183-参-国土交通委員会-006号 2013年05月28日


2013年5月28日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
早速でございますけれども、時間の限りもありますので、道路法の改正について御質問させていただきたいと思います。
今回の法改正の第四十二条でございますけれども、ここには、これまで定められていなかった道路の維持又は修繕に関する技術的基準の政令に、その基準の中に点検に関する基準というのも新たに含めてございます。これまでは、政令で定めるとされていながら、その政令そのものの中身がなかったというのがずっと続いてきたわけでございまして、私もかつて、もう六年前になりますが、平成十九年の委員会においてこのことを御質問した際には、政府答弁としては、個別具体の状況があって政令で画一的にはできない、あるいは政令に代わって道路の維持修繕管理要領で対応できるという答弁だったわけでございますけれども、今回それを変えて、点検も含めた基準並びに政令の中身そのものを詰めるということにした理由はどこにあるんでしょうか。

○政府参考人(前川秀和君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、道路の維持管理については、個別具体の道路の状況でありますとか、その地域の地形、気候等の問題を細かく考慮することが必要でございまして、一般的な法規範として定めにくいことから、これまで御指摘の政令は制定されておりませんでした。
しかしながら、道路構造物の老朽化の進行により、適切な維持管理をより徹底して確保することが喫緊の課題となっておりますし、これまで行ってきました道路構造物の管理を通じまして技術的な知見についてもある程度蓄積をされてきたというふうに考えております。このため、今回の道路法改正に伴いまして、これまで未制定の政令についても制定をしたいというふうに考えております。

○西田実仁君 そういう意味では大変に、定めるべきであると私は思っておりましたので、今回の法改正でそれがきちんと中身が詰まるということで歓迎をさせていただきたいと思います。
我が党は昨年、国会に、私自身が議案の提案者として防災・減災基本法というのをこの参議院に提出をさせていただいたわけでございますけれども、今回新たに点検ということを技術的基準の中に含めましてそれを定めるということになったわけでありますが、まさにこの総点検ということを重視し法定をするという我が党の議員立法になっておりました。それは、いわゆる無駄な公共事業をばらまくことにならない防波堤にするという意味でも総点検が必要であり、その上での本当に地域に根差した防災・減災投資をすべきであるという考え方からであります。
この総点検ということについては、イギリスあるいはアメリカにおきましても脆弱性の評価として既に幅広く実践されているというふうに仄聞をいたします。だとすれば、この総点検によって防災・減災対策を講じることは、先進国における世界標準ともいうべき一つのプロセスであるとも思いますけれども、この総点検ということに関する大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(太田昭宏君) 防災・減災ニューディールという、公明党が言っていることについては、西田先生と私がこの一年間ずっとやってきたことだと思います。
その中で、まず総点検ということを言った中には、御指摘もありましたが、幾つかの大きな柱があります。第一は、何といっても、総点検をして、危ないところ、緊急に手を打たなくちゃならないところを探し出していくということが一つ。二番目には、今ございましたように、無駄な公共事業ということにこれはしないということで、しっかり点検をしていくということが一つ。三番目に、これが非常に私は大きいと思うんですが、人間でいいますと一年に一回人間ドックを受けるというようなことで全部調べます。それをデータ化して、去年と今年はどういうふうに変わったかということが見られるようにコンピューターに入っているという、そして映像で画面で分かるというのが医者の最近のシステムでありますけれども、今度、その総点検をしたそこのデータをしっかり蓄積する。そして、そのやったデータというものを蓄積した中で、これから分析したりフォローアップをするということになっていく。そして、その亀裂の箇所等が年々どういうふうに拡大していくかというようなことで、これは危ない、修理というような段階になるということで、今までその辺のきめ細かなことがなかったというふうに思います。
そういう点では、総点検に今日三つ申し上げましたが大きな柱があって、これが全てにわたって先行することが大事だということで、六月までに全てについて緊急点検をする、来年の三月までに全ての総点検を完了する、こういうスケジュール感で今動いているところでございます。

○西田実仁君 今大臣から総点検に関する三つの意義ということについて御指摘をいただきました。現在また、イギリス、アメリカでも脆弱性評価ということで同様な点検が行われているということでございます。
さて、法案の第二十二条の二のところには、道路管理協定の締結という、新たに法律の中に新設されたところがございます。ここで、この法二十二条の二で言うところの道路の維持又は修繕に関する工事を行う者、すなわち維持修繕実施者ということでありますけれども、この維持修繕実施者ということは具体的にどのような者を想定されているのでしょうか。国交省にお聞きします。

