決算委員会・第8号 2006-04-24


2006年4月24日

【質疑事項】
1.カネボウ再生にかかわる産業再生機構のかかわりについて
2.独立行政法人のあり方について
3.国の統計事業について

○西田まこと君 公明党の西田実仁でございます。
本日は、まず初めに、産業再生機構とカネボウとの関係につきまして、カネボウ再生にかかわる産業再生機構のかかわりにつきまして御質問をさせていただきたいと思います。
このカネボウ再生につきましては、もう御存じのとおり、平成16年度に再生計画の変更に伴いまして再度支援を決定をいたしました。そして、てんまつといたしましては、今年の1月でございますけれども、機構がカネボウ株をファンドに譲渡し、それの結果によって7割強をファンドが所有をし、そして2月下旬から今度はファンドが一般投資家に対しましていわゆるTOB、株式の公開買い付けというものを開始をいたしまして、そして3月末に終了していると、こういう経緯だというふうに私は理解しております。
そこで、まず最初にお聞きしたいんですけれども、産業再生機構はこのカネボウ関連の再生によりましてどういう収益を上げたのか、決算委員会でございますし、そのことをお聞きしたい。そして、新たな国民負担というものは発生したのかどうか、これにつきましてまずお聞きしたいと思います。

○政府参考人(広瀬哲樹君) 私の方から概要を御説明したいと思います。
産業再生機構は、もう委員御高承のとおり、産業再生を産業と金融一体で行い、それで国民負担を最小限にするということを本旨にやっております。個別の再生事業につきまして、実は、利益が上がった、上がっていないということは、常からお答えしておりません。
なお、私が承知しております限り、新たな国民負担は生じていないというふうに理解しておりますけれども、ということでございます。

○西田まこと君 新たな国民負担は生じていない、そういう形で再生支援が完了したと、こういうことだと思います。
ここでお聞きしたいんですが、今、個別の収益については公表していないということでございます。一応確認のためにお聞きしますが、機構がファンドに対しましてカネボウ関連株を売却をしております。先ほど申し上げたとおり1月にしておるわけでありますが、この価格については公表しておられません。なぜでしょうか。

○大臣政務官(山谷えり子君) 機構が処分決定の際に公表するべき内容は、個別の事業者等の権利、競争上の地位、その他正当な利益を害することがないよう関係法令に定められておりまして、その中に機構による債権及び株式の売却価格は含まれておりません。

○西田まこと君 私は、今日ここで御質問する背景というのはもう御存じだと思います。つまり、機構がファンドに売却をし、7割の圧倒的な支配権を保有したファンドが一般投資家に対しまして公開買い付けをいたしまして、その価格が上場廃止以前の、直前の半分以下の162円というTOBの価格が提示され、それに対して一般投資家が十分には必ずしも応じなかったという結末になっているわけであります。
私は、今日御質問させていただきたい観点は正に経済の民主主義というものをこの日本に根付かしていく、こういうことを考えたときには、やはり個人投資家、一般投資家の、特に少数株主の権利をきちっと保護していくと、こういう、言うまでもない、釈迦に説法でございますが、前提、これをやはり日本に根付かすということが大変これからの経済の活性化あるいは貯蓄から投資へという大きな流れをつくっていくときに欠かせない視点であると、このように思っております。そういう視点からあえて御質問をさしていただいているわけでございます。
そこで、引き続き御質問をさせていただきたいと思います。
これはTOBの価格が高いか低いか、こうしたことは当然コメントはできないと思いますので、ちょっと角度を変えて御質問をさしていただきたいと思います。
この機構がファンドに対しまして株式を売却いたしましたが、その株式はいわゆる種類株でございまして、C種後配株、この種類株式につきましてはいわゆるTOBルールによらない、そういう売却だったわけでありますが、これはなぜでしょうか。

○政府参考人(細溝清史君) TOBルールは、通常の会社支配権に影響を及ぼし得るような証券取引につきまして買い付け者が開示をするというルールでございますが、その中で株券の所有者の数が二十五名未満の場合であって公開買い付けによらないことについて総株主の同意があるというような場合には、この公開買い付け手続が強制されないということになっております。

