186-参-予算委員会-006号 2014年03月04日


2014年3月4日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
いよいよ一週間後には三年目の三・一一を迎えることになります。被災されて犠牲になられた全ての方々の御冥福を改めてお祈り申し上げますとともに、今も大変不便な大変な生活を余儀なくされている方々が一日も早く元の生活を取り戻せるように、しっかりと頑張ってまいりたいと思います。復興につきましては、後ほど同僚の若松議員から中心的に質問をさせていただきます。
私の方からは、まず、さきの雪害の被害につきましてお尋ねをさせていただきたいと思います。
二月の十三、十四、十五と大変な雪が関東、また東北一円を襲いました。私の地元の埼玉におきましても大変な雪害に遭われている、特にハウス農家の方々が多くいらっしゃるわけであります。
私自身は、二月の十七日に埼玉県の本庄市のハウス農家の方々にたくさんお話をお聞かせいただきました。今、何とかもう一度ハウス農家を再開をしたいと、こういう二代目、三代目の方々が一生懸命取り組んでいるところでございますが、まずこの倒壊したハウスを撤去して、その後再建をするということで、まず撤去をしなければならないわけであります。
早速農水大臣の方で新たな様々な施策を打っていただいておりますけれども、今日はまずこの撤去あるいは再建ということについてお聞きしたいと思いますが、自力で撤去をする場合、この新たな経営体育成支援事業、この補助対象になるのかどうかということと、あわせまして、現地で今若い方々が特に言っておられるのは、ハウス農家で現金収入が既にもう途絶えてしまっている、蓄えもあるわけではないのでなかなか撤去費用を賄うのも大変であるということ。そして、そもそも撤去する事業者の方々もそう多くないものですからすぐには撤去がなかなか、待っていたら何年掛かるかもしれないという、こういう状況の中で、被災して生産ができない農家の方々が自分たちでグループとかあるいは組合とかをつくって仲間内の撤去をしたり、あるいは再建をみんなでし合ったりと、こういうようなことも知恵を出し合ってやろうというような声が出てきているわけであります。
こうしたことも今後、今の支援事業の中の対象に是非していただきたいという思いがあるわけでありますが、この自力撤去に補助が出るのかということと、こうした自分たちでグループ等をつくって撤去、再建ということに取り組んだ場合に支援の対象になるのかということについて農水大臣からお聞かせいただきたいと思います。

○国務大臣(林芳正君) この今回の豪雪による農業被害を受けられた農業者の方が、今まさに西田委員おっしゃっていただいたように、今後も継続していく、これをサポートしていけるように、ハウス等の撤去、再建に要する経費について、被災農業者向け経営体育成支援事業、これによる支援を行うことを先週決めさせていただきました。
昨日でございますが、第三回の農水省の本部を開きまして、追加対策を発表させていただきましたが、再建については国の補助率を十分の三から二分の一に引き上げまして、残りの部分に対する地方公共団体の補助に関して、その七割について特交措置を講ずることによって農業者の負担を最小化する仕組みをつくる、こういうことにいたしました。
また、撤去については、農業者の負担がないよう、地方負担を含めて十分の十相当の定額助成とすることとしたところであります。また、関連で環境省の事業で市がやっていただく場合には、元々市がやる事業ということもございますが、それを待たずに御自身でやられる場合もこういう十分の十相当の定額助成にしたと、こういうことでございます。
今お尋ねの、個々の被災農業者が実施する場合に加えて、共同でやられる場合、これも対象にするということにいたしました。
それから、自力撤去でございますが、助成でございますので基本的には外注分ということでございますが、撤去については、自力撤去、自身の労賃相当額、これにも定額助成を行うことにいたしました。

○西田実仁君 新しい施策を打っていただく、またこれからいろんなニーズが出てきたらそれに対応をお願いしたいと思います。
もう一つ、この再建に関して、二重ローンの問題が起きてくることが必至でございます。実は二年前に、野党の時代、自民党、公明党、そして与党の皆さんにも御協力いただいて東日本大震災事業者再生支援機構法というのが成立を見ました。あしたがちょうど設立して二年ということになるわけでございますが、ここで被災地として指定されている第二号指定のところというのは、実は今回の雪害に遭った地域とかなりの部分が重なるわけでございます。再建をするときにこの二重ローンの問題がどうしても起きてきてしまう。
是非、復興担当大臣、お願いしたいんですけれども、この機構法による支援の相談等は、是非今回の雪害についても、前回で二号指定を受けたところはそこでいろんな負担を負っているわけでありまして、その方々が更に今回雪害で大変な思いをしておりますので、相談等丁寧に対応いただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

