185-参-財政金融委員会-004号 2013年11月21日


2013年11月21日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
今日は四人の参考人の皆様方、大変お忙しい中、ありがとうございます。
まず、私からは今回の行政処分につきましての受け止めを改めてお聞きしたいと思います。
提携ローンにおきまして多数の反社会的勢力との取引が存在することを把握していながら、二年以上も反社勢力との取引の防止、解消のための抜本的な対応を行っていなかったこと、また、その情報が当初は担当役員止まりと言いながら、実はトップにまで伝わっていたということ、こうしたことに対して行政処分がされたわけでありますけれども、佐藤参考人にこの受け止めをもう一度お聞きしたいと思います。

○参考人(佐藤康博君) お答え申し上げたいと思います。
ただいま御指摘いただきました点につきましては、心からおわびを申し上げたいと思います。御指摘いただきましたように、二年間、オリコの提携ローンという形の中で反社との取引が残ったままになっていたという点について深く反省いたしたいと思います。
原因につきましては、幾つかあるというふうに認識してございますが、先ほど来議論がございますような自行債権としての認識の浅さということがこの対応を遅らせている一つの大きなベースになっているだろうというふうに考えてございます。
あわせまして、オリコを持分法会社にするときに、みずほの銀行並みの反社チェックのレベルにオリコを合わせていかなければいけないという認識で検討を進めた経緯は確かにございましたけれども、それが途中で中途半端になりまして、これを代位弁済という形ではなくて、オリコに事後的に私どもの反社データを渡して二度と同じ人と反復継続の取引はさせないというところまでは対応いたしたわけでございますが、もう一歩進んで代位弁済をさせるということにまでは至らなかった点について、これはやはり認識の不足であったというふうに深く反省するところでございます。
また、金融庁検査におきまして事実と違う報告をしていたということは、これは金融機関としてはあるまじき状況でございまして、この原因を第三者委員会も含めまして、私を委員長といたします私どもの行内の調査委員会も含めまして徹底的に調べさせていただきましたが、この原因は、その担当者の一年ぐらいは本当に報告していなかったという、その既成概念の中で十分チェックすることなく報告をしてしまったということが原因でございまして、これはやはりその上司も含めて重要な情報の再鑑、再チェック機能というものが機能していなかったということで、組織の問題として対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。
以上、お答え申し上げました。

○西田実仁君 今のお答えでは、自行債権としての認識不足、また反社に対する対応のまずさということを挙げられました。
本当にそうなのかというふうに疑問に思うことも実はありまして、まず、みずほ銀行は三行が合併しました。旧第一勧業銀行、富士銀行、そして日本興業銀行。それぞれにおいて、三行とも過去、いわゆる公知情報となるような総会屋との取引あるいは巨額な不正融資等々について全く問題がなかったのかといえば、ありました。そうした三行が合併するに際して、そうした反社あるいは反社的な取引のチェックというものはどのようになされたのか。普通は、合併する際というのは全ての融資、ローンについて綿密にチェックをして、そして反社勢力との取引があるかどうかを認知するかしないかということを判断するはずでございます。これについてはどうでしょうか。

○参考人(佐藤康博君) 私ども、三行合併いたしましたのが二〇〇二年の四月でございますけれども、その当時のことについて申し上げますと、それぞれの銀行のそれぞれの共通の部署で一年半にわたって合併の準備を期間を設けてすり合わせを行ってきているわけでございます。したがいまして、コンプライアンスの分野、今御指摘いただきました反社との取引という観点においても、今ここで全部を確認したということではございませんけれども、それぞれのコンプライアンス統括部が集まってお互いの持っている反社との取引あるいは反社情報等についてのすり合わせを行った上で二〇〇二年の四月の合併に至っているというふうに私自身理解してございます。

