186-参-財政金融委員会-011号 2014年06月19日


2014年6月19日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
先日、塚田委員長の下、新潟に視察に私も参加をさせていただきました。この際、やはり消費税の引上げの影響等について様々各方面からお話もお聞きできまして、大変有意義な視察でございました。御協力いただきました皆様に感謝申し上げたいと思います。
まず、私、一番目に、この消費税八%への引上げによるデフレ効果についてお聞きしたいと思います。
お手元にお配りをしましたのは、財務省が第四十一回法人企業景気予測調査としてこの平成二十六年四月から六月期調査を先般、今月の二日であろうかと思いますけれども、発表をされました。この件につきましてお聞きしたいと思います。
私が尊敬するある専門家の方からも御指摘をいただきまして、私も気付かなかった点でございましたけれども、この法人企業景気予測調査によりますと、表には貴社の景況ということ、あなたの会社の景況がどうなのかということを前回調査、現状判断、また今後の見通しということで調査をしておられます。そして、裏を見ていただきますと、会社、自社の景況ではなくて国内全般の景況がどうなのかということをそれぞれ同じ現状判断等が調査されているわけであります。
注目をいただきたいのは、この二十六年四月から六月の現状判断というところでございます。表の貴社の景況を見ますと、例えば大企業の全産業を見ていただきますとマイナス九・八という景況判断、すなわち下降している会社の方が多いというのが前回の調査でございました。六月二日に発表されました今回の調査、現状判断というのはマイナスの一四・六というふうに、すなわち景況感が、貴社の景況、あなたの会社の景況はどうですかと聞くと悪化をしているという調査結果になってございます。
大企業の全産業がそのような結果になって、では中堅、中小企業はどうなのかと申しますと、これも全産業で見たところ、中堅企業の全産業はマイナス一五・四からマイナス一九・五、また中小企業におきましてはマイナス一七・九からマイナス二一・五、すなわち大企業、中堅、中小にかかわらず現状判断というのは前回調査よりも悪化をしていると貴社の景況では言っておられます。
しかしながら、裏を見ていただきますと、国内の景況はどうかというふうに聞きますと、大企業、中堅、中小企業、いずれの全産業を見ましても前回調査とほとんど数字が変わっていないということが分かっていただけるのではないかというふうに思います。
つまり、貴社の景況、つまり自分の会社の景況がどうかと聞くと、やはり現状判断は悪化をしていると答えているにもかかわらず、国内の景況はどうかと聞くとほとんど変わらないと答えているということは、これはやはり、これは推測でありますけれども、明らかにマスメディアの影響を受けているんではないかというふうに思われるわけでございます。
今回、視察に行きましても、消費税増税による影響ということが想定内であるということが随分聞かれました。マスコミ等でもそうした報道がどちらかというと多いというふうに私も感じて、想定内で何とか推移しているんだろうなというふうに安心する部分も正直私自身はあったわけでありますけれども、実際にそれぞれの個社の、貴社ということでここではなっておりますけれども、自社の景況を見ますと実は足下で悪化をしているという、こういう声でございます。
是非、まず、大臣にはこの消費税の影響ということでお聞きをしたい。財務省が調べておられます法人企業景気予測調査、そうしたことを意図してこういう貴社の景況と国内の景況を分けて聞いているんではないとは思いますけれども、私の推測も含めまして、この数字の違いということについてどう見ておられるのか、大臣からお話をお聞きしたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) これ今いただいた資料ですけれども、これ大企業のところを見ていただくと、西田先生、七—九は回復して一三・四、それが十月になったらマイナスですものね、下がっている。製造業、同じ、一六が一三。非製造業は一二が八と、みんな下がる。ところが、中小になると、今度は逆に九が一二に増える。どうしてですかね。私、資料の取り方というのは、これはかなり差がはっきり出ていますから、こういうのはなかなか、中堅企業、中小企業ではこうなっているというのは、ちょっと今までの資料とは少し感じが違うなというのはこれ見た感じの正直な実感です。
いずれにしても、四—六の現状判断というのはこういった形になっておりますので、駆け込み需要の反動のある中にあって、これは当然のこととしてこれ下降ということになったんだと思っております。
ただ、七—九の見通しというのは、これは皆今申し上げましたように上がっておるのと下がっておるのといろいろなんですけれども、いずれも上昇に転じておりますので、十—十二の見通しも引き続き上昇ということになっておりますので、今後ともこういった企業の動向というのは注視をしていきたいとは思っておりますけれども、いずれにしても、今、四—六の部分がいろいろなところで出てきておりますけれども、四月に比べて五月はかなり回復してきた、数字が上がってきておるのはもうはっきりしてきておりますので、そういった意味では、この傾向が六月以降ずっとつながっていくと、七—九の回復が、四—六の落ち込みが浅い分だけ七—九の伸びも高くなる、ベースが高くなりますので、そういうことになるだろうなという期待はしております。