○国務大臣(根本匠君) 東日本大震災事業者再生支援機構、今委員のお話のように、委員の強力な御尽力でつくっていただきましたが、私は、この支援機構、非常に二重ローン対策、効果的だと思っております。支援を行うに当たってはいろんな、幾つか要件がありますが、特に震災前の債務が収益力に対して過大な債務となったこと、こういう点が一つありますが、同機構の支援基準に照らして判断することになります。
例えば、今回の豪雪で、様々な例があろうかと思いますが、震災による被害を受けていた、ただ、自力で事業再建できると考えていて機構には相談していなかった、今回の豪雪被害により更なる被害を受けて自力での再建が困難となった農家などの例が考えられると思いますが、相談があった場合には、機構として事業者の状況をよく把握して丁寧に相談に応ずるなど、適切な対応を図っていくように指示していきたいと思います。

○西田実仁君 ありがとうございます。
次に、公文書管理法の改正につきましてお聞かせいただきたいと思います。
昨年の十月、我が党の山口代表、そして本年の一月には井上幹事長がそれぞれ衆参の本会議におきまして、国民の知る権利の保障、また政府の活動の透明性等を求める観点から、閣議あるいは閣僚懇談会、この議事録を作成し、公表する義務付けを行うべきである、そのための公文書管理法の改正を行うべきである、こういう提案をさせていただきましたところ、総理からは、政府部内で検討、調整の上、提出することとしたいと、こういう御答弁をいただきました。
その後の検討状況も含めまして、総理の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨年十月の参議院本会議におきまして、山口代表から、閣議の議事録の作成、公開のため公文書管理法の改正を行うべきとの前向きな御提案をいただきました。法律改正のポイントは、閣議議事録の作成を義務付け、その一方で、閣議議事録については三十年後に国立公文書館に移管し、一般の利用に供するため法律上の特例を設けるという点にありました。
これに関し、改めて政府部内で真摯に検討を重ねた結果、現在の閣議の在り方を前提とすれば、法律改正により三十年後に国立公文書館に移管するよりも現行法の下で速やかに公表することとした方が、閣議に関する透明性の向上や情報公開、国民への説明責任という観点でより望ましいのではないかという結論に至ったわけでございます。言わば、法改正によりますと三十年後に国立公文書館に移管するということになりますが、法改正によらずに運用でまいりますと速やかに公表が可能になるということでございまして、その結論に至ったわけでございます。
このため、現行の公文書管理法第四条の趣旨に基づきまして、閣議の議事録を作成、公表することを閣議決定することで対応したいと考えております。閣議の議事録については内閣制度が発足した明治以来作成されてこなかったところでありますが、憲政史上初めての取組として、今後この方針を閣議決定した上で、平成二十六年度から、すなわち本年四月一日の閣議、閣僚懇談会から議事録を作成、公表することといたしまして、公文書管理法や情報公開法にのっとり、しっかりと対応していく考えでございます。

○西田実仁君 ただいま総理からは、日本国におきましては、明治政府以来行われてこなかった閣議あるいは閣僚懇談会の議事録を作成し、またそれを公表することを義務付けるという御答弁をいただきました。
今の御答弁は、法改正によらず閣議決定によりまして対応をするということになるわけでございますが、そういたしますと、この安倍政権が永遠に続くわけではございませんので、次のあるいは将来の内閣を、それを拘束を、決定していただいても拘束を本当にするのかどうか、法改正によらず閣議決定によってこの閣議あるいは閣僚懇談会の議事録が作成、公表の義務付けが今後もずっと続くのかどうか、この点につきましてお聞きしたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げましたように、先ほど申し上げた方針につきましては、閣議決定した上で二十六年度、すなわち今年の四月一日から公表することといたしますが、この閣議決定が将来の内閣を拘束するかどうかということでございますが、閣議議事録の作成については、公文書管理法第四条の趣旨を踏まえて閣議決定で基本方針を定めるものでありまして、その効力はその後の内閣にも及ぶというのが原則でございます。仮に、将来の内閣がこの閣議決定を改め運用の見直しを行おうとする場合には、国民に対する相応の説明責任を果たすことが強く求められることから、事実上拘束されることになると考えております。
いずれにいたしましても、今回、公明党の山口代表が閣議議事録問題を提起をされまして、井上幹事長を始め皆様が、西田委員を始め皆様が後押しをされたことによって、閣議や閣僚懇談会の議事録については作成、公表に向けて大きく前進をした、歴史的な一歩を刻むことになったと、このように思います。

