186-参-財政金融委員会-010号 2014年05月20日


2014年5月20日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。早速、質問の方に入らせていただきたいと思います。
私の方からは、保険業法等の一部を改正する法律案に関連いたしまして、保険募集に係る再委託の禁止ということについて、やや実務的なことも含めましてお聞きをしたいと思います。
保険業法では、保険販売の再委託というのは原則禁止をされております。しかしながら、法人の損保代理店におきましては、当局に届出を行った使用人については保険募集に従事できるという仕組みになってございます。
お手元にもお配りをさせていただいてあります図を見ていただきますと、「「委託型募集人」の現行について」というのがまさにそのことでございまして、保険業法第二百七十五条のところに再委託の禁止ということがうたわれているわけでございます。しかしながら、右下の小さな米印のところにございますように、募集人については損害保険の場合は使用人届出する必要があると。届出をしていれば保険募集に従事できるという仕組みになってございます。
以前、この当該使用人というのは代理店と雇用関係、すなわち直接雇用を有する者に限られておりました。しかし、平成十二年の規制緩和によりまして、代理店との雇用関係は使用人たる要件から削除をされてございます。つまり、直接雇用関係はなくとも委託型募集人として、いわゆるグループ代理店というような言い方もしますけれども、そういう形式で運営されてきたのが実際でございます。この図で言う赤いところにある委託型募集人というのは全国で六万人ぐらいいるのではないかということも聞かれております。
この保険代理店、緑のところにございます保険代理店は、本来、その使用人が行う保険の募集業務について、つまり委託型募集人が行う募集業務について教育、指導、管理を行うことが求められております。しかし、実際には、代理店とこの委託型募集人の間に形式的な委託契約関係があることをもって使用人としての届出を行い、適切な教育、指導、管理を行うことなく、当該第三者、すなわち委託型募集人に募集業務を行わせている可能性があると昨年の金融審議会の報告書にも記載されてございました。
したがって、平成十二年以来続いてまいりました直接雇用されていない委託型募集人の制度は廃止をする、そして新たな募集体制へ移行する必要があるということで、本年一月の十六日でありますが、金融庁の保険課長通達というものが出されてございます。この委託型募集人制度を廃止をして新たな募集体制への移行期限というのは明年の三月末までとなっているわけでありまして、残すところはもうあと数か月ということでございます。
この課長通達の文書にはこのような記載がございました。一部の保険会社等に対して、保険代理店使用人の契約形態等の実態を聴取したところ、一部の保険代理店において、法第二百七十五条第三項に規定する再委託の禁止に抵触するおそれのある者や使用人の要件を満たさないおそれのある者を保険代理店使用人として登録、届出を行っていることが確認をされた、このように課長通達には出てございました。
そこで、まず大臣にお聞きしたいと思いますが、この今私が説明をさせていただきました委託型募集人制度のどこに問題があると認識をされているんでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) 今言われましたように、前提として、保険募集に係る再委託については、これは保険契約者の保護を図るために原則として禁止をされておりますという、これは大前提が一番肝腎なところだと思っております。
その上で、保険代理店において従来雇用関係にあります使用人、社員に関しましては保険事業を募集するということを可能としてきたのはもう御存じのとおりなんですが、しかし、平成十二年度に、今御指摘のありましたように、雇用関係の関係がない、いわゆる派遣型の社員もそれがやれるようにしてもらいたいという陳情等々がこれありで、規制緩和の要望に応えて、当時、事務ガイドライン、今でいいますいわゆる現在の監督指針というものに改正をいたしまして、雇用関係のない使用人でもいわゆる保険募集ができるというのを可能にしたという経緯はもう今言われたとおりで、このような改正の結果、派遣社員ではない、代理店の形式的な委託契約などの関係があるだけという人にも募集が、行わせる形態が広まってきたという状態にある、ここが私は問題なんだと思っております。
したがいまして、こうした形態では明らかに再委託の禁止というものに抵触していることになろうと存じますので、代理店が使用人に対して、そういった雇った人に対して十分な指導、管理というのは行いませんし、こういった知識も余り適切ではないというような形での保険業務が行われるというおそれがありますので、そういった形で今般、いわゆる委託型募集人について適正化を行うということにすべきだという経緯であります。

○西田実仁君 この委託型募集人制度がなぜこのようにできてきたのかという背景がございまして、それは後々述べさせていただきますけれども、まずこの通達について確認をしたいことがございます。
この課長通達にございますように、再委託の禁止に抵触するおそれのある者というのは、一体全国でどれくらいあったということが確認されたのか、また、使用人の要件を満たさないおそれのある者というのがまた同じく全国でどのぐらいあるということが確認をされたのかお聞きしたいと思います。

