189-参-財政金融委員会-012号 2015年05月21日


2015年5月21日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
今日は、これまでも何度かお聞きをしましたけれども、内閣府の中長期の経済財政に関する試算、今年二月に諮問会議に提出をされましたこの試算の中での、特に税収の見積りにつきましてお聞きをしたいと思っております。
この中長期の経済財政に関する試算は、内閣府の経済財政モデルに基づきまして出されているわけでありますけれども、諮問会議には参考として出されているというふうに承知をしております。この試算の中のベースラインというのと経済再生ケースと、二つの今後の経済の見通しということが示されておりまして、その中で、経済再生した場合にも基礎的財政収支、国と地方を合わせて二〇二〇年度で九・四兆円プライマリーバランスが赤字になっている、これを何とかしなきゃいけないということで議論が既に始まっているわけでございます。もちろん、その中でも、なぜ九・四兆円になるのかというときには、当然、歳出、また税収等がどうなるのかということでプライマリーバランスも出てくるわけでありますけれども。
私は、過去の当初予算と決算の税収が相当違ってきているということが数年続いておりまして、合わせますともう十二兆円近くですかね、行っているんでしょうか、という状況も踏まえた上で、税収の今後の見通しというか見積りそのものも、推計そのものも、果たしてこれ、ここで出されているものが本当に過小になっていないのかどうかという、そういう疑問を実は持っております。もちろん、財政再建というのは大事であります。過度に税収の将来推計を楽観視することは大変危険であり、財政当局としては保守的であらねばならぬというふうに逆に思いますけれども。
しかし、一方で、経済を本当に正しい正常な経済に戻していこうということでアベノミクスが始まって、既に成果も上げてきているわけでありますから、それに基づいた将来推計ということをしないと真の財政再建ということにもならないのではないかと、このようにも思っておりまして、そういう問題意識から、今日はこの内閣府の経済財政モデルにおける税収の推計方法についてお聞きをしたいと思います。
まず内閣府にお聞きいたしますけれども、この試算はどのような法的根拠があるんでしょうか。

○政府参考人(井野靖久君) お答えいたします。
本年二月に内閣府が公表いたしました中長期の経済財政に関する試算は、法律の規定により作成しているものではございません。経済財政諮問会議の審議のための参考として内閣府が作成し、同会議に提出したものでございます。

○西田実仁君 法的根拠はないんですけれども諮問会議に出された重要な参考資料、これを共有しているということではないかというふうに思います。
その上で、この経済財政モデルにおけるまず税収の見積りの中で所得税収ですね、所得税におきましてはどのように推計をされているのか。所得税は累進性があります。したがって、デフレから脱却して所得が増え始めますと、当然これは、GDPの伸び、成長よりも所得税収の方が伸びるという、やはり租税弾性値は一を超えて押し上げていく作用が働くわけでございます。
前回お聞きしたように、租税弾性値が二〇二〇年度まで、結果としてこの試算では一・〇というふうに置いているわけで、そこに私は疑義を申し立てているわけでありますので、所得税ということがどう推計方法として推計されているのか、これをお聞きしたいと思います。

○政府参考人(井野靖久君) お答えいたします。
所得税は、家計の給与所得ですとか利子所得等に課税されるものでありますので、経済財政モデルの中で得られます賃金所得、それから財産所得等の伸び率を基に推計しているところでございます。
それで、これらの変数の関係性の大きさが問題になってくるわけですけれども、これは、過去の実績データに基づき回帰分析によりパラメーターを推定しておりまして、その関係を用いて推計しております。
全体の税収弾性値が、先生御指摘のとおり、一・〇程度となっているわけですけれども、個別のところで見ますと、必ずしも所得税が全く累進性を持たないような推計になっているわけではございませんで、先ほど申し上げましたような関係性を過去の回帰分析により推定した結果、累進構造を反映するパラメーターになってございます。

○西田実仁君 それは公開されているんですか。

○政府参考人(井野靖久君) 経済財政モデルの推計式は全て公表させていただいております。
参考までに申し上げますと、所得税の伸び率と、それから先ほど申し上げましたようなその課税ベースとなる賃金、俸給ですとか、財産所得ですとか、個人の営業余剰等の伸び率、この二つの関係を推計しておりますけれども、そのパラメーターは一・〇八になっております。これは、ホームページでもこの推計式は公開しているところでございます。