○西田実仁君 全ての融資についてそうしたことをチェックしたということでよろしいんですね。

○参考人(佐藤康博君) 私の理解としては、そうでございます。

○西田実仁君 過去のことを申しても恐縮ですが、戦後間もなく、勧業銀行というのは宝くじ販売というのをずっと行っておりまして、よく言われることでありますが、宝くじ販売に際して、やはりあの、今でもそうですけれども、小さな建物の中で大変巨額なお金が取引をされるということもあって、その安全を守るためにそれなりの、その地域の人たちとの身の安全を守るための関係というものができたんではないかというようなことが言われますけれども、そのことは今も引き続いていることはないですね。

○参考人(佐藤康博君) 私の認識といたしましては、そういう観点で例えば反社的な取引先と関係があるということにはなっていないというふうに思っております。

○西田実仁君 それはもう全てを確認しているんでしょうか。

○参考人(佐藤康博君) 今宝くじという個別のお話について、この売場、例えばある都市での売場、特定の売場でそういう反社との取引関係がないかどうかということについて今ここの段階で全て確認しているわけではございません。

○西田実仁君 先ほどもお話がございましたし、衆議院でも佐藤参考人から、反社勢力への融資が銀行本体としても残念ながらあるという話がございました。当然、融資があるわけですから口座もあるわけでありますけれども、そうした反社勢力と今分かった口座については全て凍結をしているということでしょうか。

○参考人(佐藤康博君) お答えを申し上げます。
事後に反社として判明した取引先につきましては、暴排条項があるものにつきましてはその取引の解消に向けまして、これは融資だけではなくて、例えば貸金庫あるいは定期預金といったものも含めまして、暴排条項の適用される取引につきましては解消に向けて警察御当局とも相談しながら鋭意進めているところでございます。
ただ、暴排条項がない取引もございますので、それにつきましては管理リストとして別建てにして管理をして、ほかの一般債権とは別に何らかの事象が生じた場合に解消に向かえるような、そういった特別の管理をしているところでございます。
以上でございます。

○西田実仁君 預金口座を凍結しているということではないんですね。

○参考人(佐藤康博君) 全ての預金口座を凍結しているということではございません。

○西田実仁君 反社取引ということが分かった預金口座は凍結しているんですか。

○参考人(佐藤康博君) それにつきましても、警察御当局と御相談しながら、できるものはやってございますけれども、全てが完全に即座に預金口座が閉鎖されるということになっているということではございません。

○西田実仁君 ということは、今後も取引が続くということでしょうか。

○参考人(佐藤康博君) なるべく早く解消するという努力は続けるものの、取引は続くという可能性がございます。

○西田実仁君 二〇一一年の七月にアメリカのオバマ大統領が、初の国際組織犯罪に関する戦略を発表されまして、日本のやくざ、暴力団を薬物取引や人身売買に関与する国境横断的犯罪組織に指定して、金融制裁を科す大統領令に署名しました。その結果、アメリカ内にあります日本の暴力団組織の資産は凍結をされているという、こういうアメリカ政府による状況がございます。
今、当然御行もアメリカで取引をされていると思いますけれども、こうした特にメガバンクに対する資金の融通、あるいは移転がなされているんではないかという、一部に、大変アメリカに懸念があるということは私も報道等で承知しておるわけでありますが、今現在アメリカにおきましては凍結している口座、どのぐらいあるんでしょうか。

○参考人(佐藤康博君) 基本的にはないと思っておりますけれども、今全部チェックしてお答えしているわけではございませんので、正確なお答えにはなりませんが、基本的にはそういった取引はないだろうというふうに思ってございます。

○西田実仁君 調べればあるかないか分かるんですか。

○参考人(佐藤康博君) きちっと調べれば分かると思います。

○西田実仁君 では、これは是非きちっと調べていただいて、疑念を払っていただくことが大事であるというふうに思います。
次に、今回は信販を通じた取引についての反社勢力との関係ということが問題になりました。しかし、自動車ローンですから、額としては小口の融資ということになるんだろうと思います。問題は大口の融資でありまして、FX取引とか株式売買とか、あるいは不動産取引というのが大きな取引になります。
そこで、お聞きしたいんでありますけれども、みずほ銀行には勧業銀行系列の不動産担保ローン、これを行っている会社がございますね、歴史のある、御社から社長も送り込まれていると思います。こうした信販会社を通じた自動車ローンに比べますとはるかに高額となります不動産担保融資に、特に御行の関連のところにそうした反社取引がないかどうか確認をしたいと思います。

