財政金融委員会・第2号


2004年10月28日

【質疑事項】
議題 大臣の所信的挨拶に関する件
1.予算編成の姿勢
※台風の多発等による災害被害甚大、国の財政支援拡大
※持続可能な財政制度について
※一般会計の空洞化の改善について
2.三位一体改革の見通しを問う
3.アジア債券市場の育成について正す
4.金融再生プログラム後の金融行政の目的について
5.中小零細企業等融資の課題
※返済の「据え置き期間」について
6.年金担保ローンについて
7.金融教育の充実を訴える

○西田まこと君 公明党の西田まことでございます。
さきの参議院選挙で初当選をいたしまして、本日が最初の質問となりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。(拍手)ありがとうございます。
まず冒頭、午前中にもお話ございましたけれども、度重なる台風、また新潟県中越地震、謹んでお見舞い申し上げるとともに、補正予算の基本的な考え方について断片的に報道等されておりますけれども、財務大臣に御確認をさせていただければと思います。
基本的に、まず思いとしては、もう年度内にも補正が組んでいただきたいという思いがあるわけでありますけれども、これまでの財務大臣等のお話によります と、今年度の災害復旧費727億円プラス予備費3400億円で到底間に合わない場合には剰余金1兆500億円を費やし、更にそれでも足りない場合は国債も 増発すると、このようなふうに理解しておりますけれども、基本的な補正予算についての考え方、これでよろしいんでしょうか。

○国務大臣 (谷垣禎一君) 基本的にはそういうことでございますが、やはり当初予算はもう決まった予算でございますから、これは使えるものは当然使っていく。それか ら、予備費については、まだその補正より先に予備費を使うかどうかというのは、そのときそのとき、もう少し具体的に考えなければ答えは出ません。もう少し いろんな集計、それから緊急にやらなきゃならないもの等あると思います。それで集計して、補正、その次に補正ということになるわけですが、今のお話は補正 の財源をどこに求めるかということだったと思います。
それで、剰余金については、半分は国債等の償還のために入れなければならないという法律が ございますので、1つはその法律のルールがあるわけでございますが、そういうことで賄えないとなると、国債をどうするかということも視野に入れなければな らないということはおっしゃるとおりでございます。
ちょっと今、もう一つ。
いきなり国債と申しましたけれども、その前に、要するにどれだけ税収があるかとか、そういう、もう少しいろいろなことがございますので、ちょっと単純化して申し上げました。申し訳ありません。

○西田まこと君 私、初めてですので、この間の大臣の所信的なごあいさつに基づいてお聞きしたいと思っております。
まず最初の経済財政運営に関する基本的な考え方というところで、これは御確認でありますけれども、子や孫に負担を先送りしない持続可能な財政制度と、こう いう表現をされておりますけれども、これはすなわち毎年度の一般歳出等の、毎年度の一般歳出等のことですね、一般歳出を税収等で、その年度内の税収等で賄 うと、受益と負担を均衡させると、こういうふうなことが子や孫に負担を先送りしないと、こういう意味というふうに理解してよろしいんでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) いわゆる2010年代初頭に基礎的財政収支のバランスを取ると言っておりますけれども、その心は、その年にいただいた税金で、委員がおっしゃるように、その年の政策経費は賄っていくと。
もっとも、今まである、たくさんある借金の例えば利息払いについてはなかなかまだそこまで行かないけれども、取りあえず、今使うものは今の、今必要なもの は今の税金でやっていこう、そうして負担を先送りにしないようにしようというのが2010年代初頭に基礎的財政収支の回復を目指そうという心でございま す。

