財政金融委員会・第4号


2005年3月18日

【質疑事項】
1.偽造キャッシュカード被害対策について
2.金融機関に注入された公的資金について
3.企業の情報公開について

○西田まこと君 公明党の西田実仁でございます。
私の方からまず、おとといだったでしょうか、銀行のカードの偽造キャッシュカードに対する提訴がなされました。公明党といたしましても、私も事務局長とし てずっとこの対策に取り組んでまいりまして、訴えられた皆さんに、原告の人たちにも随分何度もお会いして様々なお話をお聞きしてまいりました。立法措置も 含めて今鋭意検討しているところでございますけれども、ちょっと絞ってお話をお聞きしたいと思います。今金融庁さんの方でもスタディーグループで検討され ているということでございますので、絞ってお聞きしたいと思います。
結局、被害者の方の最大の銀行に対する不信ないしは不満というものは、かつ てと同じ約款にもかかわらず、かつては被害に遭っても補償しませんと。しかし、同じ約款にもかかわらず今はそんなことは言っていませんと、補償することも あるんですと。約款そのものは変わらないんですけれども、被害者に対する、偽造キャッシュカードの被害に対する補償の態度がまず過去と今と違うと。しか も、それが今度横に行きますと銀行によって違うと。こういうことが大変に、約款のロジックはほとんどどの銀行も金融機関も同じなんですけれども過去と今と 違うと、銀行によって違うと、こういうことが被害者に大変な不信と不満を呼んでいるように思っておりまして、この同じ約款で違う対応を取っているという、 その運用の中身が非常に漠としているというか柔軟といえば柔軟なのかもしれませんけれども、この点についてまず金融担当大臣からコメントいただきたいと思 います。

○国務大臣(伊藤達也君) 委員はこの偽造キャッシュカード問題について公明党の事務局長として取り組まれているということを承知をいたしておりますし、過日も皆様方から要請を私どもも直接受けさせていただいたところでございます。
今、被害者の方々のその心情について御指摘がございました。約款が変わらないにもかかわらずその対応というものが変わってきていると、そのことに対して被 害者の方々が大きな疑問を持っておられるという御指摘でございました。私どもといたしましても、この偽造キャッシュカード問題につきましては、やはり被害 が発生した後、適切に対応していくことが重要だと。適切な対応も含めて偽造キャッシュカード問題に対する実効性ある対応を金融機関に求めてきたところでご ざいますし、また委員御承知のとおり、1月の25日に全銀協においてはこの問題に対する申合せというものを発表されて、偽造キャッシュカード問題のその補 償の問題も含めてその申合せがなされているわけでありますから、こうした申合せというものが実効性あるものになっていくように私どもとして期待をしており ますし、またその状況を今後とも注視をしていきたいというふうに思っているところでございます。
さらに、委員からも御紹介がございましたよう に、私どもといたしましては監督局内に専門家の方々に御参加をいただいてスタディーグループというものを設置をさせていただいて、今補償の問題も含めて精 力的に御議論をいただいているところでございます。こうした御議論の結果も踏まえて、さらに私どもとしてこの偽造キャッシュカード問題に対する対応策を取 りまとめて、その1つ1つを着実に逐次実施をしていきたいというふうに思っております。

○西田まこと君 特に海外における事例も熱心にお 調べになっていただいているというふうにお聞きしておりますけれども、1つだけ具体例として、例えばドイツなんかの場合は、基本的には責任は銀行が負うと いうことになっているんですが、預金者に過失がある場合にはその限りにあらずと、こういうことで、過失が預金者にない場合、軽過失がある場合、重過失があ る場合と。で、軽過失はこういう過失ですと、重過失はこういう過失ですというふうに、過失一つもいろんな、預金者により安心を与えるという意味で申します とかなりきめ細かく、その約款の運用の部分ですけれども、決められてきていて、じゃ、こういうことはしちゃいけないんだなと、これしていれば安心なんだな という、こういう安心感を与えていると思うんですね。
こういうように約款が非常に、ロジックとしては決められていて、あとはそれぞれ運用がそれ ぞれ勝手にというか、その銀行によってかなり異なったり、あるいは時期によって異なったりというのは非常に預金者にとって分かりにくい、あるいはそこが不 満になっている、不安になっていると、こういうことなのかなというのはちょっと今、正直思っておりまして、ここをどうするか。約款できちっと統一していく のか、統一的なルールを求めていくのか、それとも立法していくのか、この辺は私どもとしても熱心にまたやりたいと思っております。
時間も限りが ございますので、次のテーマ、今日は2つほどお聞きしたいと思いますが、まず1つは、ペイオフ解禁を間近に控えておりまして、これまでのこの金融安定化の ための施策がひとつの区切りというか、総括をしなければならない時点に来ていると、こういうふうに思いますので、あえて確認をさせていただきたいと思いま す。
これまでこの金融安定化に向けまして金融機関向けに注入されました公的資金の総額と、そのうち既に国民負担として確定した金額、これについて当局より御説明いただきたいと思います。

