財政金融委員会・第3号 2005-10-25


2005年10月25日

○銀行法等の一部を改正する法律案
ATM機の保安・防犯について<>○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
今般のこの銀行法等の一部を改正するこの法案につきましては、利用者の利便性を向上させると、これに大変大きな役割を果たすという一方で、同時に、先ほど来からお話ございますとおり、この利用者保護、安全性ということにつきましても十分な配慮をよりまたこれまで以上に尽くしていかなければならないと、私もそのように思うわけでございます。
その点から、最近起きた事件でちょっと気になることを二つほどまず御質問させていただきたいと思います。先般、UFJ銀行のATM盗撮、ATM機に小型カメラが設置されていたと、こういう事件がございまして、この事案に関しまして、今、関係する者が検挙されていると報道されているわけでございますけれども、まず警察庁の方にその概要につきましてお尋ねしたいと思います。

○政府参考人(和田康敬君) お尋ねの件につきましては、今年の十月の十三日に都内のUFJ銀行のATMコーナー付近で不審者がいるということで一一〇番通報がございまして、これについて警察官が現場に行きましてその男性を職務質問したところ、カッターナイフを持っておったということで銃刀法違反で逮捕いたしております。あと、所持品等を見てまいりますと、その男が受信装置を所持をしておったということでございまして、その以前の九月にUFJ銀行の麻布支店管内の出張所のATMコーナーに小型カメラがあったと、この事案と関連があるのではないかということで、その関連性について現在捜査をしておるところでございます。

○西田実仁君 今捜査中ということですけれども、仮にこのATM機に小型カメラ、こうした盗撮カメラが設置されていて暗証番号やあるいはカードに関する、刻印されている様々な情報を盗み取ろうとしていたということに仮になった場合、現行法上ではどういう処罰の対象になり得るんでしょうか。

○政府参考人(和田康敬君) 現在私どもで把握している事実から申し上げますと、現在のところ、今逮捕している男、銃刀法でございますが、行為としては、不法にそういうATMのコーナーに入ったという建造物侵入の罪に当たるのではないかと。その他の罪につきましては、ちょっとその以外の、いわゆる盗んだ情報の内容程度によって、他の刑法における、刑法に支払用カードの電磁的記録情報の取得罪というのがございますが、ただ、ここで言うその情報というものが支払用カードをいわゆる偽造してできるほどの情報だということになっておりますので、それほどの情報を取得したかどうかということについてまだ解明ができておりませんので、現時点では建造物侵入罪ということに問擬されるのではないかというふうに考えております。

○西田実仁君 捜査の進展に伴いまして様々な法的な措置につきましても更に検討をいただきたいと思いますけれども、より、まず、金融庁にお聞きしたいのは、このATM機に盗撮カメラが設置されているのではないかという疑義は以前からかなり指摘をされていました。柳田さんの本の中にも既にそうした指摘もございましたし、私も直接被害者の方から、生年月日等ではない暗証番号にもかかわらず一発で当てられているのはおかしいじゃないかという、そういう被害者の方からのお声も何度もお聞きしているわけでございます。
さらに、十月十四日、金融庁さんが発表されました偽造キャッシュカード問題に関する実態調査を見ましても、この被害に遭った「暗証番号の状況」というところの調査の中で、暗証番号を生年月日にしていて被害に遭ったという人は二四%ほどいるわけです。それ以外にも、電話番号とかあるいは住所、あるいは車両番号、こうしたことによる、それを暗証番号にしたことによって偽造された、あるいは盗難されてそれを引き落とされたということになっているわけでありますが、その同じ状況の中で、実は「その他」という項目がありまして、これは暗証番号を生年月日にしていた方よりもはるかに多く三四%、三人に一人は「その他」という形でこの分類がされているわけであります。
つまり、この「その他」の中には、恐らく暗証番号に、暗証番号として生年月日やあるいは住所等比較的類推されやすいものではないものを利用していた、使っていたにもかかわらず被害に遭ったという方が相当分含まれているんではないかというふうに推測できるわけであります。
この今回の事件を契機に、事件かどうかまだ捜査中ですけれども、金融庁としては今一斉点検をしていると、こういうATM機につきまして一斉点検をしているというふうに報道されております。
過去、今申し上げたような二つのこと、かなり前からATM機に盗撮カメラが設置されているんではないかという疑義がかなり広範に言われていた、またこの実態調査を見ても、その他の比率が非常に高くて、その中にはもしかしたらそうしたことによる暗証番号の盗み撮りということがあったかもしれないというようなことがあるにもかかわらず、この一斉点検ということが今回初めて行われたのかどうか不明でありますけれども、ちょっとそうした実態調査がやや後れているのではないか、このように思うわけでありますけれども、いかがでございましょうか。

