186-参-財政金融委員会-009号 2014年05月15日


2014年5月15日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。質問をさせていただきたいと思います。
まず初めに、インターネットバンキングに係る不正送金事犯につきましてお聞きしたいと思います。
昨今、以前は余りなかったと思いますけれども、最近になりまして、インターネットバンキングに係る不正送金事犯が大変に増えているということであります。最近の特徴といたしましては、個人のみならず法人被害も大変急増しているというふうに聞いております。とりわけ、地域の金融機関と取引のある中小企業に被害も多いということでございまして、こうした実態につきまして金融庁としてはどのように認識し、また対応を考えているのか、まず金融庁にお聞きしたいと思います。

○政府参考人(細溝清史君) インターネットバンキングの不正送金による被害、これは警察庁が発表しておりますが、平成二十三年には百六十五件、約三億八百万円、平成二十四年は六十四件、約四千八百万円と減少したものの、平成二十五年は千三百十五件、十四億六百万円と増加しておると聞いております。委員御指摘のとおり、個人顧客のみならず法人顧客も被害に遭っているということでございます。それで、平成二十五年中には、約三十二の金融機関で被害が発生しているということでございます。
これらの犯行手口がございまして、ウイルスを端末に感染させてIDやパスワードを不正取得する、あるいは、フィッシングメールによりID及びパスワードを不正取得することにより不正送金をするといった手口であろうと聞いております。
こういったことをまさに金融界に対して、こういった手口があってこういったことが起こっておるということを注意喚起を行い、各金融機関において自らのシステムのセキュリティーを高めると同時に、顧客に対して注意喚起ないしはいろんな対策、パスワードを送るやり方を工夫するとかといったことの対応策を促しておるというところでございます。

○西田実仁君 今お話がありましたように、警察庁からの報告でございますと、二十三年には三億だった被害額が昨年には十四億に増えている、中でもこれまではほとんど個人だったのが最近は法人被害も増えてきていると、こういうことでございます。
かつて、平成十八年でございましたが、私も関わりました議員立法で、預金者保護法、通称ですけれども、預金者保護法というのができました。この預金者保護法では、その補償の対象は、当時、社会問題にもなりまして、個人というふうに法の二条の二項で限定をいたしました。つまり、法人は補償の対象になっておりませんでした。また、インターネットバンキングによる不正払戻し等につきましても、その後、法律に定める二年後の見直しというか検討事項に盛り込んでおりましたが、二年後に、これは法改正ではなくて業界の自主ルールで補償を規定をしようと、こういうふうになって現在に至っているわけでございます。
しかしながら、先ほど来お話がございましたように、インターネットを通じた被害というのが急速に増えつつあるということ、かつ、法人、中でも中小企業の被害というものが増えているとすれば、果たして業界の自主規制ルールによる補償ということでよいのかどうか、法改正は必要ではないのか等々、考えなければならない検討課題というものがあろうかというふうには思っております。
そこで、金融庁、大臣にお聞きしたいと思いますけれども、まず昨今の法人被害について、金融機関がどう補償しているのか、その補償の実態についてどう認識をしておられるのか。銀行が補償する場合あるいは保険を掛けて補償する場合等々、様々あろうかと思いますけれども、その現状、金融機関によるインターネットバンキングに係る法人被害の補償についてどう認識をされているのかということについて大臣からお聞きしたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) これはインターネットバンキングによる主に不正送金の話が主なんですけれども、法人顧客の被害の補償をどのように取り扱うかという話なんですが、これは基本的に民事上の取引の話なんでして、したがって、金融機関と顧客との間の解決が図られるというのがこれは基本的な原則であろうと思っております。
したがって、まずは金融機関等、また金融関係団体等々において主体的に検討が図られるべきものだと考えておりますけれども、今、銀行協会においても法人顧客の被害の補償の在り方について検討される予定と伺っておりますので、金融庁としてもその経過を見守ってまいりたいと、基本的にはそう思っております。