○政府参考人(佐藤隆文君) 金融システムの安定化のために使われました公的資金でございますが、預金保険機構におきましてこの平成16年3月末までに実施された資金援助等の状況でございます。
1つ目に、預金者等の保護のために行われました金銭の贈与、これが18兆6162億円という規模でございます。2つ目に、破綻金融機関などからの資産の買 取り、これが9兆6483億円という規模でございます。3つ目に、金融システムの安定化のために行われました資本増強、これが12兆3869億円というこ とでございまして、4つ目に、その他の資金援助等ということで6兆1539億円ということでございます。
このうち損失として確定をいたしておる 部分でございますけれども、先ほど申し上げました金銭贈与18.6兆円のうち、ペイオフコストを超える部分につきまして、預金の全額保護のためでございま すけれども、このために行われました金銭贈与の部分に充てられました交付国債の償還、すなわち交付国債を使ったということでございますけれども、この額が 10兆4326億円ということでございまして、この部分につきましては既に国民負担として確定しているということでございます。

○西田ま こと君 この10兆というのが今確定している、これだけのコスト負担の見合いとして金融機関がどれだけ体質改善したのかということをやはり、先ほどの話 じゃありませんけれども、10兆とかなりというか物すごい大きな額でございますので、国民に分かるように、この10兆がコスト負担になったことによってこ んなに金融機関は強くなったというところをできる限り分かりやすく大臣に御説明いただければと思いますが。

○国務大臣(伊藤達也君) 委 員から、これだけの公的資金というものを投入してそれが本当に有用に使われたのか、そのことについてしっかり説明しなければいけないと御質問いただいたわ けでありますが、私どもといたしましては、この公的資金の投入を通じて、預金者の保護、あるいは我が国の金融システムの安定化、信頼の回復と、こうしたこ とに対して一定の役割を果たしてきたというふうに認識をいたしているところでございます。
また、公的資金の投入を含めたこれまでの金融機関の健 全性確保に向けた様々な取組というものが行われているわけでありまして、こうした取組を通じましてリスク管理体制あるいは資産査定の信頼性というものは全 体的に改善をしてきているというふうに思いますし、それを反映する形で我が国金融機関は全体として不良債権比率というものも低下をしてきておりますし、ま た自己資本比率というものも改善をしてきているんではないかというふうに思っているところでございます。
不良債権問題について見ますと、主要行 につきましては金融再生プログラムの諸施策を展開をさせていただいてまいりました。16年9月期におきましては主要行の不良債権比率が4.7%まで低下を してまいりましたので、17年3月期までに14年3月期の不良債権比率に比べておおむね半減をさせていく、こうした目標を立てさせていただいたわけであり ますが、その目標の達成に向かって着実に低下をしてきておりますし、その目標の達成が視野に入ってきているというふうに思っております。
また、 地域の金融機関におきましては、リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムに基づいて、中小企業の再生と地域経済の活性化、そ して同時に不良債権問題を解決をしていくということで様々な取組が展開をされているところでございますけれども、地域金融機関、中小金融機関全体を見まし ても不良債権比率というのは全体的に低下をしてきておりますし、また自己資本比率というものも改善をしてきておりますから、全体として見ると進捗をしてき ているというふうに思っているところでございます。
金融庁といたしましては、引き続き、こうした取組というものに全力を尽くしてまいりたいというふうに思いますし、より強固な金融システムを構築をしていくために努力を続けていきたいというふうに思っております。

