予算委員会・第9号 2006-03-10


2006年3月10日

【質疑事項】
1.「改革なくして成長なし」改革の自己評価
2.国債に関する政策及び財政再建等について
3.持続的な成長について
4.成長と金融政策について
5.現行の経済政策等の限界について
6.国の財務諸表の総覧性と一覧性について

○西田まこと君 公明党の西田実仁でございます。よろしくお願いいたします。
まず初めに、この量的金融緩和、昨日解除になったわけでございまして、冒頭、まず与謝野大臣にお聞きしたいと思います。
今回の量的金融緩和のいろんな御議論がございますけれども、ひとつだけお聞きしたいことがございまして、金融政策の中で中長期的な物価安定の理解として、今回、ゼロから2%という数値がいわゆる参照値として挙げられたわけでございます。これは、今年1月に内閣府が中期展望の中でも、基本ケース、またリスクのケース、それぞれ経済見通しというのを出されておられますが、この2つともに消費者物価指数を見ますと、ゼロから2%の間に大体入っているわけでございます。そういう意味でいえば、今回のこのゼロから2%というインフレ参照値はある意味で織り込み済みと、そういう大臣の御認識かどうか、お聞きしたいと思います。

○国務大臣(与謝野馨君) 内閣府はいろいろな試算をしておりますが、いずれも物価上昇率の見通しについてはゼロから2%の間に収まっております。

○西田まこと君 それでは、まず総理にお聞きしたいと思います。
先ほど来から少し御議論もございましたが、まずお聞きしたいことは、この小泉政権、間もなく五年を迎えるという中で、改革なくして成長なしと、こういう目標を掲げて、その路線から5年がたとうとしております。
そこでお聞きしたいわけでございますが、この改革の進捗度につきまして総理はどのように自己評価されるのか。特に、この経済、まあイザナギ超えという声も聞こえてくる景気の拡大が続いているわけでございます。今現在、日本の経済は新たな成長路線のスタート台に立っていると、こういう御認識なのかどうか。5年の自己評価も含めて、総理の御所見をお伺いしたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 昨日、日銀も量的緩和を解除の方向の政策決定をなされたわけであります。ということは、私が就任した当初、デフレスパイラルに陥るのではないかという状況から、今の経済状況は確実に、デフレスパイラルじゃなくて、逆にデフレ脱却に向けて確実な歩みを始めたという認識だからこそあの量的緩和の解除決定されたと思うんであります。
また、これまでも、日本経済は駄目だ駄目だと日本国内におきましても海外からも批判を受けてまいりましたけれども、最近ではOECDも日本の経済は復活し出したという評価も与え出して、日本経済はようやく活性化に向けて動き始めたのではないかと。この歩みをしっかりと進めていくのが我々の責務だと思っております。