○西田実仁君 この業界による自主規制ルールということで、法人の被害についての補償も業界として近く発表するんだろうというふうには思っております。
その上で、このインターネットバンキングなんですけれども、先ほど申し上げましたように、個人に対しましても、インターネットバンキングの被害というものは自主規制によって行われております。つまり、法律ではないんですね。そこで、しかしながら、預金者保護法とほぼ同じ内容で補償するというふうに自主的に業界が決めております。
ただ、このインターネットバンキングは過去余りこの事例がなかったということで、特に預金者保護法でも問題になりましたのは、無過失な場合は一〇〇%、過失が全くなければ一〇〇%補償するというのは当然、盗難通帳であれ偽造カードであれ、そうなんですけれども、軽過失と重過失というふうに分けておりまして、軽い過失の場合には七五%補償しましょうと、しかし、重い過失、例えば暗証番号をカードに書いているとか、こういうものについては当然、余りにも注意を怠っているという重過失なので補償はできませんねと。こういうふうに、盗難通帳については預金者の過失の程度に応じた補償というのが法で定められております。
しかし、インターネットバンキングについては、先ほど来から申し上げておりますように、法律には定めておりませんで、業界のルールということで、無過失は当然一〇〇%補償でいいんですけれども、軽過失なのか重過失なのかというのは個別対応だと、こういうふうにしてまいりました。それは余り、その犯罪事例が少なかったということもありますし、なかなか盗難通帳のように、はっきり軽だ、重だということがいわく言い難いと、こういう背景があったろうと思います。
しかし、これまでもう何年もたちまして、被害を未然に防ぐという意味からも、インターネットバンキングにおける無過失、すなわち一〇〇%補償する場合はこういうケースが典型的である、あるいは軽過失、七五%の場合はこういうケース、重過失、補償できない場合はこういうケースという、ある程度のこの目安というか事例が積み重なってきたんであれば、単に個別対応ということではなくて、その業界の自主ルールであればその事例を示すということも大事ではないかというふうに私は思ってございます。
例えば、アンチウイルスソフト、最新版でない場合はこれは軽過失なのかどうか。あるいは、ウィンドウズXPのサポートが終わったといいますけれども、それをずっと使っている場合は軽なのか重なのか。危ないと言っているのに使っていたら、じゃ重なのかという、これはかなり個別、確かに個別対応なんだろうとは思いますけれども、さすがにここまで来ると、ある程度、先ほど申し上げたように、暗証番号をカードに書いてある場合はこれは重だよねとか、明らかにこういう場合は重じゃないか、あるいは軽じゃないかという、このインターネットバンキングに関わる補償についての目安を示す時期にそろそろ来ているのかなというふうにも思っておりますが、大臣としてはどうお考えでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) 先生おっしゃるように、これは間違いなく全国銀行協会の申合せによってこれは補償をしておる、個人の場合はほとんどしているんですけど、今言われましたように、無過失、軽過失、重過失、いろいろ分けてやっているのが実態なんですけれども、それ個別事例ごとにもう全然、千差万別みたいな形になっておりますので、これ、なくしたと思って十五日たっているから軽過失で十六日目から重過失かとか、一体どこで切っているのかというのはなかなか難しいし、偽造されている場合はほとんどこれは無過失という形になっているんですけれども、その他、これ警察にちゃんと届けましたかとか、ちゃんと何とかしてありますかというようなことで、これは各銀行によっていろいろまた言い方が違ってきておりますので、この不正送金の被害の補償については、まずはこれは金融団体等々で主体的にやっていただかないかぬところだと思っておりますけれども、もう少し私どもとしては金融関係団体の話をよく、まだ全然話合いもしていないみたいですから、やっと話合いが始まるぐらいのところまで来ておりますので、そこらのところでどれくらいのものをきちんとやるかを見た上で私どもは対応していかねばならぬかなと思っております。

○西田実仁君 是非そうした目線を合わせていただいて、要はそういう被害に遭わない方が大事なわけですから、未然に防ぐためにも、こういうことをやっぱりきちんと自分で備えなければ、実際にはこれは重過失になって幾ら被害に遭っても補償されないんだよということを利用者にも知らせるという意味からも、ある程度の事例を目線合わせをしていただくことも今後必要かなというふうに思って質問させていただきました。
続きまして、金融円滑化法終了後の中小企業の経営改善、また事業再生支援ということについてお聞きしたいと思います。
まず、金融庁にお聞きしたいと思いますけれども、金融円滑化法に基づいて返済猶予を受けてまいりました中小企業への再生支援について、一部報道でありますけれども、この円滑化法終了とともに転廃業を促す方針に金融庁として転換したんだと、こういうことが一部報道されておりますけれども、実際はどうなのかお聞きしたいと思っております。
実際にこうした金融円滑化法を利用してきた中小企業がどのぐらいあるのか、推定なんでしょうけれども、その中で更に再生支援が必要な中小企業はどのぐらいの規模であるのか、そこに対しましてどういう支援体制をしこうとしているのか、この辺についてお聞きしたいと思います。