○西田実仁君 今総理からも大変大事な御答弁をいただきました。憲政史上初となる閣議議事録の作成、公開に公文書管理法の四条の趣旨を踏まえて踏み切っていただくということでございます。
今御答弁にありましたけれども、あくまでも現在の閣議の在り方というものを前提とした場合の措置としてお話をいただきました。今、国会改革等、御議論されております。今後、閣議の在り方が変わっていったときには同様にこの情報公開の在り方につきましてもより充実させるように変えていくべきではないかと思いますけれども、御見解をお伺いします。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の対応は、現在の閣議の在り方を前提に真摯な検討を行った結果、明治以来作成されてこなかった閣議の議事録について憲政史上初めて作成をし、速やかに公表を行うこととしたものであります。
現在、国会改革等の議論が行われているところでありまして、今後、国会改革が実現をし、そして閣議の在り方、態様も変わることとなれば、議事録の在り方についても見直しが行われることはあり得ると考えています。
いずれにいたしましても、閣議の在り方については、今後、国会改革がどのように実現されるかなどの大きな状況変化を見つつ、不断に検討していく課題であると認識をしております。

○西田実仁君 閣議につきましては、内閣法において「閣議は、内閣総理大臣がこれを主宰する。」と、こう定めてあるだけで、それ以外のことはこれまで長年の慣行によってきたということでございますので、今お話がありましたように、この閣議の在り方を変えていくときには内閣法の改正ということも視野に入れなければならないのではないかというふうに思っております。
もう一つお聞きしたいと思いますけれども、この公文書管理法の第四条には、閣議に加えまして、関係の閣僚会議、あるいは省議、あるいはそれに準ずる会議等もその議事録等を作成する作成義務ということが行政機関の職員には課せられているという法文になっているわけでございますけれども、この閣議や閣僚懇談会以外の閣僚会議等についてはどのように取り組んでいかれるおつもりなのか、お聞かせいただきたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 閣僚会議等につきましては、御承知のように大変数多く存在するわけでございまして、それに加えまして、設置根拠や運用も異なるという事情もございます。そのため、公文書管理を担当する稲田大臣の下で、現状を調査をした上で、公文書管理法第四条の趣旨に基づきまして、今回の閣議、閣僚懇談会に関する対応を踏まえた必要な措置を検討いただくこととしております。

○西田実仁君 公文書管理法には、先ほど申し上げましたように、閣議、閣僚懇談会以外の省議、あるいは閣僚会議等も文書作成義務が定められておりますので、是非そうした重要な行政文書の管理についても情報公開をお願いしたいと思います。
閣議あるいは閣僚懇談会のことを、今回、議事録を作成して公表するということを閣議で決めていただけるということでございますけれども、その最終の形がまさに閣議や閣僚懇談会になるわけでありますが、それに至るまさにプロセス、議論のプロセス、その結論を得たプロセスというのは、省議であったり、あるいは関係閣僚会議であったりするわけでありますから、そこのところの情報公開をするということが国民の知る権利を保障していくという点でも大変大事になってくるというふうに思いますので、是非お取組方をお願い申し上げたいと思います。
次に、武器輸出管理の新たな三原則につきましてお聞かせいただきたいと思います。
本年一月の三十日、参議院の本会議におきまして、山口代表の質問に対しまして総理は、武器輸出三原則が果たしてきた一定の役割に配意して、輸出管理の三原則を見直すと御答弁をなさいました。総理の言われるこの一定の役割というものはどういうものなのか、お聞かせいただきたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 武器輸出三原則等につきましては、国連憲章を遵守するとの平和国家としての基本理念を維持しつつ、国際社会の平和と安定に貢献をしていく中において一定の役割を果たしてきたと考えております。具体的に申し上げますと、我が国が武器輸出三原則等を掲げまして、また平和主義の理念を掲げてきたことが国際平和協力や軍縮・不拡散の分野においてリーダーシップを発揮をし、他国の信頼や尊敬を得る上でこれまで果たしてきた役割というものに十分配意する必要があると考えております。
昨年策定いたしました国家安全保障戦略においては、与党間の議論も踏まえまして、国際協調主義に基づく積極的平和主義の観点から、武器等の海外移転に関し新たな安全保障環境に適合する明確な原則を定めることとしているところでございます。
新たな原則については現在検討中でございますが、その策定に当たっては、武器輸出三原則等がこれまで果たしてきた役割にも十分配意した上で、また、これまで個別の官房長官談話等により二十一件の例外化措置を講じてきましたが、これらの経緯についても適切に整理をしながら十分な検討、調整を行い、具体的に定めていく方針でございます。
いずれにいたしましても、国連憲章を遵守するという平和国家としての基本理念は維持していく考えであります。

