国土交通員会・第3号 2006-03-16


2006年3月16日

【質疑事項】
1.公共交通に対する国のビジョンについて
2.LRT導入に対する国のリーダーシップについて
3.公共交通機関のAED設置推進状況について
4.道路情報版を活用した情報伝達について
5.大規模空間の天井崩落防止について
6.自賠責保険の運用益を使った支援の拡充について
7.大手デベロッパーへの自主的な耐震再検証の協力要請について

○西田まこと君 公明党の西田実仁でございます。副大臣、また政務官、どうかよろしくお願い申し上げます。
本日、国土交通行政に関する大臣所信表明に対する一般質疑でございます。先般、大臣から表明されましたこの所信には、最重要課題として安全と安心ということが掲げられておりました。加えて、その他の重要課題ということにつきまして6点ほど触れられていたわけであります。今日は、まず初めに、私はこの公共交通に対する国のビジョンということにつきまして御質問させていただきたいと思います。
この重要課題、6点ほど大臣がお示しになったわけでございますが、私が理解するところでは、このうち、6つのうち4つぐらいに当てはまるであろう点として、この公共交通、なかんずくLRTの話を取り上げさせていただきたいと思っております。
私、埼玉の選挙区でございますが、さいたま市の中学校の教科書にこういう、国語の教科書ですけれども、一文がございまして、題名は、「古くて新しい路面電車」というタイトルであります。
このLRTというのは、路面電車とまたちょっと違う次世代型という、まあ片仮名で日本人が一番発音しにくいLとRがあって、私も発音が余りうまくないんですけれども、このLRTの長所としてこの教科書には、この車両は超低床であると、床が低いと、超低床の連接車両で、段差がなく車いすやベビーカーでも容易に乗り降りできると、ユニバーサルデザインということにも通ずるわけであります。
そして、町の動く風景として、町中の水平エレベーターという感じの路面電車もあると、こういう意味では観光とかそういうことにもつながっていく、あるいは景観ということにもつながっていく公共交通機関であると。さらに、環境とのかかわりということから見て、電気エネルギーで走る路面電車は炭酸ガスを出さないと、こういうことで大変クリーンな乗り物であるという点も指摘されております。
加えて、経済性についても大変な評価がこの教科書ではなされておりまして、敷設建設費が地下鉄の30分の1、あるいは高架を走るモノレールの10分の1程度だと、こういう大変優れた経済性についても指摘されているわけであります。
この結論として、中学校のこの国語の教科書では、古くて新しい路面電車、すなわちこのLRTですけれども、未来の都市交通の動脈としてますますこれからも発展していくだろうと、こういう一文が中学校の教科書、さいたま市内で採用されております中学校の国語の教科書に載っているわけでございます。今日は、このLRTにつきまして、副大臣に是非お聞きしたいと思っております。
今、国土交通省では、町中居住あるいはコンパクトシティーという新しいまちづくりというものについて、様々なまちづくり三法の見直しも含めて、今国会でも上程されているところであります。
まず副大臣にお聞きしたいのは、このコンパクトシティーとLRTということにつきまして、とりわけ歩いて暮らせるまちづくりという標榜している中で、このLRTの導入、またコンパクトシティーとLRTとの関係について、国としてどのようなリーダーシップを発揮されようとしておられるのか、これについてまず副大臣にお伺いしたいと思います。

○副大臣(松村龍二君) 西田委員にお答え申し上げます。
ただいま先生御指摘いただきましたように、現在の都市は少子高齢化や環境問題、あるいは中心市街地の衰退といった様々な課題を抱えておりまして、このような課題に対応した持続可能な都市づくりを進めることが必要であります。都市内公共交通機関は、都市内交通の円滑化に寄与するとともに、交通弱者に優しく、エネルギー効率に優れたものであり、まちづくりの観点からその普及を図る必要があると認識いたしております。
国土交通省におきましては、都市モノレールや、ただいま御指摘のLRT等の都市内公共交通機関を都市の装置として位置付け、これまでも様々な助成措置を講じ、支援を行ってきたところであります。
その中でもLRTは、次世代型路面電車として、従来の路面電車の車両、走行環境等、大幅に改善した機能的で新しい都市の交通システムであり、上下移動なしに乗降できると、プラットホームなしでおじいさん、おばあさんが苦労なしに乗り降りができるといったことで、高齢者、障害者に優しく、事業費も比較的低廉といった特徴を有しております。一方で、LRTの整備に当たっては、道路空間の再整備が必要となることや、採算性の確保、地域住民を始めとした関係主体間の合意形成等が課題となっているところであります。
このため、国土交通省では、計画策定段階から事業の実施まで様々な支援を行ってきたところでありますが、平成17年度からは新たに関係部局が各種補助事業を一括採択するなど総合的な支援を行うLRT総合支援事業を創設したところであります。この制度の第一号路線として、富山市におきます富山港線、富山の港と富山駅を結ぶ線でございますが、富山港線が本年春の開業を目指して事業中であります。
引き続き、LRTの整備推進に向けて、国土交通省が一丸となって積極的に取り組んでまいる所存であります。

