郵政特・11号 2005-08-01


2005年8月1日

【質疑事項】
1.郵便局の存在意義と今後に期待することについて
2.郵便局ネットワークの維持のための財政基盤について
3.地域社会貢献基金について<>○西田まこと君 公明党の西田実仁でございます。
今日は大変に、4人の公述人の皆様にはお忙しいところ誠にありがとうございました。
まず始めに、先ほど坂下さん、また阿部さんの方から現場で働いている方々の大変な御苦労のお話がございまして、もちろん公社化する前から、また公社化してからも大変な御尽力、御努力をされて、地域に密着したいろんなサービスを、また情報拠点としても大変に貴重な存在になっておられるということがよく分かりました。
また、昨日は県内の2つの郵便局の方にもお邪魔させていただきまして、今現存しておりますこの全国津々浦々にある郵便局のネットワークがいかに貴重な国民の資産であるか、また地域の人々にとって大事なものであるかということが大変によく理解できたわけでありまして、私としては、今日御質問させていただきますが、こうした貴重な郵便局ネットワークを維持し、また発展をさせていくためにどうすることが大事なのかという問題意識を常に、今日来られている委員の方ももちろん共有して持っているわけでございまして、そうしたいろんな審議の過程で、1つは、それぞれの現場の方々の御苦労の積み上げとして全体の郵政公社の経営がどうなっているのかというお話を私どもも委員会で生田総裁からお聞きすることが度々あるわけであります。
生田総裁は、現状で確かに去年もおととしも黒字が郵便事業でも出ていると、皆さんが大変に御努力されて経営改革がなされてきているということを御指摘されつつも、この先行きはどうかということにつきましては、経営のトップである生田総裁自らは、このまま行けばやはり経営が先細りになってしまうのではないかということを大変に御懸念をされておられるわけであります。郵便事業が毎年毎年、ゆうパック等でいろいろとやっても2、3%ずつ減っていくと。郵便貯金の方につきましても資金量そのものが漸減、減っていく方向にあると。
この先細りにある郵政公社の経営をどうしたら立ち直らせるのか。それはすなわち、貴重な国民の資産である郵便局ネットワークをどうしたら維持し発展させていくことができるのかということで、総裁が中立的に御発言されていることは、1つは、今の公社法を抜本的に改正をしてほしい、してほしいというか、する、あるいは民営化、この2つしかないんじゃないかと、こういうふうに総裁がおっしゃっているわけであります。これは結局は、いろいろ違いはもちろんありますけれども、もっといろんな経営の自由度を与えてほしいと、こういうことを総裁はおっしゃっているんだというふうに私は理解しております。
そうした前提の上でまずお聞きしたいと思いますが、まず初めに坂下公述人、また阿部公述人にお聞きしたいと思います。
先ほど来ちょっとお話もございますけれども、今皆様が働きになっておられる現場の郵便局の存在意義と今後の郵便局に期待することということにつきまして、現場で働いていらっしゃる、またお客様と接しておられるおふた方にそれぞれお聞きしたいと思います。

○公述人(坂下尚登君) 存在、難しい。何と言って申し上げましたらいいでしょうか。
もちろんこれからも、簡易郵便局も含め全郵便局がもう今まであった我々の財産なわけでございますから、これは1個もなくすわけにはいかないという1つの存在ですね。
それから、今後の、今、生田総裁からのお話のことちょっと出ましたけれども、このどちらかなのかということだけじゃなくて、やはり根底には全国の地域サービスができる今の状態をやはり第1に、どうしたら残していけるのかということを前提に考えていければ、金融を最初に考えるという、金融と存続ということを一緒に考えているんだとは思うんですけれども、もちろんそうですけれども、それをユニバーサルサービス、地域住民への窓口サービスをなくさないでこの財産を生かして、そしてこれを維持していくために、じゃどういうことが必要かということを逆に発想の中で考えていただくということも1つの考えだと思いますけれども。金融を最初に考えるんじゃなくて、金融も大事ですよ、しかしそれがために、じゃ国民の財産をなくしていいのかと。これはとんでもない過ちになる可能性というのはないんでしょうか。
以上です。

