183-参-国土交通委員会-008号 2013年06月04日


2013年6月4日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
今、渡辺先生から海なし県の岐阜県ということでるるそれに基づいた御質問がございましたけれども、私の地元の埼玉県も海なし県でございまして、たまたま続いているわけでございますが、その分というか、利根川、荒川を始めといたしまして川の面積は日本一ということで、川の国埼玉というふうに言わせていただいているわけでございます。
今日は、この河川また水防法の改正に関することで御質問をさせていただきたいと思います。
まず、河川法の改正でありますけれども、今回の法案、法改正の第十五条の二のところには、河川管理施設の維持又は修繕ということで、その技術的基準その他の必要な事項は政令で定めるというふうに定めまして、その政令の中には点検に関する基準を含むものでなければならないと、こういうふうにしております。さきのこの委員会で道路法の改正がなされましたけれども、それと同様、この河川におきましてもいわゆる総点検ということをきちんと法的に位置付けているという意味では大変に歓迎すべきであるというふうに思っております。
そこで、さきの委員会で大臣からの御答弁で、総点検に関する三つの意義ということがおっしゃられました。とりわけ、大臣のお言葉を借りれば、非常に大きいと特に強調されました第三番目の意義、すなわち総点検したデータの蓄積によるフォローアップということについて今回の改正でどう盛り込まれているのか、確認をしたいと思います。この法十五条の二にある政令で定めるとされるその他必要な事項に入るのか、あるいは点検に関する基準にそうしたことも含まれるのか、これを国交省にお聞きしたいと思います。

○政府参考人(足立敏之君) 点検データの蓄積によるフォローアップということで御質問をいただきました。
今回の法改正で、政令に定める技術的基準につきましては、具体的な内容は今後の検討ということになるんですけれども、堤防、水門、堰、排水機場、ポンプ場ですね、こういったものの施設を対象とした点検の頻度、方法、点検結果の記録、点検結果を踏まえた適切な修繕の実施、こうしたものについて規定をするというふうに考えております。
これによりまして、御指摘の点検したデータを蓄積し修繕等に活用することにつきましても、その基準の方に盛り込むように検討を行っていきたいというふうに考えてございます。
以上でございます。

○西田実仁君 明確にお答えいただきましてありがとうございました。
昨年の七月でありましたけれども、九州の北部豪雨で河川が堤防決壊し、またはんらんが相次いだことを受けまして、国交省では全国の河川の堤防を緊急点検をされました。そうしましたところ、埼玉県と東京都を流れる荒川下流域で点検した左右両岸計四十五・二キロのうち、その七五%に当たる三十三・七キロで強度や高さが不足し、対策が必要というふうにされました。しかも、この両岸三十三・七キロのうち六・五キロはいわゆる浸透決壊というのが懸念されている地域であると。越水決壊よりも浸透決壊はよりその発生の確率が高いとされまして、対策は緊急を要するということでございました。
当時、太田大臣とともに、昨年の九月でありましたけれども、ここにいらっしゃる羽田、当時の国交大臣のところに私もこの件で申入れをさせていただいたということを大変よく覚えております。
この地域の、特に具体的には埼玉県戸田市から東京都板橋区に架かる笹目橋から東京湾までの二十八・八キロの区間で、浸透決壊のおそれがある堤防は笹目橋から十八・一キロ下流の堀切橋までの両岸に点在するというふうにも聞いております。
こうした緊急を大変要する箇所の対策の進捗、また今後の見通しにつきまして大臣にお聞きできればと思います。

○国務大臣(太田昭宏君) 昨年の七月の九州北部豪雨で矢部川の堤防が決壊すると、その中で、先ほども御報告しましたが、浸透破壊という現象が起きる。堤防がやられるという場合には、この浸透破壊と、一番多いのは越水、そして侵食と。越水と侵食と浸透破壊と、この三つが堤防がやられるということで、七月にそれが起きまして、直ちに羽田大臣の下で八月に全部調べて、調べた結果が九月に発表されて、私と西田さんで羽田大臣のところに申入れに行って、荒川は大丈夫かということで、是非とも対策をということを申し入れました。
そこで、現状を報告しますと、堤防への遮水シートの設置や、遮水の矢板の設置等の対策を行うということを決定しまして、予算のあるということで国交省として手を打っておりまして、そして、今年成立しました昨年度の補正予算及び今年度の予算等で対策はほぼ全部できるということまでこぎ着けてきております。
荒川は東京都心を貫流して、流域に東京の首都圏域を抱える非常に重要な水系でありますので、今後も引き続き堤防強化というものをやるとともに、全国的にもそうした手をしっかり打っていきたいというふうに思っているところでございます。