○西田実仁君 これまで政府は、今お話がありましたこの武器輸出に関しましては二十一の例外というのがあったわけで、昭和五十八年以来、二十一件あるというふうに承知しております。その例外化のたびに官房長官談話というのが発せられておりまして、(資料提示)そこに、最後のところに必ず決まった文言が載っておりまして、それは、国際紛争等を助長することを回避するという武器輸出三原則によって立つ平和国家としての基本理念は確保されるということで、ここに掲げさせていただきました、国際紛争等を助長することを回避するという基本理念を維持すると、こういう趣旨の談話が必ず発せられてきたわけでありまして、まさにこれまで果たしてきた武器輸出三原則の役割というのはこれなんだろうというふうに、私自身、率直に思うわけでございます。
また、こうした回避する役割を日本が果たしてきたからこそ、先ほど総理からもお話がございましたが、今国会に提出をされておりますATT、武器貿易条約、通常兵器の取引を規制するとか、あるいはクラスター弾の禁止条約、あるいは対人地雷の禁止条約、こういったことが、日本がリードできる、そういう平和国家としての国際社会における確固たる地位を占めてきたんだろうと思います。
こうした日本の役割というのはこれからも維持されていくべきと考えますけれども、総理、いかがでございましょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員が御指摘をされました、我が国は、武器貿易条約に関しては共同提案国の一つとしてこの条約の交渉と採択に主導的な役割を果たしております。早期の条約締結を目指すとともに、全ての未締結国に対して早期の署名及び締結を働きかけていく考えであります。また、我が国は、クラスター弾条約と対人地雷禁止条約をいち早く締結をいたしまして、不発弾の除去、被害者支援などの被害国に対する支援にも積極的に取り組んでいるところでございます。
こうした我が国の取組は、国連憲章を遵守する平和国家としての基本理念に立脚したものでありまして、我が国の取組は国際社会からも高い評価を得ているところでございます。政府としては、国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、今後ともこれらの分野において国際社会をリードしていく考えでございます。

○西田実仁君 この新たな三原則においては、最終的には個別の厳格な審査によって輸出を許可するかどうかということが決定をされる、判断されるというふうに承知をしております。
その際、この個別の審査において、その情報公開の在り方、なぜこの個別の審査を通って輸出を許可されたのか、その件数とかあるいは分野とか、許可するに至った判断の理由とか、こうしたことを是非情報公開をしていくべきである、可能な限り公開していくべきであるというふうに考えますけれども、この個別の審査の情報公開の在り方について、総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 武器等の海外移転に関する新たな原則については、与党間の議論も踏まえまして、国際協調主義に基づく積極的平和主義の観点から、新たな安全保障環境に適合する明確なものとするべく現在検討を進めているところでございます。
その策定に当たりましては、武器輸出三原則等がこれまで果たしてきた役割、先ほど申し上げましたが、そうした役割も十分配意した上におきまして、まず武器の移転を認め得る場合を適切な形で限定をしていきます。そして、移転を認め得る場合であっても、移転先の適切性や安全保障上の懸念等を厳格に個別審査をしていきます。さらには、目的外使用や第三国移転についても適正に管理をしていく考えであります。
政府としては、こうした考えの下、十分な検討そして調整を行いまして新たな原則を具体的に定めていく方針でございますが、御指摘の個別審査に関わる情報公開の在り方につきましては、私たちは大変重視をしておりますが、少なくとも従来のように個別に例外化措置を講じてきた場合に比べて透明性に欠けることがあってはならないと考えています。
そして次に、十分な説明責任を果たすとの観点から、決定内容の明確化、透明化を確保していくべく、与党とも御相談をさせていただきまして、適切に検討をしていく考えであります。

