189-参-財政金融委員会-010号 2015年05月14日


2015年5月14日

○西田実仁君 引き続きよろしくお願いいたします。
私の方からは、中小企業にとって使い勝手のよい研究開発税制ということの問題意識から質問をさせていただきたいと思います。
平成二十七年度の税制改正におきましては、企業の技術研究費に税優遇を認めるいわゆる研究開発税制がこれは拡充をされております。実際に私も携わらせていただきましたけれども、総額型でありますとかオープンイノベーション型でありますとか、様々拡充をされております。
しかしながら、つい先日ですか、二月に公表されましたけれども、中小企業庁が委託調査をいたしました平成二十六年度中小企業技術基盤強化税制及び中小企業等の試験研究費に係る特例措置という調査がありましたけれども、この調査の中身を見ますと、それをまとめたものが今日お配りを皆様にさせていただいている研究開発税制の利用状況という表になるわけでありますが。
これを見ますと、この調査によりますと、我々、与党の時代も野党の時代も、二十三年度からでありますから共に表にしておるわけでありますが、どの政権であったとしてもということなんですが、このアンケート調査によると、研究開発税制を拡充をしているんだけれども、それによる影響はないと答えた企業は中小企業の八割に上っているということです。また、研究開発費を計上しているが制度は利用しない、研究開発をやっていないんじゃなくて、やっているんだけれども研究開発税制は利用しないという中小企業が七割に上っているという調査結果でございました。
そもそも、研究開発税制は昭和四十二年度に創設をされております。目的は技術革新。これまで幾度にもわたってというか、もうほとんど毎年のように様々拡充をされてきたわけでありますけれども、今お配りをした平成二十三年度から二十七年度だけを取ってみても、その実績、また見込みも入っておりますが、中小企業にとってこの研究開発税制、我々は良かれと思って様々拡充をしてきたわけでありますけれども、なかなか利用されていないと。それはなぜなのかという観点から今日は質問をさせていただきたいというふうに思います。
この表を見ていただきますと、もう一目瞭然です。研究開発税制を利用した中小企業は三割にもうずっと満たないと。拡充はしてきておりますけれども満たない。一方、利用していないという企業は、常にこの六年間見ても六割を超えているという状況であります。
そして、利用していないのはなぜかという理由も併せて調査を中小企業庁行っておりますが、最大の理由は税法上の試験研究費がないというのが五割前後あるわけですね。そして、当然、税額控除でありますので、法人税を納めていないとメリットがないわけでありますから、使えないという意味でいいますと、当年度の利益がなかった、あるいは繰越欠損金があった。これ、調査では別々の項目になっているんですけれども、足し合わせたものでありまして、つまり、利益がないということが利用していない理由になっているんですけれども、最大の理由は税法上の試験研究費が存在していないということであるという結果であります。
この数字、単年度だけではなくて並べたのは、ほとんど変わっていないというところを強調したかったからなんです。いろいろ拡充をしておりますけれども、利用している人もしていない人の割合もほとんど変わらず、また、その利用しない理由もほとんどそのパーセンテージが変わらないという意味でここに引用させていただいているわけでございますが。
こうした研究開発税制というのは毎年テーマになり、税制改正の検討項目として議論をしてきているわけでありますが、にもかかわらず、中小企業にとってなかなか使い勝手の良い研究開発税制になっていない、こういう結果が出ているわけですが、この受け止めを大臣にお聞きしたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 西田先生の使われているのは、これは中小企業におきます試験研究税制の利用実態等に関するアンケート調査、多分これの数字を引用しておられるんだと存じますが、この中で、やっぱり調査の対象企業そのものに研究開発自体を行っていない企業がある、まずそれがあります。また、赤字であったり繰越欠損金を抱えているので、法人税というものは払っていないので研究開発減税の対象にならないという企業もこれは含まれているんだと思っておりますので、そういたしますと、この調査結果だけをもって研究開発税制というのが中小企業に使い勝手が悪いということは一概には言い切れないのではないかということだと思っております。
他方、財務省が行っております租税特別措置法の適用実態調査によりますと、研究開発税制につきましては、中小企業の利用が約八千件を超えておりまして、大企業の利用者数を大きく上回っており、中小企業の方々にも御利用をいただいているんだと思っております。
ちなみに、大法人、資本金一億円以上のものが平成二十五年度で、全部で一万二千件のうち大法人が四千二百三十二件で三三%、中小法人、一億円の資本金以下で八千四百七十一件で六六%という数字が上がっておりますので、こういった数字ではありますけど、いずれにしても、知らなかったとかいろいろ御意見もあろうかと思いますので、こういった研究開発税制においては税額控除率の上乗せを今でも行っておりますけれども、その他の税制におきましても中小企業には様々な優遇税制をやっていて、法人税の軽減なども、御存じのように、大企業のあれが八から一〇でありますけど、中小企業はたしか一二ぐらいになっていると思いますので、いろんな形で税制を優遇したりしておりますけれども、いろいろ新しいものが出てくるというのは、今申し上げた、こういった八千件を超えておりますというものの中から出てくるというのは極めて大きいので、私どもとしては、こういったものに目をきちんと向けていきたいと、そういうように考えております。

