国土交通員会・第9号 2006-04-06


2006年4月6日

【質疑事項】
1.海上物流の基盤強化のための港湾法等の改正案について
2.港湾コスト改革について
3.公社民営化について
4.水先法改正について
5.造船、船舶勘定の統合について

○西田まこと君 公明党の西田実仁でございます。
午前に続きまして、今回の海上物流の基盤強化のための港湾法等の改正案につきまして御質問をさせていただきたいと思います。
今回、この4つの大きな柱の中で、横ぐしとしては海上物流の基盤強化ということが共通テーマとして掲げられております。とりわけこの物流の重要性ということは、幾ら強調しても強調し過ぎることはないわけでございます。ちなみに私、地元は埼玉で海のない県でございますが、そうはいっても、やはり当然のことながら様々な生活物資、また工業用製品も始めとして、先ほど午前中も大臣からお話がございましたとおり、99%以上は港を通じて来ているという、大変重要な物流のかなめがこの海上物流ということになろうと思います。これから日本が人口減少社会に入っていく、そうしたときに特にこの物流を1つの成長政策の一環として位置付けて物流改革ということに取り組まなければならないというふうに私自身は思っております。
先般、大臣の本音トークの中にも物づくりと物流というそういうコラムがございましたけれども、この物づくりのみならず、いわゆるITという社会でも最終的には物流というところに物が乗らなければ消費者の手元に、そこはリアルな世界なわけでございまして、そういう意味でもなおさら物流というものをいかにコスト改革をしていくのか、港湾コスト改革をしていくのかということが大事だというふうに思っております。
そこで、今回のこの法改正が、特にアジアとの時間距離をいかに短くしていくかということにどの程度寄与するのか、貢献するのかという非常に大きなテーマでございますが、初めに大臣からそのことについてお聞きしたいと思います。

○国務大臣(北側一雄君) 今委員がおっしゃったように、我が国の港湾の国際競争力を強化することは喫緊の課題であるというふうに考えております。午前中の質疑でもございましたように、港湾コストの3割低減、またリードタイムを1日、24時間以内にしていくということを目標といたしまして、今施策を推進をしているところでございます。
このコスト縮減のためには総合的な対策が必要であるというふうに考えておりますが、この法律案では、埠頭公社のコンテナターミナルの管理運営の効率化を図るため、現在の埠頭公社というのはこれは財団法人でございますがこれを株式会社に変更いたしまして、運営の効率化を進めることによりまして港湾コストの一層の低減を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
この港湾コスト削減のためには、このスーパー中枢港湾で外貿コンテナ貨物の取扱いの全国の約五割を占めているわけでございまして、やはりここのところを効率化をしていかないといけないということでございまして、今回株式会社化に変更をさせていただいて、それによってコスト削減に資したいというふうに考えておるところでございます。
さらに、もう1点、今回の改正におきましては水先法の一部改正もお願いをしているところでございますが、このことによりまして、この法改正によりまして、コストを的確に反映した料金制度というふうに是非させていただきたいと考えております。水先料金規制につきまして、これまで省令で料金制にしておりましたがこれを上限認可制にしていくという改正でございますが、これによりましても港湾コストの低減に資するようしていきたいというふうに考えているところでございます。

○西田まこと君 この港湾関連の法制につきましては、これまでも数回重ねて法改正というのが行われてきているというふうに承知をしております。港湾運送事業に関する需給調整規制を廃止したり、今回も港湾法の一部を改正していく。恐らくこれで終わりではなくて、これからもまだなさねばならない法改正もあるのかなという気もしております。
私、全く素人でございますので素朴に思いますのは、本当に釜山に並ぼうとするような、あるいは高雄に並ぼうとするような港湾を目指していくのであれば、一見小出しのように見えるような規制緩和ではなくて、一気に改革をしていくということも必要ではないかというような、素朴に思ってしまうわけですが、それにはやはり港湾法の法体系上のいろんな問題もあろうかと思います。そうはいっても、今回の法改正で今大臣が御答弁いただきました。またさらに、必要な何らかの改正あるいは改善というものが、あるいは残された課題というんでしょうか、この港湾コスト改革ということに関しましてもしあれば、参考人の方からお聞きしたいと思います。