○西田まこと君 この機構がファンドに売却をしたことによって、所有割合は3分の1を超える買い付けでありました。しかしながら、いわゆる3分の1ルールは適用されないと。なぜならばということで今お話しあったのは、総株主、すなわち株券等の所有者の数が25名未満であると、の同意があると、こういうことであれば公開買い付けによらなくてもいいという、そういう今御説明だったと思います。
そこでお聞きしたいわけでありますが、ここで言う総株主というのは何を意味していると解されるんでしょうか。まあいろんな解釈があると思いますが、総株主という、所有権がこれだけ大きく移動するということであれば、いわゆる総、すべての株主と、こういうふうに解釈をするのか、それとも違った解釈をするのか、これについてお聞きしたいと思います。

○政府参考人(細溝清史君) この場合の総株主といいますと、実は株券にはいろんな種類がある場合がございます。配当の内容について例えば種類ごとに違うというような場合には、その種類ごとの株主、その種類株式にかかわる総株主ということで種類株ごとに判断するということに解されております。

○西田まこと君 その3分の1ルールというのは、そもそもどういう法の趣旨、法の精神なんでしょうか。

○政府参考人(細溝清史君) 繰り返しになりますが、会社支配権に影響を及ぼし得るような証券取引につきましては、買い付け者があらかじめ買い付けの期間でありますとか数量、価格を開示いたしまして、言わば株主に公平にその売却の機会を与えるといった制度でございまして、それが大量になります場合に、例えば3分の1を超えます場合には、そういった公開買い付け手続が強制されるというようなことが普通、通常のルールでございます。

○西田まこと君 つまりそれは、やはり少数株主の権利を保護するということが含まれていると理解してよろしいんでしょうか。

○政府参考人(細溝清史君) 株主に公平に売却の機会を与えるということで、そういう種類株を買いたい人は、その種類株について買い付けの期間なり数量なり価格なりを開示して、売却ないし、そういった株主に売却の機会を与えるという趣旨でございます。

○西田まこと君 結果として、所有権が大変に大きく移動する。この3分の1ルールの本来の趣旨というのは、支配権が移動する取引におきまして少数株主の権利を保護していくという、そこにそもそも3分の1、そもそも3分の1というふうになぜ数字がなっているのかといえば、これは商法上の恐らくこの特例で異議を申し立てるときに3分の1が必要だからということだと思うんですね。
そういう点で申しますと、私がここで、今回の産業再生機構におけます一連の取引ということについて、少数株主の権利保護という観点が抜け落ちてはいないかということを懸念しておりますが、内閣府はいかがでございましょうか。

○大臣政務官(山谷えり子君) 機構においては、こうした法令及び機構自身が売却先と結んでいる守秘義務契約に基づいて売却価格を公表していないものと聞いております。
いずれにしましても、売却後の一般株主に対する公開買い付け自体については機構の手を離れており、詳細は存じ上げる立場にございませんが、事業再生支援という極めて機微な経営上の課題に取り組んでいる機構が行う個々の取引について法令の定める範囲を超えて追加的に情報を公開することは、実際に事業を行っている民間事業者等に不測の事態を招きかねないことから適当ではないと考えております。

○西田まこと君 結局、今の御説明は価格を公表しないということの説明いただいたと思いますが、私が申し上げているのは、この機構がファンドに株式を譲渡したことによって、七割を超える大変強い支配権を保有するファンドがその支配権を背景にしてTOBを掛けていく、一般投資家に対して掛けていく、しかも上場廃止前の半額という、半額以下という価格で掛けていく、こういうことが少数株主の権利を侵害する、不利益につながるということにならないのかという、そういうことを言っているわけでございます。
これにつきまして、法律の枠組みというのは当然あって、必ずしも、私はかなりグレーゾーンになってきていると思っておりますけれども、まあ違法ではないのかもしれませんが、政治家というお立場で、こうしたことはそれこそ余り美しくないんじゃないかというふうにも意見もございますけれども、いかがでございましょう。