○公述人(阿部美憲君) 存在意義という話ですが、やっぱり地域の皆さんのためというのがやっぱり1番にあるんだと思います。
例えばこれからの話なんですが、生田総裁が今お話しされているような何か内容のことをしゃべっているようなことらしいんですが、もしも民営化になった場合に、私どもでいえば多分窓口の会社になるのではないかと思うんですが、今まで公社として経営目標があって、それに対して一生懸命努力して営業等をしているわけですが、今度委託料をもらってやることになると、多分、人の仕事をやるということで責任感がどの程度、職員、私も含めてですが持っていけるのか。そういうことを考えると、気持ちが地域の皆さんのためというよりはもう自分のためというような形になっていくような感じもします。
今も確かに郵便局一杯あってあれなんですが、距離的にすると何か1.何キロに1軒とかという、1局とかというような話だったような気がしたんですが、やっぱり先ほどからしゃべっているとおり、本当に子供からお年寄りまで幅広く使うということ、使っていただいているということで、もう本当に地域に密着した形になっているというのが今の郵便局であると思いますので、今のまま残れば地域の皆さんにはすごくいいんじゃないかなと考えております。

○西田まこと君 今、阿部公述人の方からも、地域のために大変に御苦労されて、またいろんなお声掛けをしたりして喜ばれているという先ほどのお話もございました。こうした郵便局の役割は大変大きいということはもちろんよく理解しているつもりですが、やはりそれは今みたいに、お立場としては公務員というお立場でございますけれども、そういうやはり公務員というお立場でなければなかなかできないというふうに思われますでしょうか。阿部公述人にお聞きします。

○公述人(阿部美憲君) 難しい質問です。
公務員でなければできないかと言われれば、どうでしょう。ただ、やっぱり内容によっては公務員でなければできない仕事も取り扱っているのは事実だと思います。そこで、民営化になって公務員ではなくなるということになったときに、今までやってきた仕事に関してはどうなるのかという不安もあります。

○西田まこと君 続きまして、斎藤公述人にお聞きしたいと思います。
この東北地方というのは大変に地方銀行のパワーが強いところでありますし、地方銀行、昨年の数字ですけれども、地銀の上位3行の残高が郵便貯金よりも5割ぐらい上回っているということでありまして、大変に民間のパワーがあふれる地域であるというふうに認識しておるわけであります。この岩手県においてもその例外にはないわけでありますけれども。
そういう、これは地域によって随分違うと思います。郵貯の力が非常に強いところと地銀の力がこうやってパワーがあるところと様々だと思いますが、こうしたバックグラウンドの中で、同じ質問になりますが、郵便局に対する、郵便局の役割ですね、存在意義、現状での存在意義と、それからこの郵便局に対して今後期待されることを、商工業者のお立場、また銀行にお勤めになられていたということも含めて斎藤公述人にお聞きしたいと思います。

○公述人(斎藤育夫君) やっぱり、岩手の場合というよりも、山間へき地というか、地方の場合そういう場所が多いと思うんですね。ある程度人が住んでいるというか、人がたくさんいるところならば民間だけでよろしいんじゃないかなと、率直に言って。
ただ、今までもそうなんですが、地域銀行は地方銀行もあるし、信用金庫もあるし、それから郵便局もあるということで、巨大ではあるけれども、地域に限って言えば一緒にすみ分けしてやっておった感じがするわけですよ。だから、やっぱり民間ができぬ、民間がやりにくいところですね、そこは何とか工夫をして、急にもう郵便局の局舎というか建物要らなくなったからやめたということだと困ると思いますし、そういったようなところを工夫して配慮していただければいいのじゃないかなと思うわけです。都市部の場合は余り問題は、民営化によって余り問題はないと思うんですね。むしろ民間に任せてしまった方がよろしいんじゃないかなと思いますけれども、地方の場合はちょっといろいろ問題あるなという気はしておりますけれども。