○政府参考人(鬼頭平三君) 今委員の方から小出し、ばらばらと出ているという印象を持つというふうにお話がございましたが、午前中の質疑で大臣の方から答弁をさしていただきましたように、私ども、スーパー中枢港湾につきましては3年ないし5年ぐらいの期間の間に目標を達成していこうということで、それに必要な規制緩和や制度改正、これを計画的に実施をしていくということにしておりまして、いろんな施策を総合的あるいは重層的に組み合わせてこの目標を達成をしていくということでございます。
したがいまして、今委員からも御指摘のありましたように、昨年のいわゆる港湾活性化法では、港湾運送事業について特定港以外の地方港について規制緩和を展開をするということをさしていただくこともいたしましたし、今回の御審議をいただいている法律の中では、今大臣の方からお話ししましたように、財団法人である埠頭公社を民営化するということについてもお願いをしてございます。
今後の話につきましてはまだこれからでございますが、やはり港湾の国際競争力を強化をしていく、あるいは先ほど申し上げた目標を実現するために必要なことというのはまた出てくるかと思います。そのときには、また法律を改正する等の手続が必要になる場合もございますんで、その場合はまた御審議をいただくということを考えてございます。

○西田まこと君 私は、たまたま昨年の11月ですけれども、公明党の方で視察がございまして、香港の港を見てまいりました。それがメーンの視察テーマではなかったんですが、たまたま拝見する機会がありました。
香港は、もう御存じのとおり完全民営会社がやっておりまして、私が見たところはハチソン・ワンポアというところが経営しているところでございました。大変に先進的なシステムでございまして、この完全民営化している香港がやっているところでも、香港のSARというか特別行政府は、きちっとその民間企業が出してきた計画を諮問し、それを承認するという機能を持ちながら行っているわけでございます。開発投資はもう完全な民営会社、そこで何かあちらに問題が起きているかというと、決してそういうことでもないという、そういう現実を見さしていただきました。
そこで、今回もこの埠頭公社の民営化ということが先ほど大臣からもございました。この民営化の在り方についてお聞きしたいと思います。
今回の民営化のスキームにおきましては、民営化会社に対しまして無利子の貸付けを行うということになっております。こういう御時世でございます、なぜ無利子の貸付けを行うのかというその意義、政策的な意義、そして詳細にわたって、この無利子な貸付けをいつまでどのぐらい貸し付けていくのかというような規定が現時点で明らかになっているところで結構ですので、納税者の皆様にこの意義と、またその貸付量も含めてつまびらかにしていただければと思います。

○政府参考人(鬼頭平三君) 先ほどもお答えをしたかもしれませんが、現在埠頭公社が所有をしておりますコンテナターミナル、公社埠頭と呼んでおりますが、我が国の国際海上物流の中で大変重要なといいますか、中枢的な機能を担ってございます。これは当然民営化後もその役割は継続をするといいますか、しっかりとその役割を果たしていただく必要があります。そういう意味で、現状においては、少なくとも外貿埠頭の管理運営業務が円滑かつ低コストに実施できるように、公社の民営化後の会社に対しても引き続き支援をしていく必要がある、そういう観点から無利子貸付けをこの民営化会社に対しても適用をしたいというふうに思ってございます。
ただ、今後貸付けがどうなるかということでございますが、埠頭公社時代には外貿埠頭の建設については大変大規模な投資が必要でございましたけれども、民営化会社になりますと、外貿埠頭の建設はむしろ上物といいますか、上屋とか荷役機械の更新など比較的小規模なものになっていくだろうというふうに私ども見込んでおります。そういう意味で、規模的には小さくなりますが、引き続き先ほど申し上げましたように無利子貸付けは継続をしていくと。
ただ、民営化されてある程度軌道に乗り、いろんな事業の多角的な展開によってその経営基盤がしっかりするという時点で、その支援を引き続き継続するのかどうかということについては、またその時点で判断をさしていただきたいというふうに考えております。

○西田まこと君 今お答えいただきましたとおり、大変にその交通インフラ、これは港湾に限りませんけれども、インフラ整備するには多額のお金を要するということでございます。
上下分離という言い方をよくしますが、今回のこの埠頭公社の民営化につきましても、そもそもはやはりその下物資産、岸壁とかを公共化するという1つのスキームがビルトインされていて、そして民営会社が多額の返済負担、資本費をかさむことがないようにする、それでキャッシュフローがきちっと回るようにしていく、そういうスキームになっていたと思いますし、また私自身公共インフラの場合はそうすべきであると、必要であればですね、というふうに思っているわけでございます。しかしながら、この下物資産の公共化ということにつきましては、このスタート時点ではそれはまだこれからということであると承知しております。
そういう意味で、当初のスキームとはやや変形をしている、変更点があると思っておりますが、そういう今現時点でのこの民営化スキームに乗ってこれる公社が本当にあるんだろうかという心配もしてしまいますが、その辺はどのように見通しをお持ちでしょうか。

