国土交通委員会・13号 2006-04-20


2006年4月20日

【質疑事項】
○参考人の出席要求に関する件
○高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律案(内閣提出)
○政府参考人の出席要求に関する件

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
本日は、四人の参考人の皆様方、大変にお忙しいところ本当に貴重なお話を幾つもお聞かせいただきまして、誠にありがとうございました。
私の方から、まず初めに、小川参考人、今福参考人、そして山城参考人の三方にお聞きしたいと思います。
今回のこの法律案、またこれからのユニバーサル社会をつくっていく、あるいはバリアフリーをもっと促進していくと、こういうことで法案が審議されておるわけでありますが、ここでよく言われることでございますけれども、今日もお話をお聞きして、本当に当事者の方々でなければ分からないことを、本当に多くのことを教えていただきました。そうした障害をお持ちの団体の皆さんもいろいろ全国にございますし、またその団体の中に入っておられる方でもいろんな困ったこと、御不安に思っていらっしゃることに遭遇されている方、もう本当に様々だというふうに多分思うんですね。
それで、このユニバーサルデザインを進めていくためにも、いわゆる継続的にもっとこういうふうにした方がいいというような改良点を次から次へとやはりしっかりと伝えていく、そしてまたより良く改善していくという、まあ横文字で恐縮ですが、スパイラルアップというようなことをよく言われるわけであります。
そこで、お三方にお聞きしたいことは、そうした継続的な改良をしていく、もっとこういうふうにしてほしい、利用していてもっとこういうふうにしてほしいというようなことを、あるいは御要望やまた御意見、またいろんな苦情等を含めて、そうしたことを伝えていく手段なりその伝える場なり、そしてそれがしっかりと反映されていくという、こういうことがいずれにしても大事だろうというふうに思うわけでありまして、そうしたこれまでの御経験を踏まえられまして、また団体のいろんな所属されている方々の御意見も踏まえまして、そうした御要望や苦情といったものを当局に対して伝える場合にもっとこういうふうにした方がいいんじゃないかということを、御経験を踏まえて、お三方お一人お一人からお聞かせ願えれば助かります。
よろしくお願いいたします。

○参考人(小川榮一君) 大変有り難い御質問でございます。
私も先ほどちょっと申し上げましたけれどもが、障害者の願いということについては非常に多種多様化、ハンディを持つその部分におきましても非常に多いわけでございます。そういう中で、今回の三位一体の改革という状態で、地方にこの障害者問題も行き届くような指導ということを、私は、是非とも国会の先生方に御指導を、それぞれの立場の先生方がふるさとの行政当局にも私はお願いしていただければ大変有り難いと。先ほどの福島県の佐藤先生、私、お隣なもんですから、障害者団体も交流を深めております。それから、今の西田先生の御意見、是非とも、障害者問題は非常に多種、多岐にわたっていると、そういうことについて行政当局ができるだけ把握していただきまして、改善ということについては見直しということで私は対応していただければ大変有り難いと、こういうふうに思いますので、是非とも本日の委員の先生方には、里に帰りましたら、やはり地域の福祉ということについて御指導、御鞭撻、理解をしていただけるような方策を取っていただければ大変有り難いと思います。
以上でございます。

○参考人(今福義明君) 私はふだん、私だけではありませんが、私たちはふだんから、毎年、例えば都内でしたら鉄道事業者八社さんとかバス事業者さん十三社さん、そのほか様々なところにお話合いの場を持っている関係で、これまでの経験で言えることは、今回の新法においても、いや現行法において書かれているということは非常に大きな効果がありまして、この五年間で分かってきたことは、やはり是非盛り込んでいただきたい。鉄道においてもバスにおいても建物においても実質的に一乗客、一利用客として利用できるように努めてほしいということを是非書いていただいてもらうと。そして、障害当事者だけに限らず、当事者の声を聞いて参考にしてほしいと。今回それが新法において入るんで、それが非常に期待もし、評価するところでもあるんですが。そうしていただくことによって初めて聞いていただく前提ができるんで、やはりそれを是非新法に盛り込んでいただきたいと。
そのことによって、文句言いたいために言うわけではなくて、より良い乗り物であり、より良い建物にするために私たちはお願いしているわけですけど、その意見を十分取り入れていただくことがいいし、それを交通バリアフリー法の条文のどこかに、それもパンフレットの分かりやすいところに書いていただくと非常に有効かなと。その先ほどの例が、先ほど言いましたホームと車両との段差とすき間を埋めるホーム渡り板は交通バリアフリー法のパンフレットのところに書いてありますから、これを言えば、あっそうだねと、法律で必要だからこれは必要だねというのは、やっぱり事業者はそういうふうに理解してくれるわけで、ですからその点をよろしくお願いしたいと思います。

○参考人(山城完治君) 継続的発展という意味だと思いますけど、それを実現するために、私が感じていることは、やっぱり専門家がいないということですかね。私たちも毎年、交通事業者などと会うんですが、替わっちゃうんですよね。そうすると、ぱっと戻ってまたやり直しと、こうなるんですね。ああ分かってもらえたかなと思ったら替わっちゃうというのがまず一つ、そういうのがもうしょっちゅうあるんですね。またかと思いながらお話をするんですけど、そういう繰り返しになっているというのが現状だということ。
それから、継続的発展をやっていくためには、やっぱり障害者が後に引けないというんですか、もう発展させなきゃいけないような障害者が、当事者が職員として、行政としてやっぱりいるということ、そして私たちとコンタクトを取って話し合って勉強してやっていくという、そういう体制づくりというのがポイントじゃないかなというふうに思います。
以上です。

