国土交通員会・第4号 2006-03-22


2006年3月22日

【質疑事項】
1.事故損傷車両の修理技術者制度について
2.VOCの排出抑制規制について
3.アジアの観光客を増加させるための施策について
4.渋滞緩和対策VICS情報の活用について

○西田まこと君 公明党の西田実仁でございます。今日は、まず初めに、道路交通の安全確保ということにつきまして御質問をさせていただきたいと思います。
近年の交通事故死者数というのはかなり減ってきてまいりまして、昨年末には7千人を切るという、そういう水準まで交通事故死者数というのは減ってきたと承知しております。
そこに大きな貢献があったと言われているのが衝突安全技術の普及ということも言われております。ここで、この高い衝突安全性能を持つ車の修理ということについては、当然それなりの高い整備技術というものがやはり求められてくるだろうと、こう思うわけであります。
そこで、事故損傷車両の修理技術者、いわゆる事故車整備のプロである国家資格として位置付けられておりますこの車体整備士の役割につきまして、今日はまずお聞きしたいと思っております。
自動車整備につきましては2種類ございまして、いわゆる分解整備と、それから車体整備という2つの種類があるわけであります。この分解整備につきましては認証制度が設けられております。しかし、もう一方の車体整備については認証制度はございません。
いわゆる事故車、ボディーの板金あるいは塗装を行う業者、車体整備事業者におきましては、当然車体整備士の資格を、国家資格を有している業者もあれば、一方で、そうした車体整備士の資格を持たずに事業を行っているところも実態としてはあるわけであります。
この車体整備士は、事故車が持ち込まれたときにその車のフレームとかを正しく矯正する大変高度な技術を持つ国家資格であると認識しております。
しかしながら、実際にはそうした資格を持たずに、繰り返しですが、ボディーの板金塗装を行っている業者もちまたには多く見受けられる、こういう実態につきまして、まず大臣の御認識を問いたいと思います。

○国務大臣(北側一雄君) 車体整備事業というものにはかなり広範なお仕事がございまして、事故に伴う車枠の矯正だとか、それから板金及び塗装等の整備を行っているわけでございますけれども、場合によっては軽微な車体表面の修理から、それからエンジンを外して行うような大規模な車枠の矯正といったものまで多様な整備を行っているということでございまして、車体整備事業そのものには国の許認可は不要でございます。
しかし、安全上重要な部位でございますブレーキとかエンジンを取り外す整備、これ分解整備というわけでございますが、分解整備を行う車体整備の場合には、今委員がおっしゃったように、地方運輸局長の認証を受けなければならないということになっているところでございますし、また、車体整備事業につきまして、優良自動車整備事業者の制度というのを設けてこの整備技術の向上も推進をしているところでございますが、ですから、車体整備事業すべてに車体整備士がいなければならないということではございません。
最近、過去も調査しているんですけれども、最近の事故についても実態を調査した結果、事故後の車体整備に起因した事故は確認をされておらないというふうに聞いております。

○西田まこと君 政府参考人にお聞きしたいと思います。
そういう意味では、今大臣が御所見述べられたとおりであります。
しかしながら、実際に事故車を持ち込む場所がいわゆるその車体整備事業者であります。
町の板金塗装業者にその事故車が実際にそれでは一体持ち込まれていないのかどうか。
私が知る限りでは、やはり事故に遭った車が車体整備士の資格を有しないそうした板金塗装業者に持ち込まれて修理をされていると私は認識しておりまして、こういう実態をそのまま放置していいのかということについて政府参考人からお聞きしたいと思います。

○政府参考人(宿利正史君) 事故車両がどういうところに持ち込まれるかということにつきましては、西田委員おっしゃるとおり、いろいろなところに持ち込まれるケースがあると思っております。
先ほど大臣からも答弁申し上げましたけれども、その整備の中で、ブレーキであるとかハンドルとかエンジンとか、そういう安全に直接かかわるような部分を取り外すものは分解整備として別の扱いにしているわけでありまして、そういう安全に直接かかわらないような部分の整備をすることについて、私ども、先ほどの大臣の答弁でも申し上げましたようないろいろ実情を調べる限りにおいては特に安全上問題があるという認識は持っておりません。

○西田まこと君 そうすると、この車体整備士というのは国家資格なんですね。国が根拠法を用いて、そして作った資格ということになります。それは車の安全確保ということが大変高度な技術を要するからということで国家資格になっているわけであります。
ですから、事故車をしっかり見ていく高度な技術を持つ車体整備士が事故車を扱うと、こういうことが大事になってくるわけであります。
今の御答弁でいきますと、そうするとなぜ、じゃ国家資格にしているんでしょうか。