○政府参考人(鬼頭平三君) それぞれの今埠頭公社におきまして、港湾管理者といろんな御相談をしていただいているというふうに私ども承知をしてございます。
ただ、港ごとにといいますか、埠頭公社ごとにそれぞれ財政基盤、経営状況等々違いますものですから、若干の温度差もあるように私ども承知をしております。取りあえず、外貿埠頭公団の業務を承継した東京、横浜、大阪、神戸といった公社について、その中の幾つかについては18年度に民営化のための走り出しが始まるだろうというふうに思っております。

○西田まこと君 これは私の意見として重ねて申し上げますが、やはりこの交通インフラを整備していく、これは集中と選択ということになりますけれども、全部この民営会社にそうした膨大な設備費も賄うような形でキャッシュフローを生むというのは、それはもう不可能に限りなく近いというふうに思っておりまして、必要な交通インフラにつきましてはきちっと公共化していくということも含めて検討を今後していっていただきたいというふうに思います。
併せてお聞きしたいことがございます。今のようなスキームに乗って民営化された埠頭公社が民営化されまして、民間会社、2分の1管理者が持つといっても、まあ民間会社になるわけであります。そこで、一応念のためにお聞きしますが、そうした民間会社が経営破綻をしないように、どういうような今回の法改正では担保というか対応策というものが検討されているのかということについて念のためにお聞きしたいと思います。

○政府参考人(鬼頭平三君) 民営化会社が、その民営化された後の会社がしっかりとした経営をしていただくということが基本的には前提でありますが、そのために今回の法改正では財団法人時代にいろいろ課せられていた規制についてできるだけ緩和をすることによって自由な経営ができるようにするということが基本でございます。
ただ、その会社自身がやられることについて、今委員の方から御指摘のありましたように、港湾管理者自身が2分の1以上の株を持つことによって、その経営自身がきちんとしっかりとした形でされることについて監督をしていただくということが必要でありますし、さらに、国としても、外貿埠頭の管理運営がしっかりされるように必要な監督規定を設けるということによって、そういう経営破綻が起きないように、事前にそれが防げるような形でこの会社が運営されるようにしっかり見守っていくというふうに考えてございます。

○西田まこと君 是非そこはもちろん民営化されたとしてもきちっと見守っていただいて、様々なコストを掛けてより良くしていこうということでございますので、お願いしたいと思います。
次に、この水先法の改正につきまして、残り時間もあんまりありませんので、単刀直入にお聞きしたいと思います。
この水先料金は今までの省令料金から認可料金に変わっていくと、コストもより明確化していくと、こういう改善、改正がなされるわけであります。かなり付随的なことかもしれませんが、こういう御時世ですのであえてお聞きしたいと思います。
この水先料金には、船会社から水先料としてパイロットにお金が入り、そしてパイロットからパイロット協会に対して特別会費という形で寄附がなされていようかと思います。その特別会費がそのまま日本海事財団というところに特別交付金として交付をされて、18億ぐらいある。その日本海事財団から、今度は3つの振興会とかいうのがあって、38の公益団体、社団、財団がそこにあるわけであります。この38の団体に対しまして、そういう意味ではこの水先料の一部が流れていって公益事業を行っている。まあ様々、教育とか福利厚生も含めて大事なお仕事も随分なさっていると思います。
しかし、今回、こうしたことも改革していこうと、こういうことでございまして、その経緯と、そして公益事業を行っているのであれば、これが今度はなくなるわけですから、入りがまずなくなるということになると、じゃどうするのかと、こういう公益事業、どうしていくのか今後、もう全部なくすのか、それとも必要なものを残していくのか、この辺の改革の道筋についてお聞きしたいと思います。

○政府参考人(星野茂夫君) ただいまお話がございました海事関係の公益事業につきましては、これまでの歴史的な経緯等もございまして、その活動の支援に水先人会が大変大きな役割を果たしてきたと、こういう事実がございます。
今回の水先制度の見直しに伴いまして、この公益事業支援の役割についても関係者の間でやはり見直すべきであるということで話合いが持たれまして、今後、関係の公益事業の事務の効率化、重点化というのをしっかり行った上で、海運事業者の団体であります日本船主協会が従来の水先人会の役割を担うという形で合意が一応できたわけでございます。
私どもとしては、今後この船主協会を中心とした公益活動の支援のスキームの中で公益活動が適切かつ効率的にやられていくよう、これからきちっと指導してまいりたいというふうに考えておる次第でございますが、そうした効率化、重点化と併せて、やはり我が国の公益活動として極めて重要な事業につきましては、日本船主協会を始め関係者と連携を密にいたしましてこれら公益事業の円滑化と効率的な推進に取り組んでまいりたい。
御承知のとおり、極めて低金利の中で、財団法人の経営基盤、極めて脆弱でございます。やはり、このような形で、まあ一種の社会貢献として、あるいは公益活動の受益者として船主協会さんが主体的な役割を果たしていただけるということを期待いたしたいというふうに思っております。

