185-参-災害対策特別委員会-006号 2013年11月27日


2013年11月27日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
今日は、お三方、大変にお忙しい中、ありがとうございます。
では、逆に根本参考人からお聞きをして、たくさんしゃべっていただければと思いますが、御提言の中で、特にPPP、PFIというところでユニバーサルテスティングを導入ということが御提言なさっておられます。
今のお話にもちょっと関連する話だと思いますが、たしかイギリスではこうしたことを導入されているんだろうと思いますが、この御説明が今ありませんでしたので、先ほどの十五分の中では時間がありませんでしたので、今後やはり国土を強靱化していくというときに、こうしたPPPあるいはPFIの導入というのは、法案の中にも明記してございますけれども、大変大事な視点であると思います。その際に、このユニバーサルテスティングをいかに日本に導入していくのか、その課題ということも含めまして、イギリスの事例も引きながらお話をいただければと思います。

○参考人(根本祐二君) ありがとうございます。
先ほど、日本の将来、今あるものを維持するだけで年間八・一兆円必要だと申し上げました。これが現状の公的資本形成に比べると四割大きいというふうに申し上げました。今、既に更新をしているものも一割ぐらいあるとすると、四割ではなくて三割ぐらい不足しているということになるんですけれども、これを三割が不足していると考えるのではなくて三〇%生産性を上げていくというふうに考えれば、これは民間の知恵を入れれば三〇%の生産性向上というのは夢ではないと思っております。
そして、夢を現実にするために様々な民間の活動、民間から提案をいただいて大いに活躍をしていただくということが必要だと思うんですけれども、現状のPFIの制度というのは、基本的には、政府、地方自治体も含めてですけれども、公務員がこれをPFIにするということを決めることができるんですね。民間の方が得意だからPFIを導入するにもかかわらず、不得意な人が決めるというところにすごく矛盾がありまして、これはとても民間でもできないのになというものがPFIになったり、あるいは、これはもう民間でも十分にできるよというものが公共事業になったりということが起きております。
これは日本だけではございませんで、英国では一九九二年にPFI法を施行しているんですけれども、最初にやはりそれを役人が決めることによって、広がらないのではないかと、特に地方自治体の場合にそういう懸念がありましたので、最初にこのユニバーサルテスティングというのを導入をいたしました。これはどういうものかといいますと、公共事業を実施する場合には、まずPFIで実施できるかどうかを検証、検討すると。それによって、公共事業の方がいいよとなった場合に初めて公共事業に予算が付くという仕組みであります。
したがって、非常に厳しいものでございまして、全件このテストを掛けるということになりますので、イギリスの公務員の民間への意識というのが非常に高まったというメリットの反面、手続が非常に煩瑣だということで、結果的には二年間でこの措置は終わっております。ただし、その二年間の間に、民間ならこういうことをやるんだなということを全ての公務員が知ることができたという、短期間に意識が浸透したということで、もうこれからは必要ないでしょうということで、制度ではなくて意識の改革が進んだ中で対応しているというのが英国の歴史だと思います。その後、政権が何回か交代するわけですけれども、イギリスのPFIはより大きな概念であるPPPに変化をしていきまして、経済政策の柱としての位置付けは全く変わっておりません。
特に、今イギリスの財務省の中にPPPの、今はPPPと言っておりますが、推進組織ができております。ここが旗を振って、大いに民間を活用しようじゃないかということを言っているんですけれども、その組織の名称が実はインフラストラクチャーUKと言っているんですね。目的はPPPやPFIではないと、これはあくまでも手段だと、真の目的はインフラをしっかり整備していくんだと。これはソフトなインフラも入っておりますけれども、それを前面に出しまして、このインフラストラクチャーUKというところが民間の力を活用しながら、活用できない場合には公共事業も使いながら費用対効果を上げていくという進め方をしております。
ということですので、ここにはユニバーサルテスティングだけを書きましたけれども、インフラストラクチャーUKのような推進組織を強力につくって、そこが自治体の方を応援をしていくという体制も必要ではないかというふうに考えております。

○西田実仁君 ありがとうございます。大変に参考になりました。
続きまして、中林参考人にお伺いをしたいと思います。
資料の中にございましたが、広域巨大災害時に被災自治体の支援格差をなくすのは支援力、受援力、調整力というお話の中で、国における支援調整システムの構築という御指摘がございました。
私は、これはお聞きしてすぐ思いましたのは、災害対策基本法における災害緊急事態という規定がございますが、これが発令されないという問題を想起をいたしました。
大変、首都直下とか、あるいは南海トラフとか、巨大な地震災害が起きたときに、例えば供給制約を課していく、あるいは価格統制をしていくという規定がありますけれども、なかなかこの今の災対法の、基本法の下では国会が開会中等であれば発令はできないという規定になっていることで、三・一一もこれは発動されませんでしたけれども、しかし大変、それだけの大きな規模の災害ということであれば、なかなか国会で法律を作っているいとまがそもそもないから緊急事態なわけでありまして、仮に国会が開いていたとしても、そうした国による支援調整ということでの発動をされるように改正をしていくべきではないか。政令を定めて政府が行うわけですけれども、その後、国会の方できちんと、それをやめることも、拒否することもできる、そういう立て付けにこの災対法はなっているわけでありますから、そういう改正も含めて、国の支援調整ということで今の法体系も含めた何か変更をすべき点があるのではないかという視点で先生の御意見をお聞きしたいと思います。