○西田実仁君 続いて、法人税でありますが、法人税の税収の推計方法をお聞きしたいと思います。
法人税収こそ、繰越控除がこれから解消されていく、デフレ経済から脱却する中で、そうした景気回復期においては経済成長を上回って税収が伸びていくんではないかというふうに思われますけれども、いかがでございましょうか。

○政府参考人(井野靖久君) 法人税収の推計方法について申し上げます。
法人税は、売上げから各種費用等を控除いたしました配当前の収益に課税されるものでありますことから、先生御指摘のとおり、繰越欠損金の控除なども勘案した課税ベースとしての企業所得をモデルで推計し、それに法人税率を掛けることによって算出をしております。
それで、問題は、課税ベースとしての企業所得が問題になるわけですけれども、これは、モデルの中では潜在GDPと現実のGDPの乖離でありますいわゆるGDPギャップ、この変数の変化の度合いに応じて動くという関係を定式化しております。
すなわち、景気の回復局面等におきましてGDPギャップが大きく縮小する際には、課税ベースはマクロの企業所得よりも大きな伸びとなるという関係でございますけれども、一方で、経済が安定的な成長軌道に乗りましてGDPギャップがゼロ近傍でほぼ一定で推移するような場合には、課税ベースはマクロの企業所得とほぼ同じ伸びで推移するという関係になっているということでございます。

○西田実仁君 今、安定的に経済が成長しているときには法人税収は租税弾性値としてそんなに上回らないんだという話を多分されたんだと思いますけれども、しかし、この繰越控除の解消そのものは、つまり安定化するのは、二〇二〇年までの間に少しずつですけれども、むしろ巡航速度に入るのは二〇二〇年度以降ではないかというふうに思われるんですね。
そもそも、法人税の対象となる企業所得は何に一番比例的に変動するのかというと、当然、企業の付加価値額になります。この企業の付加価値額の名目GDPに占める比率というのは、バブルが崩壊して大幅に低下をいたしました。一九九一年度は五六・一%あったんですけれども、二〇〇一年度には五一・二%まで下がりました。そして、直近の二〇一三年度には五七・二%まで回復をしてきているわけでございまして、今お話しのように、需給ギャップが今後解消をしていく、そして設備投資が拡大をしていくという中にあって、この企業の付加価値額の対GDP比というのは飛躍的に伸びるのではないかと、こう見られるわけでございまして、そうなりますと、企業所得も比例的に伸びていくわけでありましょうから、法人税収というのは名目GDPよりも更にそれを上回って伸びていくと考えるのが理の当然ではないかというふうに思いますけれども。法人税収の二〇二〇年度までの租税弾性値についてはどのように公開されているのか、お聞きしたいと思います。

○政府参考人(井野靖久君) 法人税という個別の税につきまして税収弾性値というものは公開、公表しておりません。と申しますのは、税収につきましてはトータルで示しておりますけれども、個別の税の数字につきましては計算プロセスということで金額を公表しておりませんので、結果として出てくる弾性値についても、これは出ておりません。
それで、先ほど申し上げましたように、推計の仕方につきましても、企業所得の伸びと単純に相関を取っているわけではなくて、そこにGDPギャップの動きが非常に密接に関与してまいりますので、一概に法人税の税収弾性値がどの程度であるかということは申し上げられないわけでございます。その時々によって変わってくるということであります。

○西田実仁君 そうしますと、所得税、法人税、消費税、その他の税収もございますけれども、こうしたこの三つの主要税目を別個に試算はしていることに加えて、それにその他の税収も加えたものを税収という項目で記載をしているということなんでしょうか。全体の税収を推計するモデルというのがあるんでしょうか。それとも、租税弾性値一、結果的にとおっしゃっていますけれども、それをあらかじめ前提にして税収を算出をし、主要三税目を参考程度に試算をするのか。前者のケースであれば、その他税収を加えたモデルというのを知りたいんでありますが、それは公表しているんでしょうか。

○政府参考人(井野靖久君) 中長期試算の税収の値を計算するプロセスといたしましては、先生がおっしゃいましたように、所得税、法人税、消費税、それからその他の税について、それぞれ推計値を出しまして、それらの値を合計することで全体の税収を試算値として公表しているものでございます。あらかじめ税収弾性値を仮定して全体の税収を算出しているものではございません。
それで、先ほど申し上げましたように、所得税、法人税、それから消費税等につきましては、関数を使って方程式として試算をする体系になっておりますが、その他、非常に細かい税がいっぱいありますけれども、それらにつきましては必ずしもパラメーターを推定するタイプの税収の関数を持っているわけではなくて、そこは一定の仮定を置いて延ばすというような手法も使いながら計算プロセスとして算出をしているところでございます。