○西田実仁君 まさにこの見通しを見ますとそういうふうに私も思いますが、今お話し申し上げたように、現状判断が前回の調査したときよりも実際は、四—六の足下、よく言われる、想定内だからというやや楽観的な見通しがよく語られますけれども、必ずしもそうではないのかもしれないということにはやはり我々は注意をしなきゃならないというふうに思っておるわけであります。
そこで、次に、大きなテーマとして二つ目でありますが、消費税一〇%の再引上げによります待ち構えているデフレ効果につきましてお聞きをしたいと思います。
これも視察での話を御紹介申し上げます。
新潟縣信用組合におきましては独自の指標を調査されておられまして、小規模企業の景況感を調査をしているということのお話がございました。そこで理事長からコメントがございましたのは、小規模企業においては、デフレからの脱却あるいはプラス成長への確信というものがないと新規の設備投資は出てこないと。一昨年、安倍政権が誕生し、いわゆるアベノミクスへの期待感から、小規模企業の景況感は、現状よりも先行きの方がいいというのは大変珍しいそうであります。常に先行きに、ずっとデフレが続いてきたせいか、悲観的な景況感が調査として出ていたにもかかわらず、新しい政権が誕生して、それへの期待感ということから、昨年の九月までは、現状よりも先行きの方が良くなるんではないかということが結果として出てきたと。
しかし、昨年の十月以降、そうした景気マインドは低下していて、小規模企業においては、通常どおりというか、今までのデフレがずっと続いてきたときと同じように、現状よりも先行きに対して悲観をしているという結果になっているというお話がございました。また、北越銀行からも、この足下の四月から六月につきましては新規の投資案件が足踏み状態という報告もございました。資材の値上がりとかあるいは人手不足ということが原因ではないかという見立てもあったわけであります。
私がここで申し上げたいのは、いずれもデフレから脱却するという最優先の課題に対しましては、やはり景気の先行きに対する不安解消がいかに大事かということを物語っているのではないかというふうに思うわけであります。
しかし、来年、今法律上は消費税の再引上げということが決まっているわけでございますが、御判断を最終的には総理がされるということでありますけれども、こうした再引上げがあった場合の待ち構えているデフレ効果ということはやはりよく注意をしなければならないんだろうというふうに思うわけであります。
そこで、マクロの数値上、財政あるいは国民負担ということで分かっている範囲で申し上げますと、来年度、平成二十七年度におきましては、まず、今年度には消費税八%に引き上げましたけれども、しかし経過措置として平年度ベースとは異なる消費税収、すなわち差額があるというのは経過措置の部分だろうと思います。これが、マクロ経済的に見るとそれだけ民から官へ、民からお金を吸い上げると、消費税増税というのはそういうことになるわけでありますけれども、それの吸い上げる分がそれだけ減る、経過措置によって減っているということになろうかと思います。
その今年度の経過措置というのによる税収減というか、それがどのぐらいあるのか、副大臣にお聞きしたいと思います。

○副大臣(愛知治郎君) 単純な数字の部分もありますので、私からお許しをいただければお答えさせていただきたいと思います。
国民の負担増が幾らになるかという御質問だと思うんですけれども、消費税率八%への引上げに伴う反動減を乗り越え、早期に成長軌道に復帰するよう、五兆円規模の経済対策を策定し、その早期実施に努めているところであります。
このうち、例えば所得の低い方や子育て中の方の負担の影響を緩和するため、臨時福祉給付金、簡素な給付措置でありますけれども、これについては三千四百二十億円、子育て世帯に対する臨時特例給付金については千四百七十三億円などの予算面での対応をしており、これらの施策が国民負担増の緩和につながっているものと考えております。
一方で、平成二十七年度における国民負担への影響に係る対応について、今後でありますけれども、今後の予算編成、税制改正の議論において検討がなされていくことになるものと考えております。したがって、消費税率引上げに伴う措置が平成二十七年度に失効することにより幾らの国民負担増になるかというのを現在においてお答えすることはやはり困難だというふうに言わざるを得ません。

○西田実仁君 私の質問は、今年度の消費税収が、じゃ幾らに見込みを立てておられるのかという数値を教えてください。そして、本来、平年度ベースだとこのぐらいの消費税収が入るということ、その差額が幾らかということをお聞きしたかったわけであります。