○参考人(中林一樹君) 国が調整するべきことというのは多岐にわたると思うんですけれども、一つは、国でしかできないことというのは確実にやっていただかないと困りますので、それは災害対策基本法等の改定も含めて、どういう運用をするかということをしっかりと国会でも議論をすべきだと思います。その一つが今の物価の統制ですとか、言わば国内の総防災資源をどう活用するかということについては、個別調整ではなくて、国としての調整が必要になるのが巨大災害だと思っております。
ですから、ガソリンの問題、それから生活物資の問題、食料の問題、様々あろうかと思いますけれども、それらをうまく活用していくための調整力と、これはもう国以外ではできないと。ですから、国が各産業、業界も含めて統制していくような仕組みという、統制というか、一定期間調整をしていく仕組みというのが大事だと思っています。
それからもう一つ、人間にかかわる支援というのが東日本では大きな課題になりました。それは特に自治体とか被災地を様々な形で応援するための、物的な応援以上に人的な支援、応援というのが大事になりました。今回、東日本では、知事会を通して県がとか、市長会を通して市がという形での様々な取組を調整しようとしたんですが、とても時間が掛かるということで、協定に基づく個別の支援その他が活動してしまったということですが、先ほども申しましたように、巨大災害では個別では被災地に格差が広がるだけになるであろうというふうに考えております。
したがいまして、四十七の都道府県、そのうちの半分、二十が被災地に入りますと、残り二十七の資源をどう配分するかですが、これをきちんと国として調整することが必要で、今回行われていますけれども、県と市町村がペアを組んで応援に行くということで、県の調整が、その管内といいましょうか、領域の中にある市町村の人的資源も含めて応援に行く、そういう体制がきちんと取れるような仕組みを改めてつくっておくべきだと思います。知事会その他との連携も必要だと思いますけれども、国としての総合調整をする場というのが大事だと思います。
それからもう一点、巨大災害になるとこれまで以上に海外からの応援がたくさん来ると思います。この海外からの応援をきちんと国としてやるべき体制が必要だと思っております。海外というとどうしても外務省になるんですけれども、外務省に災害の専門家がいるとは思っておりませんので、やはり災害が分かる、応援が分かるところで応援をする。そういう機関は内閣府かもしれません。あるいは、外郭ですと世界に一番通じているのはJICAなんですね。このJICAの力をもう少し有効に使うようなことも含めて、海外との応援も調整できるような仕組みをつくっていくことが大事だと思っております。

○西田実仁君 ありがとうございます。
最後に、大石参考人にお聞きしたいと思います。
財務省の財政審分科会が十月二十一日にペーパーを出して、社会資本をめぐる現状と課題という論点のペーパーが出されました。この貫く考え方は、先ほども少し出ておりましたが、人口が減っていく時代に社会資本に回す予算は削減してしかるべきであると、こういう考え方が全体を貫いていたのではないかというふうに思いますが、これについて、大石参考人、相当の反論があろうかと思いますので、御意見をお聞きしたいと思います。

○参考人(大石久和君) 財政が厳しいのはどこの国も同じでありまして、先ほど御紹介しましたオバマ大統領は、先ほども言いましたように、財政デフォルトの危機に一回臨んだわけですよね。それでも十一月八日に、やはりアメリカの経済を成長させ競争力を付けるためには道路、橋というようなことを言っておられるわけですね。
各国とも財政が厳しい中で、先ほども御紹介しましたように、フランスが一万一千キロからの高速道路、ドイツも一万三千キロからの高速道路造りに力を入れているのは、それは経済の競争力と経済成長のエンジンの一つだからですよね。だから、エンジンの一つを止める議論をして、なぜこの国の経済が成長するのかということについては、まず一番の疑問であります。各国首脳が示している競争と成長のツールであるという認識がこのペーパーの中には、私は感じられない。
したがって、この中には、我が国の道路がこれぐらいでき上がってきたとかいう数量は示されておりますけれども、各国がその間どの程度伸びたのかというのが全く示されておりません。したがって、私たちの国のポジションがこれでは分からない、私たちの国民が競争している相手とイコールな条件に置かれているのかどうかがよく分からないというのが疑問の一つであります。
それからもう一つは、先ほどのGDPの定義式でも示しましたように、公共事業、公的固定資本形成はGDPの重要な構成要素の一つであります。これが半減することによってGDPの伸びを抑えてきたことは間違いありません。GDPの伸びがなければ税収は伸びないのは、これは確実であります。これはもう絶対の真理と言ってもいいほどの確実であります。
したがって、GDPが伸びないと駄目。この公的固定資本形成費を下げるのであればどうやってGDPを上げるということをお考えで、そして、財政の側から見たら入りを増やすということについてどうお考えなのか、このペーパーでは全く見えてこないというようなことがございます。
私は、最大の問題は、今これだけ半減してきた公共事業にメスを当てるのか。御紹介しましたように、年間三十兆から四十兆も赤字特例公債が増えていっている、その状況は今後、高齢化の進展とともにますます激しくなる可能性があるわけですよね。そこのところから目を背けさせてしまう、国民の目を。そういう効果を持ってしまうところが最大の問題ではないか、このように思います。

○西田実仁君 ありがとうございました。
以上です。

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