○西田まこと君 今御答弁いただきましたとおり、国として今進めようとしている歩いて暮らせるまちづくりの中において、このLRTというのは大変に重要な位置を占めている、また、そのために総合事業として進めておられる、こういうお話がございました。
ただ、私の方からあえて申し上げさせていただきたいんですが、やはりもう少しこの国としてのリーダーシップを、そういう国土あるいはその町中居住とか、歩いて暮らせるまちづくりというものを本気で目指そうとするのであるならば、更にもう一歩踏み込んだリーダーシップというものを発揮すべきではないかというふうにも思うわけであります。
その中で、あえて言わしていただきますと、やはりこのLRTが環境とか経済性とかあるいは少子高齢化とか、これから日本が、各都市が遭遇する、既に遭遇している様々な問題に対しまして、持続可能なまちづくりという観点からもこのLRTというのが大変重要であるという御認識に立つのであるならば、やはりこれをもうちょっと格上げして、しっかりと国として、国を挙げて支援していく、やる気のあるところについてはもっと支援していく、こういうことも必要ではないかと思いますが、再度副大臣の御答弁を求めたいと思います。

○副大臣(松村龍二君) ただいまお答え申し上げましたように、いざ実現するということになりますと、道路等の調整、あるいは関係者の意向の集約、その他いろいろな努力が必要でございます。
また、国土交通省といたしましても、先ほど省内、いろいろな3つの組織が集合的に総合支援事業をつくっておるわけですが、その主体になりますLRTについては、鉄道局において22億、全国で22億円というふうな予算額でございますので、今後、全国的に、先生おっしゃるようなことで広めていくということになりますと、そういう環境面の打開と、また予算等の拡充が必要になるものかというふうに存じております。

○西田まこと君 先ほど副大臣から御答弁いただいた中にLRT導入計画ガイダンスの話が触れられておられました。このガイダンスを私も拝見させていただきまして、様々なきめ細かく導入する場合のいろんなガイダンスが盛り込まれております。
そのガイダンスの中には評価というのが1つ入っておりまして、私はこの評価につきまして、今副大臣からもお話ありました、もちろん事業ですので採算重視ということが大変重要になってまいることは承知しております。しかしながら、単なる採算、事業性の評価だけで本当にいいんだろうかということも思うわけであります。
例えば、このLRTの事業性評価に加えて、もうちょっとLRTを導入することによってかかわる、いわゆるステークホルダー、いろんな利害関係者の方々へのメリット、デメリットというものをもっと総合的に評価するという、そういう仕組みが盛り込まれていかないと、いつまでたってもこの事業性評価、採算重視だけで導入が進まないと、こういうことになってしまうんではないか。ひいては、持続可能なまちづくりにつながっていかないと、こういうふうにも思うわけであります。
そこで、国土交通省にお聞きしたいと思います。
このLRTを導入した場合に、4つの視点でそのメリットということについて御指摘いただきたいと思います。1つは個人への効果、また交通事業者への評価、さらに地域社会への効果、さらに4つ目には国あるいは世界への評価、この四つの視点でこのLRTを導入することによってどういう評価がもたらされるのか、また、そうした採算性重視に加えて、こうした視点に立った総合的な評価をしていく、そういう構えがあるのかどうか、これにつきましてお聞きしたいと思います。

○政府参考人(柴田高博君) 今副大臣の方から御答弁申し上げましたし、また委員の方から御指摘いただいておりますように、これからの少子高齢化の社会、都市におきましては、現在まちづくり三法の改正ということでも国会の方にお願いいたしてございますけれども、これまでのような拡大したまちづくりから方向転換をし、歩いて暮らせるまちづくり、コンパクトなまちづくりに転換しようといたしております。
そういった中で、交通手段につきましても、これまでの自動車交通に一方的に偏ったものではなくて、歩いて暮らせる、そしてまた公共交通機関、なかんずくLRTのような非常に乗り降りがたやすく、そしてまた手軽に利用できる、またコスト的にもかなり役立つようなものが整備されていくということが今後のまちづくりにとっては非常に重要なことではないかと思っております。
これらの交通手段、LRT等の交通手段が入ることによりまして、人々が町の中心部に集まることができ、そこでもってにぎわいが取り戻せることができまして、活気のある住みやすい、暮らしやすいまちづくりが展開できるんじゃないかと思っております。これによりまして、また環境云々に対する負荷というものもかなり減ってまいりますし、エネルギー問題という面で見ましても、非常にエネルギー効率の良いまちづくりができるのではないかと思っております。
それらのまちづくりを支えるための1つの大きな手段であるという具合に我々は感じておるところでございまして、いろんな場所等を通じましていろんな、今回もまとめました17年度から総合事業を鉄道局と都市・地域整備局と道路局が一体となって総合的にLRTを進めていこうということで取り組んでいるわけでございますが、今後とも一丸となって、政府一丸、我々一丸となって事業の推進を図っていきたいという具合に考えております。

