186-参-憲法審査会-001号 2014年02月26日


2014年2月26日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
この参議院の憲法審査会というのは、参議院憲法調査会の報告書を踏まえまして、衆議院とは異なる、独自性ある議論を行うことを旨として運営されてまいりました。
一昨年の常会では、「東日本大震災と憲法」、人権、統治機構、国家緊急権が、昨年の常会では、「二院制」、「新しい人権」がテーマとされてまいりました。この憲法審査会の設置以降、国民投票法の整備、投票権年齢、公務員の政治的行為の制限等が喫緊の課題とされる中、安倍内閣の下で憲法上の論点は、九十六条改正と立憲主義、特定秘密保護法と知る権利、集団的自衛権と平和主義等、広がりを見せております。東日本大震災と原発事故からの復興も道半ばであり、今日、憲法とは何かが改めて問われる状況となっております。
また、昨年は参議院選挙でメンバーも大きく替わっていることからも、憲法論の原点を再確認する必要があると思われます。毎年初回の憲法審査会は、そうした意味で、憲法とは何かという問いから始めるのが良いのではないかと考えております。
憲法の骨格を成す恒久平和主義、基本的人権の尊重、国民主権の三原則は人類の英知というべき優れた普遍の原理であり、平和、人権、民主の憲法精神を国民生活と日本社会の隅々まで定着させ、開花させる闘いに全力を尽くすというのが公明党の基本的立場であります。
憲法改正については、現憲法は優れた憲法であり、平和、人権、民主の憲法三原則を堅持しつつ、環境権など、時代の進展に伴い提起されている新たな理念を加えて補強する加憲が最も現実的で妥当であるとの考えであります。
民主主義国家の憲法は、国家のためにあるのではなく、国民の幸福追求のためにあります。また、人権保障の拡大と国民主権の徹底は民主主義国家の歴史の流れでもあります。したがって、憲法改正の視点は、国民の幸福追求のための人権保障の拡大と国民主権の徹底でなければならないと考えます。加憲が最も現実的で妥当であると考えるのはそのためであります。
国民主権に基づく国民の代表機関で国権の最高機関とされる国会は、本来、政府と官が法を誠実に遵守するよう見張る立場にあり、とりわけ政府から距離を置くことができる参議院は監視を行うにふさわしいと考えます。
二院制の在り方については、参議院に行政監視院を置くという構想も主張されたことがあり、参議院の行政監視機能の強化は二院制支持者の共通の認識となっております。さきの参院選後、衆参において与党が過半数の議席を占めていることからも、対政府という観点の重要性を意識する必要があると考えます。
また、良識の府である参議院では、公共の利益の実現を超党派で目指すよう努力すべきであるとも考えます。特に、行政の組織、人事に対する統制という観点、政府と官僚機構をつくる衆議院、それを監視する参議院という観点は重要であり、この観点での参議院の役割論を深めるべきと考えております。
参議院の行政監視機能強化と併せて、参議院の決算重視も語られております。ただ、決算審議の目的は予算審議へのフィードバックであり、予算審議と決算審議は本来一連一体のものとして行われるべきであることから、衆議院は予算、参議院は決算を単純に徹底すべきではないと考えております。衆参それぞれの特徴に応じた審議をする前提で参議院の決算重視の内容を考えるべきであり、年金制度、特別会計制度等、数年度にわたる長期的検討を要する事項に重点を置いた審議を行うべきではないかと考えております。
我が国政治、行政の根本問題として、真の意味での政治主導をいかにつくるかということが挙げられます。その象徴ともいうべき委任立法の増大に歯止めを掛ける必要があると考えます。特定秘密保護法の問題でも政令で定める旨の規定が多用されておりまして、法の運用が官僚に丸投げされれば、権限濫用により不当逮捕等、重大、深刻な人権侵害を引き起こすおそれがございます。同法の民主的で公正な運用を確保するためには、とりわけ官僚機構に対する国会の監視が重要であり、委任政令を適切に統制する方法を考える必要があると思います。
この点、信州大学の田中祥貴准教授は、参議院の憲法保障機能という新たな視点から、災害対策基本法第百九条第四項にある議会拒否権制度の拡大を提唱しており、注目されます。国会でもこれを研究すべきではないかと考えます。
中央防災会議・防災対策推進検討会議最終報告は、自然災害による国家的な緊急事態への対応の在り方について憲法審査会でも議論をされるよう求めております。首都直下地震など巨大災害の発生に迅速に対応するためには、国会の開会中でも行政府の権限、緊急政令を広範に認める必要がある場合が考えられますが、これは立法府と行政府の関係の根幹、三権分立の在り方が問われる憲法問題となるからであります。一昨年、「東日本大震災と憲法」をテーマとした参議院憲法審査会にふさわしい問題と考えます。ここでも人権保障のために行政をどのように統制していくかが問題の本質であり、議会拒否権制度をどう組み込むか、最重要の論点となると考えます。
以上でございます。

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