○西田実仁君 特に緊急を要するところについてはほぼ、昨年の羽田国交大臣の下、さらには今年度の予算等で手当てが打たれているということでございました。
この荒川においては、しかしながら、二百年に一度という確率の洪水に対する治水施設等の整備率はいまだ五割程度というふうに認識をしてございます。もちろん、地形等は異なりますので単純に比較は難しいわけですけれども、アメリカのミシシッピとか、あるいはイギリスのテムズ川とかに比べますと大変に遅れていると一般的に言われております。
前の政権においてダム検証等がございまして、いわゆる法律に裏付けられました河川の整備計画というのはまだ進んでございません。この政権におきましては、こうした法律に裏付けられました河川の整備計画についてどのように考えているのか、今後十年の間に荒川の治水施設等の整備率はどこまで引き上げるお考えなのか、そのお考えをお聞きしたいと思います。

○政府参考人(足立敏之君) 河川整備計画の策定についてお答えを申し上げます。
河川整備計画は、委員御指摘のとおり、河川の長期計画であります河川整備基本方針、これを踏まえまして、おおむね二十年から三十年の具体的な整備の内容等を河川法に基づいて定めるものでございます。現在、百九の一級水系の直轄管理区間のうち八十二の水系で河川整備計画を策定しておりまして、残りにつきましても鋭意策定に努めておるところでございます。
御指摘の荒川水系についてでございますけれども、平成十九年三月に河川整備基本方針を策定をいたしまして、平成二十一年九月からは御指摘のダム事業の検証が進められ、昨年の平成二十四年の十二月に荒川上流ダム再開発事業の中止という対応方針を決定をいたしてございます。これを受けまして、荒川水系の河川整備計画につきましては、こういったことを踏まえまして、現在治水対策の検討などを行ってございまして、できる限り速やかに策定の作業を進めていきたいというふうに考えてございます。
以上でございます。

○西田実仁君 このダム検証の対象になりました八ツ場ダムについてお聞きしたいと思いますが、埼玉はこの八ツ場ダムの完成を前提といたしまして利根川の暫定水利権というのを得ているわけであります。暫定でございますので、渇水の際には真っ先にそれは失われるというものでございますので、大変に関心を持って臨んでいるわけでありますけれども、この政権におきまして、八ツ場ダムの早期完成ということに懸けてのお考え、思いというのはどのようなものでしょうか。大臣にお聞きしたいと思います。

○国務大臣(太田昭宏君) 八ツ場ダムの建設事業につきましては、我が国の社会経済活動の中枢である首都圏を支える利根川水系の治水、利水において大きな役割を担う重要な事業であるというふうに認識をしております。
治水というのは、水系で見ようというのが基本的な考え方だというふうに思っております。それをコントロールしていく。以前もここでは川をなだめるというのが日本の河川工学の基本的な考え方であるということを申し上げましたが、川底を掘るか、川幅を広げるか、堤防を上げるか、遊水地を造るか、そして放水路という新たなものを造るか、そしてダムというものを適所に配置をするという、総合的な治水作業というもののトータルな形というものが治水の基本であるというふうに思っております。
八ツ場ダムにつきましては、平成二十三年の十二月に前田大臣によって、事業継続という判断を私は尊重するというふうに言っておりまして、その尊重というものの中で早期完成に向けて取組を進めるということを繰り返し記者会見等でも申し上げてまいりました。平成二十五年度予算、ここには本体工事の準備に必要な関連工事を進めるための予算としまして十八億円を計上しておりましたが、先月十五日の予算成立を受けまして関東地方整備局において手続が行われまして、五月十七日には一部の工事の入札公告が行われたところでございます。
今後の工程につきましては現在精査しているところでありますけれども、引き続き関係の一都五県とも緊密に連携しながら、一つ一つ着実に取組を進めてまいりたいと考えております。

○西田実仁君 着実な取組ということで、是非お願いしたいと思います。
次に、水防関係の御質問をさせていただきたいと思います。
先ほどの御質問にもありましたが、高齢者等の配慮を要する者が利用する施設についても、浸水想定区域におきましては、その避難の確保あるいは浸水防止の取組等が求められるというふうに今回法改正になりました。
先ほどの御質問に対しましては、国交省の方からは相談窓口を設けて様々な相談に応じていきたいというお話でございましたが、そもそも今も浸水想定区域というのはあるわけですから、そこにおける、そうした配慮を要する者が利用している施設における今回求めているような様々な避難確保あるいは浸水防止の取組は、現状どのぐらい整備されていると認識されているのか。それを受けて相談窓口が一番必要であるというお答えになったのか。そこをちょっと確認したいと思います。

○政府参考人(足立敏之君) 要配慮施設の現状につきまして、ちょっと手元には今資料を準備してございませんけれども、近年の水害、こうしたものを受けまして、現実に高齢者の入っていらっしゃる施設だとか病院だとか、そういった施設が大きな被害を受けてございます。
こういうような事態を考慮いたしまして、今回の法改正に当たりまして、地下街や大規模工場に加えまして、高齢者等の要配慮者の利用施設、これにつきまして自衛水防に関する規定を設けようというふうにしたところでございます。
国土交通省では、委員の御指摘も踏まえまして、先ほど御説明をした相談窓口のみならず、いろんな、ガイドラインを整備するだとか様々な手当てをして、そういったことがしっかり進められるように取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