○西田まこと君 午前中にも御議論ございましたけれども、正にその2010年代初頭の基礎的財政収支の黒字化を目指すと、こういうふ うに言われ続けておられるわけでありますけれども、念のために数字を確認いたしますと、この平成16年度の当初予算、国債費は17兆5686億円、そして 新規国債発行額は36兆5900億円で、すなわち基礎的財政収支は19兆214億円の赤字になるわけでございます。昨年度も19兆円以上のプライマリーバ ランスの赤字があるわけでございますけれども。
そして、この国債費を除く歳出が今後仮に横ばいで推移をすると、こういうふうに想定した場合に、 2010年、午前中は2013年というお話も一つのメルクマールとしておっしゃいましたけれども、今後10年間、例えば2014年というように考えたとき に、この約20兆円のプライマリーバランスの赤字を、歳出がこれまでと同じように横ばいというふうに想定した場合には、これを埋め合わせようと、プライマ リーバランスの黒字化を図ろうと、均衡化を図ろうとした場合には、単純に考えれば、毎年度2兆円近くの税の増収というものを図っていかなければならない と、このように理解すればよろしいんでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 今、いろんな数字を固定して税収でやると考えた場合とおっ しゃいましたが、税収だけでやろうとすると、多分あらあらそういうようなことになろうかなと思いますが、私どもの考え方は、やはり税収だけというのはいさ さか無理があるんで、全体のやはり経済の体力といいますか持続的成長、そういう中で税収の自然増がどこまで見込めるかというのはいろいろデリケートな問題 がございますが、やっぱり全体の体力が良くなっていくということが一番基本として必要だろうと思います。
その上で、歳出もやはり抑制をしなければいけませんし、歳入をどこで確保するかという観点、税制をどうしていくかという観点も併せてやっていかなければならないと思っております。

○ 西田まこと君 正にそのところが一番重要だと思っておりまして、プライマリーバランスの均衡化ということは大変に大事なことではございますけれども、単に 税収でやるということではなくて、やはり成長、特に国の経済規模に対する債務残高の比率をある一定にし、収縮させていくということを考えたときには、やは り名目利子率以上の名目成長率を図っていくということが大変大事になってまいりまして、その上での自然増収というところでこのプライマリーバランスの均衡 化を図っていくということを、大臣がこの間の所信的あいさつでも言われたとおり、民間部門が主導する形でのこのプライマリーバランスの均衡化ということが 大変大事ではないかというふうに思っておりますけれども、御所見を伺えればと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) おっしゃるとおりだと思います。

○ 西田まこと君 続きまして、平成17年度予算編成についての先般のごあいさつでございますけれども、これもごく当たり前といえば当たり前ですが、ごもっと もなことをおっしゃっているのは、従来にも増して歳出の抑制と予算配分の重点化、効率化を行ってまいりますと、このように宣言をされているわけでございま すけれども、私自身がただ問題とすべきことは、これまでも国会の中で随分議論されてきたように思いますけれども、一般会計の空洞化そのもののことをきちっ と議論しなければいけないんではないかというふうに思っております。
ちょっと数字が並びますけれども、あえて申し上げますと、平成16年度の一 般会計歳出は約82兆円、そのうちほかの他会計、すなわち特別会計への繰入れ、これにつきましては約47兆円ありまして、補助金が約25兆円、そして出資 金等が2兆円強と。すなわち、一般会計が直接的に支出するのは人件費とかあるいは運営費等、物件費等ございますけれども、8兆円ぐらいしかないわけであり まして、すなわち予算、一般会計の80兆円強の予算に対して1割しか直接には支出していないと。つまり、一般会計をスルーして特別会計にどんどん流れてい ると。特別会計そのものも一般会計の約五倍の規模を歳出歳入ともに持っているわけでございまして、一言で申し上げますと、歳出の抑制と予算配分の重点化、 効率化を行うというふうに申しましても、財政資金の過半が一般会計を素通りしていく中ではなかなか予算、決算ともに監視が容易ではないのではないかと、こ のように考えるわけであります。
その意味では、昨年11月に特別会計の見直しにつきまして御議論があったようで、御報告も出ているようでありま すけれども、これを一刻も早くこの特別会計、税金の無駄遣いをなくしていくことも含めて合理化等をしなければならないと。これはもう皆さんが共通して思っ ていることだと思いますけれども、この財政の健全化を図っていくということを考えたときに、一般会計を単にスルーして特別会計が肥大化している、このこと に、どういうスケジュールで、具体的にこれをどう改善していくのかということについて御意見をお伺いできればと思っております。