○西田実仁君 今、大臣に受け止めをお述べいただきました。一つは、八千件という租特の適用実態調査の数字を挙げられましたけれども、中小法人というのは二百五十万社あるわけで、そのうちの八千件ということですので、六七%ですか、適用調査では利用しているということですけれども、全体の母集団がそもそも大法人は二万社、中小法人は二百五十万社と、その比率からしてどれだけ使われているかという観点から私は述べさせていただきました。
実際に、これは財務省にお聞きしたいんですけれども、この調査によれば、中小企業の半数以上は研究開発費を計上しているんですね。しているんですけれども、ここに表にしたように、六割以上の中小企業は研究開発税制を利用していないんですよ。その最大の理由は、繰り返しですが、税法上の試験研究費が存在していない、研究開発はやっているんだけれども税法で言うところの試験研究費が存在していないから、このようにその理由を中小企業は述べているわけです。
そこで、会計上の研究開発費と税法上の試験研究費、どこがどう違うのか、具体的にお述べいただきたいと思います。

○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
会計上の研究開発費は、会計基準がございまして、そこに規定がされてございます。正しい知識の発見を目的とした計画的な調査及び探求という話と、新しい製品、サービス、生産方法についての計画若しくは設計又は既存の製品等を著しく改良するための計画若しくは設計として研究の成果等を具体化することという、そういうものに係る費用というふうに定義されているところでございます。
一方、税制におきましては、基本的に、これは会計上の費用でございますので、税務上は、これは当然損金に落ちます。その上で、産業や技術を生み出すような研究開発税制を制度設計をするということで、そういうところに重点的に支援するために税額控除の仕組みを設けているわけですが、こうした政策税制としての性格を踏まえて研究開発税制の対象となる研究開発費の範囲というものを決めていくということになります。
恐らく、会計上の費用と研究開発税制における費用と、立て付けというか思想が違うということで、範囲は一致するものではないというのが現状でございます。
具体的に申し上げますと、研究開発税制によります試験研究費というものにつきましては法令で定めがございまして、製品の製造又は技術の改良、考案若しくは発明に係る試験研究に要する費用であると、こういうふうな書き方になっておりまして、政令以下の規定によりまして、試験研究を行うために要する原材料費、人件費、諸経費、それから委託の場合の委託費というふうなものが列挙されているという形になってございます。
この両者、会計上の費用と税制上の費用の相違というのは個別具体的になかなか比べにくいところがございますけれども、例えば研究分野に着目いたしますと、研究開発税制の対象となる試験研究費につきましては、基本的に工学的、自然科学的な基礎研究や応用研究等を対象にしているということですが、会計上の研究開発費は、こうした分野以外の例えば人文・社会科学関係の研究は含まれているということで、そこにこの二つの制度の差があるということでございます。