○国務大臣(麻生太郎君) ちょっと正確なところじゃありませんが、平年度で約八兆円が今年度は五兆ぐらいだったと記憶しています。

○西田実仁君 私もそう認識しています。平年度だと八兆円ぐらいなのが今年度だと六兆円ぐらいですので、いわゆる二兆円分が、平年度ベースですと本来は八兆円入ってくるのが今年度は六兆円ということですから、二兆円分が、私が言うところの経過措置によって、本来入ってくるものが入ってきていないという、デフレ効果という意味ではその分だけデフレ効果になっていないという、こういうことを言いたかったわけであります。
そして、じゃ明年十月に消費税を再引上げ、一〇%にした場合、来年度は当然十月以降ですから半分、半年ということになるわけでありますが、その半年間の消費税の増収分というのはどのぐらいになるんでしょうか。これは数値の話であります。

○副大臣(愛知治郎君) 内閣府の数字なんですけれども、本年四月からの消費税率引上げ、五から八%によるマクロ経済全体で見た家計の負担増は六・三兆円と試算をされております。
仮にこの試算値を用いて来年十月に二%引き上げた場合に、半年間における家計の負担増をこれは機械的に計算しますと、二兆円程度、二・一兆円になるものと考えております。

○西田実仁君 二兆円ぐらいという話でございました。
今、与党では軽減税率の導入について制度設計を検討していると。軽減税率を導入すればそれだけ消費税収は減りますから、マクロ経済的にいえばお金を吸い上げないということになって、それが消費者の手元に残るということになるわけでありますが、取りあえずそれはまだ検討中ということでありますので、今の試算だというふうに思います。
そこで、私は、平成二十七年度、来年度は、今申し上げた消費税八%段階での経過措置がまずなくなるという、つまり、二兆円、経過措置で増収になっていなかった分は来年度は平年度ベースになりますよという意味で、二兆円はそのまま政府の方にお金が行きますよという話。それから、一〇%に再引上げした場合に、先ほど二兆円ぐらいじゃないか、半年分でという話でしたけれども、それも当然デフレ効果になります。さらに、平成二十五年度の補正予算五・五兆円、これはもう一巡するのは間違いありません。今年度で終わりです。つまり、五・五兆円分は財政支出が減るということ、これはマクロ的にいえばそういうことになってしまいます。
そして、平成二十八年度どうなるのかということになりますと、ここで更にデフレ効果で加わるのは、いわゆる復興の集中復興期間、これが五年間で二十五兆円というものがなくなる年が二十八年度ということになるわけであります。そして、消費税一〇%、来年再引上げしますと、再来年度はそれがフルに効いてくる。軽減税率等が導入されなければ、これだけで多分六兆円近い負担増になるんだろうというふうに思うわけであります。
つまり、こういうものを積み重ねてまいりますと、平成二十八年度には概算で十八兆円ぐらいのデフレ要因が待ち構えているということを、数字上はですね、数字上、もちろん税収は社会保障に使われるとか、いろいろ支出の分もありますから、そこもよく考えなきゃいけないんですけれども、数字上はそういうことになってしまいます。
そこで、こうした待ち構えるデフレ要因をどう克服するのかということが問題になるわけでありまして、中には消費税の一〇%への再引上げを先送りすべきではないかという論もあるんだろうというふうに思います。もちろん、これは総理が御判断することでございますけれども。ただ、そうなりますと、国債の信認あるいは株式や円安リスクということも予想されるでありましょう。社会保障の安定、充実、これも使える財源がなくなってしまうという問題もありましょう。
一方、一〇%への再引上げを急ぐと景気が失速してしまって、景気浮揚のために財政出動を、じゃ、しなきゃいけないとなりますと、今度はプライマリーバランスの赤字脱却がかえって一層困難になってしまう、将来見通しも不透明になると、日本売りが加速してしまうんじゃないか、こういう大変難しい問題が待ち構えているわけでありますが、こうしたジレンマということでしょうか、大臣として今のお考えを是非お聞かせいただきたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) デフレ要因という言葉を使われて、西田先生としては、いわゆる将来の総需要というものの低下というものを懸念しておられるというように理解しているんですが、これは持続的な経済成長というのを維持していくためには、これは財政出動だけに頼っているというのはこれは明らかに限界がありますので、そういった意味では民需主導の経済に変えていかねばならぬということはもうはっきりした全体の流れだと存じます。
その上で、六月十六日の産業競争力会議に提出されております、日本再興戦略の素案というのが示されておりますけれども、これは生産性を向上させて稼ぐ力を強化していくこと、また成長の成果、賃金の上昇を含めまして、そういったものを国民の暮らしに反映させて経済の好循環を引き出していくことなどなどが重要なんだと思っておりますが、これらに関して、私の方からも、これは企業がそうなった場合は、その企業が持っておる金を外に出してもらう、設備投資に使ってもらうということを、一つの例に挙げれば、賃金でもいいです、配当でもいいです。間違いなく設備投資、それに先立ちます機械受注が一—三月ぶわっと伸びておりますけれども、それなりに伸びている割には、間違いなく言えることは、いわゆる金融機関の貸出しがそんなに伸びておりません。ということは、企業は、コーポレートガバナンスの立場からいえば、内部にためていた内部留保の金を設備投資に充てているというように言わないとちょっと数字が合わないというふうに、そうやって理解をしておるんですけれども。
いずれにしても、エクイティー等々民間資金を活用した中長期の成長資本というものを、これは供給促進というものを提案して、これらをどう、この案に盛り込まれることになっておりますが、これは議員の御指摘になりましたとおり、これは社会資本整備等々に民間資本を充てる、例えばPPPとかいろいろありますけれども、そういったものを適切に活用するというようなことも含めて、二〇一六年度までの三年間を集中強化期間としてこういった取組を続けるようにしていきたいということで、いずれにいたしましても、民需主導というものを主なものにしていかないと、基本的には今言われたような御懸念に対応するのは難しいということだと存じます。