○副大臣 (上田勇君) 今委員から御指摘がありましたように、特別会計が相当大きな額になっておるわけでありまして、これが、一般会計は空洞化しているという言い 方が必ずしも適切かどうかというのは別といたしまして、特別会計のやっぱり見直しを図っていかなければ財政の立て直しができないというのは今御指摘のあっ たとおりでございます。
そういう意味で、昨年は、今ちょっと言及されましたけれども、財政制度等審議会におきましてもこの特別会計の総点検をい たしまして、16年度予算から様々な事務事業の見直しなども既に着手をしているところでございます。歳出の合理化、効率化など16年度予算の中にも様々に 生かされているわけでありますが、ただ、今御指摘にあったとおり、引き続きこの特別会計の見直しというのは重要な課題でございますので、今も、今年も財政 制度等審議会においても更にこの特別会計の見直しの論議を今進めております。また、経済財政諮問会議におきましてもこの特別会計の性格に応じた中期的な抑 制の目標を含めた改革案について今議論されているところでございます。
私たちとしても、こうした様々な御議論を踏まえた上で、これは審議会でも年内に改革案が策定されていることでありますので、そうした御議論を踏まえて、予算編成の過程におきまして特別会計の一層の見直しを進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

○西田まこと君 続きましては税制改革につきましてお話をお伺いしたいと思います。
この所信的なあいさつの中でも、国、地方のいわゆる三位一体の改革や社会保障制度改革といった重要な課題に取り組みつつと、このように述べられておられるわけでありますけれども、まずこの三位一体の改革についてお伺いしたいと思います。
三位一体の改革については、今日がちょうど地方団体の代替案の提出期限だったと思いますけれども、まだ年内、11月ということでしょうけれども、秋が過ぎ てもう冬も近づいてきているわけでありますけれども、これはどういうふうに決着を図っていくのかということについて御所見をお伺いしたいこととともに、先 般の経済財政諮問会議で大臣がお出しになりました地方財政計画に7兆から8兆円の無駄というか過大計上がある、そして交付税の肥大化につながっていると、 このような御指摘を、資料を出されておられますけれども、その御真意をお伺いできればと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) 今日が委員 がおっしゃいましたように地方6団体の作られた案に対する各省の対案と申しますか、そういうのの提出期限でございますが、相当膨大なものがもう出てきたの か出てくるのかちょっと私まだ定かに聞いておりませんけれども、まだその内容がどういうようなものなのか私自身も全部を把握しているわけではございませ ん。ただ、総理からは、地方6団体が作られた改革案を真摯に受け止めて、改革案の実現に全力を向けて当たれと、こういう御指示で、11月半ばを目途に全体 像を取りまとめろという指示が出されているわけでございます。
それで、9月に三位一体の改革に対する大臣会合というようなものができております ので、今後、そういう中で、官房長官、それから竹中大臣、麻生総務大臣、私、それからそれぞれの案件の関係大臣等が協議して、だんだん問題を早急に整理し ていかなければいけないと、調整をしていかなければならないというふうに考えております。
その際に、特に私は財務大臣という立場から申し上げま すと、いろいろな補助金をどうするかという議論が今までも相当ありましたけれども、国と地方の役割分担は何なのかというような総論としては今までも随分あ りまして、総論はある意味では整理されていると思いますけれども、個々具体的な政策手段に関して、国がやるべきものなのか地方がやるべきものなのかという ことはもう少し詰めなきゃならない点があるんだと思うんですね。地方がだから実施していくべき事業は何なのかと、こういう辺りを政策論でやっぱり詰めな きゃならないというのが1つ。
それから、そのときに、私の立場からすると、乏しい資金を効率的に使わなければなりませんから、どういう仕組みで やっていくとより効率的に目的を達成できるかという視点は不可避だろうと思います。更に申しますと、納税者の視点に立ちますと、無駄なものは、そのままこ れは地方にお譲りするとかお譲りしないとかいう話だけではなくて、無駄なものはやはりもうやめようと、廃止ないし縮減をしていくという視点も必要ではない かと、そういった観点から議論をしていきたいと思っているわけでございます。
それで、今、交付税改革について、先ごろ経済財政諮問会議あるいは 国と地方の協議の場で財務省の考え方を申し上げたわけでありますけれども、三位一体の中で補助金は相当議論され、それからそれの裏打ちする税源移譲につい ては所得税を中心に地方住民税でやっていこうということはあらあら方向が出ているわけでありますが、交付税改革についてはまだ実は議論が進んでおりません で、今朝も峰崎委員との御議論の中でその点は一番進んでいないと率直に申し上げたところでございます。
そこで、私の観点から申しますと、交付税 というのは、地財計画、歳出と歳入がございますけれども、交付税には2つの機能が、これも今更そもそも論を申し上げるまでもございませんけれども、地方間 の財政格差を調整していくという調整機能と、それから地財計画上、歳出と歳入のギャップを埋めていくという財源補てん機能というのがあるわけでございます けれども、そこのところが相当大きくなってきて、率直に申し上げますと、必ずしも、最後はそういう交付税で補てんされるからという形で、地方財政をそれぞ れの自治体がスリムにしていこうと、これはもう自治体によって意識が様々だと思いますが、必ずしもそういうインセンティブが働いていない場合がこの財源が 補てんされるということであるのではないかと。
その一番大きなものが地方の単独経費、一般行政経費というものが非常に大きくなってきている。そ の中身をやはり明確に、何というんでしょうか、しながら、透明化しながら無駄を省いていくことが必要ではないかというのが私どもの考え方でございますが、 ただ、もちろん、これはまだいろんな交付税改革については財務省の提案、提案といいますか、主張でございまして、これから更に詰めていかなければならない ことでございます。