○政府参考人(前川秀和君) 道路啓開を行うことは、東日本大震災発生直後も大変大きな役割を果たしたというふうに考えております。東日本大震災におきましては道路管理者と建設業者の間で協定を締結しておりまして、今回法律の改正によりまして、災害協定を法定化することによりまして、あらかじめ、災害発生後、個別の建設業者が道路管理者の承認がなくても直ちに道路啓開等の工事に着手することを可能にしたところでございます。
本制度の普及、活用を広く図ることによりまして、大規模災害時においてより一層迅速な道路啓開が行われるよう努めてまいりたいと考えております。

○西田実仁君 ここでお聞きしたいんですけれども、さきの委員会でも私からも質問させていただきましたが、今回の東日本大震災で道路の啓開に大変活躍をされたレッカーの業者の方々がいらっしゃいます。こうした被災車両の排除ということも、当然、この道路の維持又は修繕に関する工事ということに含まれるんではないかというふうに思われますけれども、鶴保副大臣はどのようにお考えでしょうか。

○副大臣(梶山弘志君) 担務ですので、私の方からお答えをさせていただきます。
被災車両の排除は、災害時において緊急車両の通行が可能となるよう道路としての機能の維持を図るものでありまして、今委員御指摘のレッカー事業者による被災車両の迅速な排除というものも、この改正案の第二十二条の二の道路の維持又は修理に関する工事ということに含まれると考えております。東日本大震災におきましては、道路管理者が関係機関と連携をして、建設業者とともに瓦れきのみならず被災車両の撤去も行ったところであります。
今回の道路法改正におきましては、迅速な道路啓開など円滑な道路管理を促進するために、道路管理者とレッカー事業者を含む民間の団体との協定制度を創設することとしております。このような制度の普及を図りまして、被災車両の撤去、災害時の迅速な対応に万全を期してまいる考えでございます。

○西田実仁君 御担当を間違えまして失礼いたしました。申し訳ございません。
今、政府におきましては、ナショナル・レジリエンス(防災・減災)懇談会におきまして、専門家による当面の対応ということが検討されているやに聞いております。そこでは、起こってはならない事態として四十五の事態を挙げ、それぞれの事態を回避するために必要な各省庁の施策のパッケージをプログラムとして整理をされておられます。
迅速な復旧復興のために起こってはならない事態の一つとして、道路啓開等の復旧復興を担う人材等の不足により復旧復興が大幅に遅れる事態というのを挙げておられると承知しております。この道路啓開等の復旧復興を担う人材というのは、いわゆる専門家、コーディネーター、あるいは労働者、そして地域に精通した技術者等であるというふうに思いますけれども、今回こうした起こってはならない事態を避けるためにも、この法案改正では道路管理協定の締結があるものと認識をしているところでございます。
そこでお聞きいたしますけれども、現在、政府におきましては、道路啓開等の復旧復興を担う人材等の育成にどのような手が打たれておられるのでしょうか。内閣官房の方にお聞きしたいと思います。

○政府参考人(澁谷和久君) お答えいたします。
本年の一月、内閣官房に国土強靱化推進室が設置されまして、防災・減災等に資する国土強靱化に向けた取組を進めておるところでございますが、その一環として、まさに先ほど御指摘がございました各省庁の取組を総点検するということで、脆弱性評価というものを今年の四月から一か月間、短い時間ではございますが実施をしたところでございます。
先生御指摘のとおり、起きてはならない事態というものを四十五、想定しておるわけでございます。五月二十日に国会に御提出いただいた防災・減災等に資する国土強靱化基本法案におきましても、特に人材についての脆弱性評価というものを実施するようにという、そういう御指摘もございますので、四十五のプログラムの中で、御指摘のとおり、起きてはならない事態の中に道路啓開等の復旧復興を担う人材等の不足により復旧復興が大幅に遅れる事態というものを想定をいたしまして、それに対処する各省庁の施策を点検したところでございます。
結果といたしましては、各省庁それぞれ取組はございますが、復旧復興を担う人材不足に対応する施策についてはまだまだ不十分ではないか、あるいは専門家、労働者等の人材の育成の視点に基づく横断的な取組が十分行われていないのではないかという評価結果を取りまとめたところでございます。今後、七月末を目途にいたしまして、関係省庁で対応方針を具体化させるということにしてございます。
今後、今回の脆弱性評価に対する対応方針も踏まえまして、人材の育成も含めた防災・減災等に資する国土強靱化の推進に向けて、政府横断的な取組を進めてまいる所存でございます。