○政府参考人(細溝清史君) 金融庁といたしましては、昨年三月末の円滑化法の期限到来に際しまして、二つのことを方針として明確化しております。一つは、金融機関は引き続き貸付条件の変更に努めるよう努力すること、それから二つ目に、中小企業の真の意味での経営改善につながる支援に金融機関は軸足を移していくこと、この二つを方針として明確化しております。
貸付条件の変更に引き続き努めるというのもやっておるようでございますし、現在、まさに中小企業の経営改善、体質強化の支援を本格化させることが重要であるという認識の下で、金融機関に対しましては、コンサルティング機能の発揮、中小企業に対する経営再建計画の策定支援といった経営改善等の支援に関わる積極的な取組を促しているところでございます。したがいまして、最近、金融庁が中小企業等に転廃業を促す方針に転換したということはございません。
それから、利用者数でございますが、金融円滑化法を利用していた事業者数につきましては、これまでと同様の手法で民間調査機関のデータを基に推計しますと、昨年三月末時点においてもおおむね三十万から四十万先であろうと言われております。それから、抜本的な事業再生の支援等が必要な事業者数はおおむね五、六万先と思っております。一般論として申し上げますと、中小企業等の真の経営改善には一定の期間が要するということがございます。したがいまして、昨年三月末で推計しておりました五、六万先といった推計値については大きな変化はないものと思っております。
この一年間を私どもは中小企業の経営改善、事業再生支援を本格化させる重要な一年と位置付けておりまして、金融機関に対して、真の意味での経営改善につながる支援、例えば経営改善計画の策定支援、あるいは抜本的な事業再生支援にこれまで以上に積極的に取り組んでいくよう促しているところでございます。

○西田実仁君 今数字を示していただきましたが、円滑化法利用の先数が三十から四十万ぐらいと。そして、企業再生支援が必要なのは五万から六万先というお話でございました。
この五、六万先の中小企業にどう再生をするための支援をしていくのかということで、この国会には、所管は別ですけれども、地域活性化支援機構法の改正がなされまして、経営者保証の付された貸付債権等の買取り業務がこの機構ができる、REVICができるように追加されるということでございます。
保証債務を負担する経営者はもちろんですが、保証付貸付債権を有する金融機関が連名でこの債権の買取りをREVICに申し込めばそれを買い取るという、こういうスキームに今回法律改正によってなるわけでありますけれども、しかし、融資をしている金融機関が連名でREVICに対して債権の買取りを申し込むということがなければその後の支援というのが始まらないわけでありますから、これを金融機関がREVICに申し込むというインセンティブというか、その動きをいかにして起こしていくのかということが大事であろうというふうに思って、実際になかなかこれが進まないんじゃないかという声も現場では聞いたりするわけでありますけれども、こうした金融機関がREVICに申し込むインセンティブをどう金融庁として付けていくのか、これをお聞きしたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 今、西田先生の御指摘にありましたとおりに、これは保証付債権等を買い切る機能がこの度追加をされております。この機能が活用されることによって、例えば中小企業が早期に事業再生を着手する等々によって、破産に至るより前に、少なくとも破綻に至るより多くの債権回収が可能になるというように見込まれておりますことが一点。また、金融機関の債権管理コストの軽減ということにもつながっていくんだと思って期待をされておりますので、したがって、金融機関にも一定のこれはインセンティブが働きますので、それなりの効果はあろうかと私どもは期待をいたしております。
また、金融庁としては、この制度の趣旨や意義というものをいろいろ、こんなメリットがあるんだという話は、そういったことをやっておられる方は、みんな、そんな何万といるわけじゃないので、その数は限られておりますので、そういった方々に対して周知をする、徹底させるということに関しましては、私ども、金融機関の方にしてもこれはメリットのある話でもありますので、金融機関の方から積極的に活用を促すということに関しては、その点に関しましても金融機関の方にこれをもっと積極的にアピールしていく、訴えていくということを促してまいりたいと思っております。