○政府参考人(佐藤隆文君) ATMにおける暗証番号の盗撮の問題でございますが、御指摘いただきましたような手口につきましては、金融庁といたしましても従来からその危険性を認識しておったところでございます。偽造・盗難キャッシュカード問題に関する議論を踏まえまして、関係団体、それから金融機関に対しまして、金融機関が管理する領域内ののぞき見、盗撮の完全排除を含めまして、システムセキュリティー対策について複数回にわたってこれまで要請をいたしておるところでございます。
これらの要請を受けまして、各金融機関、それなりの対応をしていると思いますけれども、例えば、幾つかの金融機関においてはATMに現金を装てんするとき、あるいはATMコーナーの清掃をするときに盗撮カメラが装着されていないかといった点検、確認を行っているというふうに承知をいたしております。これらの取組の結果、隠しカメラなどが発見された場合には当局に対して報告がなされるというふうに思います。
また、金融業界全体といたしましても、金融情報システムセンター、いわゆるFISCと呼んでいますけれども、これが作成する金融機関等コンピューターシステムの安全対策基準というものがございまして、この中でこれまでもATMコーナーの防犯措置が規定されていたところでございますけれども、最近の議論を踏まえまして、御指摘の手口に対するものも含めまして、システムセキュリティー対策全般の記述の見直し作業を現在行っておるところでございます。
それから、私どもで現在やっております一斉点検、実態調査についてでございます。既に一部の金融機関においては日常的な確認、点検を行っているというふうに承知いたしておりますけれども、今回の事件を受けまして改めて各金融機関に対してATMとその周辺の確認、点検を行いまして、その結果を報告するよう要請を行ったところでございます。
このうち、主要行等につきましては、確認、点検作業の途中経過についてヒアリングを行うことができまして、先週末、二十一日金曜日の時点でATMコーナーにおいて異状は発見されていない旨報告がございました。

○西田実仁君 私の選挙区である埼玉も、また東京も、首都圏にかなりこうした事件、こうしたというのは偽造キャッシュカードとか盗難キャッシュカードは大変に多くございまして、今回、こうしたATM機にカメラが設置されていたというのはかなり預金者の方々にとっては衝撃でもあります。そういう意味でもこの一斉点検、徹底していただきまして、これはもう全金融機関に、信金、信組、また郵政公社も含めまして、しっかりとした点検を行い、また対応していただきたいと、このように思います。
続いてもう一つでございますけれども、これも偽造キャッシュカード、また盗難キャッシュカードにかかわることでございまして、全銀協がこのカード改定試案というものを出しました。改定約款というものを出したわけであります。これについて確認であります。
この偽造あるいは盗難キャッシュカードの補償に関しまして、補償しない場合というものとして重大な過失又は過失となり得るケースを、申合せによってこれはもう既に公表されているわけであります。その申合せの中身につきまして、金融機関から生年月日等類推されやすい番号を個別的にまた具体的に複数回にわたって働き掛けをされたにもかかわらずそれを変更しなかった、それで被害に遭ってしまったという場合はこの過失に当たり得ると、こういう申合せになっているわけであります。
しかしながら、これは確認でございますけれども、一部報道におきまして、こうした働き掛け、金融機関からの働き掛けが必ずしもこの申合せとはややニュアンスの異なるような、単にポスター等で呼び掛けをすればそれはもう既に働き掛けをしたことになるんだというような報道が一部にございまして、やや預金者の方々に誤解を生んで、また被害者の方々からも本当のところはどうなんだというような問い合わせも来ておりまして、一応確認のために、金融庁サイドといたしましてはこの働き掛けの中身について確認をさせていただきたいと思います。

○政府参考人(佐藤隆文君) ただいま御指摘いただきましたように、全国銀行協会におきまして、偽造・盗難カード預金者保護法の成立を踏まえまして、カード規定試案の改正を行い、去る十月六日に公表を行ったところでございます。この公表と同時に、全銀協におきましては偽造・盗難キャッシュカードに関する預金者保護の申合せということを併せて公表いたしております。
この申合せの中で、カード規定試案の改正に基づき、各々の約款を改正するに当たっては、暗証番号を生年月日等の類推されやすいものとしていたことを過失の一要素として認定するには預金者に個別的、具体的、複数回にわたる働き掛けを行うことが前提となるというふうに明記をしておるところでございまして、その旨を全銀協の会員各行及び他の金融関係団体に対して周知をしているというふうに承知をいたしております。
各金融機関におきましては、このカード規定試案あるいは申合せの内容を踏まえて、今後、被害者に対して適切な対応が行われるというふうに認識をいたしております。