○政府参考人(細溝清史君) 委託型募集人の数でございます。これは、悉皆的な把握は非常に困難ではございますが、例えば損害保険分野で、大手損害保険会社五社にヒアリングしたところ、約一万一千人ぐらい委託型募集人がおられる。また、生命保険分野では、主に生命保険系の代理店が加盟する保険代理店協議会に、保代協といいますが、によりますと、その所属する主な保険代理店において約五、六千人の委託型募集人が在籍していると聞いておりますので、全国的に数万人程度かというふうに推計されているのではないかと思っております。

○西田実仁君 私がお聞きしたのは、委託型募集人の数ではなくて、課長通達にあるところの再委託の禁止に抵触するおそれのある者がどれぐらいあるのか、また、使用人の要件を満たさないおそれのある者がどのぐらいあるのかという現状認識であります。

○政府参考人(細溝清史君) 保険会社にヒアリングをいたしましたら、保険会社が把握していないところで保険代理店が委託型募集人を使用人として届出して使っているというようなケースもあるというふうに聞いております。
したがいまして、現在、保険会社それから保険代理店において委託型募集人の実態把握にまず努め、その適正化に取り組んでおるところでございます。

○西田実仁君 この課長通達にある確認というのは、そうすると、一部の保険会社等に対して聴取を行ったと記されておりますが、代理店の団体ではなくて、いわゆる私が言うところのグループ代理店の店主あるいは委託型募集人、直接聴取を行ったという事実があるんでしょうか。

○政府参考人(細溝清史君) この聴取でございますが、一部の保険会社のほか、保険代理店から構成されます団体がございます。そうした団体からの意見をお聞きしたということでございます。

○西田実仁君 つまり代協だと思いますけれども、それ以外に直接、いわゆるグループ代理店の店主あるいは委託型募集人として保険募集に携わっている方から意見を聴取したという事実はないんですね。

○政府参考人(細溝清史君) 保険の代理店ないしはそういう募集人という数は膨大に上りますので、そうした方々がいろんな団体をつくっておられますので、その団体を通じて意見を聴取したということでございます。

○西田実仁君 実際、私のところへ、もちろん代協の団体の皆さんとも意見交換していますが、同時に、それぞれの地域で代理店をやっていらっしゃるグループ代理店の店主の方や、あるいは委託型募集人の方から、必ずしもその団体の意見とは異なる、そうした意見も寄せられてきておりまして、本来、こうしたこれまで政府が平成十二年から認めてきた制度で行ってきた委託型募集人を廃止をして来年の三月までには新しい形態に移らなければならないという、その携わっている方からすれば大変大きな変化でありまして、それが一体どういう影響を与えるのかということをきちんと意見も聴取をすべきではないかというふうに思います。
そこで、重ねてお聞きしますけれども、金融審議会の報告書において指摘をされております代理店による委託募集人に対する教育、指導、管理が適切に行われずに、対顧客との間でどのようなトラブルがあったという報告があるんでしょうか、事実関係をお聞きします。

○政府参考人(細溝清史君) 委託型募集人に限定したトラブル事例というものは把握しているわけではございませんが、といいますのも、この保険募集人の登録届出の際に代理店と使用人の間における契約形態まで示すことは求めておりません。したがいまして、その募集人が委託型なのかどうなのかということは、実は届出では分からない。したがいまして、不祥事件届出がありましても、その方が、募集人が委託型なのかどうかということが特定できないということになっております。
ただ、保険代理店及び募集人に対する不祥事件、これは年間三千件から四千件発生しております。例えば、保険料の流用あるいは費消、重要事項の不説明、不告知の教唆などが代表的な事例として報告は受けております。