○西田実仁君 今総理からは、従来よりも透明性に欠けることはないと、より透明にしていくというお話をいただきました。ありがとうございます。
続きまして、海上保安業務のアジア連携についてお聞かせいただきたいと思います。
先月の二月の二十四日になると思いますけれども、海上保安大学校におきましてアジア海上保安初級幹部研修の修了式が行われました。余り聞き慣れない研修でございますけれども、いつから、どのような目的でこういう研修がなされてきたのか、また投入されている国費というのはどのようなものなのか、これを海上保安庁長官からお聞かせいただきたいと思います。

○政府参考人(佐藤雄二君) 海上保安庁では、一九六〇年代以降順次、航行安全や人命救助、災害対応、海賊対処などの海上保安に関する様々な分野におきまして、アジア各国等の海上保安能力の向上に寄与してまいりました。
アジア海上保安初級幹部研修は、アジア各国との連携協力の一環としまして、各国海上保安機関の合意の下、能力向上を目的としまして、平成二十三年度より公益財団法人海上保安協会に協力して実施しております。三年間で四か国十八名の修了者を輩出しており、各国から高い評価を得ております。

○西田実仁君 続けて長官にお聞きしますけれども、今回参加された方々の研修生からどんな声があったのか、また、先ほどお答えいただいておりませんが、国費は幾ら投入されているのか、この二つをお聞かせいただきたいと思います。

○政府参考人(佐藤雄二君) 諸外国の研修生は、本研修を通じまして海上保安能力の向上に必要な知識を得たことに加えて、日本の文化や習慣にも慣れ親しみ、互いに連携協力して海上保安業務を遂行していくとの認識を持って帰国の途に就いております。ある研修生は、海洋における問題は国際法にのっとり解決することが重要であるという認識に変わったという感想を述べておりました。また、他の研修生も、海はつながっているからこそ一国だけではなく各国の海上保安機関が連携協力し共通認識を育んでいくことの重要性を学んだという感想を述べておりました。
また、先ほどのありました研修運営に係る具体的な費用でございますが、実施主体であります公益財団法人海上保安協会の平成二十五年度事業費は約六千万円でございます。

○西田実仁君 お答えいただいていませんが、国費は出ていないということなんですね。
それで、ちょっと同じような研修ですが、もっと長い歴史を持っている防衛省防衛研究所の留学生受入れについてお聞かせいただきたいと思います。
この防研では、古くは昭和三十年代から外国の軍や国防省の幹部を留学生として受け入れる一般課程という研修があると承知しております。同研修を終えたいわゆる知日派の方々が果たしてきた日本と各国をつなぐ橋渡し役としての役割について、防衛大臣にお聞かせいただきたいと思います。

○国務大臣(小野寺五典君) 防衛研究所の一般課程は、将来、自衛隊の高級幹部となる、ふさわしい隊員を対象に実施される約十か月間の教育課程であります。防衛省では、外国人留学生の受入れによる留学生との交流は、日本人学生への教育効果が期待できるだけでなく、我が国と留学生派遣国との間の相互理解や信頼関係を増進させる上で大きな意義を持つと思っております。
防衛研究所の一般課程では、現在、五か国計七名の留学生を受け入れております。昭和五十六年からの受入れ留学生の累計は十四か国約百八十人に上ります。当該課程を修了した者の中には、将官に昇進し、本国で重要な役割を担ったり、日本におきまして在京武官として我が国に赴任するというような、我が国との橋渡し役をしている者が多数おります。
また、同じように、防衛大学校でも現在、九か国約百二十二名の留学生を受け入れております。昭和三十三年から受入れ留学生の累計は十六か国約六百五十人に上りまして、現在、例えばタイにおいては、大将、中将級が防衛大学校卒業生で出ております。
先般も、私、タイに行ったときにはこの卒業生とともに会談をし、これ日本語であります、そして、我が国の防衛幹部がそれぞれの任国に行くときは防衛大学校卒業生とともに同窓会を行い、そこでは日本語でカラオケを歌うと、こういうことで、今でも大変重要な役割を担っていると思っております。