○西田実仁君 ただいま御指摘をいただきまして、まだまだ人材の育成ということについては十分な取組がなされていないという、そういうことでございました。
そこで、大臣にお聞きしたいと思いますけれども、今、道路啓開だけではもちろんありませんけれども、復旧復興を担う人材の育成ということ、こうした人材育成こそ災害に強くてしなやかな国づくりには大変大事ではないかというふうに思われるわけでありますけれども、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

○国務大臣(太田昭宏君) 若い技術者、技能者が急速度に今、日本からいなくなってきているという深刻な事態だと思います。そのためには、先ほどもありましたが、この仕事は持続的に安定して行われるものだということを建設業界始めとする方たちが感じていただけるように、しっかり国としてはハンドリングをする。若い人が入ってくる、そこに誇りが持てるというような仕事をしっかりできるようにしていくと。
この間、渋谷で夜中に作業が行われて、朝一番でそのまま東横線等が走ったといいますが、私は、ああいうところに携わった人たちは恐らく、やったあというものがあるんだと思います。そして、それは何年も、俺はあの仕事を夜中にやり切ったぞというものがあると思います。
私も土木出身でありますけれども、そうした胸の中に誇りというものがあるということがすごく大事で、単なる公共事業、これ無駄はいけませんけれども、悪玉というようなレッテル張りをしていくと、人はだんだんだんだんいなくなるということだと思います。誇りを持たせる、そして同時に訓練的ないろんな作業をしていくために、育成する機関というもの、教育機関というものをしっかりバックアップしようと私は思っておりまして、そういう意味からいきますと、富士教育訓練センターのような、そうしたものをもっと活用していただけるようにということを大いに宣伝をしたいというふうに思っています。
なお、労務単価の引上げあるいは社会保険への加入、こうしたことは、若者にしっかり入っていただけるようにという、そうした思いがあるということで、今、建設業界の方たちにもその趣旨をよく理解するように、対応するようにということを指示しているところでございます。

○西田実仁君 大変に積極的な取組をしていただけるということで、ありがとうございます。
もうお昼になりましたので最後の質問にさせていただきたいと思いますけれども、先ほどの、被災車両の排除に努めてこられましたレッカーの方々が東日本大震災で経験したことをお聞きしますと、例えば、排除した被災車両をどこに置くかという置場が決まっていない、確保されていない、あるいは、その積載車あるいはレッカー車の支援車両はどこで待機するのかという待機場所も決まっていない、休憩地も当然確保されていないというような実態があったというように聞きました。
ほかの事業者の方々ももちろん同様だと思いますけれども、今後、例えば先ほど来から話になっている道路啓開等ということに絞って申し上げると、その迅速な復旧復興のためには、まず被災地と予測される地域の調査を行って、災害発生時に出動できる車両とか人員がどのぐらいあるのか、あるいは今申し上げたその置場あるいは待機場所等をどこにするのかといった迅速な復旧復興をスムーズに行うために、事前の調査というものをきちんとやはりしておかなければ、万が一のときに、結局その場対応、行ったとこ勝負というような感じになりかねないというふうに思います。
そういう事前調査についても早急にこれは予算化をして万が一に備えておく必要があるのではないかというふうに思いますけれども、いかがでございましょうか。

○国務大臣(太田昭宏君) 災害は現場で起きている、災害対策は実務であるということを私はたたき込まれてこれまで来ましたものですから、現場には思いも寄らないことがいっぱい起きます。そのときに、臨機応変に対応できるという、現場の指揮官が自分の意思でやるということが大事だと思いますけれども、今回の地震で、現場で、道路はこうだ、あるいは車はこっちに寄せていくべきだというようなことはなかなか通用しない、応援部隊が実際はなかなか入れないというようなことがあったんだと思います。そういうことから、今御指摘のように、改めて、活動拠点とか応援部隊はこうなるぞというようなことの協定を結んでおくということが大事だというふうに思います。
今回の道路法の改正では、国と県と市町村とNEXCO等の道路管理者間の協議会を設置、設立するということがそうした趣旨の一つの反映でございます。そして、民間事業者との間で事前の協定を締結することを新たに盛り込むということをさせていただいております。
今後は、道路管理者間の協議会で御指摘のあったような事項を検討するとともに、建設業者のみならず、レッカー事業者団体も含めて協定を締結することを検討したいと、私はこのように考えています。その検討に必要な予算を確保しながら事前の備えをしっかり進めたいと、このように考えております。

○西田実仁君 終わります。

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