○西田実仁君 今局長がおっしゃったことと委託型募集人制度との関係は特にないということでよろしいんでしょうか。

○政府参考人(細溝清史君) 委託型募集人であるから起こったということではなくて、募集人一般に対してこういった事例が起こっておるということでございます。

○西田実仁君 今お話がありましたように、この委託型募集人制度について、対顧客との間でどのようなトラブルがあったのかということは何ら確認をされていないという、今局長の説明がございました。しかし、それだけ大きな変化をさせていく背景として、この委託型募集人という背景をもう一度確認したいと思います。
一口に委託型募集人といいましても、大型の乗り合い代理店と、小さな代理店が結集して、グループ代理店とはその成り立ちがそもそも違うということはよく認識をされるべきだというふうに私は思います。金融ビッグバンの中で手数料が引き下げられてまいりました。その上で、苦しくなった小規模な代理店が集まって、形だけでも大きくなって保険会社の手数料引下げの圧力を遮る会社としてグループ代理店というものを形成してきたという経緯がございます。
顧客保護というのはもちろん大事なんでありますけれども、こうしたグループ代理店の役割を評価して、仮に代理店による指導、教育、管理が行き届かないという事実を確認しているのであれば、その監督体制を強化するという別の規制強化のやり方もあったのではないかというふうに思いますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) 西田先生、これは前提条件として、いわゆる保険業者に係る再委託については保険契約者などの保護の観点から原則禁止されていると、これは最初に申し上げたとおりで、ここが一番御留意いただきたいところであります。加えて、保険募集の再委託が行われた場合には、これは保険募集人というものに対する保険会社や保険代理店によります教育とか管理とか指導とかいうのが十分に行われていないおそれがあるということから、今般、委託型の募集人というものの適正化を行うことにしたものであります。
したがいまして、今後、適正化というものがきちんと図られていって、保険会社によります募集主体に対していわゆる指導とか教育とか管理とかというものが図られることによりまして、保険契約者側のいわゆる保護というものが図られるということになるのではないかというように考えております。

○西田実仁君 この課長通達で来年三月までに措置することが求められておりまして、現在の委託型募集人制度に代わりまして新たな募集体制ということがしかれなければならないということになっております。
先ほどの図の裏を見ていただきますと、金融庁からはその新しい募集体制として、三つそのスキームが提示されておりますうちの一つを裏に記させていただきました。この裏にございますのは、「「委託型募集人」に係る三者間契約を活用するスキーム」と書いてございます。
これは受皿代理店の下に元々緑の保険代理店が委託型募集人としていたのが独立をして新たな保険代理店をつくり、そして保険会社との間で代理店委託契約を結ぶ。そして、受皿代理店と保険代理店というのは、私が言うには親子代理店というふうに申し上げますが、親である受皿代理店が営業推進等の指導、教育、管理をこの子代理店である緑の保険代理店、新たに独立した保険代理店に対して管理等を行うと、こういう三者間のスキーム、そこに保険会社が絡むという、そういう新しい募集体制の提案をされております。
まずお聞きしたいんですが、こうした委託型募集人に代わる新たな募集体制で今金融庁が提示をされておられる三つのスキーム、ほかにもアイデアがあれば是非お寄せいただきたいというふうに通達には出ておりますけれども、この三つのスキームを始めといたしました新たな募集体制というのは、何か激変緩和措置という暫定的な措置として提案をされているのか、それとも恒久的な措置としてこのスキームにのっとって新たな募集体制をやればいいのか、これをお聞きしたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) いわゆる、西田先生、委託型の募集人の適正化というものについては、これは業界のいろんな団体の方から様々な意見やら何やらを伺った上に具体的な案も出されたところであります。金融庁では、これらの案の内容について業界などからの意見というものやら、また御要望等々を踏まえて、法令面や実務面から慎重な検討をさせていただきました。
いわゆる三者間の契約というこの図にありますようなものを含めまして、その適正化に向けた具体的な方策につきましては、これは現行法令に照らして特段の問題というものは生じるものではありません。したがいまして、今後も適切な保険募集、管理体制というものを構築する上で有効なものだと考えておりますので、これは一時的なものとか暫定的なものと考えているわけではありません。