○西田まこと君 そういう意味では、自律的な経済成長ということに向けてスタートを切っているということだと思います。その中で最大な課題、今日の集中審議のテーマでもございます財政改革、財政再建ということにつきましてまずお聞きしたいと思っております。
今、財政再建をめぐりましては、プライマリーバランスの問題、また国債残高の累増の阻止、あるいはその対GDP比率の上昇阻止といったようなことが大変に議論されて、ひとつのメルクマールとして議論されていると思います。そういうこと自体は否定すべきことではないと思いますけれども、ただ、その数値が余りにも仮に非現実的な成長率だったり、あるいは非現実的な名目長期金利の実現が求められるということであるならば、これは実際には現実には達成不可能であると、こういうふうにもし有権者、納税者の皆様が思ってしまえば、これはもう元も子もないわけでございまして、協力も得られないと、このように思っております。
一例で申し上げまして、単純な算数でございますが、例えば国債残高の対GDP比率の上昇阻止ということにつきまして、平成17年度末の国債残高は536兆円の見込みと、対GDP比率でいえば107%ということになろうかと思います。そして、翌年、平成18年度、仮に、この新規国債発行、30兆に抑えようということでございますので、30兆円増えたとしても国債残高は566兆円になるわけであります。名目GDP比、国債残高のGDP比率を一定に保とうと思えば、これは名目GDPが529兆円にならなきゃいけないということで、簡単に言えば8%ぐらい成長しなきゃいけないというような数字になってしまう。実際には、ただ、来年度におきましては、再三お話がございましたとおり財政融資資金特別会計の12兆円等を国債買入れ消却しておりますので、実際には私が今申し上げたような国債残高、平成18年度見込みにはもちろんなっていないわけであります。しかしながら、単純に計算して、それをやろうとすればかなり現実性の低い高度成長をしなければならないということに単純計算ではなってしまうと、そういうことをまず懸念しているわけでございまして。
もうひとつは、やはり国債残高の累増阻止ということにつきましては、これは30兆円新規国債発行を切ったということは平成9年以来の快挙でございまして、いろんな御批判は数字のいろんなマジックだとかいう話もありますけれども、現実として30兆を切ったということは画期的なことであろうと思います。しかしながら、だからといって国債残高の累増が止まるかといえば、そういうことはないわけでございまして、それは、過去の国債の多くが借換債として更に発行されるわけだからであります。
そこで、まず谷垣大臣に、この国債管理政策という観点、今申し上げましたとおり、新規の国債発行は何とか30兆円以下に抑えているんだけれども国債は累増していくという、つまり借換債が多いということですけれども。健全なこの国債管理政策ということからすれば、例えばイギリスのような50年、あるいはアメリカ30年という超長期の国債が発行されているわけでありますが、こうした超長期の国債発行の方が健全ではないかというような考え方もあろうかと思いますが、これについて谷垣大臣はどのようにお考えでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 今お話しになりましたように、国債発行額を毎年抑えてきましたけれども、まだまだ30兆という規模で、新発債も増える、借換債もあると。そういう中で、国債をいかに安定的に消化し、そして中長期的な発行コストを抑えていくかということはもう我々の非常に重大な課題でございます。
それで、今委員がおっしゃったように、私ども、そういう中長期的なコストを抑え、安定的に消化するということを目標にして国債発行計画を毎年作っているわけですが、リスクを、借換えリスクとか金利変動リスクを低減していくと、軽減していくという意味では、発行年限をその長期化を図ると、超長期といいますか、そういうものを出していくというのは非常に効果があるわけですね。そういうことを前提に、やはり市場のニーズをいろいろよく聞き取りながら、今はもう短期のものからある程度このバランスを取って発行計画を作っているところでございます。
それで、近年では、今我が国の超長期債である20年債あるいは30年債、こういうものを発行しておりますが、こういうものが出てきておりまして、国債の平均発行年限についてはだんだん長期化しているというのが現状でございます。18年度の国債発行計画においても、20年債を増額する一方、割引短期国債を減額するというようなことにしておりますので、平均発行年限は、17年度当初と比べて1か月延びて今6年10か月ということになっているんです。
そこで、今委員おっしゃったのは、50年ほどの超長期を考えたらどうかと。これは確かにイギリス、フランスもそうだったと思います。それから、アメリカは30年ぐらいのものだったと思いますが、今超長期債の発行が、発行されたり検討されているということは承知をしておりますが、今我が国のマーケットの現状を見ますと、必ずしもそういうところにニーズがあるというふうには私ども思っておりませんで、今直ちに50年債を発行するということは念頭にあるわけではありません。
ただ、委員のおっしゃるように、市場のニーズをよく見極めながらやっていかなきゃいけませんので、絶えず市場と対話しながら、どこにニーズがあるのかと。今おっしゃったような超長期債のニーズ、50年のニーズが出てくるのか出てこないのか、こういう辺りも私どもはアンテナを鋭敏にして市場と対話をしていきたいと思っております。