○西田実仁君 まさに今分かりやすく御説明いただきましたけれども、そこが問題ではないかというふうに私は思っているわけですね。
例えば、具体的に分かりやすく言うと、製造方法の開発は税務上は対象になります。しかし、会計上は対象外と。他方、サービスの開発というのは、会計上は対象になるんですけれども、税務上はこの税額控除の対象にはならないと。これが今仕分をされているわけであります。
ここで、この研究開発税制、そもそも何のためなのかというと、広く言うとやはりイノベーションをいかにして後押ししていくのかということだろうというふうに思います。そういうふうに考えたときに、これは是非大臣の御所見を承りたいと思いますが、いいものを作って、いわゆる製造方法の開発ですね、そういういいものを作れば売れるといういわゆるプロダクト・アウトの時代から、もう随分マーケット・インしなきゃならないというふうに言われて久しいわけですね。ですから、いいものを作るという製造方法の開発のみならず、加えてマーケット・インという、マーケットにいかにインしていくのか、消費者に購入していただけるのかということが大事になってきております。
基礎研究だけが大事なのではなくて、それをいかにして売っていくのか、マーケットに訴求力のある製品やサービスを生み出していくのかということが求められてきております。製造業と非製造業、サービス業の垣根もどんどんなくなってきていると。そういうイノベーションの在り方が大きく変わってきているときに、この研究開発税制の考え方で、このままでいいのかどうかという、そういう問題意識であります。
例えば、マーケットに訴えるという意味でいえば、漫画とかこういうのも当然訴求力が非常に強い。しかし、この漫画家の人件費というのは、先ほどの解釈でいえば研究開発税制の対象にはならないと。それをすべきだと直接的に申し上げているわけじゃありませんけれども、例えばの例でありますけれども、自然科学あるいは工学系の研究開発だけではなくて、新しいサービスを開発するとかマーケットに訴えるデザインを考案するとか、こういうソフト的な投資も促していくということが今後必要になってくるのではないか、それこそが真のイノベーションになるのではないかというふうに思うわけですね。
ですから、従来から考えてきた研究開発税制、そういう考え方はもちろん大事です。しかし、これからの新しい時代に、真のイノベーション税制という新しいくくりでそれを促していくという発想もこれからは必要になってくるのではないかというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には、何というのかしら、広く経済全体に恩恵を及ぼすものとして産業の中に出てくる技術開発、その中にはいわゆるハード、二次産業的なものもあれば三次産業みたいなものもありますし、いわゆるマーケットリサーチの中でいえば、POSを開発した、POSだけが対象になるけれども、あのアイデアを考えた、POSを最初に考えたのは誰だというところがもっと大事なところだと思いますけれども、あれを技術的に可能にしたのはITの進歩のおかげだと思いますが。
そういったようなもので見ますと、投資リスクが高いというのでなかなかこっちには投資が行われないといったものに対して、研究開発税制によって支援を行っているというのがこれまでの基本的な考え方なんだと思いますが、質の高い研究開発というものに投資していくというのが、今後やっていくということがこれは大変重要だと思っておりますのと同時に、研究開発の対象というものを幅広いものにしていく、二次に限らず三次のものを含めてというのは、産業や技術を生み出すような研究開発支援をするという、未来のいわゆる日本の技術、日本の産業の未来というものを考えていく上においてはなかなか難しい。難しいというのは、一緒になるという部分が別々にスタートしてきておりますので、それを一緒にやっていかねばならぬという発想に、要するに、アイデアを、接点をつなげていかないかぬということになってくるんだと思いますので、少々時間が要る考え方だとは思いますけれども、研究開発というと、何となくその言葉の響きから、もっと別の言葉をつくるか何かしないと、この話はなかなか難しいかなとは存じます。

○西田実仁君 まさに、そういう意味で、研究開発税制という言い方は、これまではそれで良かったかもしれませんが、これからは、例えばイノベーション税制とか、そういう言い方にして、工学系も、デザインの考案といったようなマーケット、あるいは人文・社会科学系というんでしょうか、サービスというんでしょうか、そういうことも一緒くたにしてイノベーションをどうやって後押ししていくのかという、この発想の源を変えて税制全体を考えなければならないというふうに思いますけれども、その点は大臣に共有いただけると。じゃ、局長、どうぞ。

○政府参考人(佐藤慎一君) 今の先生の御指摘の点、大変、日本国、将来を考えたときに重要だという視点からの問題提起だと思いまして、それは重要だと思います。したがって、そういう視点から、研究開発税制につきましても、累次いろんな工夫をして、充実をしてきたということかと思います。
ただ、一方で、この税額控除という制度は、ある意味では補助金ではございます。したがいまして、せっかく一定の費用を、言わば税金を控除するという形で投入するということであれば、政策効果がやはり問われるんだろうというふうに思います。漫然たる研究開発と広く呼ぶものではなくて、やはり質の高い、よりこれから日本が向かっていくべき、そういう方向性に合ったような投資というものはどういう形で後押しするかという視点が重要だろうと思います。
現在ある試験研究費の範囲というものがそれで十分足りているのかどうかという問題提起かと思います。ここは、やはり時代も動いていきますから考えていかなきゃならぬと思いますけれども、ただ単に、一方でまた、一般的な研究に関わっているので全て入るというのも、これもまたちょっと行き過ぎという面もあるので、その辺はよくバランスを取った議論が要るのかなというふうに思っているところでございます。

