 ありがとうございます。
具体的な法改正の中身でちょっと確認をしたいと思いますが、今回の法改正によって金融資産を不動産市場に呼び入れると、そのパイプになることが期待されているわけでございます。そこでは投資家保護というのは当然大事なんですけれども、あわせて事業者にとっても使い勝手の良いものにしなければならないというふうに思っております。
この法第二条の六項の第四号になりますが、事業参加をするいわゆるプロ投資家と言われている特例投資家、これが何に当たるのかということは、ここには法案成立後の政省令を待たなければ分からないというふうになっているわけであります。
これまでの法律からすれば大体の想像は付くわけでありますけれども、もう時間もないのでちょっとはしょりますけれども、国交省が主催しました投資家に信頼される不動産投資市場確立フォーラムというところにおきましては、いわゆるこのプロ投資家の範囲については、経済情勢の変化や実務の需要に応じて適切に見直すというふうにされてございます。
特に、地方において資金をなかなか集めにくいというケース、先ほど来、衆議院でも、この参議院でも地域活性化ファンドなどはその対象になり得るという御答弁があるわけでございますけれども、今後の課題かもしれませんが、一部の富裕投資家あるいは不動産の原所有者等はこのプロ投資家にはならないという、そんな政省令をお考えなんでしょうか、確認したいと思います。

○政府参考人(佐々木基君) お答えいたします。
このプロ投資家の範囲をどうするかということでございますけれども、今回の法改正の大きな目的の一つが地域経済の活性化と、こういうことでございます。そういう観点からいたしますと、地域におけるまちづくりの貢献が期待されるような投資家がなるべく多く参画できるようにしたいという、そういう基本的な考え方がございます。
ただ、一方で、今回のスキームは、特にリスク判断の難しい耐震改修、建て替え、開発事業、こういったものに活用されることが想定されるものですから、投資家保護の観点からも十分に検討しなければいけないというふうに考えておりまして、今お話しのありましたような、その地域を支え、担っているような個人の方も含めて、今後、投資家としてどうするかということにつきましては、こういったその両面の要請についてしっかり検討していきたいというふうに思っております。

○西田実仁君 是非御検討をお願いしたいと思います。
第二十六条の二におきましては自己取引等の禁止を定めておりまして、不動産特定共同事業者におきましては、当該不動産共同事業者に業務を委託した特例事業者との間において不動産取引を行うことは禁止しております。ただし、事業参加者の保護に欠けるおそれのない場合には、主務省令で定める場合、この限りではないとして適用除外を設けているわけでありますが、どのような場合に不動産特定共同事業者は特例投資家になれるのでしょうか。

○政府参考人(佐々木基君) お答えいたします。
改正法の仕組みにおきましては、不動産特定共同事業者とSPCの間で不当な価額で対象不動産の売買を行うと、こういうことになりますと、投資家に損害を与えるということになりますので、SPCとその業務委託を受けた不動産特定共同事業者との間の不動産取引については禁止するということにしているところでございます。
しかしながら、ただいま先生がおっしゃいました例外の件でございますけれども、例えば市況が著しく悪化していると、こういう状況でございますと、SPCが不動産特定共同事業者以外の第三者に対象不動産を売却するということをいたしますと、損失が発生いたしまして投資家に損害が及ぶと、こういうことがあり得るわけでございまして、そうした場合には不動産特定共同事業者がこの不動産を取得した方が投資家にとってかえって有利であると。そういった場合には、投資家の全員同意ということを条件といたしまして、この自己取引の禁止についての例外ということにする余地があるのではないかというふうに思っているところでございます。

○西田実仁君 SPC、特別目的会社の財務情報の開示についてお聞きしたいと思います。
不動産特定共同事業者に関しては、既に法律の中に定められておりますけれども、法二十九条に、特例事業者の財産状況について、不動産特定共同事業者が閲覧できるような形で開示をするという書きぶりになってございますが、ここで言うところの財産の状況はどのような財務諸表を考えていらっしゃるんでしょうか。

○政府参考人(佐々木基君) 法二十九条に規定しております財産の状況を記載した書類についてでございますけれども、これは事業者の財産の状況を把握できるものとして、不動産特定共同事業法施行規則第二十四条におきまして、比較貸借対照表、比較損益計算書、株主資本等変動計算書等が定められているところでございます。