○西田まこと君 まあ交渉中ということだと思います。船協さんが今までの水先人会に代わってこうした公益事業も支えていくというお話だったと思います。
これは交渉中の話ですから余り、デリケートなのかもしれません。ただ、報道では今まで18億ぐらいあったそうしたお金が6億7千万ぐらいになるんじゃないかとかいう話も、まあこれは交渉中ですからあれですけれども、報道にはされておりまして、そうしますと、そのオーダーは大体そのぐらいだとすると、もう3分の1ぐらいになっていくということであります。
先ほど私が38の団体と申し上げましたが、これを一覧表いただきました。中身まで全部調べる時間がありませんでした。しかし、名前だけ見れば、大体名は体を表すということでありまして、名前だけ見ますと、もうとにかく似たようなものが一杯あるんですね。名前だけでも、中身は分かりません、ですから憶測が入っているかもしれませんが、名前だけ見てもかなり似たような団体もあるんじゃないかなと。そうしますと、やはりこれはその額自体がまず3分の1ぐらいになる、まあ2分の1か分かりませんが、いずれにしても減るんじゃないかという中で、しかし公益事業をやっぱり支えていかなきゃいけないということ、このバランスを取っていくにはやはり正に集中して、あるいは統合していくというようなことも、しっかりと効率化を図った上で必要なものにはちゃんとやっていくという改革が是非とも必要であろうかと思いますが、それにつきまして更にお聞きしたいと思います。

○政府参考人(星野茂夫君) 先ほどもちょっと御説明の中に申し上げましたが、船主協会さんがこの役割を担うに当たりまして、これまでの公益活動の重点化、効率化というのをきちっと進めていくということを前提としてこの役割を果たしていただくということでございます。
ただいま先生がお話ございましたように、元々は民間の発意でできた様々な公益団体でございます。それぞれの自主財源もございます。その活動が極めて厳しくなったのは今の低金利その他運用がなかなか自主的な利益が上がらないという状況の中で、やはり従来水先人会の方々が担っていただいた支援の役割を船主協会さんに担っていただくと。今回の合意はそういう整理でございますが、やはり統合、効率化、重点化と、こういった観点についてはしっかりやっていかなきゃいけない。それは関係の公益団体も十分承知の上でこうした対応をしていこうということでございます。私どももしっかり指導してまいります。

○西田まこと君 是非、それはしっかりやっていただきたい。
最後に、この機構の造船と船舶勘定の統合につきましてお聞きしたいと思います。
これはもう随分前から指摘されております、この船舶勘定が大変厳しい状況にあると。今回、統合して、まあありていに言えばどんぶり勘定になって効率的じゃよりなくなってしまうんじゃないかというような指摘をする人もおりまして、あえてここで確認さしていただきたいと思います。
この造船、船舶の勘定が統合されることによって、そうした不透明にならないようにどういう担保を取られていくのか、これを最後お聞きして終わりたいと思います。

○政府参考人(星野茂夫君) 今回の機構の勘定統合につきましては、業務の効率的かつ一貫した運営を行えるようにということでお諮りをいたしている部分でございます。
他方、どんぶり勘定にならないのかという御懸念、御指摘がただいまあったわけでございますが、私ども、業務運営の透明性を確保するため、船舶勘定の行う船舶共有建造業務につきましては業務の効率化、財政改善、そういった観点から個別の計数整理を行いまして、私どもの国土交通省の中に公認会計士の方や学識経験者も入れたきちっとした管理委員会というか、フォローアップのための組織をつくっておりまして、そこのところでしっかり個別に計数を管理し、それを、審議の結果については対外的に公表すると、そういう形できちっとフォローをしておる体制でございまして、そうした体制で透明性は確保してまいりたい。
また、これまで造船勘定でやってまいりました研究開発助成につきまして、これは個別プロジェクトごとに研究評価をやっております。これにつきましても、勘定統合前後にかかわらず、きちっと明確に外部から評価できるような体制で引き続きやってまいりたいというふうに思っております。

○西田まこと君 終わります。

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