○西田実仁君 まさにその成長戦略を通して経済のパイを拡大して、そしてコンセッション方式等による民間資本の活用ということもしていかないと、単に財政が負担増、今も私が申し上げた、積み上げれば数字上は十八兆円ぐらいのデフレ要因というのが待ち構えているわけでありますので、それにどう抗していくのかということが大変重要になるという御指摘、そのとおりだと思います。
今日は、わざわざお忙しい中、田中政務官にはお越しをいただきまして、ありがとうございます。
その成長戦略の一つでもありますが、特に非製造業の競争力強化に的を絞った国家戦略の策定ということについて、是非、現状考えておられることを御紹介いただければというふうに思います。
非製造業の全産業の付加価値に占める比率は、もう既に八割近い、七割を超えているというのが法人企業統計であります。また、非製造業の就業人口比率ももう八四%、昨年度ですが。新陳代謝も大変進んでおりまして、七つの業種、インターネットとか宅配とか介護、金融、情報通信、流通、学術、専門・技術サービス等では生産性の向上も始まっているということでありますので、こうした例えば今の七業種で生産性の向上に見合った賃上げがあるだけでも相当消費も押し上げられるだろうということであります。
しかし、全体としては、やはり非製造業の生産性をいかに上げるかということがないと、なかなか、もちろん製造業は大事なんですけれども、非製造業のこうした戦略産業群を早急に立ち上げていく必要性があるのではないかと、こう思いますが、現状でどのようにお考えか、御紹介をいただきたいと思います。

○大臣政務官(田中良生君) 今委員御指摘のとおり、この非製造業の競争力強化、これを国家戦略に盛り込んでいくということはもう大変重要な課題であると考えております。
産業競争力の強化に当たっては、これまで大胆な投資減税ですとかあるいは産業競争力強化法等を措置いたしまして、民間投資の拡大、また産業の新陳代謝の促進など、製造業あるいは非製造業、これを問わずに業種横断的な取組を今まで進めてまいりました。それに併せて、医療分野ですとかあるいはエネルギー分野の非製造業分野を成長産業化するための制度改革、こうしたものも取り組んできたところでございます。
そして、現在検討中の成長戦略の改訂でありますが、これにおいても、サービス産業全体のまず生産性の向上のためのITですとかデータ、こうしたものを活用した革新的な経営の促進、あるいは産学が連携した実践的な人材育成プログラム、こうしたものを開発普及を取り組んでいくということ、またさらに、戦略的な成長分野として、例えば健康ですとか医療分野について、健康ですとかまた予防管理の促進ということにおいて、公的保険外のサービス産業化、これを活性化させていくということ等々、非製造業分野の産業競争力、また戦略市場創造のための施策を是非とも新たに盛り込んでいきたいと考えております。
まずは、成長戦略の改訂に向けた閣議決定に向けて、しっかりと最終取りまとめに向けて取り組んでいきたいと、そのように考えております。

○西田実仁君 終わります。

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