○西田実仁君 今言われた後半のところの、その他の税収について一定の仮定を置いてもごもごとおっしゃいましたけど、それは何か、どういう仮定を置いて、酒税はこうだとかというふうにして、何か公開されているんですか。

○政府参考人(井野靖久君) 全て経済財政モデルの変数につきましてはホームページでも公開しておりますので、それはございます。
それで、その延ばし方、例えば酒税ですとかたばこ税などは、これまでのトレンドを見ますと、これはいろんな要因があるんだと思いますけれども、下方トレンドを持っておりますので、そういったこれまでのトレンドを延ばすような形で延ばしているということがございます。それから、地方税ですとかいろいろ細かい税目もいっぱいありますけれども、例えば外形標準的な税につきましてはその課税ベースを基に推計するとか、細かくそれぞれございますので、それは必要があれば、公開しているモデルの方程式一覧がございますので、それを別の機会にでも御説明させていただきたいと思います。

○西田実仁君 じゃ、是非お願いいたします。勉強させていただきます。
この租税弾性値が結果として一になるということが、これまでの当初予算と決算との乖離ということをどう説明するのかということをこちらに来られたときにお聞きしたときに、こういうものを作りましたということで御説明いただいたのが今日お配りをしました中長期試算と決算における一般会計税収の比較という、こういうグラフ、また表でございます。
これは内閣府の皆さんが作ってきてくださったものでありまして、この赤のものが当初予算、黒が決算と。この当初予算と決算の差を問題にしているわけですが、青がこの中長期試算という内閣府の試算。この青の線の傾きと決算の傾きを是非見てもらいたいと、こういう御説明でございました。ほぼ同じではないかということなので、租税弾性値一ということの前提、結果としてであるものの、正当性があると、こういうたしか説明だったように思いますけれども、なかなか興味深いグラフだと思いましたので、改めてちょっと御説明願えればと思います。

○政府参考人(井野靖久君) 御指摘の資料でございますけれども、これは、中長期試算で用いておりますマクロ計量モデルの税収の試算値が税収実績のトレンドをおおむね捉えているということを示そうとしたものでありまして、試算結果から事後的に計算される税収弾性値が常に一となるということを言わんとしているものではございません。
先ほど申し上げましたように、モデルの税収弾性値は事後的に決まってきますので、二月に出しました試算で、将来のところは、成長率が安定的に巡航速度になるということで一・〇ぐらいの税収弾性値となっておりますけれども、いろんな景気局面で、モデルで計算した税収弾性値は別に一・〇近くになっているわけではなくて、過去の試算においては、景気が悪い局面から回復してくる過程では税収弾性値がかなり、モデルでも一より高い値となっているわけでございます。
そういう意味におきまして、この資料から税収弾性値の一が正しいんだということを証明しようというものではなくて、おおむね過去のトレンドをモデルで捉えているのではないかということでお示ししたところであります。
それから、もう一点だけちょっと追加させていただきますと、この青い線は赤い当初予算の線からひげのように延びておりますけれども、我々の試算におきましては、当初予算の税収の数字は、その当初予算の数字をアプリオリに置いて、そこから延ばすということをやっております。したがいまして、決算と当初予算の違いというのはモデルによって出てきた誤差ではないということも考慮いただければというふうに思います。

○西田実仁君 よく分かりました。
今御説明のように、おおむね過去のトレンドを捉えているという中長期試算だということを今強調されたと思いますが、これなぜ二〇〇〇年前は調べていないんですか。

○政府参考人(井野靖久君) 中長期試算を出すようになったのが、一番最初に出したのが二〇〇二年一月の試算が最初でございますので、それ以前はモデルもありませんでしたし、こういった中長期試算を内閣府としてお示ししておりませんでしたので、こういう形になっております。