○西田実仁君 それは例えば、金融機関に対する監督指針等にこのREVIC等を活用した企業再生支援ということが今後入ってくる可能性はあるのかどうか、金融庁にお聞きしたいと思います。

○政府参考人(細溝清史君) この法律、改正されたばかりでございまして、今後これを受けまして、金融機関にいろんな形をもってその活用を促してまいりたいと思っております。
委員御指摘のような監督指針あるいは監督方針で書くというのも一つの手でございますが、何よりも実効性を上げるために金融機関との意見交換会等でもこの活用を慫慂しておるというところでございます。

○西田実仁君 是非それはお願いしたいというふうに思います。
次に、経営者保証ガイドラインについて、午前中も出ておりましたけれども、私の方からもお聞きしたいと思います。
まず、この経営者保証ガイドラインの保証契約時の方の話から始めたいと思いますが、経営者による保証を外す要件というのがガイドラインによって示されております。大変以前に比べて分かりやすくなった、明文化されたという、大変いいことだというふうに思いますが、一つは、法人と経営者との関係の明確な区分・分離ということが第一番目、二つ目には財務基盤の強化、そして三つ目には財務状況の正確な把握、適時適切な情報開示、こういう要件がなければなかなか経営者による保証が外せないよと、逆にいえばこれがあれば外せるよということが明文化されて非常に分かりやすくなりました。
そこで、まずお聞きしたいんですけれども、ガイドラインの適用は今年二月からでございますが、それ以前でも、経営者保証人とならずに融資を受けている企業、あるいは経営者が保証人となって融資を受けても、その後に銀行との交渉によって経営者の保証を外したケースもあるんだろうというふうに思います。
金融庁として、こうした実態をどこまで把握されているのか、また、中小企業に対する経営改善支援ということで経営者による保証を外す融資について政策的に何か中期的な目標を持って取り組んでいかれるのか、これについて金融庁にお聞きしたいと思います。

○政府参考人(細溝清史君) 金融庁といたしましては、まずは政策目標といたしまして、このガイドライン、これが融資慣行として浸透、定着するということを目標にしております。したがいまして、金融機関に対してまずはガイドラインの積極的な活用に向けた取組を促しているところでございます。
その一環としまして、ガイドラインの積極的な活用を促進する観点から、広く実践されることが望ましい取組、これ二月から始まったばかりでございますので、そういった取組がだんだんと出てまいりますので、そういった広く実践されることが望ましい取組を事例集として取りまとめて公表するといったことで、各金融機関から今具体的な取組事例を収集しておるところでございます。
まずはこのガイドラインが融資慣行として定着していくということを目指したいと思っております。

○西田実仁君 現場で聞きますと、銀行の方から経営者保証を外すよう勧めてくるということはまずないと、まあそうだと思うんですよね。もちろん経営者自身が経営者の保証を外したいのであれば努力をしなければならない、先ほどの要件満つるようにしなければならないわけでありますけれども、一方で、今お話もございましたが、金融当局として、金融機関に対しまして経営者保証を外す融資に積極的に取り組んでいくということも必要ではないかというふうに思います。
なぜならば、経営者保証なしの融資が断られた場合でも、例えば経営者保証に代替する融資手法、停止条件付保証契約とかあるいは解除条件付保証契約などの紹介をしたり、あるいは経営者保証がなぜ必要かということが逆に説明を受けるチャンスというか機会にも改めてなるわけでありまして、経営者保証のガイドラインについて金融機関から中小企業にも積極的に話をしていくということが逆に中小企業に対する経営改善支援ということにもつながるのではないかというふうに思ってございますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) 今般、金融庁としても、策定をされました経営保証ガイドラインが融資慣行として、これはこれまでと違った、いわゆる融資というか査定の仕方、融資査定の違いとなってきておりますので、そういったものが浸透していかぬとちょっとどうにもならぬと思っておりますので、そういった、まず定着させていくことが重要と考えております。
加えて、このガイドラインの適用に当たりましては監督指針というものを改正をしております。経営者保証に依存しない融資の一層の促進を監督上の着眼点ということにするということにいたしておりますので、今後、このガイドラインに基づいて、金融機関に対して経営者保証に依存しない融資への積極的な取組というものを引き続き促してまいりたいと考えております。