○ 西田まこと君 次に、ライブドア、フジテレビ並びに西武鉄道のいろんな不正事件について、私としては、やはり様々な法の不整備を直していくということ大事 ですけれども、より根本的にやはり企業の透明性をいかに高めていくかということが主題になってくるんではないかというふうに思っております。
そ の際に、例えば大株主の公開義務につきましては、今上位10社、10位まで公開する義務付けされておりますけれども、例えば、この大株主をもっと30位ま で公開していくというような透明性を高めていく、あるいは先ほど大臣おっしゃった家計の選択の幅を広げる、あるいは各種市場の活性化をしていくと、こうい うことを考えたときには、1つ懸念されているのは、個人情報保護法がこの4月1日から導入をされるに当たりまして、役員の履歴その他が個人情報に当たると して、これを盾にして、個人情報保護法というものを盾にして、個人株主から抗議されたら対応できないと、こういうふうにして情報公開渋るような企業も公開 企業にもかかわらず出てきているというふうに報道の現場からも聞いておりまして、ちょっと時間もございませんので、あわせて、今お聞きしております大株主 の公開義務の話と、それからこの個人情報保護法と企業の透明性確保と、この点についてまとめてお答え願います。

○副大臣(七条明君) じゃ、私の方から先に、前段に、上位10社までの公開を上位30社までと、こういうようなお話でございましたから。
これにつきましては、上位各大株主の情報開示を求めるについては、投資判断資料となるべく多くの大株主の情報の開示を求めるべきことが指摘される、あるい はその一方で、所有株数が非常に少ない株主についてまで個人情報を開示することが適当でないというような見方の二通りの見方が出てまいりますものですか ら、そのバランスを考慮していわゆる十名程度とすることが開示の適当であろうと。そういう形で大株主の数を拡大することについては慎重に考えなければなら ないと。
後段については、大臣の方からお答えいただきます。

○国務大臣(伊藤達也君) 個人情報保護とそして企業の情報開示の 関連についての御質問いただいたわけでありますけれども、個人情報の保護ということは、これは極めて重要なことでありますので、そうしたことに配慮する必 要があるということは当然のことだというふうに思っておりますが、一方で、有価証券報告書において重要な情報を開示をすることが求められているわけであり ます。こうした情報というのは現状において投資者の投資判断において極めて重要な情報であると広く認識をされているものでありますので、私どもといたしま しては、引き続き、証取法令に基づき適切な開示というものを求めてまいりたいというふうに考えております。

○西田まこと君 この役員の履 歴その他が個人情報に当たるとして情報を、この4月1日からこういう厳しくなるということで、それを盾にしてこういう企業の中で、報道の現場からお聞きし ますと、先ほどおっしゃった公的資金が一番入っている金融機関がこうしたことに対してやや、余り根拠の薄弱な守秘義務みたいなものを持ち出して情報公開に いま1つ渋るところもあると。すべてがそうとは言いませんけれども、金融機関の中にはそういうところも見受けられると、こういうことを現場の方からも聞い ておりまして、最後一言、大臣から、特に金融行政を担当されるところでの情報開示と、一般的な企業の情報開示のお話ありましたけれども、特に金融機関とい うことについてコメントをいただきたいと思います。

○国務大臣(伊藤達也君) もう金融機関はやはり非常にその業務の公共性の高いものでありますので、こうしたことにかんがみれば、健全性や持続可能性について国民の皆様方の十分な信頼を得ていくことが不可欠であるというふうに考えております。
そのためにも、一般企業に比べてより充実した情報開示というものを促進していく必要がありますので、私どもといたしましては、銀行法令等におきまして金融 機関がその業務及び財産の状況を十分に利用者の方々に開示することを義務付けているわけでありますので、こうした義務付けに対してしっかりとした適切な対 応をしていただいて、そしてさらに、利用者の方々から見て、預金者の方々が見て、やはり分かりやすく丁寧な情報開示というものが非常に重要だというふうに 思いますので、そうした観点から情報開示がなされるように私どもとしても努めてまいりたいというふうに思います。

○西田まこと君 終わります。

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