○西田まこと君 続きましては、世界経済の安定と発展への貢献という項目のところで大臣がアジア債券市場の育成イニシ アチブ等について言及をされておられますけれども、ここは、端的に申し上げまして、このアジアの経済秩序、あるいは金融、地域金融連携、あるいは金融秩序 というものを保っていこうとするのであれば、地域大国でもあります中国との関係というものに日本がどのような、その関係を深めていくことに日本がどうイニ シアチブを取っていくのか。やり方によってはライバル関係になるだけに陥るかもしれませんし、場合によっては共同でアジアの発展に貢献もできると。
この点につきまして、日本として、特に中国との金融あるいは経済連携、どのように深めていくのか、どういうリードをしていくのかということについてお伺いしたいと思います。

○副大臣(上田勇君) 今委員からアジアにおける中国経済の重要性について御指摘があったわけでありますけれども、私どもも全くそのとおりに考えております。
そういう意味で、財務省としては、中国という御指摘ありましたけれども、更に韓国も含めた形でマクロ経済や地域金融の協力、それにかかわります諸問題につ いては様々なレベルでこれまでも極めて密接な協力関係を築いてきたところでございます。例えば、最近でもASEANプラス3の会議などには、今年も谷垣財 務大臣も御出席をいただいておりますけれども、そうした機会に別途この日中韓の3カ国で様々な情報や意見の交換も行っております。
今御指摘いた だいたように、中国の役割というのは非常に重要になって、更に重要になってきているわけでありますので、今後ともこうした日本、中国、韓国の間の緊密な情 報や意見の交換を更に深めていかなければいけない、そのような努力をしていきたいというふうに考えております。