○大臣政務官(山谷えり子君) 機構による一連の行動は適切だったかどうかというような御趣旨かと思いますけれども、資本市場の公正性自体は極めて重要な政策課題であると考えております。関係機関において今後とも追求していくべき課題だと思っております。
また、機構による一連の行動については、現在の法令に基づき適切に対処いただいたものであり、そうした法令についても、産業と金融の一体再生、国民負担の最小化といった機構の有する政策課題を追求したものであることを御理解いただきとうございます。
今後とも、関係機関におきましてこれらの政策課題について可能な限り達成するべく努力していきたいと思っております。

○西田まこと君 金融庁の政務官に是非お聞きしたいと思います。これも政治家としての御意見を求めたいと思いますが。
要するに、私が今一連申し上げていることはもう十分御理解いただけていると思っております。この機構によって確かに国民負担の新たな負担は生じなかったという、これは事実だと思います。一方で、やはり少数株主あるいは一般投資家、これをきちっと育成していくということもこれは大きな政策課題になっているわけでございます。一般投資家の方々が私からすればかなり犠牲になってこのスキームが進行しているというふうにしか見えないわけでございます。
3分の1ルールの本来の法の趣旨、こうしたこともかんがみて、確かに法的にはそこの3分の1ルールによらない、を超える株買い付けであっても、種類株であれば少数、皆いわゆる総株主、私に言わせればかぎ括弧付きの総株主ですけれども、同意があれば全く問題ないと、こういう解釈だと思いますが、この一連の取引、再建のスキームにおいて一般投資家、少数株主の権利保護ということについてどのようにお考えになりますでしょうか。

○大臣政務官(後藤田正純君) 先ほど来、内閣府からいわゆる再生マーケットにおける機構法の意義というものお話しございまして、その点については委員も御承知をいただいていると思います。
我々、一般法である証券取引法と特別法である機構法のやはり違いについても御認識をいただいていると思いますが、その中で我々としても、委員のおっしゃるように、投資家保護、消費者保護の観点から、その点については全力を挙げているところでございまして、いわゆるTOBの局面におきましては、証券取引法令に基づきまして買い付け者等から投資者に対して十分な情報の開示、これが行われていることが何よりも重要と考えておりまして、適切な情報開示の確保等に引き続き全力を挙げて取り組んでいく考えであります。
さらに、証券市場の信頼性を確保するためには、市場の公正性、透明性が確保されること、投資者、株主の権利が十分に保護されることが重要であると認識しており、企業再生等をめぐる市場関係者にもこうした観点を踏まえた対応が求められるものと考えております。

○西田まこと君 その情報開示ということについて、それでは引き続きお聞きしたいと思います。
この公開買い付け制度では、買い付け価格の算定根拠についてきちっと公開するということになっております。今回の一連のTOBにつきましても既にそれが示されております。提出先は関東財務局でございます。公開買い付け届出書におきまして一度、2月にファンドから提示をされました。そして、そこには算定根拠として2つの手法が用いられているという、そういう算定の基礎が示されました。しかしながら、1か月後、今度はそれが修正、訂正というのがなされました。そこには、2つのうち1つしか、横文字ですが、DCF法しか示されていなかった。この価格を決める根拠となるところがわずか1か月もたたないところでこのように修正をされていく。確かに、EDINET等で見ればいいじゃないか、当然それを見ていけばいいじゃないか、あるいは一般投資家も嫌だったら応じなきゃいいじゃないか、いったん応じてもまた取り消せばいいじゃないか、そういうルールになっていることも承知はしております。
しかしながら、私は、ここで関東財務局がどういう対応を取っておられたのか。この公開買い付け届出書を受け付け、そしてそれを機械的に受け付けて、修正すればまたそのまま出すという、まあそういうものではないと思いますが、ないと思いますが、今申し上げている、繰り返し申し上げておりますが、少数株主の権利保護という観点からどういう検討を関東財務局において行ったのかどうか、又はそういうことを行わないのか。形式基準だけで満たされていれば、それで、はいということで受け付けるものなのか。この辺についてちょっとお聞きしたいと思います。