○西田実仁君 今回の法改正は倒産隔離ができるということに最大の特徴があるわけでありますけれども、本当にというか、一〇〇%、全く倒産隔離が本当にできるのかどうか、隔離できないリスクというのはこの法律を作ってもなおあるんでしょうか、お聞きしたいと思います。

○政府参考人(佐々木基君) お答えいたします。
今回は、SPCの制度を使いまして、ほかの事業の影響を受けないように隔離することで、事業者が破綻したといたしましても、その影響により投資家が本来の利益配分や元利金の償還を受けられなくなるといったおそれがなくなり投資家の利益が保護されると、こういうことを考えたわけでございますけれども、しかしながら、例えばテナントが確保できなかったり、あるいはテナントが退去してしまう、あるいは管理会社が管理を怠ったために建物の価値が下がってしまう、あるいは地震等の天災、こういったリスクにつきましてはこれは投資対象となっている不動産固有のリスクでございますので、こういったものはこのSPCを使った倒産隔離の仕組みをもってしても遮断されるものではありません。

○西田実仁君 最後に、中心市街地の再活性化ということにも資する法改正であるという観点からお聞きしたいと思います。
我が党では、中心市街地の再活性化への新たな支援スキームの一つとして防災城下町構想というのを先日発表させていただきました。中心市街地には商機能、医療機能等がありますし、また災害時には食料品や医療サービスを迅速に提供できるなど、言わば防災拠点としての役割という潜在力は持っているんだろうと思いますし、また帰宅困難者への支援ということも十分に行えるんだろうと思っております。
また、先ほど大臣からお話がございました、省庁横断的にまとめ役としての国交省という役割もありましたし、その観点から我が党が提案したものを御紹介させていただきますと、いわゆる、これは経産省が所管しているSBIRという、中小企業技術革新制度というのがございますが、中心市街地という場に着目して、いろんな省庁がそこで支援をしておりますけれども、それを一定程度きちんと予算を確保して、中心市街地の再活性化という同じ土俵にいろんな省庁が支援をより重点的に行っていくという仕組みが必要ではないかという考え方でございます。
今日お見えいただきました川本局長も衆議院では、都市構造を変えて、中心部に人と産業をもう一度誘導し直すような仕組みが必要というふうに発言もされておられます。この点は我が党と同じ考えではないかと思うわけであります。もちろん、国交省では別途、中心市街地に限らず人口減少時代の都市の在り方ということについて検討されているというふうに聞いてございますけれども、こうした我が党の提言、またさらには中心市街地の再活性化に懸ける思いについて、大臣にお聞きしたいと思います。

○国務大臣(太田昭宏君) 中心市街地を活性化しようということで、十数年前から中心市街地活性化法、大店立地法、そして都市計画法というまちづくり三法というのを一生懸命議論をしてやった時代がありますが、もう何をやってもずっとうまくいっていないというのが現状だと思います。
冒頭、前田先生からもお話がありましたが、ものをつくり上げていくということでは総動員するんですが、ある意味では、衰退していく、そして老朽化してしまう、手直しをしなくちゃならないということを、反転攻勢でマイナスからゼロ、そしてプラスに持っていくという、そうした仕組みというのは今までなかなかなかったと思いますから、その点ではこの法律は非常に大事ないいきっかけをつくれるというふうに持っていかなくてはならない法律であるというふうに思っています。
公明党が提言して、最近私も公明党の会合に行っておりませんのでよく知らなかったんですが、防災城下町ということは、全てのものに集約して、そして防災拠点という、防災の角度を入れるということは物すごく大事で、そして、それがばらばらになっているわけでありますけれども、私はそこに、津波だったら高いところに逃げ込めばというと同じように、地盤が安定して、人もいて、そして医療とかいろんなものが全部そろうというような、あそこに逃げ込めば我が町は大丈夫だというゾーンとしてのそうした拠点をつくり上げるということは物すごく大事なことだというふうに思っています。
そういう点では、今日、一番冒頭に虎ノ門ヒルズの話をしましたけれども、免震ががっちりしていて、この辺りというのは、議員会館もそうでありましょう、いろんなところで、あそこに行けばどんな災害があっても大丈夫だということを、ビルであれあるいはゾーンであれつくり上げていくということが私は極めて大事なことだと思っておりまして、ちょっと公明党の勉強しておりません、申し訳ないんですけれども、よく連携取らせていただきたいというふうに思っているところでございます。

○西田実仁君 終わります。

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