○西田まこと君 この財政再建ということになりますと、やはり本当の問題として私は今問われなきゃいけないテーマは、なぜ国民所得の増加が止まっているのかということではないかと思っております。
国民所得というのは、すなわちこの働く人が生み出す付加価値の総計でございまして、この国民所得は、平成9年、390兆円弱でピークになっておりますが、その後そのピークには達しない、平成18年度でも376兆円ぐらいというふうに見積もられているわけでございまして、まだピークには達していないという状況なわけであります。
そこで、こうした状況の中で、結局は、いろんな施策というのは当然考えなきゃいけないと思いますが、財政の効率化を図っていくこと、そして、これはもう総理もずっと進めておられますが、民間部門の活動を拡大する方向性をより明確に打ち出していくと。そこしかやはり、強靱な経済をつくることしか本当の意味での財政再建というのはやはりあり得ないというふうに思うわけであります。
再三言われておりましたとおり、デフレからの脱却が最大のテーマだとすれば、私、デフレっていろんな定義があろうかと思いますが、私の理解では、このデフレというのは、正常な価格水準から異常な下方乖離を起こしている状態ではないかというふうに思っているわけでありまして、異常な下方乖離を起こして、何が異常な下方乖離なのかといえば、これはもう期待成長率が非常に下がってしまっている。ですから、この期待成長率をいかに改善をして上げていくのか、高めていくのかというところに議論をやはり集中させていかないと、非常に技術的な話になってしまったり、非常に非現実的な数字合わせだけになってしまったり、そういうことになりはしないかということを懸念しているわけであります。
そこで、まず総理に、我が党といたしましては、今この官から民へ、民間主導の力強い強靱な経済をつくっていくために事業の仕分けをして、そして本当に官がやるべきこと、民がやるべきことをしっかりと見極めていく。そういう中で、新しい仕事、機会の平等をつくるためにも、新しい仕事を官を縮小していく中で民に生み出していくと、こういうことが大事ではないかというふうに思っているわけであります。民間主導の成長戦略、強靱な経済によって財政再建をしていくと、そのときに事業仕分けをして官から民への仕事をもっと増やしていくと、こういう観点について、まず総理のメッセージをお聞きしたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 官から民へという場合に、事業の仕分けというものがないとどっちが役割を担うのかという点も難しくなりますので、その考え方、これからもしっかりと取っていかなきゃならないと思います。
そこで、何でも民でやればいいのか、官でやればいいのかというと、どちらが官でやっていいのか、どちらが民の方が効果的かと、あると思います。また、両方、官民ともにやっていい事業もありますので、その仕分けというものは極めて大事でありますけれども、今、様々な民間企業なり民間人の活躍を見ていますと、今までは役所の仕事と思われた分も、公共的な仕事は役所がやるんだという観点から、民間企業でも公共的な仕事をしてるじゃないかと、民間人だって警察と消防と同じような活躍をしてるじゃないかというのも随所に見られます。
そういう点から、事業の仕分けという官から、どちらが役所がやるべきか、どちらが民間に任してもいいだろうかという仕分けというものをこれからもきっちりしていきたいと思っております。

○西田まこと君 谷垣大臣にお聞きしたいと思います。
今私が申し上げたこの財政再建にとって本質的に大事な、このいかに期待成長率の改善を図っていくのかという観点から、これはなかなか財政が出るとか、金融の方ももう一杯一杯というところもございます。そうすると、やはりこれは、税制でこうした期待成長率の改善ということにやっぱり資するような税制改正ということも大事ではないかと思っているわけであります。その意味ではひとつには新規の設備投資を促していくような税制改正、また新しく業を起こす、起業を促進していくような税制改正、これがこの平成18年度ではどのようなものが具体的に盛り込まれているのか、簡潔にお答えいただきたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) 委員おっしゃるように、期待成長率あるいは潜在成長率を高めるために税制も頑張れというのはおっしゃるとおりだと思います。
それで、今おっしゃったような設備投資は、研究開発に政策税制を集中化しようというのを15年度やりまして、今年はそれを一応3年間で終わりまして、18年度でまた新たに形を整えて、そして中小企業等にやっていこうということでやっております。
それから、中小企業関係の税制の拡充、これも今年また引き続き、毎年度ございますが、今年もかなり力を入れたつもりでございます。
それから、今年は特にございませんが、ベンチャー等をどうしていくかというのは今まで取り組んできたことも、今おっしゃったことでは重要な意味があると思いますし、それから、貯蓄から投資、こういう形でやってきた金融・証券税制の見直しというのも意味があろうかと思っております。
それからもうひとつ大事なことは、国際的な投資交流を促進するためのあの日米租税条約の見直し等、今イギリス、フランスと署名をしたところでございますが、こういったようなものをいろいろ工夫をしていかなければならないだろうと思っております。