○政府参考人(宿利正史君) 私ども、自動車整備の向上を図るという観点から、道路運送車両法に基づきまして自動車整備士の技能認定というのをやっております。
その中で、車体整備士という資格も他の資格と併せて技能検定の一種に入れているわけでありますが、これはあくまでもそういう国の認定を受けることによりまして車体の整備についての技能の向上が図られると。
結果といたしまして、事故などが起きた場合の自動車の損傷の適切な復元であるとか修理といった作業の質の向上、質の確保を図るということを目的にしてやっているものでございます。
そういう意味で、先ほど申し上げましたように、質の一定の向上を図るために国の認定制度を設けているということと、安全上極めて重要な分解整備というものをやることについて規制をもって一定の、何といいますか、事業者に限定をしているということとは別の話だと考えております。

○西田まこと君 私は、実態として、この車体整備士の事業者に関しましては、先ほど大臣がおっしゃられた優良自動車整備事業者としての認定がございます。この優良認定を受けるには、2人以上の車体整備士が必要という大変厳しい要件がございます。
一方で、町の中にそうした車体整備士の国家資格を持たずに事故車を処理しているところもあれば、一方でこの優良認定を受けると、大変厳しい要件の認定があると。余りにも大きな隔絶があって、実態にそぐわなくなっているんではないかというふうに思うわけであります。
この実態で、はっきり言えば、言葉は適切か分かりませんが、潜りのような業者がいる、一方で2人以上車体整備士がいなければならないという優良認定がある。
この余りにも大きな隔絶についていかがお考えでしょうか。

○政府参考人(宿利正史君) 車体整備事業の中で優良認定を受けている工場が1,910工場ございます。
車体整備工場自体はちょっと正確な数字が把握できておりませんけれども、相当数、つまり私ども組合に入っておられます8,500工場は把握しておりますけれども、その外側にどのくらいあるのかというところまで正確に把握できておりませんが、そのくらいの数字でありますから、厳しい認定要件をクリアして優良認定を受けている人が非常に少ないことは確かでありますが、これは言わば義務付けということではなくて、そういう資格をクリアをして、非常に質の高い車体整備ができるということを国が認定をし、そのことをユーザーにきちっと表示をして、質の高い整備ができる車体整備事業者だということを分かってもらうような仕組みだと、こう考えておりますので、何といいますか、安全に問題のないような軽微な整備を含めて、ほかの優良じゃない方がやっておられるということそのものは問題にすべき事柄ではないと先ほど申し上げたとおりでございます。

○西田まこと君 私申し上げたいのは、この車体整備事業につきましては、国家資格をしっかり有して、しかも環境対策もしっかり取っているような業者が一方である、一方で資格も持たずに環境対策も取らない業者もいると。
そうしたら、まじめに一生懸命やっているところはばか見るだけではないかということを申し上げたいわけであります。
環境規制につきましてお聞きしたいと思いますが、この四月一日からいわゆるVOC規制、大気汚染防止法が施行されるわけであります。
ここにおきましては、環境省として今平成22年度までにVOCを平成12年度比で3割削減すると、こういう目標を掲げております。
今申し上げましたとおり、例えばこの車体整備事業で塗装の吹き付けをする場合に1千万ぐらい、まあそれは額はいろいろございますけれども、1千万ぐらい設備投資をして、しっかりとした塗装ブースを造って大気汚染、飛散を防止するような設備投資をしている極めて優良な業者もいれば、一方で何にもそういう設備投資もせずに空中飛散していると。
これが4月1日からVOC規制も始まってくる、こういう状況でありまして、環境省といたしましては、今日はお越しいただいておりますが、この自動車の板金塗装について、当面は自主規制対応ということになっているようでありますけれども、先ほど申し上げた政策目標ということもかんがみまして、この当面というのはいつまでを意味しているのかも含めてお答えいただきたいと思います。

○政府参考人(竹本和彦君) 御指摘のございましたVOCの排出抑制でございますが、大気汚染防止の観点から、排出量の大きい工場、事業場を対象とした法律による規制と、それから事業者自らが実施される自主的な取組、これら2つを適切に組み合わせるいわゆるベストミックスの手法によりまして実施をすることとしてございます。
先生御指摘のとおり、規制の方は4月1日からでございます。
また、自主的な取組によるVOCの排出抑制につきましては、現在中央環境審議会の方で御審議をいただいておりまして、自主的取組の在り方につきまして、今月末までの取りまとめということで鋭意御審議をいただいております。
先ほど先生の御指摘がございましたとおり、平成22年度3割カットということを目標といたしまして、規制とそして自主的な取組、両方相まって効果を出すように努力したいと思いますし、また自主的な取組については、先ほど申し上げました中央環境審議会の検討結果を幅広く普及といいましょうか、この内容を周知するように努めてまいりたいと思っております。