○西田まこと君 そうすると、今のお答えは、結局LRT導入ガイダンスの中に書いてあるこの評価というのは必ずしも採算性だけを指しているのではなくて、様々な利害関係者に対する効果というものを見た総合的な評価ということで考えてよろしいんでしょうか。

○政府参考人(柴田高博君) 評価の問題でございますが、公共交通機関、要するに営業をしなくちゃいかぬものでございますので、採算性の問題というのは非常に重要なことでございまして、そこを抜いては議論、考えられないところでございますが、公共の部分で、事業者ではなくて公共の部分で、公共の方で支援してあげる部分を拡大していく、できるだけ多く公共の方で負担をしてあげるというようなことが重要ではないかという具合に思っております。

○西田まこと君 このLRT導入、もう一問だけさせていただきますが、いろんな仕組みを私も勉強させていただきまして、また一生懸命導入しようとしている人たちからもお話をお聞きしましたが、どちらかというと、やはり自治体から声が上がってくるのを待っていると。まあ、来たら応援するパッケージはつくってあるよと、こういうスタンスだと思っております。
しかしながら、その自治体から声が上がってくるまで、そこまでが実は非常に大変な、地域住民の方々への合意形成を始めとして、あるいは意識改革ということも含めて大変な作業をそこで伴うわけであります。最初のその段階でいきなり自治体が計画をするというケースもあるかもしれません。しかしながら、心ある人たちが、これからのまちづくりということを考えて私的に研究会なり勉強会を立ち上げて、そして地域住民の意識啓発を含めて運動を起こしていくということも十分あって、今進めているところも全国各地であろうかと思います。その場合には、まだそういう意味では今国が用意しているパッケージに届かない、しかしながらそういう芽はある、この芽をどう育てていくのかという視点が私は大変大事であるというふうに思っております。
そこで、具体的にあえてお聞きしますけれども、今のこのパッケージでは、市や公安委員会やNPO、あるいは交通課といった協議会をつくった上でそれを支援するという形になっておりますが、そうではなくて、まだそこまでにも至らない、だけれども導入しようと思って頑張っている民間団体や、あるいはNPO法人、単独でやっているところを支援する枠組みとして、特に住民意識の改革、啓発、さらにはLRTの導入に向けたPR事業に取り組む諸団体につきまして、どのような支援を今できる枠組みがあるのかということについて国交省さんにお聞きしたいと思います。

○副大臣(松村龍二君) お答えいたします。
LRTの整備を進めるためには、御指摘のように、地方公共団体はもとより、関係機関、住民の理解、協力が不可欠でありまして、LRTを推進するNPO等の民間団体の活動が重要な役割を果たすものと認識しております。
LRTを推進する民間団体に対する支援といたしましては、LRTに係る制度の紹介、技術的な助言などを行うため、LRTの導入計画ガイダンス、先ほど読んでいただいたということでございますが、昨年10月にこのような導入計画ガイダンスを策定いたしますとともに、民間団体からの依頼に基づき、専門知識を有する国土交通省職員が出向いて講演を行う、いわゆる出前講座、旅費を出していただければ出向くと、こういうシステムでございますが、出前講座を実施しております。
さらに、地方公共団体によりますLRT導入についての検討計画策定に対しましては、道路交通調査員による支援をしておりまして、その際、地方公共団体の検討に民間団体も参画し、一体となって検討を進めていただくことも考えられます。
今後とも、LRTを推進するため、民間団体に対し様々な取組による支援に努めてまいる所存であります。

○西田まこと君 今のお話は、民間団体が公共団体と一緒になった場合に支援する街路交通調査費の話をされたと思います。そうではなくて、まだそこまで至らないでもこうしたことを導入しようと思って民間団体が動いている場合があります。この場合には、LRT導入に向けてそうした民間団体が動いている場合には、どういう支援がそのほかにあるんでしょうか。