○西田まこと君 続きまし て、伊藤大臣にお尋ねしたいと思いますけれども、大臣のごあいさつの中で、金融システムの安定強化に関しては、平成16年度末までに不良債権問題を正常化 させ、平成17年4月から予定どおりペイオフ解禁拡大を実施すると、このようにおっしゃっているわけでございますけれども、私の狭い理解では、いわゆる ビッグバン、金融ビッグバンというものが開始されたときに、その本来の目的につきましては、日本のメガバンク、大きな銀行が欧米の金融機関と伍して戦って いく、収益力を強化していくということにその本来の目的というものがあったというふうに理解しているわけでございまして、またその後、金融機関のいろんな 持ち株会社方式での統合、あるいは様々な、収益力を引き上げるために金融・資本市場にかつてでは想像できないほどかなり自由に参入ができるようになってき た、このように背景が変わってきたというふうに思うわけでございますけれども、ただし、この不良債権問題という、これを処理するために、金融機関の収益力 を強化していくという本来の金融ビッグバンの目的がどこまで今達成できているのかということについてはやや疑問に思っております。
主要行の不良 債権半減という目標が達成された後に金融行政としてどのような目的、目標を持っていかれるのか。あるいは、この文章で、うがって読めば、ペイオフ解禁拡大 というものによって自由競争が拡大して、そういう金融行政の何か目的を持つのではなくて、自由、ある種の自由放任主義のようにしてやっていくことが大事だ とお考えなのか。この辺、金融再生プログラム後の金融行政の目的についてお伺いしたいと思います。

○国務大臣(伊藤達也君) 今御指摘が ございましたように、この2年間というのは、日本経済を長年苦しめてきた不良債権問題というものを正常化をさせて、そして構造改革を強固に支える金融シス テムというものを構築をしていく、そのために金融プログラムというものを策定をさせていただいて、そのプログラムに基づいて諸施策というものを展開をさせ ていただきました。現在、16年3月期の主要行の不良債権比率を見ますと5.2%まで低減をしてきておりますので、プログラム全体としては順調に進捗をし てきているというふうに思っております。しかし、まだプログラムの目標を達成をしているわけではありませんので、改革の手を緩めることなく、確実に目標が 達成できるように、金融再生に向けて、金融システムの安定強化に向けて努力を続けていかなければいけないというふうに思っております。
その後に ついての金融の姿をどのように描くのか、この点については、今年の6月に閣議決定をされました基本方針2004の中で、新しいプログラムとして金融重点強 化プログラムというものを策定をする、仮称でありますけれども、策定をするということになっております。そして、このプログラムの目標というのは、世界で も最高水準の金融機能を利用者のニーズに応じて提供できるような金融システムというものを構築をしていく、そのことを目指したプログラムを作っていこうと いうことを明らかにしているところでございます。
現在、こうしたプログラム作りに向けての作業をスタートさせていただいたところでございまして、こうした目標に向かって新しい金融行政の展開というものをこれから進めていきたいというふうに考えております。
○西田まこと君 中小企業、中小・地域金融機関に関しても言及されているわけでありますけれども、これを素直に読むと、中小・地域金融機関の収益力も回復し、そのことによって同時にこの不良債権が優良債権化していくというふうにも読めるわけでございます。
しかしながら、一方で、その後段に言われておりますけれども、金融検査マニュアル別冊の改訂を行うとともに、中小・地域金融機関の業務の特性を踏まえた多 面的な評価、このようにも言及されているわけでございまして、今現時点で中小金融機関の経営の現状、これが日本の今後の景気の拡大の持続性ということに関 しまして大変重要になってくると思いますけれども、今この中小・地域金融機関の経営の現状をどのように概括的に思われているのか、これについてお尋ねしま す。

○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。
地域金融機関の経営の状況でございますけれども、直近 の財務内容を見ますと、健全性基準について、足利銀行を除いてこの基準は満たしております。そして、地域金融機関の問題については、御承知のとおり、リ レーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムに基づいて、中小企業の再生と地域経済の活性化を図りながら、同時に不良債権問題を解 決をしていこうということで、諸般の様々な努力を今地域の金融機関は展開をしていただいているところでございます。
そして、私どもにおいても、 検査においても、先ほど御紹介がございましたように、中小企業編という形で検査マニュアルの別冊を新たに改訂をさせていただきました。より中小企業の実態 に即した検査を実施することによって中小企業に対する金融というものを円滑にしていこうと、そうした視点からマニュアルの改訂にも取組をさせていただいた ところでございます。
これからも地域に密着をした金融機関としての機能というものを強化をすることによって、こうした取組を進めることによって地域における利用者の方々の信認というものをより強固にしていく、そうした取組を更に強力に進めていかなければいけないというふうに思っております。
先ほどお話をさせていただいた新しいプログラムにおいても、中小企業の再生やあるいは地域経済の活性化に貢献できるような金融機能を強化をしていく、その ための地域金融を確立をしていくということを重要な課題として設定をしておりますので、そうした問題についても今まで以上に積極的に取り組んでいきたいと いうふうに思っております。