○政府参考人(細溝清史君) ただいま委員御指摘のとおり、カネボウ株式に対しますトリニティの公開買い付けにつきましては、当初2月22日に提出された公開買い付け届出書につきまして、3月17日に訂正が行われているものでございます。
ただ、何分個別事案にかかわることでございますので、どういうこと、についてコメントを差し控えさせていただきたいと思いますが、あえて一般論を申し上げますと、公開買い付け届出書などといった書類を財務局で受け付けますと、受け付けた後審査を行います。仮に、これ万が一ですが、仮に記載内容や開示事項に問題があれば訂正等を求めるといった対応を行っているところ、これはあくまでも一般論でございますが、そういった対応を行っているところでございます。

○西田まこと君 これ、事は価格にかかわることでございまして、TOBは正に価格がすべてでございます。その価格を算定する根拠がわずか1か月の間にもう大きく変わってしまうということは、事は重大だと私は思っておりまして、これはもうある意味では虚偽記載ということの論点にもつながっていくんじゃないかと、こう思っておりますが、いかがでございましょうか。

○政府参考人(細溝清史君) これも事実関係を申し上げます。
2月22日に出ておりました公開買い付け届出書、この中では、価格のところにつきましてはDCF法や市場株価基準法を用いた対象者の株式価値等の諸要素を総合的に勘案して決定しましたと書いてございます。それで、3月17日に提出されました訂正届出書におきましては、そこのところが大幅に記述内容が、実は2月22日の場合5行だったわけでございますが、3月の17日に出てきてまいりました訂正後の届出書では、それが2、3ページにわたっておるといった長い記述がございました。それで、いろいろこういうふうに判断した結果、こうした価格を決定したものであるという説明が3月の17日の訂正届出書には書かれておるということでございます。

○西田まこと君 それは今事実を言っただけにすぎないわけでありまして、もうちょっと詳しくあえて申し上げますと、そうすると市場株価基準法というのは、いわゆる一般的にはDCF法に比べると恣意性がないと言われておりまして、粉飾が発覚して上場廃止決定直前の平均株価は七百円ぐらいだったわけですね。その市場株価基準法というものが取られずに、採用されずにDCF法のみになって162円という結果になったわけでありまして、ここは明らかにこの算定根拠というものが大きく変わることによって、TOB、そもそもの買い付け価格に大変な多大な影響を与えたと、こういうふうに思うわけであります。そうしたことが虚偽記載という論点につながらないのかということであります。いかがでございましょう。

○政府参考人(細溝清史君) これは正に個別の事案でございますので、コメントは差し控えさせていただきたいと思っております。
確かに、両方法を総合的に勘案したと最初書いてありまして、2回目のやつにはいろいろ比較検討したと、この両方法で比較検討したと、その結果こういう価格にしたと書いてございます。
ということが事実でございまして、一般論でございますが、ここから先は一般論でございますが、仮に何らかの問題があるとすれば、当然監視委員会において適切な対応が図られるものと考えております。あくまでも一般論でございます。