○西田実仁君 この緑の保険代理店が今まで受皿代理店の下にいた委託型募集人ということになるわけでありますけれども、先ほど申し上げましたように、そのグループ代理店を形成してきた経緯を考えますと、この保険代理店は元々ある意味で金融ビッグバンの中で独り立ちできない、そういう代理店として受皿代理店の下に委託型募集人という形式で保険募集をしていたという背景が多いわけであります。
したがって、その独り立ちもできなかった委託型募集人が保険代理店として独立をして新たに保険会社との間で、保険会社がそもそもこういう代理店と契約を結ぶだろうかという現実的なことを考えなければなりません。絵に描いた餅ということになってしまえばいけないわけでございまして、さらに、仮に契約を結んだとしても、その手数料等については相当削られていくんではないか。元々独り立ちできない人だから独り立ちさせようというスキームになっているわけでありますので、そこで保険会社も絡めて三者でやるということですから、そこは何らかの配慮というものが保険会社との間で結ばれるというふうに考えてよろしいんでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) いわゆる委託型募集人の適正化というものに関しましては、これは従来の委託型募集人や、また個人代理店とか法人の代理店とかいろいろな方法がありますが、保険会社と従来委託していた保険代理店の間で三者間の契約を結ぶスキーム、形というものなどが可能であると考えられております。事実そうなるだろうと思いますが、このうちいわゆる三者間の契約スキームというものは、実務上はこれは現状と大きく変わるわけではありませんので、実態に即したものではないかというように考えております。
したがいまして、いずれにいたしましても、どの方法を取るかということにつきましては、これは実態に即した対応がなされるということが必要でありまして、現在のこの保険会社や保険代理店におきましても、いろいろな移行に向かって、適正とか円滑とかいうような形で、取り組んでおられるところだ、まだ途中だというように承知をいたしております。
いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、これはいろいろな、その間において個人的なトラブルがあるとかいろいろ問題があるとかいうことは、これは十分に、数が多い話でもありますので、そういった関係業者からの相談というものがあれば、これはもう当然のこととして真摯に対応してまいるというところであって、円滑な移行というものに対して私どもとしては支援をしてまいりたい、そのように考えております。

○西田実仁君 是非丁寧な対応をいただきたいと思いますが、親子代理店において、この図でいうところの茶色の受皿代理店と保険代理店を私は親子代理店という言い方をしておりますが、この際、この受皿代理店が保険代理店に対しまして営業推進や比較推奨販売に係る指導、教育、管理を行うという矢印になってございます。
ということは、仮に保険代理店、緑の保険代理店に何らかのトラブル等があった場合に、この受皿代理店である親代理店にどのような責任が及ぶのか、その範囲等について是非明確にしていただかないと、うかつにこの親子の関係で今まで委託型募集人であった人を独立させるわけにもいかないという声もあります。この点、いかがでしょうか。

○政府参考人(細溝清史君) 保険業法上、保険会社は、代理店による募集に当たりまして、保険契約者に加えた損害を賠償する責任を負うとされております。それで、代理店が保険契約者に与えた損害は、保険会社が責任を負うものとなっております。
一方、この親代理店と子代理店、それから保険会社、この三者間の契約、これは民民の契約でございまして、その内容もいろいろあろうかと思います。例えば、募集行為に係る連帯責任が親子間でどのように発生するのかしないのか、親代理店から子代理店への教育、管理、指導というのが実際にどの程度のものがされることになるのかといったことによって親代理店の責任の範囲も変わってくるというふうに考えております。
そういった意味で、契約当事者間において責任の明確化が図られることが必要でございまして、現在、損害保険協会におきまして、この三者契約における親子の役割分担あるいはその責任の在り方について整理を開始していると聞いております。

○西田実仁君 是非そこは監督をする金融庁としてもよく見ていただいて、また御指導もいただければというふうに思います。
この委託型募集人が、保険代理店、緑の方に独立することができず廃業をしてしまうケースも恐らく多いと思います。もちろん直接雇用されるケースもありますけれども、それは余り多くはないんじゃないかというふうに一般的には思われます。
そうすると、この委託型募集人が廃業して受皿代理店に顧客を紹介するという紹介型サービスということも起きる可能性はあると思います。つまり、保険の募集はいたしませんけれども顧客を紹介をする、そして受皿代理店から紹介料をいただく、そういう形でなりわいをしていくという方も出てくるかもしれません。その場合に、この紹介型として認められる範囲ということも明確にしていただかないと、思わぬところで法に抵触をするということにもなりかねません。この点について確認をしたいと思います。

○政府参考人(細溝清史君) 保険の募集に当たりまして、例えば代理といいますのは、これは保険会社に代わって契約を結ぶ、媒介というのは保険契約の成立に尽力する行為でございます。そういったこと、典型的には保険契約の締結の勧誘を目的とした内容説明でありますとか、保険契約の申込みの受領等の業務を行うといったことが典型的な募集行為だと思っております。これにつきましては当然登録が要るわけでございます。
仮に保険募集に該当しない場合というのはどういう場合かといいますと、例えば、募集人の指示を受けて単に商品案内のチラシを配布するといったようなこととか、事務的な連絡の受付、事務手続についての説明をするとか、金融商品説明会における一般的な保険商品の仕組み、活用法についての説明のみを行う、個別の説明はしないといったような事柄が想定されております。

○西田実仁君 終わります。

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