○西田実仁君 まさに今、質の高い研究開発という話がありました。質の高いという、その質の高い研究開発には、これまでのような工学系や自然科学系のみならず、新しいサービスの開発、あるいは組織の改善ももしかしたら含まれるかもしれません。
こうした、放っておくと過小投資に陥るリスクを回避するための研究開発税制だと思いますけれども、どういう投資を促すことが将来の日本にとって大事なのか、真のイノベーションとは何なのかというところに立ち返ると思いますが、そうしたことからすると、この質の高い研究開発には、当然のごとく、新しいサービスの開発やデザインの考案というのも入ってくるんじゃないかと思いますけれども、そこは考え方として同意いただけるでしょうか。

○政府参考人(佐藤慎一君) 考え方としては、より質の高い研究開発に重点化していくというのが方向性だと思います。
今先生が御指摘されたお話が実態的により質の高いものかどうかというのは、ちょっと何を前提としてお話しするかによって答えが変わってまいりますけれども、その部分が例えばそれなりの効果があるというふうなことになれば、それは対象にし得るとは思いますけれども、そこは十分また研究をしていかなければならないと思っております。
いずれにしても、この話は、先ほど申しましたように、税額控除という形で一種の補助金でもございますので、それ自身がやっぱり効果的に使われなければならない、ばらまきになってはいけないという視点も十分踏まえて、その辺の議論を深めていく必要があろうかと思っております。

○西田実仁君 まさに議論を深めなきゃならないと思いますね。
ばらまきをしようという、何でも対象にしようといった話をしているわけではなくて、真のイノベーションとは何なのか、日本にとってどういうイノベーションが必要なのかというときに、これまでの発想の延長だけでこの研究開発税制を考えていてはもう立ち行かなくなっているのではないかという問題意識、ここは共有いただいているというふうに思います。
その上で、もうちょっと細かい話で、中小企業にとってということで申し上げますと、この研究開発税制における試験研究費、試験研究のために要する費用という、これが、いわゆる専ら要件というのが非常に障害になっているということが言われて久しいわけでございます。租特の施行令第二十七条の四に、この試験研究を行うために要する原材料費、人件費及び経費とされている中の人件費は、専門的知識をもって当該試験研究の業務に専ら従事する者に係るものに限ると、こういうふうに政令で定められているわけですね。
しかし、これは、中小企業はもうとにかく人的な余裕がありません。大企業のように何とか研究所とか何とか研究員という人が専属でいるわけではありません。しかし、研究開発はやっている、試験研究も行っている。そういう限られた経営資源の中で中小企業は試験研究に取り組まざるを得ないわけであります。ありていに言えば、試験研究に専ら従事するというよりも、試験研究もやりながら他の業務にも関わるという、兼務をするというのがごく普通の形になってくるわけであります。
しかし、先ほどの、冒頭の調査によれば、税法上の試験研究費が不存在であるというふうに答えた中小企業が多い最大の理由は、最大と言えるかどうか分かりませんが、強い理由は、この税法上の専ら要件というものがなかなかクリアできないのではないか、ですから、せっかく研究開発は行っているんだけれども研究開発税制が利用できないのではないかというように私は思っているわけでございます。
この点に関しましては、既に、平成十五年になりますけれども、中小企業庁から国税庁に対しまして照会がなされております。それはあるんですけれども、しかし、先ほど、平成二十三年から二十七年までの数字で見たように、緩和されたかのように、私もその照会文書は、国税庁の文書も読みましたけれども、かといって改善されているというか、中小企業がもっと使っているようになっているわけではないわけでありますので、依然として専属的に研究開発に従事する人しか税額控除の対象にはなっていないという、この専ら要件の壁ということはやはり抜本的に考え直していかないと、真の意味でのイノベーションは何かという大変難しい議論、一方でありながら、実際に研究開発、試験研究に携わっている中小企業が税制を利用できないという結果につながっているのではないかなと、このように思うわけでありますけれども、いかがでしょうか。

○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
今、専ら要件の話はもう先生のおっしゃったとおりでございまして、平成十五年に中企庁と国税庁との間で、運用上、まさにプロジェクトの全期間にわたり試験研究に従事する者に限らず、専門知識をもって自らが担当する設計、開発などの試験研究業務に専属的に従事するなどの一定の条件を満たす者につきましては適用を認めているところでございます。
ただ、先生が今おっしゃいましたように、それにもかかわらず増えていないのではないかというお話もありますが、中企庁が我々国税庁に出してきたそのレターの中に、こういうものが研究開発になるのかどうかというのが分からなくて見送るケースがあるのではないかといったような中企庁の指摘もありますので、多分それは周知広報の問題も若干あろうかというふうに考えております。
我々、ホームページに載っけているところで公表しているところでございますが、もちろん、中企庁もあるいは独法の中小基盤整備機構もホームページ、マガジン等で広報しておりますが、引き続き、我々、中企庁とも連携をいたしまして、例えば各地域の商工会議所を通じるなど、更に一層の周知広報に努めてまいりたいというふうに考えております。