○政府参考人(柴田高博君) 副大臣御答弁されましたが、基本的にはそういうようなことで出前講座等で本当に真剣に取り組んでおられます民間の団体の皆様のところに行っていろんな講義をする、あるいはいろんなことを御説明するというようなこともやってございますし、非常にLRTは今、先生、委員御指摘のとおり、非常に人気がございまして、各地でもってLRTの推進のための民間団体の集まりが起きてございます。
例えばその支援、そのほかの支援といたしまして、公共団体絡みになるかもしれませんけれども、まちづくりと一体となって考える場合には、まちづくり交付金事業がございまして、まちづくりをやられます市町村に対しましてパッケージで支援ができるわけでございますが、その中でも本来事業の街路だとか公園だというような部分以外のところで提案事業という部分がございまして、一般的な場合には国費の一割以内、未満ですかね、1割までのところで提案事業というものが設けられております。その提案事業の中でソフト事業的なものもできるわけでございまして、そういうものの活用というものもできるのではないだろうかという具合に考えております。

○西田まこと君 もう1つ、全国都市再生モデル調査というのがあるかと思いますが、ここでそのLRT導入に向けて私的団体が様々なPR事業とか啓発事業にこの枠組みも使うことは可能でしょうか。

○政府参考人(柴田高博君) 都市再生本部の方で持っております都市再生の調査のモデル事業ございまして、まあ10億円程度のお金で、全国かなりの地域におきまして先導的なまちづくりのための調査に使われているわけでございまして、平成17年度もそのようなものが使われたと。そのような、一か所当たり約600万円ぐらいの規模になりますけれども、そういうことも使われております。
18年度以降どうなるのかちょっと分かりませんが、いろんな各種、できるだけ多くの支援を取り混ぜて我々としても支援をしていきたいという具合に考えております。

○西田まこと君 再三取り上げているこのLRTの導入ガイダンスには、計画の初期段階からの市民との協働ということが掲げられているわけでございます。そういう意味でいきますと、こうしたまだ公共あるいは自治体に上がらない前の、手前の市民との協働に対して更なる支援をしていくことによって、国が今目指している持続性のある、歩いて暮らせるまちづくりということにも資するのではないかと思いますので、引き続きこの支援の拡充を要請して、次の質問に移らしていただきたいと思います。
2つ目の質問は、昨日も予算委員会で私ちょっと厚生労働省関係で質問させていただきましたが、公共交通機関におきますいわゆるAEDの設置につきましてお聞きしたいと思います。
この別館にも既に一階に設置されておりますこのAEDでございますが、今、空港あるいは鉄道あるいはターミナル駅のバス停、こうしたところにAEDがどういう設置状況になっておるのか、分かる範囲でお答えいただきたいと思います。

○政府参考人(竹歳誠君) お答えいたします。
鉄道につきましては、平成17年度末までに少なくとも約100駅でこのAEDが設置し、又は設置する予定でございます。
また、航空につきましては、本年2月時点で、主要空港について見ますと、成田に42台、関空に35台、中部に39台、羽田に50台、伊丹に20台設置されているほか、主要航空会社の航空機につきまして、約9割が搭載済みとなっております。
バスにつきましては、少なくとも4つのターミナルにAEDが設置されております。
このほか、旅客船につきましては、平成18年度末までに11業者の42隻、12ターミナル等にAEDを設置し、又は設置する予定でございます。
この数字につきましては、取り急ぎ本日現在把握しているところを今御説明申し上げました。

○西田まこと君 取り急ぎ調べていただきまして誠に有り難いと思いますが。
昨日の、私、法務大臣への御質問の中で、これは非医療従事者がこのAEDを使えるようにまあなっているわけです。これは医師法には触れないという、そういう規定になっているわけですが、ただ刑事あるいは民事上はどうなのか。万が一、非医療従事者がそれを使用して、例えば駅とかでですね、心拍停止している人を、心肺停止している人を救おうと思ってAEDを使ったと。万々が一、もしものことがあった場合にということを考えると、刑事、民事上で免責をされないんで、積極的な免責がなければ、これなかなか使えないだろうと。ひいては公共交通機関でもなかなか設置が難しいんではないか、費用の問題というよりもそうした懸念が多いんではないかという指摘をさしていただき、法務大臣からは、もちろんその刑法の37条で緊急避難という事項があって、そこによるわけでありますけれども、一般的に考えれば、人の生き死にに関する事態ですので、それによって万が一ということがあっても処罰されることはないであろうと、こういう法務大臣から御答弁をいただきました。
そういうことを踏まえた上で、さらに、この公共交通機関においてAEDを積極的に設置していくという厚生労働副大臣からの御答弁もいただいたわけですが、この公共交通機関におけるAEDの普及について、さらに今のことを踏まえた上で、国土交通省としてのスタンスをお聞きしたいと思います。