○西田実仁君 さて、この銀行法等の一部改正案について、今回のこの法改正の位置付けでございますけれども、金融改革プログラムの中でのこの今回の法改正の位置付け、特に金融のワンストップサービスという点から、その視点から位置付けを大臣に御確認させていただきたいと思います。

○国務大臣(伊藤達也君) 金融改革プログラムにおける位置付けということでございますが、金融改革プログラムにおきまして、今回の法改正については銀行等の代理店制度の見直しは多様で良質な金融商品・サービスの提供に向けた制度設計をする観点から、金融商品・サービスの販売チャネルの拡大を促すための施策として位置付けられているところでございます。
私どもといたしましては、今回の法改正によりまして、顧客の金融サービスに対するアクセスが確保、向上されるとともに、金融機関が多様な販売チャネルというものを効率的に活用できるようになること、このことを期待をいたしているところでございます。

○西田実仁君 そうした利便性の向上とともに、当然のことながら、ワンストップサービス、銀行の窓口でいろんなサービスが受けられるということ以上に、恐らく銀行代理店という形でこれから販売チャネルが増えていくわけですから、銀行代理店において、必ずしもそれは銀行の子会社ではないわけですから、一般事業者も含めた銀行代理店においていろんなサービスが、金融の総合サービスが受けられると、こういうワンストップサービス化というのが大きな利点であろうというふうに思います。
とすれば、一方で、やはりそうした利便性の一方で、いろんな金融トラブルというものもこれから起きてくる可能性は非常にあるわけで、金融のワンストップサービス化を図る一方で、やはり金融トラブルの紛争解決機関もやはり一本化していくと、こういうことが、していくことが利用者にとっては分かりやすく、また様々なトラブルを未然に防ぐことにもつながるんではないか、このように思っておるわけであります。
その意味で、一つは、まず金融庁が始めましたこの金融サービス利用者相談室、これホームページでも拝見をしまして、いわゆる交通整理をする機関、機能だというふうに理解しておりますけれども、この金融サービス利用者相談室はどういう法的な位置付けがあるんでしょうか。

○政府参考人(三國谷勝範君) 金融庁の利用者相談室につきましては、金融庁組織規則を根拠として設置されているものでございます。

○西田実仁君 結局、私の問題意識としては、今申し上げたとおり、紛争を解決するための機関は一本化して、しかも無料で中立というのが一番イギリスのようにベストではないかというふうに思っておるわけであります。
ここの金融サービス利用者相談室は、事前にいろいろと電話で相談することが前提のようでありますけれども、ウエブ上でも相談が受け付けられるというふうになっておりますが、結局、各金融機関の業界団体に附属している自主規制機関、ここにその案内をする、導くと、こういうことで、司法というものには入り込まないと、行政の立場では入れないんだということが多分前提となってそういう道案内に徹しておられるんだろうというふうには思うわけでありますが、しかしながら、利用者からしますとこうした業界団体による自主規制機関にそもそもどういう法的根拠があるのかよく分からないし、また裁判外紛争機関としてこうした自主規制機関が機能として持てるのかどうかということも不明なわけであります。
私は、この金融サービス利用者相談室というものがもうちょっと利用者にとってトラブル解決のためのワンストップサービスをもっと提供できるようなやり方が、工夫があり得ないのかというふうに思うわけでありますが、まず大臣からお聞きしたいのは、利点である金融のワンストップサービス化がどんどんこれから進んでいく、そのための法整備、今回しているわけですけれども、一方で、この紛争を解決するための機関を一つ、一本化していく、表裏一体ではないかというふうに思うわけでありますけれども、これについてはまず大臣、いかがでございましょうか。

○国務大臣(伊藤達也君) 金融サービス利用者相談室につきましては、これは金融改革プログラムの中でも位置付けて、そして行政において一元的に相談やあるいは御意見というものを伺う、そうした窓口として、先ほどございましたように設置法の中で位置付けて、この七月にスタートでございましたね、七月にスタートさせていただいたところでございます。
さらに、この機能をより強化をして紛争を解決をしていく、そうした機能も視野に入れながら考えていくべきではないかと、こういう御指摘でございますけれども、今それぞれ委員からも御紹介がございましたように、自主規制規則を発揮をする機関というものがございます。こうした機関との連携強化を図りながら様々なトラブルというものをしっかり解決していけるようにしていかなければいけないというふうに思っておりますし、今後の機能強化の在り方につきましては利用者相談室の今後の状況というものを注視をしながら検討をしていきたいというふうに思っておりますが、まずそれぞれの自主規制機能の機能強化をしっかり図っていくことが重要ではないかというふうに思っております。