○西田まこと君 地域の金融機関と密接不可分である中小企業の再生につきまして関係各位の方にお伺いしたいと 思いますけれども、私も選挙区が埼玉で、首都圏ではございますけれども、その県も大変広うございまして、地域によっては様々な中小企業、なかなかまだ前向 きな投資に向かわない、ある意味で攻めよりも守りにまだ十分に時間また資金を費やさなければならないというところが多々ございます。
そこでお尋 ねいたしますけれども、総理もこの間本会議でもおっしゃって、再生支援協議会について大変に成果を上げているというお話をされました。あの数字自体はその とおりだと思いますけれども、実際に、その後の、後段の、総理はおっしゃっておりませんでしたけれども、その対応が終了している比率というのの数字が出て おりませんで、対応が終了している、再生の対応が終了しているのは実はわずか相談件数の4%ぐらいしかないという大変にまだまだ少ない、少のうございま す。
すなわち、この中小企業の再生ということについて言えば、まだほんの緒に就いたばかりということが言えるというふうに思っておりまして、こ うした中小企業再生支援協議会の機能拡充等も含めまして、こんな感じの調子で、スピードで中小企業の再生ということが行われていくということで実際よろし いものかどうか、御担当の方にお聞きできればと思います。

○政府参考人(鈴木正徳君) 今先生からの御指摘ございました中小企業再生支援協議会でございますけれども、昨年2月以来、すべての都道府県に設置させていただきまして、私ども、地域の総力を結集しまして中小企業の再生を御支援申し上げているところでございます。
これまでの実績でございますけれども、約5千社の企業から御相談がございまして、そのうち、今先生が御指摘ございましたように558社、5千社のうち 558社の再生計画の支援を行っているところでございます。そのうち、完了しました会社でございますけれども、234社ほどございます。このほかに、現在 この再生計画の支援の相談を継続している会社さんにつきまして、1千件ほどございます。
私ども、地域の方々から御意見を伺い、またその地域の金 融機関からの御意見を伺いますと、やはりそのニーズが非常に強いものというふうに考えておりまして、今後ともこのようなニーズに的確に対応すべく、政策金 融など様々な施策を私ども結集いたしまして、中小企業の再生に万全を期してまいりたいと考えております。

○西田まこと君 今御指摘の中小企業の再生について今お話しいただいたわけでありますけれども、1つは大変相談件数が多いと、でもなかなか処理ができないというのが私も埼玉県で中小企業再生支援協議会でもお聞きした正直なところだというふうに聞いております。
そこで、今一部で言われておりますけれども、事業再生士といったような1つの資格をもっと広めていって、そして中小企業の再生をもっとしやすくしていく、 相談をもっと受けやすくしていくと、こういう環境整備が必要ではないかというふうに私はまず考えるのが一点と、もう1つは、今政策金融のお話しされまし た。例えば、政策金融機関、公的な融資、運転資金のところで特に中小企業からの訴えが多いのは、はっきり言って据置期間。例えば、据置期間1つ取ってみて も、最長でも皆2年という、あるいはほとんど1年、もう横並びになっておりまして、もうちょっと柔軟に、運転資金でも5年のものや、あるいはもしかしたら 10年とか、海外等でも比較してもそうしたものもあるわけでございまして、これは法律で決まっているということではなくて、要項で決まっているというふう にもお聞きしておりますので、もうちょっと柔軟なそうした政策金融ということもあってもいいのではないかと、この2つをちょっと御提案させていただきたい と思いますけれども、御意見、いかがでございましょうか。