○西田まこと君 これ以上やっても水掛け論になりますけれども、私は、今回のこの産業再生機構によるカネボウ再生計画スキームというのは、一方でやはり大事な国民負担を新たに生じさせないという政策目的があることはよく理解しています。それは達成されたというふうに理解しています。しかしながら、その一方で、一般投資家なりあるいは少数株主の権利というものが、そこまで視野をきちっと入れた再生計画になったのかどうかということについてはやや疑念を持っておりまして、その視点から質問をさせていただきました。
実際に、機構は転社で1株380円で購入しているわけでございまして、そこの個別の収益が上がっているかどうかということはコメントできないという最初のお話でしたので、ここは推測するしかございませんけれども、一部では機構はこの株式の譲渡に関して損失は回避できたというような指摘もなされております。ということは380円以上で売ったということになります。となれば、一方で機構は1月の段階、終了したのが1月ですから、380円ないし400円近辺で売り、一方で一般投資家は162円という上場廃止前の半額以下で強制的な支配権、七割以上の支配権を持ったファンドからTOBを掛けられるという、こういうことが果たして本当に公正と言えるのかどうかというような私は視点を持っておりまして、今日は質問をさせていただきました。
これ以上やっても、多分個別案件とかいろいろと水掛け論になってしまいますし、しっかりとした解明をまた証券等取引監視委員会でもなされるんではないかというふうに期待しておりますので、ここでいったん質問を変えさせていただきたいと思います。
残った時間を独立行政法人の在り方につきまして総務省にお聞きしたいと思います。
この独法に関しましては、もうこれまでも様々な論点がございました。実態として独法がどういうものなのかということにつきまして、特に幾つかの具体的なことを申し上げたいと思います。
まず、会計検査院にお聞きしたいと思いますが、独立行政法人45法人につきまして本院の決算委員会の要請に基づいて調査がなされました。そこにおけます少額随意契約の限度額、これについてどのような実態になっているのかをまずお知らせいただきたいと思います。

○説明員(増田峯明君) お答え申し上げます。
私ども会計検査院では、ただいま委員がお触れになりました報告書におきまして、物品の購入等の場合のいわゆる少額随意契約の限度額につきまして、国の場合の限度額である160万円、この160万円を超える金額を設定している法人が、検査の対象とした法人、今45ということであるわけですが、その8割に達しているということを記述しているところでございます。

○西田まこと君 この一覧表、私も今手元にいただいておりますが、少額随意契約の限度額一覧表を見ますと、国の基準である160万の1倍の機関が7機関ございました。1.3倍から1.9倍が15、そして3.1倍がぐっと増えて21、一番高いのは国立美術館、6.3倍ということになっておりまして、ありていに言えば大変に横並びになっていると、この少額随意契約の限度額というものが国の基準に比べて大変横並びになっている。なぜそうなっているのかという理由もちょっと私よく理解できないというか、つまびらかになっておりません。
ここは独立行政法人という自主性を持った機関としていかがなものかと、こういうふうに思うわけですが、検査院としてはいかがでございましょう。

○説明員(増田峯明君) 私どもの検査の結果におきましては、今委員が御指摘になりましたように、国の限度額を超える額を設定している理由については、他の法人を参考にするといったようなやや合理的ではないなというようなものも見受けられたわけでありまして、各法人がその実情に応じまして少額随契の限度額を独自に設定すること自体は独立行政法人制度の趣旨に沿っているというふうに考えるわけでございますが、国の限度額を超える金額とすることにつきましては競争の利益を享受できなくなるデメリットもあるわけでございますので、このことに十分留意した上で検討することが必要であると考えておりまして、今後の検査に当たりましてはこの点も念頭に置いて検査してまいりたいというふうに考えております。

○西田まこと君 総務省にお聞きしたいと思いますが、独立行政法人の役員の退職金でございますけれども、これは政独委、いわゆる政策評価・独立行政法人委員会、政独委におきまして、役員の退職金に係る業績勘案率というのが発表になっておりました。これを見ますと、2つの法人、文科省所管ですが、独法以外はすべて1.0という、業績勘案率ですので0.0から2.0まで幅を持たせるようになっておりますが、結果としてはほとんどが1.0というふうになっているという、いわゆる横並びの実態が浮き彫りにされております。
ここで総務省にお聞きしたいんですが、まず1点目の、この今会計検査院にお聞きしました少額随意契約、独法における少額随意契約の限度額でございますが、これについては、全般的にこの随契そのものを見直していこうというこういう中で、今申し上げたような、指摘されたようなことを含めてどう見直していくのか。また業績勘案率についても、これはせっかく制度があっても、結局最終的にはみんな1.0になって何の変わりもないじゃないかと。これじゃ業績を勘案して1.0なんだというふうに、詳細に私もある独法の全部見させていただきまして、いろんな評価軸があるというのはよく理解しておりますが、そうは言っても、結論としては全部1.0というのは、これ非常に納税者からも見えにくいと、こういうふうに思うわけでありまして、この2点につきましてお聞きしたいと思います。