○西田実仁君 たしか金融審議会だったか、もう二〇〇〇年の段階でこの議論が始まっていて、もう既に五年たっていると思っておりまして、そういう意味では、利便性を高める一方でやはり安全性を担保しなきゃいけないということが、常にバランスを取らなきゃいけないことからするともうちょっとスピードアップして、こっちの金融のワンストップサービス化がどんどんスピードアップしつつあると思いますけれども、一方で紛争解決のワンストップサービス化ということについてもスピードアップを是非していただきたいと思うわけであります。
具体的にお聞きしたいと思いますが、この金融サービス利用者相談室から各種の業界団体に相談に行きますね、こちらへ行った方がいいですよと案内をされて行きます。そこでどういうふうにさたを、さたというか解決ができたのかということを、例えばその利用者は金融相談室の方に、このサービス利用者相談室の方に戻すことはあるんでしょうか、返信することはあるんでしょうか。

○政府参考人(三國谷勝範君) 相談室に寄せられました場合に、御指摘のとおり、金融相談室の方からこれはいろんな業界団体へいろいろな通知をしているところでございます。回付された質問、相談、意見等につきましては、これは私どもは、一つには企画立案、検査・監督において、各課室において案件に応じて適切に判断しているところでございます。
各団体に参りましたものにつきましては、その先のところにつきまして一つ一つフォローすることは、私ども行政権でもありますし、民間取引への行政介入といった問題もございますが、私どもとしてはそういった先々におきまして適切な対応が図られていくように今後とも適切に対応していきたいと思います。

○西田実仁君 そこをやっぱり、一応案内をしたわけですから、各種の自主規制機関、業界にぶら下がっているところで相談をしてどうなったのかということをやっぱり一度戻してもらうというようなことも、そこでどう対応されてきたかということを確認をするということも金融庁としては必要なんではないでしょうか。

○政府参考人(三國谷勝範君) 私ども、一つ一つの案件につきまして、それをまたてんまつにつきまして相談室に報告を求めるということまでは想定していないわけでございますが、現在、私どもといたしましては、金融トラブル連絡調整協議会というのをこしらえまして、非常に幅広い団体と一緒に金融トラブルにつきまして連絡調整を行っているわけでございます。こういったところで今後とも連携を密にしてまいりたいと考えております。

○西田実仁君 もう一方で、金融のトラブルに関する紛争解決とともに、やはりこれはもうちょっと底辺というか、土壌の部分としてはやはり金融経済教育というのが大変大事であるというふうに思うわけであります。
先般、日銀の方にもお聞きしましたけれども、これはいろんなところが、日銀の中にある事務局の金融広報委員会も行っておりますし、内閣府も行っておりますし、金融庁としても金融経済教育懇談会というのを先般中間論点としても整理をされておられまして、いろんな機関が行っていると思いますし、いろんなシンポジウムも行われていることもよく承知しておりますが、これ、もうちょっと効率的に、また政府全体として、ある意味で予算も限られている中でやるわけですから、いろんなところがいろんなことをやるのもいいんですけれども、もうちょっと効率的に戦略的にやっていった方がいいんではないかと。
非常にこれは大事な、利用者に対する、やはり最後は賢明にならなきゃいけないのは利用者の方ですので、金融経済教育に関して、今後、そうしたこの中間論点も踏まえてもう少し効率的なやり方もあるんじゃないかと思いますが、大臣、いかがでございましょうか。

○国務大臣(伊藤達也君) 今委員から金融経済教育の重要性、そしてこれを進めていくに当たって効率的、戦略的にという御指摘をいただきまして、全くそのとおりだというふうに思っております。
そうした問題意識から、各分野において活躍をされている方々に、私の私的懇談会として金融経済教育の懇談会、今委員から御紹介をいただきましたが、設置をさせていただいて、精力的な御議論をいただいて、そして六月三十日に論点整理を取りまとめていただいて、特に金融庁として直ちに実施すべき七つの事項について御提言をいただいたところでございます。
金融庁といたしましては、委員から御指摘がございましたように、政府関係機関やあるいは金融関係団体との連携を通じて、論点整理の中でいただいた御提言も含めて、金融経済教育の一層の推進、充実が図られるよう、積極的に取り組んでいきたいと考えております。

○西田実仁君 終わります。

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