○政府参考人(鈴木正徳君) 先生から今御指摘ございましたように、中小企業の 再生に当たりまして、やはりその事業再生を担う人材の育成、これが非常に重要だというふうに考えております。私ども、この中小企業再生支援協議会におきま しても、地域におきまして様々な知見を持たれている方々、公認会計士の方、税理士の方又は弁護士の方々、様々な方々を結集いたしまして、この中小企業の再 生を行っているところでございます。
あわせまして、この専門家を育成するための教材、カリキュラム、これにつきまして私ども作成を行ってきてお りまして、実は今先生御指摘のとおり5千件ほどの相談がございまして、まだ継続の相談中の案件、まだ策定支援中の案件、たくさんございまして、私どもいま しばらくはこの実務をできるだけ的確に行っていきたいと考えております。先生今御指摘ございました再生士につきましても、私ども、こういうような実績を踏 まえまして今後検討させていただきたいというふうに考えているところでございます。
それから、あわせまして中小企業の金融でございますけれど も、昨年以来、この中小企業の借換えのために信用保証制度を創設しましたところ、1年間で約7兆円ほどの借換え保証がございました。非常にこの融資機関に ついて需要が多いというふうに私どもも感じているところでございます。できるだけリスケジュールとか様々なことを講じまして、中小企業が再生するというこ とがまず大事でございますので、私ども、政府系金融機関につきまして的確に指導してまいりたいと考えているところでございます。

○西田まこと君 ちょっと観点が全く違う件を一つお聞きしたいと思いますけれども、年金を担保としたローンについてお伺いしたいと思います。
これは地元で様々な方から実はお話をいただきまして、年金を担保としておじいちゃん、おばあちゃんがローンを組んでしまって、それを全額返済に充てなきゃ いけないと。よく金融機関の窓口で説明も受けずにそのようなローンを組んでしまったことで、その後非常に生活が困っている、こういう件を幾つかお聞きして おります。
そこでお尋ねしたいと思いますけれども、年金権を担保としたローンというのはそもそも原則禁止をされているというふうに理解しており ます。すなわち、国民年金法第24条で「給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。」と、このようになっているわけです けれども、これでよろしいんでしょうか。

○政府参考人(渡辺芳樹君) 一身専属性のある権利でございますのでそのような規定が整備されて おりますが、昭和48年と記憶しておりますが、年金関係法の改正の際に議院修正において年金受給権を別に法律で定めるところにより担保に供することができ るという制度が導入されたということでございまして、その後、昭和49年に至りまして年金福祉事業団法の一部改正ということを通じて公的な年金担保融資と いうものがスタートしたというふうに承知しております。

○西田まこと君 原則は年金権を担保にしてローンは組めないということですけれど も、例外規定が決められているということだというふうに思います。それがその福祉医療機構を通じての融資ということで、これは全国の普通の銀行で、あるい は国民生活金融公庫で、どこでもはっきり言って受付がされていると。非常に普及しているというか、実際にローン残高も増えているというふうに承知をしてい るわけでございますけれども、ただ、そういう意味では、そういうニーズがあるということなんだろうなというふうにも思います。
しかしながら、今 申し上げましたとおり、まずこの仕組みをよく理解していないお年寄りがだれかにある意味で唆されたというケースが私の場合お聞きしましたけれども、よく理 解しないでこのローンを組んでしまい、さらにこのローンは、何か不思議なことなんですけれども、全額を返済するかあるいは半額を返済するかという2つしか 返済方法がないという、こういうなかなか金融商品というのは珍しいんじゃないかというふうに思うわけでありますけれども、これをもうちょっと、もしこれが ニーズがあり、必要であるということであれば、まず窓口でのきちっとした説明が必要であるということとともに、この返済の方法についてももう少し柔軟にし ていくべきではないかというふうにも思うわけですけれども、いかがでございましょうか。