○西田実仁君 この二〇〇〇年の前の、出されていないということでありますので、先ほど来から申し上げておりますように、二〇〇〇年度以降というのはずっとデフレ局面なんですよね。そのときの数字しかないので仕方ないのかもしれませんけれども、バブル崩壊以前の正常経済において日本のGDPと税収の形がどうだったのかということが考えられなければならないというふうに思います。
景気循環ごとに、以前にも申し上げましたが、改めてもう一度、事実ですので申し上げますが、景気の第七循環というのが一九七一年の十二月から一九七五年の三月、第八循環というのが七五年三月から七七年の十月、第九循環は七七年十月から八三年の二月、第十循環は八三年二月から八六年の十一月、そして景気の第十一循環というのは一九八六年十一月から九三年の十月というこの第七循環から第十一循環の景気の山と山の二つの時点の比較で租税弾性値、国税に限りますけれども、計算をいたしますと、その平均は一・三なんですね。そして、第九循環と第十一循環の平均は一・五というふうになります。
何もこれが、今後同じようなことが起きるとは言いませんけれども、決してこの租税弾性値が、過去の長いトレンドで見ても一ではないという、しかもバブル崩壊以前の日本の正常経済の姿では平均としてあった姿だと、こういうことでありますので、私は、あえて今日お配りした裏に自分で計算しました。租税弾性値が一・三だったら二〇二〇年のときにどうなるのかと、あるいは一・五だったらどうなるのかと。
当然でありますけれども、右側の一番最後のPB再試算とありますように、二〇二〇年度の段階で、一・五という、右斜め下になりますけれども、プライマリーバランスは、九・四兆円のマイナスではなくて〇・一兆円のマイナスというふうになります。これは当然、GDPの伸びはこの経済再生ケースというものをそのまま置いてございますし、成長率も、当然、名目GDPもそうですし、歳出も内閣府で計算したものを基に置いて租税弾性値だけを変えているという、単なる試算と言えば単なる試算なんですけれども。
つまり、二〇〇〇年以降は、確かに、先ほどお示しされたように、実際の中長期試算というのはおおむね二〇〇〇年以降の経済を捉まえているというふうには思いますけれども、しかし、デフレから脱却をするということが現政権での最大の目的で、今そこに向けて着々と進んでいると私は思っておりますし、また、もっと頑張らなきゃならないとも思っておりますけれども、そういうときに、どういう姿で財政再建していくのかという議論を、過去のデフレ最中の発想の延長だけで議論して本当にいいのかどうかということをきちんとやはり議論しないといけないのではないか。
試算は参考資料ということでありますので、私も参考資料として、何の権威もありませんけれども、西田事務所で作らせていただいたものを配らせていただいたわけでありますけれども、これについて、せっかくですから、立法府の私の一議員が出したものに内閣府の専門家の皆さんはどう思われるのか、お聞きしたいと思います。

○政府参考人(井野靖久君) 先生おっしゃいますように、今後、安倍内閣の更なる取組によりまして日本経済の構造が変化していくという際には、名目GDPと税収の関係が変化する可能性があるというのは、もう御指摘のとおりだというふうに思います。
他方で、それをどういうふうにモデルに反映するか、なかなか難しい問題ではございますけれども、構造変化というものをしっかり定量的に捕捉していかなければいけませんので、構造変化というのはモデルの構造が変わるということになってしまいますので、それを捉えるというのは非常に難しいことではございますけれども、もちろん、そういった新しい経済状況というのを的確に試算に反映するということは先生の御指摘のとおり必要なことだと思っておりますので、先生からいただいた御指摘も踏まえまして、今後検討していきたいというふうに思っております。