○西田実仁君 是非積極的な促進ということをお願いしたいと思います。
この経営者保証ガイドラインの保証履行時の件で一つお聞きしたいと思います。
保証人たる経営者が早期事業再生を決断し、ガイドラインに基づき保証債務の整理を申し出た場合でありますけれども、保証債務の履行請求が限定的となり、金融機関に申し出た日以降の収入が保証債務履行請求額に含まれないなど、安定した事業継続に必要な保証人の残存資産が増加する可能性が高まるという、こういうスキームでございます。
そこでお聞きしたいんですが、経産省にお聞きしたいと思いますが、保証人たる経営者が早期事業再生を決断した場合、企業と保証人の債務を私的整理する、すなわち金融機関は一定の債権放棄ということが必要になるわけでありますが、この場合、信用保証協会の保証付債権も同様にカットされるのか。私が携わった、相談等を受けたもので、数少ない経験でございますけれども、保証人である社長が法的な手続をしない限りなかなか保証協会が債権カットに応じるケースは少ないと経験上私思っておりまして、中小企業がより多く利用しております保証協会保証付融資について、実際に、今申し上げた経営者保証ガイドラインの保証履行時の対応がどのようになっているのかということをお聞きしたいというふうに思っております。是非、保証協会保証付融資についても同様な積極的な取組をお願いしたいという趣旨でお聞きしたいと思います。

○政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。
済みません、先生から事前に御通告を頂戴しておりましたものが事業再生ADRの部分でございましたので、私は直接、申し訳ございません、保証協会保証融資を担当している者ではございませんけれども、いずれにいたしましても、まさに今般定められましたいわゆる信用保証についてのガイドラインについては、信用保証協会の保証が付いているか否かにかかわらず早期事業再生が実現できるようにという趣旨だというふうに理解しておりますので、その旨、信用保証協会の保証においても円滑に進むよう検討してまいりたいと存じます。

○西田実仁君 失礼いたしました。しかし、お答えいただきまして、ありがとうございました。
次の事業再生ADRの方でお呼びしていたわけでありますのでそちらに移りたいと思いますが、二〇〇七年に導入されました事業再生ADR、その利用状況がどうなのかということについてお聞きしたいと思います。
企業の新陳代謝を促す、あるいは競争力を増していくというために、不振事業を切り離して再生しやすいようにしようと。不良債権の放棄を取引銀行に求めるルールを、ちょっと、全会一致、全員一致ではなくて多数決というような報道も一部にありましたけれども、いずれにしてもそのルールを緩和するという趣旨のお話が聞こえてまいりますけれども、この事業再生ADRの利用状況と併せまして今申し上げましたルールの規制緩和、緩和というんですか、ということについてどう取り組んでいかれるのか、経産省にお聞きしたいと思います。

○政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。
今先生から御指摘のございました事業再生ADRでございますが、これは現時点におきましてはいわゆる産業競争力強化法に基づいて実施されている制度でございます。これ、二〇〇八年度にスタートした制度でございますけれども、昨年度暮れまで、つまり六年間の合計といたしまして五十件の手続の利用申請がありまして、そのうちの四十二件を受理し、三十件について事業再生計画についての合意が得られております。
ただし、この事業再生ADRと申しますのはそもそも、申し上げるまでもなく裁判所が関与しない形のいわゆる私的整理という形で、当事者間が合意をして和解によって紛争を処理することを仲介する制度でございますので、性格的にはあくまでも当事者全員の合意を前提としている制度でございます。
今先生御指摘のような報道があったことは承知しておりますけれども、少なくとも、今申し上げましたような私的整理の枠組みの中そのもので債権者間の多数決によって債権放棄を決定する、つまり簡単に言えば合意がないものの債権についてもカットをするといったようなことについては性格上なかなか難しいというふうに考えておりますので、そうした内容のものそのものを政府において検討が行われているというふうには承知をしておりません。
ただし、先ほど来いろいろ早期事業再生の必要性についてるる御指摘があったところでございますけれども、そういう観点からは、この事業再生ADRのみならず、法的整理を含めました企業再生に関する法制度ですとか、そもそも貸付段階でどういう条件で貸付けを行うかといったような点も含めまして、事業再生に早期に着手し、また早期に合意を得るための措置については幅広く検討してまいりたいというふうに承知しております。