○政府参考人(竹歳誠君) このAEDにつきましては、欧米では公共の場でこの設置が進んでおります。我が国でも、厚生労働省より一般の人のAED使用に関する報告書が全国に通知されて、公共の場などでの設置が進められております。
例えば、鉄道事業者につきまして、厚生労働省関係の財団によります説明会、こういうことにも積極的に鉄道事業者、参加しておりまして、今御指摘のように、この公共の交通機関の場にこのAEDが設置されるように我々も進めてまいりたいと思っております。

○西田まこと君 ありがとうございます。積極的に是非お願いしたいと思います。
続きまして、道路情報板におけます情報伝達というかなり細かい話でございますが、質問させていただきたいと思います。
昨年、広島とか栃木などで小学校1年生の女の子が誘拐され、殺害されるという大変痛ましい事件が相次ぎました。今、この不審者情報ということにつきまして、自治体におきましても公開をしていくということがいろんな県で始まってきております。これまでも、ひったくりとかあるいは空き巣などの犯罪状況につきましては、各都道府県警が公開をしておりました。そして、不審者についても、やはりこれは犯罪の抑止ということも含めて、そうした不審者情報を公開する動きが全国各都道府県で起きてきていると私は思っております。これは、地域住民からもそうしたニーズがある、最新の、また具体的な情報を求められている、こういう背景もあろうかと思っております。
そこで、お聞きしたいと思います。
この地域にある様々な、そういう意味では情報伝達手段を活用してこうした不審者情報についてもいち早く共有するということが大事ではないかと思っているわけでありますが、高速道路また一般道の道路情報板におきましても、こうした不審者情報の公開、その提供手段の一つとして活用をすべきではないかと思いますが、警察庁、いかがでございましょうか。

○政府参考人(竹花豊君) お答えいたします。
御指摘のように、犯罪を抑止するためには、犯罪情報を地域の皆さんあるいは関係の機関、共有をいたしまして対処することが必要であるというふうに考えておりまして、警察といたしましても様々な機会をとらえ、警察のホームページあるいは携帯メール等の手段を講じまして、情報の提供に努めているところでございます。
御指摘の道路の、何といいますか、電光掲示板のようなものにつきましても、その伝達手段としていかがかというお尋ねでございますけれども、この電光掲示板というのは、まあ車に乗ってる方がごらんになるためということもございまして、非常に瞬間のうちに通過をしていくという、そういう性質もございます。しかしながら、どのような媒体にしろ、犯罪抑止情報を伝達する上で役に立つものであるならば、いろいろ検討した上で、またこうした掲示板の管理者とも協議をさせていただいて、効果的な活用方法があればこれを実施をしていきたいというふうに考えております。

○西田まこと君 今、警察庁さんからそういうお話がありました。こうした不審者情報の情報伝達手段としてこうした道路情報板ですね、高速道路はもちろんかなりのスピードで走っております。高速道路上に不審者がうろうろしているということは普通あり得ないわけでありますが、一般道でいいますと道路情報板、その地域においてこういう情報を共有した方がいいという場合も多いかと思います。そういう場合には是非活用を検討していただきたいと思いますが、その上で国土交通省にお聞きしたいと思います。
こうした警察庁との連係プレーの中で、不審者情報の情報伝達手段の1つとして道路情報板、気象情報とか渋滞情報はございますけれども、こうした不審者情報についても、警察庁との連携の中で、情報伝達の1つの活用方法としてあり得るんではないかと思いますが、いかがでございましょう。

○政府参考人(谷口博昭君) お答えをいたします。
道路情報提供装置、いわゆる道路情報板でございますが、全国で、平成15年度の道路交通管理統計で9,833、全国でございます。高速自動車国道で502ございます。
この目的は、道路工事や交通事故による通行規制情報、降雪等の気象情報等を提供するために設置しているというところは御案内かと思いますが、今警察庁から御答弁ございましたが、警察から不審者情報等を提供する要請を受けた場合には適切に対処してまいりたいと考えておる次第でございます。

○西田まこと君 その際に、確認でございますが、この道路情報板は自由に書き込みができる、標示できる情報板と、あるいはこの定例句のみ標示可能な情報板ということでお聞きしております。そういう違いがあって、定例句のみ標示可能な情報板の方が圧倒的に数が多いということであります。
今お話しのようなこの情報伝達手段、渋滞情報や気象情報に加えて、仮に不審者情報を伝達する手段としてそれに堪え得るのかどうか、一応確認でお聞きしたいと思います。