○西田実仁君 どう検討されるのか、なかなか難しいとは思いますけれども。
モデル自体は、やはりおっしゃるとおり、構造が変わるときというのはもうこれまでのモデルは使えないんですよ。使えないというか、余り役に立たないんですよ、構造が変わるわけですから。かといって、私が置いた前提は荒唐無稽ではなくて、過去のデフレ前にあった正常な日本の経済のときの実績をわざわざ使っているんです。実際に、経済再生ケースで、内閣府の皆さんの全要素生産性というのは一九八三年から九三年のときの生産性の向上を充てて使って経済再生ケースとやっているわけで、つまり、バブル以前の日本の正常な姿であったときの全要素生産性を置いて、そして経済再生になればこうなると、こういうアウトプットを出しておられるわけですので、その手法自体は、私が租税弾性値をこういうふうに置くのは決して荒唐無稽ではないというふうには思いますが、検討をどのようにするのか、私も検討していきたいと思いますけれども。
最後に、ずっと大臣にお聞きしなくて恐縮です。財政再建自体を、決して私は、何か財政に対して楽観をしていて、何も歳出の合理化はしなくていいということではない、すごく大事なことだとはもちろん思っているわけですけれども、この財政の健全化の指標ということについて、最後にお聞きしたいと思います。
普通、一般的には単年度の財政赤字の対GDP比あるいは景気変動を除いた構造赤字の対GDP比というものを財政健全化では用いるわけでありますけれども、債務の返済能力を見る指標としては、政府債務残高の対GDP比というのが重視されています。G20でもずっとそうですね。しかし、その際、日本においては、今の局面ですと、プライマリーバランスというその黒字化は、発散をさせないという意味では大事な指標ですけれども、しかし、世界的には政府債務残高の対GDP比、これがやはり主流であるということであります。
ただ、この政府債務残高を見る場合に、社会保障基金などの政府関係機関が資産として保有する国債を差し引いたネットの残高を連結ベースで見るというような考え方も必要ではないかと思いますけれども、この財政健全化の指標についての考え方、大臣に最後お聞きしたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 今、甚だ面白く聞かせていただいたんですが、税制弾性値の話がこれはすごく面白いところで、これは、置く数字で全く変わりますのはもう御存じのとおりですが、ただ、全体として見て、二〇二〇年までに今に比べて税収増が二十二兆円増えるという前提でやっても九・四足らぬという話ですから、今、この三年間で四十二兆円だった税収が五十四兆ですから、約十二兆円税収が増えたのがこの三年間、私が財務大臣をやってからの話ですけど、この三年弱で税収が、民主党のときから引き継いだときのやつから比べますと十二兆円伸びたと、税収が、三年間でですよ。それでひっかき回すとえらい数字になるのははっきりしていますけれども、しかし、同時に考えておかなきゃいかぬのは、それは、消費税が三%上がったことによって六兆増えておりますから、法人税、所得税が約残りの六兆円ということになろうかと存じます。
そういったようなものを引いていきますと、この十二兆円伸びたのがそのまま今後とも伸びていけば、これは楽に二十二兆どころの騒ぎじゃない話になるんですけれども、そんな簡単なものではなくて、今までは繰越欠損なんかの分を払っていなかった企業がどっと払ってきたり、払っていなかった銀行がいきなり金を払えるようになってみたり、いろんな形になったのがこの数年間起きておりますので、ちょっとその数字をそのまま乗っけて先を見通すほど、やっぱり甘く税収を見積もるわけにはいかぬのだろうと思っております。
ただ、今言われましたように、海外を見れば、これはもう間違いなく、財政健全化というものを考えたときにおいては財政収支というものを考えるのが、何というの、基礎的財政収支というのは、私に言わせれば、これは金利が入っていない話ですから、基本的にまずはこれでやらせていただくということで、少なくとも、この二〇一五年度は一応その目的にほぼ達しつつある。残り五年間掛けて、二〇二〇年までの間に基礎的財政収支というものをチャラにするところまで持っていくということを今目標として、それでも九・四足らぬという話を今しておるわけですけれども、それにいたしましても、仮にそれが達成できた二〇二〇年から先の話としては、これはもう、どう考えても、大概ほかの国と同じように、債務残高対GDP比、その比率を安定的に引き下げていくというのが基本であろうことは私も全く同じ意見でありますので、そうなりますと、GDPというのが分母になりますけど、その分母の成長に加えて、やっぱり分子である利払い費等々を含めたいわゆる収支を改善して債務残高というのを抑えていく努力と、これ両方やらぬとなかなか達成ができないであろうという感じがいたしますので、国の利払い費を除いた指標であります今の基礎的財政収支というものの黒字化というのは、これは途中の中間的な目標にすぎないんであって、本来のものとしては、海外と同じように、財政収支につきまして対GDP比、基礎的財政収支ではなくて財政収支の対GDP比について検討していく必要があろうと思っておりますので、今の段階と五年後に目標を達成できた後のときとは当然違うんであって、先ほど前川先生の御質問があっておりましたけれども、この話と同じように、やっぱり後世に借金を残さないというのであれば、基礎的ではなくて財政収支対GDP比ということで話をしないと基本的なところが間違ったことになりかねぬと思って、PBが二〇二〇年に達成したら、おお、よかったじゃないかという話じゃ全然ないと、私はそう思っております。

○西田実仁君 終わります。

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