○西田まこと君 藤原公述人にお聞きしたいと思いますが、今ある郵便局をなくさないでくれ、すべて残してくれというお声はもうたくさんあるし、我々もそういうお話を今日もお聞きしたわけでありますけれども、先ほど現場の坂下さんやまた阿部さんからもお話ありましたとおり、今既に不採算の地域、当然あるわけですよね。だけど、それを3事業一体で埋め合わせながら全国を維持してきているというスタイルになっているわけです。
この今ある郵便局すべてをそのまま残していこうということになれば、当然のことながら、それを支えていくための財政的な基盤というのが必要になってくると思いますね。昔、公社化以前は国税というか国が全部見ていた、公社化になりましてからは公社の収益で独立採算でやってきたと。といっても、それぞれ3事業あっても、先ほど来お話あったように、お1人で3役やったりとか、それぞれを分けてやっているというよりも、一体となってその全国の郵便局ネットワークを維持してきた。マクロの数字で言ってしまえば、誠に申し訳ないんですが、やはり郵便事業がなかなか、先ほどもお話、坂下さんからもお話ありましたけれども、郵便事業だけでは手数料を取れないという話ありました。それを郵便貯金やあるいは簡易保険の方で、公社一体として郵便局ネットワークを維持するための財政的基盤がそこに成り立っていたわけだと思うんです。
今後ですけれども、藤原公述人には今後についてお聞きしたいと思いますが、こうした全国の郵便局ネットワークを維持していくために、その財政的基盤、今後どこに求めていったらいいというふうにお考えになっていますでしょうか。

○公述人(藤原誠市君) 今のいろいろな問題は将来必ず起きる問題であって、必ず黒字、赤字の郵便局ができてしまうと。しかし、全部やめるわけにいかないということになれば、結局、何か中央に大きな組織をつくって、我々は互助会制度というものに実は入っているわけですが、そういうものを、全国組織ができると、そこへ郵便局なら郵便局が積み金をしていくわけですよ。年間どれだけの規模の人はどれだけということを積み金をして、例えばかなりの資金の、まあ一種の基金ですね、そういうものを用意しておかないとこれはやっていけないと思います。そして、何か弱い郵便局ができた場合は、それを発動して近くの郵便局に、まあはっきり言えば買収してもらうと。買収、合併という問題が起きてきますね。そういうような組織をつくって維持していくということは、1つ将来可能だと思いますね。
その代わり、そういう互助会制度がきちっとできるかどうか。これは、要するに今度の郵政民営化の1つの基本の、何といいますか、契約というのか、基本の1つの条項として最初から入れておかないと、後でできるかどうかは非常に疑問だと思いますが、そういうものが国の方で民営化するときにそこまで考えてやっていけるかどうかということがあると思いますが、やる方法はあると思います。
以上です。

○西田まこと君 今お話しいただいたことは、正にその地域社会貢献基金として今回の中に、まあその民営化ということを前提にして、その売却収入あるいは配当等、最大2兆までは積み立てていって、それを基金にしてネットワークを維持しようという仕組みを一応つくっているわけですね。これは、民営化を前提とした場合にそういうことが基金を積み立てる原資としてあるわけですけれども、これは今公述人がおっしゃったことに近いと言っていいんでしょうか。

○公述人(藤原誠市君) ただ、私から言わせると、それは邪道だと思いますよ。一応基金はその相互扶助の例えば組合のようなものですから、そっちの人たちがみんなでやっぱり積み立てていくということでなければ、民営化、本当の民営化とは言えないんじゃないですか。絶えず国がバックにいて、お金を出したから文句を言うというふうな、まあ、ある時期まではやむを得ないとしても、結局はそういうことはやめていかないと、どうも私とすれば、おんぶにだっこみたいなことをやっていくと民営化にならないんじゃないかという気はいたします。

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