183-参-憲法審査会-006号 2013年06月12日


2013年6月12日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
新しい人権につきまして、意見表明をさせていただきます。
憲法の骨格を成す基本的人権の尊重、国民主権、恒久平和の三原則は、人類の英知ともいうべき優れた普遍の原理であり、人権、民主、平和の憲法精神を国民生活と日本社会の隅々まで定着させ開花させる闘いに全力を尽くすというのが公明党の基本的な立場でございます。
憲法改正につきましては、現憲法は優れた憲法であり、人権、民主、平和の憲法三原則を堅持しつつ、環境権など、時代の進展に伴い提起されている新たな理念を加えて補強する加憲が最も現実的で妥当であるとの考えでございます。
民主主義国家の憲法は、国家のためにあるのではなく、国民の幸福追求、第十三条のためにございます。また、人権保障の拡大と国民主権の徹底は民主主義国家の歴史の流れであり、したがって、憲法改正の視点は、国民の幸福追求のための人権保障の拡大と国民主権の徹底でなければならないと考えます。加憲が最も現実的で妥当であるのはそのためであります。
公明党は、加憲で検討すべき新しい人権について、より積極的に明示すべきという立場でございます。憲法に明記することによって事前の人権保障を可能とし、時代の変化に対応した積極的な立法措置を可能にすることが望ましいと考えます。
昨年の常会で本審査会は、「東日本大震災と憲法」をテーマに、大震災と人権保障、統治機構、国家緊急権について議論を行いましたが、参議院らしい試みとして評価もございました。そのときの小坂会長の冒頭の発言は、私たちは、この未曽有の大災害で被災された方々のことを片時も忘れることなく、憲法について率直かつ建設的な議論を行っていきたいということでございました。今後も、この言葉の意味を確かめながら審査会を進めていく必要があると考えております。
そこで、加憲すべき新しい人権としてまず挙げられるのが環境権であります。
原発事故による放射能汚染の現状に鑑みれば、生存権との関係で環境権を考えるべきではないかと考えます。原発は国の重要施策であり、その事故による放射能汚染のために町や村が消滅の危機に瀕している。まさに国民の生存権が問われているという状況であります。
憲法の二十五条、全ての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有するとされますが、そこに健康が維持できる良好な環境の下で生活する権利と、それを保全する責任を加えてはどうかという考え方であります。新しい人権の一つである環境権及びその裏側としての環境保全の責任を追加しようという考え方であります。
ここでいう健康が維持できる良好な環境とは、権利の主体である個人の生活環境を意味しますけれども、その保全の責任は、現代世代の将来世代に対する責任までも含むものと考えます。
さらに、人間の生活環境のみならず、自然との共生も含んだ生態系全体にわたる環境を保全する責務も国に対して課す加憲も検討されるべきであると考えます。否、むしろ、環境権の対象は自然環境に限定をし、その保全回復を目的とすることで憲法上の権利の格上げができるとの学説も有力でございます。
東京電力福島第一原子力発電所事故以後の日本では、国が、現在及び将来の国民の健康で文化的な生活を確保するため、放射能汚染の除去、公害の防止、自然環境の保護及び整備、その他の環境の保全に努めなければならない責務があると言わざるを得ない状況にあります。もちろん、環境権は生成中の権利ではございますけれども、一方で、環境が破壊されていく現実と向き合うとき、構成され続ける権利として加憲の対象となり得ると考えます。
その他、新しい人権として加えていくべき人権にはプライバシー権や名誉権、さらには知る権利や生命倫理、犯罪被害者の権利や生涯学習権、裁判を受ける権利などの議論が党内においてなされていることを付しておきます。
以上でございます。

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