○西田実仁君 ありがとうございました。
この継続的な発展ということで、大変に皆様から貴重な御意見をいただきました。
私は地元は、先ほどの佐藤先生とは違って大都市圏でございまして、埼玉県でございます。埼玉県は、一日の利用者五千人以上の駅が実は全国で一番多いところでございます。しかしながら、市町村のそうした基本構想がどの程度定まっているかというと、大変に厳しい状況にございまして、先日も埼玉県内の県北地域のある駅に行きまして、いや、そこはまだバリアフリーになっていないという状況でありました。新しく今法律を審議しているというお話を地元の方ともしておりましたけれども、じゃ、ここの駅はこれまで三分の一ずつだったけれども、全部国がやってくれるようになるんでしょうかという、そういう非常に単刀直入なお話をいただきまして困ったわけでございますが。
結局、正直言って現実的に起きていることは、やはり五千人以上だとしても市町村の財政がやっぱり厳しいと、結局お金の問題にやっぱり帰結してしまっております。思いはまず、どうそういう住民の方々にも御負担いただくという、しかしこのユニバーサル社会、バリアフリーをつくっていくということで御協力いただくというまず理解を必要とするわけでありますが、こうした、結局財政の問題に帰結するようなことをどう考えていくのかというのは大変大きな問題だというふうに正直言って現場では思うわけでありまして、野村参考人に是非お聞きしたいと思います。
こうした、このペーパーにもございますが、「自治体が積極的に基本構想を策定する方向へ国の積極的なご指導をいただきたい。」と、こういう記載になっておりまして、指導するにしても、別にお金を出すだけじゃございませんで、そういう意味では、それでもやはり進めていくためにはどうしていくのかというこの財政の壁というか、そういう社会をつくっていくということであればもっとやるべきなのか、やはり今みたいな枠組みで三分の一、三分の一、三分の一ということでやっていくことがやっぱり大事なのか。
この辺、大変難しい問題ですが、現実にはやはりそこにぶつかっておりまして、住民の皆さんの御理解、社会教育ということも含めて、是非、野村参考人の御意見を賜りたいと思います。

○参考人(野村歡君) 多少厳しい発言かとは思いますが、お許しいただきたいと思います。
これまで高齢者、障害者の問題は福祉の問題であるというところから大体出てきているわけですね。要するに、福祉というのはある意味では哀れむべき者、いわゆる高齢者、障害者、低所得者と、そういう視点から出てきて、その人たちの生活の最低限を保障するという考え方が割と強かったわけでございます。
しかし、この問題に関してはそうではなくて、やはり同じ福祉でも公共の福祉ということで、すべての市民の幸せのために、あるいは外国では、一人の権利、生活権という権利、それを守るんだということになるわけです。そうすると、福祉という視点でとらえますと、どうしても財政が十分でないというようなことで今までは後回しにしがちでありましたけれども、一人の人間の権利を守るということになれば、これは基本的人権ということにかかわってくるわけですから、これは第一にやらなければいけない問題であると。それはお金があろうとなかろうと、やらなければいけないことはやるということが私は非常に重要ではないかというふうに思います。
そういう意味で、私も含めて、これから少しこういう問題を考えるときには、視点、ベースになる視点を少し変えていく必要があるのではないかと私は思っております。
以上です。

○西田実仁君 そういう意味で、ベースになる視点を変えていくべきだというのはもう正にそのとおりだと思いますが、そうしたことを住民の方々、納税者の方々にしっかりと、お互いに共有していくと、私も含めてですが、そうした社会教育全般の在り方ですね。学校教育でもそうですし、学校だけではなくて、一般社会人になって、特に毎日、朝、通勤電車で、満員電車に乗ってくるような人が埼玉には一杯いるわけですけれども、そういう人たちにもやっぱり理解してもらわなければならないことが一杯ございます。
そうした社会教育の在り方ということについて、もし御意見がありましたら、お願いいたします。

○参考人(野村歡君) この問題はもう三十年、四十年前から言われて、なかなか解決できない問題であります。
それは、根本的には、やはり障害ということに対して正しい知識を持たない、要するに私は無知という、あんまりいい言葉でない、それがまずベースにあって、そのために誤解が生じる、それから実は差別や偏見が出てくると、この四段階に実はなっているわけですね。
しかし、私どもの長い歴史を見ると、奈良、平安では一部の障害者が祈祷師であるとかあるいは宮廷の音楽師であるとか、そういうことで恵まれていた方もおられますけれども、それ以後、千何百年にもわたって実は差別の時代が続いてきたわけです。そして、今いきなりノーマライゼーションといっても、なかなかそれを理解するまでには至らない部分があります。
ただ、私どもはそこであきらめてはいけないわけで、それを更に、そのノーマライゼーションということはどういうことかということを国民の皆さんにやはり理解をしていただく努力をあらゆる場面でしていただきたい。特に学校教育等に、あるいは鉄道であれば従業員の皆さん方に新人研修をするときに必ず入れるとか、そういうような方策をこれから真剣に考えていかなければいけない時期かなというふうに思っております。
以上です。

○西田実仁君 終わります。

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