○西田実仁君 そういうことじゃないと思いますね。
要は、専ら要件なので、専ら要件をクリアするためには何時間どうのこうのという、そういう何かサポートが中小企業はないと、大企業のようにもう外形的に専ら要件をクリアできるところと中小企業は違うわけでありますので、単に周知徹底を図ればこれが利用されるようになるということであれば、もっと前から利用率上がっているというふうに私は思います。どうぞ、じゃ局長。

○政府参考人(佐藤慎一君) 研究開発税制が本当に真に意味ある形で使われるためという御指摘でございますので、その点は全く同じ問題意識でございます。
ただ、一方で、税制上の支援でございますので、やはりそれは的確に効果が出るような形にならないといけないということだろうと思います。人件費は、かなりそこはシンボリックな部分がございまして、専ら要件を付けていますのは、まさに研究開発に従事しているということそのものの人的な力が研究開発に影響してくるということに相なるということで、専らということを付けているわけでございます。ただ、専らといっても全員がそうでないといけないというわけにはいかないので、いろんな形で、若干の解釈の中で幅を持った運用をしているというのが実態でございます。
これ、専らを外すということになりますと、社員だったら誰でもいいという話になりますので、言わば経理の方までオーケーというふうになってしまうということになると、本当にそれは研究開発のための人件費と言えるのかという問題も出てくるんだろうと思います。ですから、何がしかの規律というか線引きが要るのではないかということで専らということを引かせていただいているということでございます。
ちなみに、海外の制度と比較をいたしましても、人件費がこれだけ広く認められているのは恐らく日本であろうというふうに思います。ほかの国は、そこはかなり厳しくて、限定的にそこは考えているように思います。そうした点も御配慮賜われればというふうに思っております。

○西田実仁君 そういう事実はあるのかもしれませんけれども、要は、真のイノベーションをやろうとしている中小企業に使いやすくするためにどういう環境を整える必要があるのかということで、専ら要件を何か外して、のべつ幕なしに全て使えればいいということを議論しているわけではないんですね。ただ、専ら要件のその専らを証明することが中小企業にとっては大変だということなんですよ。それをどうやってサポートするかという、総合的に考えなきゃいけないというふうに思っております。
残った時間、短いんですが、国税通則法の話で若干確認をしたいと思います。
平成二十七年度税制改正で国税通則法が改正されまして、再調査の制限の対象となる調査の見直しがなされてございます。再調査規定の前提となる調査は実地の調査に限定をするというふうに改正をされました。逆に言いますと、実地の調査以外の調査については、たとえ新たな情報がなくても何度でも調査ができるというふうに見直されたわけでございます。
そこで、何度でも再調査が可能となる実地調査以外の調査というのは具体的にどのような問題の事例を想定しているのか。また、そうした再調査を掛ける場合の手続はどのようにしていかれるのか、あるいはいるのか、これを残った時間で説明いただいて、終わります。

○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
まず、実地の調査はどういう調査かというお話でございまして、実地の調査は納税者の事業所等に臨場して質問検査を行うものでございまして、この場合、納税者の事業所におきまして様々な書類を確認しながら、全体の申告内容について調査するというのが一般的でございます。
一方、実地調査以外の調査でございますけれども、これは、提出された申告書に客観的あるいは限定的な誤りがある場合など、来署依頼を行いまして、判明している誤りに限りまして確認を行うといった簡易な形で調査を行っているところでございます。
したがいまして、具体的に申し上げますと、例えば提出された申告書におきまして医療費控除に誤りがあるといった場合につきましては、例えば納税者の延滞税の負担なども考慮して、その点についてその時点で行政指導を行いまして、これにより見直しを行った納税者につきましては新たに得られた情報がなくても後に調査が行えることになります。
他方で、この行政指導により見直しを行わなかった納税者につきましては、実地の調査以外の調査、先ほどのような簡易な調査で是正を行うことになりますが、これにつきましては新たに得られた情報が入手されるまで調査が行えなかったところでございます。
したがいまして、今回の改正におきまして、こうした実務上の問題点が解消されるということになったわけでございます。

○西田実仁君 終わります。

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