○西田実仁君 防衛研究所、防衛省におきましては、そうした長きにわたる人事交流によってかなり成果を上げているというお話でございました。
その前の、海上保安庁におきましても、三年間という、まだ始めて三年ではありますけれども、海をまさに法の支配によってそれを貫徹させていくという、そういうことをきちんと理解するアジアの留学生が増えていると、こういう話でございました。今年九月には海上保安庁では十回目となるアジア長官級会合が開催されると聞いておりますが、その主要なテーマとして人材育成というのが掲げられていると聞いております。アジア各国の海上保安機関同士の連携を担う人材育成として、先ほど御説明いただきましたアジア海上保安初級幹部研修、今後も更に充実をしていくべきであると私は考えております。
是非太田大臣には、国費の投入も含めまして積極的な推進をお願いしたいと思いますが、その御決意をお聞かせください。

○国務大臣(太田昭宏君) 先ほど海上保安庁長官からもお話をさせていただきましたが、一九六〇年代からやってきた上に立って、この三年、特に人材を育てるということ、交流を図ることというのを重点にやってきたところであります。
極めてアジアの航行の安全や海難救助、環境保全、海賊対処、様々な意味での海上保安能力の向上は不可欠であるというふうに思います。各国海上保安機関の能力向上に貢献して、海上保安庁との連携協力関係を構築することは極めて有効であるという認識をしております。
今後、各国海上保安機関の更なる能力向上を目指し、より専門的で、より高度な知識を習得していただき、各国間の緊密な連携を確保するための人材育成を始めとすることが重要であるという認識の上で、支援策の充実に取り組みたいと思います。

○西田実仁君 是非これは、大変重要な事業であると思いますので、財団による拠出金ではなくて、国費でしっかりとこうした人材育成を行っていくことが必要ではないかということをお訴えさせていただきたいと思います。
このテーマについて総理に最後お聞きしたいと思いますが、総理は常々、アジアの海をオープンかつ法の支配が貫徹する海にしなければならないと言われております。これまで述べてまいりましたこの海保のアジア海上保安初級幹部研修のような人材育成、またアジア各国とのもうちょっと高いレベルでの人的な交流、あるいは共同訓練、こういった交流促進に更に力を入れていくべきではないかと思っておりますけれども、総理の御所見を伺います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま委員が御認識を示されたとおり、力ではなく、航行の自由、法の支配といった基本ルールに基づく開かれた、そして安定した海洋の維持発展は、我が国の平和と繁栄の基礎であります。同時に、国際公共財として世界の平和と繁栄の基盤でもある重要なものであるというふうに認識をしております。
アジアの海をより開かれ、安定したものとするためには、自衛隊による海洋安全保障協力に加えまして、議員の御指摘のようなアジア諸国の海上保安機関の職員に対する研修実施等による人材育成への協力、そして各国海上保安機関との共同訓練の実施、こうしたことによって、言わば海の安全そして安定を守っていく執行機関の人々がお互いに認識を共有し、そして交流関係を深めていくことによって対話のチャンネルがそれぞれのレベルで確保されていくことにもつながっていくんだろうと、このように思います。
海上保安分野での交流を促進し、引き続き我が国と戦略的利害を共有するパートナーとの協力関係を強化していく考えであります。

○西田実仁君 ありがとうございます。
ちょっと時間が迫っていますので、一つ問題を飛ばさせていただきまして、昨年被害が最大になりました特殊詐欺被害についてお聞かせいただきたいと思います。
今日テレビで御覧いただいている方の多くも、大変に、もしかしたら被害に遭った、あるいは遭いかかった方もいらっしゃるかもしれません。いわゆる振り込め詐欺、振り込まない振り込め詐欺というのもあるようですけれども、あるいはオレオレ詐欺といった特殊詐欺被害、これが昨年過去最大、最悪の四百八十七億円という被害額に上ったというふうに聞いております。
なぜかくも被害が増えているのか、最近増えている手口はどういうものがあるのか、またその未然防止策は何か、この新年度の予算に盛り込まれた施策も含めて、それぞれお聞かせをいただければと思います。