○西田実仁君 この事業再生ADR、今お話しのようにまだまだ数が少ないのはいろんな難しい私的整理の部分があると思いますが、今後、企業の新陳代謝をより促していくということからも、事業再生ADRの利用を促すために、金融庁としては今後の検査指針等をどう変えていくべきとお考えでありましょうか。不採算事業を切り離すことで再生が進みやすくなる企業について、銀行が一時的に例えば不良債権と査定をしても早期に正常先に戻せるといったような、これまでとは異なる手法も考えられるのではないかというふうに思いますが、事業再生ADRの利用を促すための検査指針の今後について大臣にお聞きしたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 企業の事業再生というものをいわゆる円滑かつ迅速に進めていくというのは、これは極めて重要な問題であります。
金融検査マニュアルにおきましては、既に、その適用をするに当たっては機械的、画一的な運用に陥らないようにということを指導しておるところでありまして、加えて、例えば不採算事業を切り離す等々した場合に、一時的には赤字になっても、事業再生の取組などによって短期間のうちに黒字化することが確実と見込まれる場合などというものは、これは正常先と言い得ると、扱えるということとされております。このため、現時点では、検査マニュアルが事業再生ADRの利用の制約になっているとは考えておりません。
ただし、金融機関による積極的な事業再生の取組の促進というものは、これは甚だ重要な課題でありまして、これは今後とも必要に応じて適用するように私どもとしては対応に努めてまいりたいと考えております。

○西田実仁君 最後に、大変大きな話で恐縮ですが、ちょっと時間なのでお聞きしたいと思いますが、日本経済の一つであります株価について、株価の短期的なものの何かコメントを求めるわけじゃありませんが、全般的に日本経済の株価が一万四千円から一万六千円といういわゆるボックス相場に入り込んで、なかなかそこから抜けられないと。日米で比較をいたしましても、リーマン・ショック前の株価のピークを日本は超えられないけどアメリカは超えているとか、企業利益についても同様であるというような、大変対照的な数値になってございます。このボックス相場を抜け切らない株価の原因について、大臣の御所見を是非お聞きしたいと思います。
ここは、やはり企業の国際競争力の問題でありますとか、これから超えていくということなのかもしれませんが、大変に、私も与党の一員として何とかやはり株価を、アベノミクスの成功とともに抜けるようにしていきたいというふうには思っておるわけでありますが、なかなかこのボックス相場を抜け切れないという状況にじくじたる思いもございます。
専門家であります大臣から、この点について御所見をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) これはうかつに株価を話すと話が込み入りますので。この間もちょっと言ったら四百四十円も株価が上がったりいたしますので、うかつなことは言えぬのですが。
日経の平均株価というのは昨年末が一万六千二百九十一円ということになっておるんですが、一年間で約五六%、通期で上がったことになっておりますので。これは、今年に入ってから一万四千円から一万五千円という近辺で推移しておるというのは、もう御存じのとおりです。
他方、ニューヨークのダウの方が昨年の一年間で約二六%の上昇となっておるんですが、今年に入ってからは、少なくとも一時的な下落はあったものの大幅に上がってきておりますので、そういった意味で、株価指数の推移については、これは市場では、昨年の株価が急激にかつ大幅に上がったことに対する調整という意見があってみたり、政府に対する、成長戦略改訂の内容、まあ六月ぐらいに出るまでということまで、これずっと積極的に買いに入るんではなくて、よく模様を眺めておくというような見方など、これは実にいろいろ御意見というものが私どものところにもいっぱい入ってくるところですけれども、これは、金融担当大臣としてはこのことに関してするコメントというものは差し控えさせていただきたいと思っております。
いずれにしても、アベノミクスというもののうち、この三本目の矢の成長戦略というものの結果が非常に大きく左右をするんだと思っておりますし、少なくともデフレ不況と、正確には資産のデフレ不況から今日まで日本の経済というものを考えたときに、やっと二十年近く続いたデフレによる不況、戦後初めての経験の不況ですけれども、こういった形の不況に対する対策をずっと間違えてきたことは間違いありませんので、そういったものをきちんとやり直すということを考えて、今、アベノミクスになってからかれこれ一年で一応の成果を上げつつあるところだと思いますが、まだアベノミクスという名前のこのデフレ不況対策というものが、やっぱり二十年続いたものに対してこれは一年で簡単に脱却できるほど経済ってそんな甘いものじゃありませんので、そういった意味では引き続きこういったものを継続し続けていくという必要があろうかと思っております。

○西田実仁君 終わります。

TOP