○政府参考人(谷口博昭君) 御指摘いただきましたので、警察庁とよく連携して、よく検討さしていただきたいと思います。

○西田まこと君 次に、大規模空間の天井崩落防止につきまして御質問をさしていただきたいと思います。
これは、昨年事故がございました。この大規模空間を持つ建築物の天井の崩落対策につきまして、国交省のお調べでは、全国で約5000件ほど技術指針と比較して問題のある建築物という調査結果が出ております。
ここでお聞きしたいと思います。この問題というのはどういうことでしょうか。

○政府参考人(山本繁太郎君) 昨年の8月16日に宮城県沖の地震で崩落した事件にかんがみまして、どういう点が問題があるかということを整理をいたしました。
現地に係官を派遣をいたしまして調査しましたところ、つり天井に十分な揺れ防止対策が取れていない、大きく揺れたことが落下の原因の1つである可能性が高いということを整理いたしました上で、各都道府県に対しましてこれらの措置がとられているかどうかを、対象としましては、屋内プール、体育館、劇場、展示場、空港ターミナル等のつり天井、500平米以上の空間を有するものを対象として、その点についての調査を実施したところでございます。その防止対策が取られていないものが五千件あったということでございます。

○西田まこと君 その上で、この5,000件の中で既に改修が決まっているのは約600か所ぐらいというふうにお聞きしております。この残りにつきましてはどういうスケジュールで、あるいは国としてどういう支援の枠組みでこの天井崩落防止対策を取っていくのかについてお聞きしたいと思います。

○政府参考人(山本繁太郎君) そのときに対策の考え方なんかも聴取したわけでございますけれども、公共団体におきましては、所有者に対しまして、管理者でございますが、落下防止対策を取るように指導を行っているところでございます。
全体的にこの5,000の案件を解消していく必要があるわけでございまして、具体的には、昨年改定していただきました改正後の耐震改修促進法に基づいて現在公共団体が耐震改修促進計画を策定中でございますが、その中で建築物の耐震改修における課題の1つとしてきちんと位置付けて、地震時の総合的な安全対策を進めるということでございますので、そういったような取組を国土交通省としてもきちんと支援していきたいと考えております。

○西田まこと君 そうすると、いつまでにそれはやるということになるんですか。

○政府参考人(山本繁太郎君) 耐震改修促進法の改正は、極めて異例な形でございましたけれども、昨年の特別会で国会において改正していただきました。法の施行は今年の1月に施行いたしまして、国としての方針も公共団体に示したところでございます。
私どもとしては、公共団体におかれてはできるだけ早く耐震改修促進計画を策定していただきたいということでお願いしております。できれば夏までに策定してほしいと、遅くとも今年じゅうに策定し終わってほしいということにお願いしておりまして、その観点から私どもとしても必要な助言、情報提供を進めていく考えでございます。

○西田まこと君 この崩落防止の規定ということにつきましては、建築基準法の施行令第39条で定められていると承知しております。その内容につきましてどのようなものか、御指摘いただきたいと思います。

○政府参考人(山本繁太郎君) この内装材の概念に属するわけですけれども、これは、屋根ふき材とか内装材等につきましては、基準法施行令の39条で「風圧並びに地震その他の震動及び衝撃によつて脱落しないようにしなければならない。」というふうに規定しているところでございます。

○西田まこと君 脱落しないようにしなければならないと規定されているということであります。
じゃ、どうやったら脱落しないようにできるのか、その具体的な方法は規定されていないということで、そういう理解でよろしいんでしょうか。

○政府参考人(山本繁太郎君) 施行令で規定されているのはそこまででございます。いろいろな事例がございますので、地震の際のいろんな経験も踏まえて、特定行政庁を通じて注意すべき事柄を技術的助言としてお示ししているところでございます。

○西田まこと君 その技術的な助言でございますけれども、これは横揺れ、縦揺れ、それぞれどっちに対応できるものにするのかとか、様々な学説というか、学者によって意見もあるようであります。
今後の対応でございますが、こうした技術的な基準、崩落防止のための技術的な基準につきまして、あるいはその具体的なマニュアル等を作っていくような、そういう必要性があるんではないかと思いますが、いかがでございましょうか。