○国務大臣(古屋圭司君) 委員御指摘のように、オレオレ詐欺、振り込め詐欺、いわゆる特殊詐欺ですね、四百八十七億円、過去最悪です。やはり高齢者がその被害に遭うのが多いんですね。それから、一回の被害額が高額化しています。
警察では、だまされたふり捜査と、これ結構効果がありますので、こういった捜査をして、できるだけ検挙のために捜査を進めていますし、また一方では、電話とか郵便、宅配便、私設の私書箱とか貯金口座が悪用されていますので、こういったサービスを提供する事業者にも働きかけて、監督官庁と連携をして対策に取り組んでいます。
さらには、やはり被害防止のためには、まず犯人から押収をいたしました名簿に載っていた方に直接警察から電話をして個別に注意を喚起をする、こんな対策。それから、やはり家族とか地域のきずなにより高齢者を守っていくということは大切なので、警察からも、自治会とか老人クラブとか、こういったところにしっかりそういった取組をするようにしています。
しかし、警察の取締りだけではやはり限界ありますので、政府挙げての取組はもちろんのこと、やはり国民の理解と協力というのが不可欠だというふうに思います。この特殊詐欺犯罪の撲滅に向けて、我々警察としても全力を挙げて取り組んでいきたいと思っています。

○西田実仁君 この後、消費者担当の森大臣にもお答えいただきますけれども、いずれの詐欺も出発点は一本の電話であるということは間違いないんだろうと思うわけであります。電話番号は恐らく名簿業者から入手をして、そうした犯罪者がそれを利用している。俗にカモリストなどとも呼ばれる詐欺に掛かりやすいリストが出回っているとも聞くわけでございまして、しかしながら、この名簿業者を監督する官庁というのが今ないわけであります。これは是非改善すべきではないかということと、先ほどの未然防止策とかも含めて、森大臣からお答えいただきたいと思います。

○国務大臣(森まさこ君) 世界でも類を見ない高齢化社会に突き進んでいる我が国で、高齢者人口の伸び以上にこの高齢者被害が増加をしておりまして、一人当たりの被害金額も消費者被害の中で上位を占めております。
これは、個人の被害だけでなく、国家として見ましても、高齢者が持っている資産が悪徳業者に行けば、それは税も掛かりませんし海外に流出をしてしまうというわけでございまして、しっかり取り組んでまいりたいわけでございますが、劇場型勧誘でやるので、こちらも劇場型には劇場型をということで、老人会等に消費者相談員が行って劇をしてその再現をするなどの取組を促しておりますが、こういった地方の取組のために、これまで補正で積み増し積み増しされておりました地方の消費者行政活性化基金を当初で組みまして、しかも、高齢者被害へ取り組む場合には裏負担なしという措置をしまして、地方自治体のインセンティブを付けまして、この高齢者被害撲滅に向けて消費者庁頑張っております。また、高齢者の皆様にも人気な松平健さんや八代亜紀さんが協力をしていただきまして、未然奉行として様々な広報キャンペーンをしております。
今御指摘あったように、一本の電話からということで、この広報の中でも注意を喚起をしているんですけれども、定期的な電話による見守り、今御指摘がありました被害者リスト、これはカモリストとして犯罪者の中にも出回っているわけでございます。こういったものを執行等で入手した場合に、被害者にアクセスして二重被害を防止していくということもいたしております。これ、はやりがございまして、振り込め詐欺と簡単にくくっておりますけれども、その中身は様々なものがありまして、やはり社会的に立派な肩書をお持ちの方が退職をした後被害に遭うということも多いわけでございます。
消費者庁では、こういったことを地域の見守りでなくしていこうということで、法案も準備をしております。すなわち、福祉施設の皆様、商店街の皆様、金融機関の皆様が、高齢者本人への呼びかけではなかなか防止をできないこういった被害を見守りネットワークによって、先ほどのような消費者被害者のリストを利用してやっていけないかということで法案を準備しておりますが、その中でも、このリストについては個人情報でございますので、個人情報保護法の問題がございます。
今御指摘のように、個人情報保護法は、個人情報保護法上の監督権限を行使するといういわゆる主務大臣制を採用しておりますが、いわゆる名簿業者については特定の官庁が一律に所管しているわけではございませんので、その取り扱う個人情報の種類に応じて主務大臣が決まることになっております。昨年十二月に決定をさせていただきましたパーソナルデータの利活用に関する制度見直し方針において、現行の主務大臣制の機能を踏まえつつ、分野横断的に指揮監督権限を行使する第三者機関としての体制を整備することが示されましたので、引き続き、内閣官房と連携しつつ検討してまいりたいと思います。