○政府参考人(渡辺芳樹君) 恐れ入ります。お答え申し上げます。
先生御指摘の事例のようなケース、間々あるということでございますが、私ども、受託金融機関に対しまして独立行政法人福祉医療機構の方からは、借入れ申込 みは年金受給者本人が行うことを原則とするということ、そして病気であるなどの理由により受給者以外の御親族などが借入れ申込みを行う場合は委任状の提出 を求めると同時に、電話連絡等で受給者本人の意思を確認するということをはっきり明記して金融機関の方にお願いをしているわけでございます。
そういう中でということではございますが、御指摘のような事例が生じないように、更に受託金融機関における取扱いということで福祉医療機構を通じてよろしくお願いしていく、徹底を図っていくということで努力させていただきたいと思っております。
その上で、今御指摘の年金担保融資の返済方法につきましてでございますが、かつては全額ということだったようでございますが、平成12年に返済方法を1つ加えて半額返済、年金が半分残るという形の返済方法というものが導入されたわけでございます。
御指摘の点については、実際にそうした細則を定めて運用しております福祉医療機構の方にも様々なお考えもあろうかと思いますので、よく相談の上、研究してまいりたいと思っております。

○ 西田まこと君 最後に金融庁にお聞きしたいと思いますけれども、これはかつて委員長もこの委員会で御質問されたようでありますけれども、消費者金融につい て大変にコマーシャルが多くて、テレビ等で非常に上手な作り方をされております。私も小さな子供が2人ほどおりまして、知らないうちに口ずさんでいたりす るわけでありまして、それ自体は商業行為であり、別に取り立てて何か言うことではございません。
もう一つ、携帯電話のバナー広告でも、実は一番 多いのは出会い系に加えましてこの消費者金融の広告になっております。そこで、これ自体は規制はできないとしましても、それに対抗し得る知識なり理解とい うものを子供のころからいわゆる金融教育等において身に付けていかなければ、対抗できずに、知らぬうちに借金がもう簡単にできてしまうということもあっ て、余りよろしくないんではないかというふうにも考えるわけでございますけれども、もう少し小さいころからの金融教育、いろいろと御努力されていることは 承知しておりますけれども、力を入れていくべきではないかということについて最後お伺いしたいと思います。

○副大臣(七条明君) 今、消費者金融のコマーシャル、私も時々見るわけで、先生が言われるとおりだと思っております。
金融庁としては、消費者が物やサービス、あるいは金銭の価値に対する健全な感覚を養い、様々な金融商品、証券サービスについて自分の立場で、いわゆる主体 的にそれを判断をしていかなきゃならないというのはもう原則でございますけれども、こうした観点に立って、いわゆる今金融庁としては消費者の教育、特に青 少年だとか若い人に対する教育も含めまして、金融庁のホームページに金融サービス利用者コーナーを新設をして消費者に対する各種の情報を提供しておりま す。あるいは学校における金融経済教育の一層の推進をするために文部省を通じまして協力を要請をしているような問題もございます。
できればこの ホームページをごらんいただければと思うんでありますが、例えば、中学校や高校を対象とした副教材において、金融関係の消費者問題として多重債務あるいは やみ金融等々の問題も取り上げておりまして、カード使用やあるいは借金に当たって等本当に必要な借入れかどうか、あるいは自分の収入から見てきちんと返済 ができるかどうか、あるいは借り入れた利子が幾らになっているかということを十分に把握をしてからでないと借りてはいけないよと、こういうようなものを指 定をしながら副教材としてこれらを来年から各中学、高校に対して配付をして、そしてそれをもう更に徹底をしていかなければならないと、こういうふうに考え ております。
また、現在作成中の高等学校向けパンフレットにおいてもクレジットあるいはローンに関する仕組みについて記載をするようなことも検討いたしておるところでございます。

○西田まこと君 是非、中学、高校もそうですけれども、小学校のころからもうほとんど刷り込まれて、頭の中にその音楽とともにその企業名がもう何か肉化してしまっているという問題もあると思いますので、小学校からも是非検討していただきたいと思います。
これで質問を終わります。

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