○西田まこと君 そこで次に、持続的な成長ということでお聞きしたいと思います。
結局、この持続的な成長、先ほど与謝野大臣からもお話ありました。最近の景気回復は非常に内需も外需もバランスが取れているというお話がございました。これ更に持続的に経済成長を図っていくためには、やはり個人消費、これを消費者、家計部門の需要に支えられた経済である必要が当然あるわけであります。
その意味では、雇用者報酬、賃金指数、これがいずれも2005年には小泉政権になって初のプラスに転じたということは大変大きな朗報であろうと私は思っております。雇用者報酬はちなみに前年比1.3%、事業所規模5人以上の賃金指数も前年比でプラス0.6%とプラスに転じたというのは、これは大変に朗報であろうと思っております。
更にこれを進めていくということを考えたときに、じゃ税制で何かできるか。つまり、個人消費、家計部門に引っ張られた、より牽引力を付けるような税制改正ができるものかどうかと考えてみますと、これは実はそう簡単ではない。消費はやはり個人の選択であり、消費を喚起する税制改正といっても、なかなかそう妙案は難しいのではないかと思っております。
そこで、お金を掛けずに何かできないかと考えたときに、まあこれはかなり乱暴な意見かもしれませんが、金融政策で取られているいわゆる時間軸効果というものを税制面でも取り入れることはできないだろうかというふうに思っております。
すなわち、これは、例えば消費税ひとつ取ってみたときに、消費税を例えば何年まで引き上げない、あるいは、金融政策で3つの条件が量的緩和解除に設けられまして予測可能性というものは格段に市場関係者に高まったと思いますけれども、それと同様に、消費税につきましても、引き上げるとすればこういう条件でいくとか、そういうようなひとつの宣言というものによって税制面における時間軸効果というものが考えられないだろうかというふうに思っております。
先ほど総理も消費税に関しましておっしゃっておりました。昨年の12月の段階でもおっしゃっておりました。07年度、2007年度までには引き上げないと、そういう環境にはなっていないと先ほどは御答弁されたかと思います。
こうした、この税制面におけるいわゆる時間軸効果、それを総理が意図されているのかどうか分かりませんが、そういったことも考えられるのではないか。消費を喚起する税制というのはなかなか難しいとすれば、例えばそうした税制面における時間軸効果ということも考えられないだろうかというふうに私自身思っておりますが、総理はいかがでございましょうか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 時間軸というのをどう取るか。私と西田議員と同じかどうか分かりませんけれども、時限立法的にとらえているのかどうか分かりませんが、導入する前から、いつ何%上げるかということを今私は判断する状況にはないと思っているんです。
過去の導入の経緯は、法律が決まれば何年か後に消費税が導入されると。今年法律通ってすぐというわけにはいかないでしょう。法律が成立したら何年後かにということはあり得ます、それは1年後か2年後か3年後か分かりませんけれども。
それと、消費を刺激するために、落とさないために消費税導入する場合は、一挙に5%、10%という引き上げないで、1%か2%ずつ段階的に引き上げるという人もいます。そういうのを時間軸というのか私分かりませんけれども、5年間で毎年1%ずつ引き上げたらどうかという人もいるぐらいです。これはひとつの理論ですよ。そうすれば、上がらないうちに買おう、上がらないうちに買おうという心理が働くと言っていますが、それが必ずしもどうなるか分かりませんから。実際、そんなに毎年毎年税率を変えることがいいのかどうかも、これまだこれから議論の余地があると思います。
また、過去の3%から5%に引き上げた場合には所得税を減税先行させましたから、その後に、何年か後に消費税を上げるという、これも時間軸と言えば時間軸と言えます。
様々ありますから、今私が、今年9月に辞める私が後の総理の手足を縛るということはしたくはありません。