○西田実仁君 是非、現状把握も含めてお願いしたいと思います。
埼玉の利根川の話ですが、昭和二十二年にカスリン台風というのがあって決壊をいたしまして、その地域は特に何度かそうした決壊がある、埼玉県の旧栗橋町の地域であります。そこの水防団員の方から聞いたお話でありますと、利根川は警戒水位の五メートルを超えますと出動するわけですけれども、昼夜分かたず警戒をして、夏などでは暑さと虫、あるいは睡魔と空腹の中で大変な思いをして警戒に当たっておられ、場合によっては二日も三日もなかなか帰れないというような状態にもなるというお話でありました。
先ほどもこれまた質問ございまして、水防団員の方々の処遇ということで一例としての取手市の条例を引かれて、火災よりも水害の方が多いというようなお答えになっていたと思いますけれども。私が聞いている話では、平均すると、もちろんこれは自治事務ですからそれぞれ違いますけれども、出動で二千六百円ぐらいとか、訓練でも二千八百円ぐらいというような話も聞いておりまして、いかにもこの処遇というのがその大変さにしては少な過ぎるんではないかというような思いが大変強くするわけでありますが、これについては先ほどお答えもございましたので、同じでしょうから聞きませんけれども、これをやっぱり改善していくために国としても何か努力をしなきゃいけないんじゃないかなというふうな思いがあります。
その上でお聞きしますけれども、この水防技術の伝承ということについて、かつては国交省の技術を持った職員の方がその水防技術等をかなり御教示いただいていたということですけれども、その人数がすごく削減されてしまって、今や消防署の職員の方が兼ねてこの水防技術についても伝承しているというケースが多いそうで、それだけ消防署の方の負担も増えているということでございます。現場で水防技術を伝承する人材が不足しているということでございまして、今後のことを考えますと、やはり水防技術を習得した一定の国交省の職員の方とかも確保していかなければ実際にはなかなか難しいじゃないかというような問題意識を持っておりますけれども、これについてはどうお考えでしょうか。

○副大臣(鶴保庸介君) これまた御指摘のとおりでございまして、私も先日、淀川の水防演習へ参加をさせていただきましたときに同じことを感じました。近畿地整、国交省の職員、また地域の水防団あるいは市職員、その他の地元自治体の職員の皆さんそれぞれがグループで、築堤といいますか、土のうを使った演習をするのでありますが、いろんな築堤のやり方を拝見させていただいて感心もしたんですけれども、素人の私から見ても、技術があるチームとそうでないチームは、失礼ながら、でき上がる時間も違えば出来栄えも違うというのを目の当たりにして、ああ、これはおっしゃるとおり、技術が習得されていない現状はなかなか憂慮すべきものがあるなというふうに感じた次第であります。
したがいましてというわけではありませんが、これまでも地方整備局において水防技術に精通した職員OBを水防専門家や防災エキスパートとして登録をさせていただいて、水防演習等の取組に指導的立場で参加をさせていただいておりますし、また加えて、毎年、出水期前に河川管理者や水防管理団体等の関係機関による水防連絡会や水防技術講習会の開催、重要水防箇所の合同巡視等の実施を通じて、現場職員の水防技術の向上に努めております。
今後とも、この取組を更にパワーアップさせていただきたいというふうに思います。

○西田実仁君 ありがとうございます。
最後に、今の申し上げた栗橋のところは、今、堤防強化事業というのがずっと進められておりまして、防災公園も造られることになってございます。しかし、今の水防技術の伝承ということを考えたときには、やはり実際に一年に一回の訓練だけではなくて、資器材が常に常備されていて演習がいつでも行えるような研修センターのようなものが、私はこういうまさにカスリン台風のあった地域であるからこそ必要だなというふうに、これは要望で申し上げておきますけれども。
消防には消防大学校というナショナルセンターがございますが、水防にはそうした国のナショナルセンター的なものはないんではないかと思っておりまして、こうした技術の伝承ということも含めて検討する余地があるんではないかなと思いますけれども、最後、大臣にお聞きしたいと思います。

○副大臣(鶴保庸介君) 御指摘をいただきました水防研修センターという、仮称でありますけれども、なるものができればという御指摘、考慮に値する大変前向きな御意見だろうというふうに思います。
ただ、水防に関しては、現状では、河川形状や流速の違い若しくは堤防整備の履歴等、河川ごとの状況がかなり違うということもあって、それぞれの特性に応じた河川整備が必要というふうに認識をしておりますので、この技術の集積という意味においては、ナショナルセンターなるものを今策定すると、つくっていくという考え方にはありません。
ただ、先生御指摘のように、様々な施設や整備やこういったものを集積をしていくという意味であるならば、我々は検討に値するものだというふうに思っております。前向きに検討させていただきたいと思います。

○西田実仁君 終わります。

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