○政府参考人(山本繁太郎君) 御指摘のとおりの問題意識を持っております。
実は、このような類似の事案につきましては、平成13年の芸予でも被害が出ております。そのときにいろいろな問題意識を整理して、特定行政庁には技術的助言をしております。
基本的には、水平の揺れに対して、壁にぶつかってつっている部分が壊れてしまうというようなことがありますので、きちんとした間隔を空けてぶつかったりしないように、それで壊れたりしないようにということを技術的助言としては示していたわけでございますけれども、実は同じような事案が、若干構図は異なるんですけれども、平成15年の9月に発生しました十勝沖地震で空港ターミナルで天井が落ちました。このときにも更に得られた知見について技術的助言をしております。
その上で宮城のことがあったということなんで、御指摘のような問題意識を私どもしっかり受け止めて、いろいろな経験に照らして、問題点があった事例なんかをきちんと分かりやすく整理して、しっかり助言していきたいと考えております。

○西田まこと君 是非しっかりとした取組をお願いしたいと思います。大変に避難場所としても重要な体育館等もございますので、是非取組をお願いしたいと思います。
続きまして、建設工事現場の施工者の意見反映の仕組みということにつきまして御質問させていただきたいと思います。
この姉歯事件に関しましては、私もいろんな専門家の方にお話をお聞きしました。また、実際に現場監督などを行っている方にもお聞きしたわけであります。普通、そういう方にお聞きしますと、現場でこの物件は何かやたらに鉄筋が少ないんじゃないかというような疑問を持った場合に、それを指摘したとしても、これはまあ新しい工法なんだというようなことを言われたり、あるいはそれがその設計者の売りだというようなことを言われたり、とにかく、何しろ建築確認は通ってるんだからつべこべ言うなというような形のことも言われるというケースがあることを聞いているわけであります。
そういう意味でいきますと、やはり、もちろん、いろんなこの、今後二度とこうしたことを起こさないためにも、制度的なもの、午前中もお話ございました建築士法の問題や基準法の問題、様々あろうかと思いますが、そうしたことも踏まえて、更に加えて、やはり現場で最終的におかしいなと思うその長年の経験、プロフェッショナルな方の意見なりがきちっと吸い上げられていくという仕組みがやはりないと、やはりこれは、それがあった方がよりそういう意味ではこの再発防止ということにもつながっていくんではないかと私は思っております。
工事現場の疑問あるいは異議というものが設計者や元請業者にきちっと伝えられ、またそれが取り入れられていく、そういう枠組みとして建設業法やあるいは建築士法においても改めていくと、変えていくということが、改善していくということが必要ではないかと思いますが、いかがでございましょう。

○政府参考人(山本繁太郎君) 御指摘いただきました課題、非常に大事な課題だと思っております。
特に、建築士法で定めております工事監理に係る問題意識について御説明したいと思うんですが、現行の建築士法では、工事監理者は、工事を設計図書と照合しまして、現実の工事が設計図書のとおりに実施されているのかどうかを確認するというのが仕事でございます。仮に、工事が設計図書のとおりに実施されていないというふうに認めたときは、直ちに工事を施工している建設会社にその旨の注意を与えまして、工事施工者がこれに従わないというときは建築主ですね、工事監理の発注者ですが、建築主にきちんと報告しなければならないというのが建築士法の規定でございます。
さらに、仮に工事中に設計図書の内容自体に問題がある、おかしいんじゃないかと、これはというふうに感じた場合、そういう設計図書の内容自体に疑義が生じた場合には、工事監理者はこの設計図書の設計者である建築士に確認をすると。確認をした上で内容がおかしいと認められるときは、設計者である建築士に設計図書を修正させるということを義務付けております。もし、さらに、そもそもの設計者が修正しない場合に、設計者の同意を得て、承認を得て自分が設計図書を修正するということが基本的な手順でございます。工事監理者は建築士でなければできませんので、自ら修正するという手順でいきます。
このように、工事監理業務につきましては、建築物の質を確保する上で重要な業務でありますので、今回の制度改正、御検討いただいております審議会の中間報告でも工事監理業務の適正化が課題とされておりまして、例えば工事監理の仕事の中身を非常に明確にすることで、委託した建築主に対して報告を的確にするというふうなこととか、あるいは工事監理業務を適正にするための1つの方法として、工事を施工する者と利害関係のない者に、第3者に、第3者である建築士に工事監理を義務付けるといったようなことについて、様々な角度から検討が必要だと指摘していただいているところでございます。
この課題につきましては引き続きの検討課題になっておりますので、夏までに方針をまとめていただいて、その結果を踏まえて所要の法律改正を改めてお願いする方針でございます。