○国務大臣(谷垣禎一君) ちょっとさっきの答弁の訂正させていただきますが、投資促進のための投資条約ですね、英仏と署名をしたと申しましたけれども、フランスはインドの間違いでございました。訂正させていただきます。

○西田まこと君 さらに、この自律的な経済成長を図っていくというときに、伝統的ないわゆるマクロ経済政策というものはかなり今手詰まり感があるというふうに正直言って思います。これは財政出動しようと思ってもお金がないと、金融にしても、先ほど申し上げたとおり、もうかなり臨界点に来ていると、円安政策なんかを取るわけにもいかないと。こういうふうになりますと、じゃミクロの成長戦略であろうというふうに思うわけでありますが、これも昔のようないわゆる産業政策を取って何か全体を引っ張っていくというのもなかなか難しい今状況にあると私は思っております。
そこで、竹中総務大臣にお聞きしたいんですが、むしろ私は、この道州制というものを見据えながら、国全体の計画というよりも、その道州制見据えた地域振興政策、地方公共団体の独自財源による独自の政策というところに可能性をより見いだしていく必要があるんではないか、その地域振興産業政策というところで申し上げますと、というふうに思っております。
先日、地方制度調査会の報告を読ませていただきました。この道州制の意義についていろいろと触れられておりました。その2つ目に、自立的で活力ある圏域の実現というのが調査会の報告にあったわけであります。そこにはまだ今私が申し上げたほどの見込みはなかったように記憶しておりますけれども、いずれにしましても、竹中大臣にお聞きしたいことは、この道州制を見据えて、また今進んでいる三位一体の改革ということを進めていく中で、こうした地域振興政策、従来型の産業政策とは異なるそれぞれの地域の産業を活発化していく政策をより進めていく必要があるんではないかという点につきましてお聞きしたいと思います。

○国務大臣(竹中平蔵君) 今、西田委員言われましたように、マクロの総需要管理ではなくて、やはり独自の地域振興、産業振興、そしてそれを独自の財源で行うということの重要性は私もやはり高いと思います。そのためにこそ、地方でできることは地方でという分権、そして地方に創意工夫していただくということが重要になっているというふうに思います。
先月末、第28次の地方制度調査会の答申を出して道州制を議論しておりますけれども、その道州制のちょっと答申、この中にあるんですけれども。その文言の中で、個々の都道府県が連携して行うという手法ではやはり推進力や機動性に欠けると、また、海外に対するプレゼンスが弱いという指摘がなされていると、都道府県の区域を越える広域行政課題に適切に対処する主体の在り方についてやはり検討が必要だと、正に私はそのように思います。そこから自立的で活力ある圏域の実現、そのために分権に対応し得る地方税体系の実現等々も議論をされていると承知をしております。
同時に、この報告では、やはりこの道州制の導入に関しては国民的な議論が要るということが明快に述べられておりまして、そのとおりだと思います。我々としては、今後、様々な機会をとらえまして、まずやはり道州制に対する国民的な議論を喚起をすると、その中でやはり道州制特区の議論も議論していただけると思いますけれども、そういう答申に関連する課題について非常に幅広く国民的な議論をしていただけるように持っていきたいと思っております。