○参考人(佐藤康博君) 今回の事態を踏まえまして、私どもの方でこういった取引関係を全て洗いました。一つは、この反社の取引の情報の伝達について組織管理上の問題がないかどうかをチェックいたしまして、これはないということを申し上げられると思います。もう一つは、この提携ローン以外で、いわゆる与信取引として今明らかになっているもの以外の新しいものがあるかどうかもチェックさせていただきましたが、そういったものはないということを調査の結果として受け取っております。
以上でございます。

○西田実仁君 そうしますと、この不動産担保ローンについては全てチェックをされて、一切反社取引はないと。今後、いろんな金融庁の検査も入ると思いますけれども、そう言い切るということでよろしいんですね。

○参考人(佐藤康博君) 今お答え申し上げましたことは、新たなというふうに申し上げましたけれども、先ほど申し上げましたように、入口の段階で、不動産担保ローンで反社の取引が入ってくるということはこれからもございませんけれども、後で反社になったものについては、先ほどお答え申し上げました管理債権として管理していくということになりますので、それらも含めてゼロということになっているということではないと思います。

○西田実仁君 どのぐらいあるんですか。

○参考人(佐藤康博君) 金額等については今手元に持っておりませんし、また金額ということになりますと多少センシティブな情報になりますので、お答えは差し控えさせていただきたいというふうに思います。

○西田実仁君 全て把握しているということでよろしいんでしょうか。

○参考人(佐藤康博君) 把握はしてございます。

○西田実仁君 こうした不動産担保ローンについては、いわゆる暴排条項なるものは全て入っているんでしょうか。

○参考人(佐藤康博君) 基本的には二〇〇九年の段階で取引の暴排条項は入れることになりましたので、これよりも前の取引があれば入っていないものもあるかもしれませんけれども、それ以降の取引であれば暴排条項は基本的に入っていると認識してございます。

○西田実仁君 次に、全銀協の國部参考人にお聞きしたいと思いますが、ついこの間も、銀行業界大変に高収益で業務純益もリーマン・ショック前を回復しているという、そういう発表がございました。
これはいつか質問も出たかもしれませんけれども、日本証券業協会の方には口座開設の際に反社取引を確認する警察庁との連携システムというのが既に構築されているということでありますけれども、全銀協の方が今いろいろとそれを導入するための準備をしているということでございます。法人格の問題でありますとか、あるいは証券口座に比べますと大変取引の数が膨大であるということとか、様々なかなか連携システムをつくる困難があるということは漏れ伝わってきておりますけれども、こうしたことを乗り越えて今後どう構築されていくのか、また今どういう協議をされておられるのか、それについてお聞きしたいと思います。

○参考人(國部毅君) お答えさせていただきます。
私どもとしては、この警察庁のデータベースとの接続ということが、やはり暴力団員や暴力団関係企業に関するより精度の高い情報を得る手段として大変有用であるというふうに思っておりまして、警察庁、そして金融庁とともに接続に向けた協議を行っているところでございます。
先生御指摘のとおり、私どもとしては是非接続したいと考えているわけでございますけれども、クリアしなければいけない課題もまだございます。一つは、やはり情報管理に関する問題、そしてもう一つは、銀行取引に即した実効的なチェック体制の整備、これがつくれるかということでございます。例えば、警察庁のデータベースに接続をいたしましても、全ての取引が反社会的勢力と自動的に判別できるものではなくて、場合によっては最終的に個別に確認をする必要がございます。そうなりますと、例えば各県の県警の方に照会をしていく形になるわけですが、先生御認識いただいているとおり、銀行取引は大変大量のトランザクションがございますので、そのいわゆる確認の取引フローをどう確保するかとか、そういった観点がいわゆるクリアすべき課題でございます。
今その解決に向けまして、警察庁、金融庁、そして私ども全銀協、協議を進めているところでございます。
以上、お答え申し上げました。