○政府参考人(藤井昭夫君) 独立行政法人の随意契約の基準について改善点は何かということを、独立行政法人通則法を所管する制度官庁という立場でお答えしたいと思っております。
独立行政通則法上というか制度上は、こういう契約金の基準というようなのは業務方法書とか会計規程で定めることとされておりまして、正に今御指摘もありましたように、それの当該独立行政法人が自分の業務に対応して適切に定められるべきものというふうに考えておるところでございます。
ただ、制度官庁として何かやることないかということなんでございますが、やはり独立行政法人制度というようなのは、極めて業務運営の自律性というものを尊重するというつくり方になっておりまして、業務運営に直接介入するということは慎重にやるべきだと思っております。
ただ、そういう自律性が適正に行われているかどうかということを支えるために実は2つの仕組みが設けられておりまして、1つはディスクロージャーと申しますか、透明性の向上と申しますか、やはり業務運営の実態をやっぱり国民の批判の目にさらさせると、これが1つでございまして、もう1つは、第三者機関としての独立行政法人評価委員会が客観的、専門的な立場でチェックしていただくと、そういう仕組みになっているところでございます。
私どものところで実態はその随意契約基準についてどういう取扱いをしているかということをちょっと調査したところ、1つはやっぱり具体的な基準がまだ定められていないところがあるとか、あるいは理由も含めてそれが公表されていないというようなところがございます。やはり私どもとしては、ディスクロージャーして国民の目にさらすということが、これがやっぱり改善の第一歩だと思っておりますので、これは極めて重要だと思いまして、実は、18年というか今年の3月19日に、私どものところから1つは具体的な基準、こういったものを業務方法書等で明確に規定するということと、それと、規定するだけじゃなくてホームページ上で公表するということ、それから一定額以上の随意契約については、その随意契約とした理由、これはやっぱり一番のポイントだと思いますので、その理由も明らかにして公表するということを各府省通じて指導しているところでございます。

○西田まこと君 その情報開示が大事だということは正にそのとおりでございます。是非随契の、なぜ随契なのかという理由も含めてきちっと情報公開していただきたいと思いますが、今までの例でいきますと、大体、そうするとみんなまた横並びの、同じような文言がずっと並ぶんじゃないかというような気もしております。そこは是非もう魂を入れていただいて、本当に、本当の意味での情報公開ということをしていただかないと、何となく形がそうなっているからもうそれでいいんだというふうになってしまえば今までと余り変わらなくなってしまうと、こう思うわけであります。
横並びということで言いますと、あえて言いますと、この目標も一般管理費を5年間で10%、事業費を5%削減するというような独立行政法人全般にわたるこの中期目標というものもよく見られます。やはり大事なことは、業務上、業務におけるアウトプット単位当たりのコストをきちっと把握していくということが私は重要ではないかというふうに常々思っておりまして、これにつきましては総務大臣、竹中大臣にお聞きしたいと思いますが、こうしたアウトプット単位当たりのコスト把握、これがなされている、算出されている独立行政法人の現状と、これについてその認識をちょっと大臣からお聞きしたいと思います。

○国務大臣(竹中平蔵君) 独立行政法人につきましては、その自律性を確保する、そして効率的な運営を担保するために目標を設定するわけでありますけれども、業務実績を第三者によって事後評価するというのがこの制度のかなめでございます。その意味で、中期目標を主務大臣において明確かつ具体的に設定することが重要になります。したがって、その主務大臣が各法人そして評価委員会の意見を聞きながら、できる限り明快で具体的な中期目標を設定してもらわなければいけないというふうに考えております。
今、アウトプット目標を示した中期目標を立てるべきではないかという委員のお尋ねがございましたですけれども、その意味では、アウトプット目標というか、アウトカム目標というか、成果目標ですね、そういったものについてしっかりと御議論いただくことが、これはもう当然必要であるというふうに思います。
総務省としても、そうした取組状況をしっかりと注視をして、各方面の意見を踏まえながら、どのような基準が適切かどうかということの研究も、これ重要な課題であるというふうに思っておりますので、今、この制度そのものが滑り出した段階でありますので、しっかりと対応していきたいというふうに思っております。