○西田まこと君 もうそういう意味では、施工者も言われたとおりやっていて、だから責任がないんだという時代ではもうないと思います。ありとあらゆる建築物の構造や建物のプロセスにかかわるあらゆる人が、この安全と安心というものをきちっと担保していく、確保していくということが必要になってくると思われます。今局長からお話がございましたようなことも含めて、是非きちっとした検討をお願いしたいと思います。
時間も残りわずかとなりましたので、まだ、ただ大臣が来られていませんのでもう一つ御質問をさしていただきたいと思います。先ほど加藤委員からも御指摘ございましたが、自賠責につきまして私ちょっとお聞きしたいと思っております。
この自動車事故の後遺症者、大変に増えていると。先日も、交通事故に遭っていわゆる高次脳機能障害になった方々から様々なお話をお伺いする機会がございました。救命率が上がったということは大変に喜ばしいことでございますが、併せて高次脳機能障害という方も残念ながら増えている。そうした方々に対しましては、この医療や福祉といった今までの枠組みだけでは、例えば家族支援という1つ取ってもなかなか十分に行き届かない、そういうことを危惧しているわけでございます。
ちょうど今年は、平成13年にこの自賠責法の一部改正法律が通った5年の見直しの時期に当たっておりまして、衆議院、またとりわけ参議院の附帯決議におきましては、遺族の心のケアも含めた被害者の保護の充実を図るという附帯条項が参議院において決議されているわけであります。
そうしたことも含めて、この交通事故被害者への支援、この自賠責保険の運用益を使った支援の拡充につきまして、国土交通省からお話をお聞きしたいと思います。

○政府参考人(宿利正史君) 今、西田先生からお話がございましたように、従来より、自賠責保険の累積運用益、これは政府再保険の運用益でございますけれども、これを活用いたしまして、自動車事故の被害者、そのうちの重度後遺障害者に対する介護料の支給を始めとしていろいろな救済対策を講じております。
また、今お話のありました高次脳機能障害につきましても、平成13年から自賠責保険の支払の対象になっておりまして、年間2千数百人から3千人の方に保険金をお支払いしている状況でございます。
今、西田先生御指摘ございましたように、平成13年に自賠法を改正いたしました折に、衆参の両議院の附帯決議が付けられておりまして、法施行後五年以内に自動車事故の被害者救済対策について見直し、検討するようにということでございますので、来年度、ちょうど5年目に当たります。一昨日から、そのための検討をする今後の自動車損害賠償保障制度の在り方に関する懇談会というのを設置をいたしまして、議論を開始したところでございます。
私ども国土交通省といたしましては、既に自動車保有台数が7,900万台を超えるに至っております。文字どおり車社会ということになっておりますが、この被害者の救済対策の推進が国民の安全と安心を確保するという上で極めて重要な課題の1つであると、こう認識をしております。
今後、この懇談会における議論などを通じて、交通事故の被害者に対する支援の充実について検討を深めてまいりたいと、このように思っております。

○西田まこと君 とりわけ、今も私が申し上げた高次脳機能障害の家族の方々は、大変に抑うつ状態になったり、あるいはこの高次脳機能障害の言動に対して大変な疲弊をしている。当事者の障害を憎悪するような、本来あってならないことですけれども、そこまで追い込まれている、そういう御家族の方々も数多くいらっしゃいます。
そういう御家族の方々へのサポート支援の仕組みづくりということにつきまして、やはりこの自賠責の運用、保険運用益におきましても支援の枠組みをもっと広げてもいいんじゃないかと、こう思うわけですけれども、いかがでございましょう。

○政府参考人(宿利正史君) ただいま御指摘いただきました点も検討課題の1つとして議論を進めていきたいと思っております。

○西田まこと君 私のいただいた時間あともう1分でございますので、一応質問したい項目は大体終えましたが、先ほど山下先生から御指摘があった点で、札幌の偽装事件につきまして大臣から御答弁いただきました。その際に、サンプル調査を全国で合わせて600件でしょうか、行っているという話がありました。
そもそも、この偽装がどう判明したかというと、自社物件の自主的な再検証が行われて、それによって偽装ではないかということが発覚したわけですね。先ほどの大臣の答弁には、大手デベロッパーからのそういう自主的なこうした再検証も含めてしっかりと偽装の有無ということについても検証したいと、こういう話がありました。
そこで、私お聞きしたいんですが、こうしたやはり全部が全部調査するわけにいかない、サンプル調査ですよね。大手デベロッパーへのそうした自主的な再検証の協力要請というものもしてもいいんじゃないかと。もちろん大手に限ってで、なかなか中小は全部はできないと思いますが、そうした自社物件の自主的な再検証ということについての協力要請を求めるというようなお考えはいかがでございましょう。

○政府参考人(竹歳誠君) 民間のディベロッパーにおきましては、実は自主的にずっと進めてまいりましたけれども、問題の広がりが大きくなってきたということで、3月3日付けで不動産協会外8団体に対しまして、フォーマットを決めまして、こういう形できちっと体系的に調べてほしいということを要請したところでございます。

○西田まこと君 終わります。

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