○西田まこと君 先ほどの優良自動車整備事業者につきましての認定規則には、この環境対策ということについては特に触れられていないわけでありますが、ちょっと時間も限りありますので、この優良事業者といわゆるグリーン整備工場というものを将来的にはやはり一緒にしていくべきじゃないかという意見を申し上げさせていただいて、次の質問に移りたいと思います。
観光立国ということについてでございますけれども、先ほど来からいろいろお話がございました。私は一点だけ大臣にお聞きしたいと思います。
この中国インバウンドをとにかく増やしていくということを考える場合、やはり中国というのは大変重要であるということはもう言うまでもないと思っております。
最近中国では、アメリカへの海外旅行の解禁ということも言われているようでありまして、そうなればまた中国では米国旅行ブームというものも起きてくるのではないかと容易に想像されます。
そうしたことも念頭に置きながら、この1千万への達成に向けて、具体的にこういうアジアの観光客を取り込むための施策、これまでも随分やっていただいておりますけれども、今後どうなさるのか、まず大臣、お聞きしたいと思います。

○国務大臣(北側一雄君) この2010年1千万人、インバウンドでございますが、これはそんな容易な目標ではないと私も実感をしています。この1千万人という目標を達成をしていくためには、もちろん欧米からもたくさん来ていただければ有り難いわけでございますけれども、やはり近隣の東アジアの国々から多くの観光者の方が日本に来ていただけるというふうにしていかないといけないと。
そういう意味では韓国、台湾というのは、非常にこの2つの国・地域は数多く来ていただいているわけでございますが、こちらの方は、韓国にしても台湾にしても、まあ香港なんかもそうなんですが、リピーターが本当に多くなってきているんですよ、リピーターが。
今まで日本に来たことのある方が今改めてまた韓国、台湾の場合は来ていただいていると。
その点、中国の場合は、そういうリピーターというよりも、まだ日本に来たことがない方が大半でございまして、そういう意味では潜在的な可能性は十分あると思っていまして、この中国本土から是非多くの方々に来ていただけるようにしていきたいと。
昨年七月から中国全土で観光団体旅行のビザが発給されるようになりました。
これを是非活用させていただきたいと思いますし、また今年は日中観光交流年というふうに両国で決めさせていただきました。
しっかりと中国からお客さんに来てもらえるような様々な施策を両国で協議しながら進めていきたいと思っているんです。
この1月、2月の数字も順調に伸びておりまして、特にその中でも、今私どもが一番念頭に置いていますのは、青少年の交流をしっかりさせていただきたいと思っております。
修学旅行等々、教育旅行で日本からも中国に行く、中国からもたくさん若い人たち、子供たちに日本に来てもらいたい、そうした様々な支援策をつくっていきたい。
今、協議会をつくらせていただいて進めているところでございますが、こういう若い人たちが来るというのは、将来のリピーターを育てることにもつながりますので、しっかりとやっていきたいと思っております。
また、この7月には、日中並びに韓国も含めまして3か国の観光大臣会合がございますので、その中で、よりこの交流が拡大できるようにしっかり取組をさせていただきたいと考えております。

○西田まこと君 最後に、渋滞対策の政策評価ということで一点お聞きしたいと思っております。様々なこの財政が厳しい中で、やはりこの渋滞対策、開かずの踏切対策とか立体交差化とか、いろいろと予算を使って渋滞解消に努めているわけでございますけれども、この政策評価については今一定の区間を設けてモニタリングをするといういわゆるサンプル調査を行っているわけであります。
それによって、コストパフォーマンスというか費用対効果はどうかということを見ているわけでありますが、ただ、この渋滞というのは、場所とか時間帯とかでかなり精度の高いデータを集めなければ、なかなか政策評価というのは難しいということも承知しております。
そこで、私は是非、御提案というか御意見申し上げたいんですが、車に付いておりますVICS情報を、うまく警察庁なり各県の交通管制センターなんかとも連携しながら、VICS情報をもうちょっと使ってこの渋滞解消、道路整備あるいは開かずの踏切、立体交差化、そうしたいろんな渋滞対策の政策評価にこのVICS情報をもっと活用すべきであると思いますが、いかがでございましょうか。

○政府参考人(谷口博昭君) お答えいたします。委員御指摘のとおりだと思っております。
渋滞対策、またこれからの道路事業の厳しい評価を受けるのが、事業対評価を的確にしていくということが肝要だと考えております。
VICSがかなり普及してきておりまして、1,200万台まで普及してきております。
委員御指摘にございましたように、渋滞や通行規制などの道路交通情報をリアルタイムに送信するということでございますので、現在も渋滞対策の主要渋滞ポイントの選定に活用させていただいておりますが、更にこのVICSデータを活用することによりまして、関係機関とともに検討を深めてまいりたいと考えておる次第でございます。

○西田まこと君 終わります。

TOP