○西田まこと君 ありがとうございました。
私は、アウトカムの話ではなくて、一単位、このアウトプット一単位を出すときのコストをどう把握していくのかということが大事じゃないかという、それももう認識されていると思いますのであえてお聞きしませんが。
それで、結局、今、独法が一杯あるわけですが、結局なかなか所管官庁で、主務官庁で把握し切れていない、あるいは政策目標に本当にこの独法がどの程度、ありていに言えば役立っているのかということが掌握するのが難しくなっているのではないかというふうな問題意識を持っております。
例えば、よく引かれるニュージーランドなんかは、やはり政府との距離を3段階ぐらいに分けて、独法自体を種類別にして、そしてかかわり方によって大きく3つにカテゴライズして、その上で政策目標が達成できるように所管をしていくという、そういうやり方をしておりまして、人口が少ないから日本と比べられないというのはそのとおりでありますが、私から言わせれば、むしろ人口規模が少ないニュージーランドでさえそういうことをしなければなかなか把握できないと。人口がもっと大きい日本であれば、また独法の数ももっと多いわけですから、そうした政府との距離というものを、もうちょっと種類別にして、試験研究機関とかあるいは研修施設とか随分、一律に全部見るというのはなかなか難しい。結局、そうであるがゆえにかえって横並びにすべてなってしまっているんではないかというようなことを感じております。
これにつきまして、竹中大臣、いかがでございましょう。

○国務大臣(竹中平蔵君) 西田委員の御指摘は、独法とひとくくりに言うけれども、もう少しカテゴライズできるのではないのかと、そして、そういうことを考えるに当たってニュージーランドの例が何か参考になるのではないかという。これは、ニュージーランドの例というのはいわゆるクラウンエンティティーの話だと思いますが、そんなに詳しく承知しているわけではありませんので、私自身はよく是非勉強してみたいと思います。
〔委員長退席、理事武見敬三君着席〕
実は、よく似た議論を特殊会社について、私自身考えたことがございます。これは郵政民営化の際に、持ち株会社と郵便事業会社とそして郵便局会社、これは特殊会社だけれども、どうもやはり段階が違うだろうと。例えば、ユニバーサルサービス義務を課されている郵便事業会社については、これは非常に厳しいチェックが必要だろうけれども、郵便局会社というのはもう少し柔軟にやっていただいてもいいんではないか。同じ特殊会社でも確かに段階が違うと。そう見てみると、いろんな特殊会社がありますけれども、かなりばらばらな規制になっているわけですね。そういうことで、実は問題意識を持ったことはございます。
ただ、同じようにこれを今度、独立行政法人について当てはめられるかなということを、質問通告をいただいて考えたわけでございますけれども、ニュージーランドの例はこれはもう本当にいろんなものがその中に入っているようですね。準司法的なものからかなり企業に近いものまで、それで4区分しているということでございます。独立行政法人の場合は、実はこれかなり、基本的には独立して正に自由にやっていただこうと、できるだけ柔軟にやっていただこうということで、余りその間で、何といいますか、非連続な形での段階を求めないで本当に柔軟にやっていただこうというのが本来の趣旨なのだろうなというふうに思います。
ところが、先ほどから西田委員に御指摘いただいているように、何でも柔軟にできるはずなんだけれども、今極めて横並びになっている、これも御指摘は現実だと思います。柔軟にできるがゆえに、今まだ非常にトライ・アンド・エラーの段階でなかなか非常に特色のある独立行政法人が出てきていなくて、その結果、結果的に見るといろいろ横並びになっているというのが現状なんだろうと思います。
ニュージーランドの制度はニュージーランドの制度で私自身もよく勉強してみたいと思いますが、これはやはり余り非連続な形での区分、区分けをするというよりは、できるだけ柔軟にやっていただくというのが独法の本来の趣旨だと思いますので、まずはその中でいろいろ特徴を発揮していただく。数が多くて主務大臣がそれぞれいろんなものの認可を与えるようになっておりますから、それぞれの大臣の役割は大変だとは思うんですが、まずは当初のねらいに合わせて、今の滑り出しの段階でもう少しいろいろ御努力をいただくということが先決かなというふうに思っております。