○西田まこと君 次に、国の財務諸表の総覧性、一覧性を高めるということについて谷垣大臣にお聞きしたいと思います。
今、企業は、投資家やいわゆるステークホルダー、まあ関係者等に、あるいは社会に対して自社企業のIRを非常に重視している。インベスターズリレーションズを大変に重視しているわけであります。私は、企業の情報開示がこれだけ重視されている中で、国も、やはり統治機構である国家ももっとその納税者との関係から情報開示をすべきであると。言わばIRに匹敵するようなTRというんでしょうかね、タックスペイヤーズリレーションズと勝手に呼んでおりますけれども、このTRをもっと高めていく、国として努力すべきであるというふうに私は思っております。税を取るという議論ばかりがこう盛り上がるのではなくて、その市場経済の中で当然の最低限のルールと企業ではされているIRに匹敵するTRをもっとやるべきであるということで思っております。
そこで、具体的に2つだけ今日はお聞きしたいと思います。
ひとつは、いわゆるこの一般会計、特別会計を連結した一覧性、総覧性のある財務諸表というものの情報開示がもっとなされるべきであると。既になされているというふうに思います。思いますけれども、しかし一般会計、特別会計を通じたいわゆるコード番号というものがまだここには断層があるわけでございまして、このコード番号を一致させることによって、より分析、またTRを高めていくと、こういうことができるんではないかということをまずひとつ。
もうひとつは、この政府資産の適正なる評価ということであります。これから財政再建をするに当たって、政府資産を適正に評価し有効活用していくという視点が大変重要になっているわけであります。その際に、今政府の資産、どう評価しているか。まあ簿価は当然ありますが、時価も評価してないわけではないけど、時価もしている。私が聞いたところによれば、この時価といっても路線価で5年に一遍という、そういう評価の仕方をしているということであります。これはやはりちょっと、いわゆる限りなく流通価格に近い形で情報開示していくと。TRということを考えますと、やはり5年に一遍の路線価ではいかがなものかというふうにも考えるわけでありまして、この2つ、一般会計、特別会計を連結したコード番号の付与の点、さらに流通価格に限りなく近い形で政府の資産を評価していくと、そういう2つの点でTRを高めるべきだということについて、大臣の御所見をお伺いします。

○国務大臣(谷垣禎一君) 国の財務の状況、財政状況をよく納税者に理解をしていただくということは、企業が努力されているのと同じように国も努力をすべき大事なことだと思っております。
それで、委員も言っていただきましたように、この5年間ほどを掛けまして民間準拠の国の財務諸表というものを整備してまいりまして、まあそういったものを私どももこれからできるだけ活用していかなきゃいけないと思っているところなんです。
そこで、具体的な御提案である予算書の添付書類である予定経費要求書において、経費の性質やらあるいは分類を明らかにしてその分析を行えるように各種のコード番号を付けているんですが、一般会計と特別会計でそのコード番号が若干違うという現状がございます。特会については、経済性質別、使途別、それから目別の分析コードになっているんですが、一般会計については、これに加えて、さらに主要経費別、目的別、公債金対象非対象別といったようなことになっているんで、こういった一覧性、総覧性、もう少し可能な、使いやすい形にならないかということだろうと思っております。
それで、本日、国会に行政改革推進法案を出さしていただいたわけですが、この中で、国全体の財政状況の一覧性を確保するために、特別会計歳入歳出予算の総計及び純計について、所管及び主要な経費の別に区分した書類を参考資料として予算に添付するなどの措置を講ずることと、こうなっておりまして、これは、今後コンピューターのシステム改善等々についても併せて取り組まなければならないんですが、そういう形で取り組んでいきたいと思っておるわけでございます。
それから、国有財産、5年に一度路線価で再評価するのは余りにも間遠じゃないかという御趣旨でございますが、今なぜ五年になっているかというと、件数も膨大でございますし、毎年毎年やるといっても事務量もなかなか大変だということが率直に言ってあるわけでございます。それで、ただ、今電子政府構築計画の一環で、こういった国有財産関係業務の業務システムの最適化計画というものを作ることに取り組んでおりまして、この中で国有財産台帳の電子化に向けた今システムの開発整備を図っております。
こういう議論の中で、今おっしゃったようなことを私どもは検討していきたいと思っております。

○西田まこと君 終わります。ありがとうございました。

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