○西田実仁君 自分だけは大丈夫だろうというふうに思って被害に遭ってしまう方が多いんですね。実は私も、我が家も、十数年前ですけれども、危うくこの被害に遭いかけたことがございまして、自分だけは大丈夫だと思っても必ず、そうはなかなかならない、実際には自分が引っかかってしまうということがありますので、何か変だなと思ったらやっぱりいろんな人に相談するということがすごく大事なんだろうというふうに思うわけであります。この高齢者の方を狙った犯罪が大変に多いという中で、その被害者の方々が相談できる体制をどうつくっていくのかということも大事だろうというふうに思います。
法テラスというのがございます。この法テラスの運営を定めた総合法律支援法という法律には、高齢者や障害者に対する特段の配慮をしなければならないということが条文で定められてございます。この特段の配慮ということについては、既に法務省としても随分といろんなことをやっていただいているんだろうというふうに思いますけれども、それについてお聞かせいただきたいのが、簡潔にお願いしたいのが一つと。
それから、この法テラスを利用する場合、無料の法律相談というのがありますけれども、代理援助とかあるいは書類の作成援助とか、この民事法律援助を受ける際の資力要件というのがございます。資産がどのぐらいあるかとか預金がどのぐらいあるかとか、こういうことでありますけれども、この資力要件ということに対しては、高齢者とかあるいは障害者の方々に対してはこの総合法律支援法で定める特段の配慮ということが特になくて、健常者と全く同じ資力基準、資力要件というふうになっているわけでございます。やはりここは、例えば高齢者の方々であれば、将来のことを考えて様々現役の世代とは違う形での貯蓄とかが必要な場合もありましょうし、また、障害をお持ちの方におきましても同様にそうした将来のことを備えてということもあろうかと思います。特段の配慮がそこも必要ではないかということをまとめて法務大臣にお聞かせいただき、終わりたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) 法テラス、今の御議論のような特殊詐欺に掛かった高齢者に特化した仕組みを持っているわけではありませんが、委員がおっしゃった法の精神に従いますと、高齢者の中には、自分が法的な被害に遭ったとか法的な問題に関わっているんだという、そういうことも十分認識できない方もいらっしゃる。そうなると、当然、相談して援助を求めようということにもならないわけですので、福祉機関などと連携しながらそういう方たちをサポートする体制をつくってやっております。
今の特殊詐欺に関して具体例を申し上げますと、ある御老人、少し認知能力が劣っておられる方で、前からどうもこういう被害に掛かっていたんじゃないかと。ところが、あるとき、クレジットカード会社の会社員を名のる男から、あんた被害受けたんだろうと、その被害回復のための手数料を、回復してやるから手数料を払ってくれと現金を要求された事案がございまして、法テラスでは、消費生活センターと連携しまして、民事法律補助の枠組みの中で相談に乗って被害の拡大を防ぐとともに、損害金の一部を回収するという、こういった例もございます。
だから、今後ともこういうところは力を入れていかなきゃいけないと思いますが、ただ、今おっしゃった、確かに資力要件というものがあるわけですね。それで、高齢者については、認知能力は劣ってもかなり資産は持っておられるという方もいらっしゃるわけです。ただ、そういう方をどこまでの範囲で国費によって資力要件を外してバックアップできるかというと、ここはなかなか、財務大臣との御相談ももちろんないわけじゃないんですが、どこまで国民の理解を得られるかという問題もあろうかと思います。そういった点もいろいろ今後よく見ていきたいと思っております。

○西田実仁君 終わります。

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