○西田まこと君 それでは最後の質問ですが、統計について、総務省さんですので特に統計のことは余り決算委員会で話題になることは少ないかもしれませんが、もうこれ時間もありません、大臣にちょっと1問だけさせていただきたいと思います。統計に関してはもうお詳しいでしょうから、お聞きしたいと思います。
日本の国家の統計業務全般というのが実際どうなっているのかというのが、正直言ってなかなか見えにくいということをまず指摘したいと思います。
私も今回、各省庁別の統計予算、どうなっているのかということをいろいろとまず総務省さんにお聞きしましたが、これは各省庁で分かれていますということを言われて、各省庁にお聞きしますと、そこに人件費がどのぐらい含まれているのか、まあ決算ですので、どれだけの予算がつぎ込まれてどういう形が出たのかというのを見たくても、なかなかそれが見ることができない、そういう今実態になっております。
また一方で、よく指摘されることですが、農林水産関係はもうGDPで1%なのに、統計予算では物すごい予算の比率を取っているじゃないかと。これが是か非かというのはいろんなまた議論があると思いますが、経済の実態というところと統計業務ということが必ずしもうまくマッチしていないという、そういうこともよく指摘されるところであります。
今私が申し上げましたのは、国家におきます統計の司令塔的な機能が不十分ではないかという点と、そしてまた経済の実態と合ってないのではないかという2つ目の実態と、この2つの点を御指摘させていただきまして、これから歳出歳入一体改革とかあるいは中期的ないろんな見通しをする上で、統計というものは本当に基礎的な大事な大事な数値になりますので、これを戦略的に、また重点的に取っていくためにも、是非とも抜本的な改革というか、まず全体像がきちっと見えるということが大事だと思っておりまして、この日本の国家におきます統計業務全般について、大きなテーマで恐縮ですが、竹中大臣にお聞きしたいと思います。

○国務大臣(竹中平蔵君) 行政を行う上で又は立法を御検討いただく上で統計の存在というのは必要不可欠なものであるというふうに思います。そういう観点からすると、日本は統計先進国かそうでないのかというふうに問われると、実はなかなか答えが難しいわけでございます。
これは今、いろいろな途上国に対して日本は一生懸命いろんな指導をして非常に感謝されているという事実がございます。その意味では非常に先進的な部門がある。ところが、じゃ日本の統計全体を見ると、非常に幅広く整備されていて信頼性が高いか、ないしは、もっと言うと、例えばGDPが出てくる期間が十分短くてその速報性があるかどうかということになると、実は改善の余地がかなりあるということになろうと思います。
私の理解では、統計を作っている現場の皆さんは非常にしっかりとしてやっておられて、その意味では世界に誇れるべきものがその場限りにおいてはあると思うんですが、実は、全体として見た場合の正に委員御指摘の司令塔、ヘッドクオーター機能というのが、気が付いてみると決して十分ではない。だから、全体として見るとかなり改善の余地があるというふうに思っております。その人員の配置等々についても、正に総人件費等々の関係で、農林統計の話とかも、その限りではやっぱり出てくるわけでございます。
実は、経済財政政策担当大臣をしておりますときに、諮問会議の下に、吉川議員に中心になっていただいてこの統計の改革の委員会、これは内閣府の中に今もできております。ここは正に司令塔機能、ヘッドクオーター機能をどうするかということで非常に精力的な議論もいただいているというふうに認識をしております。
我々としては、この委員会の検討にも積極的に協力をしてまいりましたけれども、全体として総合調整機能をどのように強化していくかということは、強い問題意識を持って対応してまいりたいと思っております。

○西田まこと君 終わります。

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