○西田実仁君 先ほど大塚議員からも御指摘がございました点でありますけれども、この反社取引という形態と、それから犯罪収益を取引の過程で動かしていくということと、なかなか峻別というか難しいところが確かにあるんだろうというふうに私も思っております。
特に、先ほど佐藤参考人からお話がございました銀行本体でも後で発覚した反社取引というのは今も存続をしていると。そういうケースは、是非聞いてみたいと思いますけれども、実は借りたお金をちゃんと返しているケースが多いんじゃないかと。つまり取引そのものから見れば、滞っているというようなことがあればすぐに何らかの手が打てるにしても、きちんと返済されているというのが圧倒的に多いんじゃないかと思いますけれども、どうでしょう。

○参考人(佐藤康博君) 基本的にはきちんと利息も元本もお支払いいただいているケースの方が多いのではないかというふうに思います。御指摘のとおりです。

○西田実仁君 そういうことからも、なかなか排除をしていく、もちろん、だからといって排除しないということでは当然ないとは思いますけれども、よりその困難があるのは事実じゃないかというふうに私も思っております。
そこで、今日は四人の参考人の方にお越しいただいておりますので、最後に、共通した今の大きなテーマでありますけれども、犯罪収益ということを厳格に取り締まるということと、反社取引を排除していくということと、特に犯罪収益そのものを取り締まって、そこの犯罪収益がマーケットを利用してより肥えていくということがあっては絶対ならないわけでありますけれども、そうした反社取引ということと、犯罪収益そのものを厳格に取り締まるということと、この関係につきまして御意見なりありましたら、國部参考人からお一人ずつお願いして、私の質問は終わりたいと思います。

○参考人(國部毅君) 私どもとしては、反社会的勢力の排除ということと、この犯罪収益を、改正犯罪収益移転法というのができましたけれども、これにのっとってしっかりと取り組んでいくというのは、共に大事な取組だと思っております。
特に犯収法につきましては、本年四月に改正犯収法が施行をされまして、口座開設等の取引において、従来お客様の本人確認ということがあったわけですが、それに加えて取引目的であるとか職業、事業内容等々の確認が義務付けられておりますので、各傘下金融機関しっかりと取り組んでいるところでございます。
以上でございます。

○参考人(佐藤康博君) 私どもの銀行といたしましても、ただいま國部参考人が申し上げましたとおり、新しい犯収法の規定の中でしっかりと取り組んでいくべく体制を整備しているところでございます。しっかりとやってまいりたいと思っております。

○参考人(稲野和利君) 反社会的勢力との取引に関しては、まず口座開設時において悉皆的にチェックして未然防止に努めるということであります。あるいはさらに、既存口座がそう判明した場合は解消に努めていくということでありますけれども、犯罪収益に関して申し上げれば、もちろん反社会的勢力そのものが実名においてそのような行為を行っているということもありましょうが、現実の事例としては架空ですとか借名といった形、あるいは取引の態様においても様々な形態がありますので、この点についてはチェックのためのガイドラインが存在しておりますので、きちんとそういった点に照らしながら個々の取引をチェックしていきたいということであります。

○参考人(大森一廣君) クレジット協会といたしましては、先ほどの國部参考人と同意見でございますが、ただ今回のみずほ、オリコの関係から申し上げますと、犯収法の観点ということよりは、入口の反社チェックの問題と代位弁済の対応の問題、そこに問題があったんだろうと思っております。そういう意味で、入口のチェック体制をきちっとつくり上げると、このように協会としては感じております。

○西田実仁君 今、日証協、証券業協会の稲野会長から話がいただけました。この犯罪収益のチェックをする際には、必ずしも実名ではないということから、それをチェックするためのガイドラインを設けておられるという話がございましたが、これは全銀協としてはそうしたものも同様にあるのかどうかを確認して、終わりたいと思います。

○参考人(國部毅君) 全銀協でガイドラインを定めていることはありません。各銀行が定めて取り組んでいるということでございます。

○西田実仁君 終わります。

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