決算委員会・第11号 2006-05-29


2006年5月29日

【質疑事項】
1.中小企業対策SBIR制度の取り組みについて
2.特別支援教育について

○西田まこと君 続いて、同じく公明党の西田実仁でございます。
今日は締めくくり総括的質疑ということで、やや省庁横断的な施策として2つほど取り上げさせていただきたいと思います。
ひとつは、中小企業政策全般にわたることでございます。
特に中小企業政策、もう幅広うございまして、とりわけ技術革新、中小企業の技術革新ということにつきまして、日本の政策の中で、いわゆるSBIRですね、アメリカの83年にできました中小企業技術開発法により、それに倣ってできたと理解しております日本版のSBIR、根拠法は新事業創出促進法であると承知しております。これは既に平成11年から実施されております。
その進め方等につきましては余り詳しく時間もございませんので申し上げませんが、そもそもこの日本版SBIRの政策目的というのは、従来型の研究開発を志向する中小企業に単に補助金だけを出すというそういうやり方ではなくて、正に政府挙げて、アメリカのこのSBIRが正にそのようになっているわけですが、連邦政府予算として、研究開発型のベンチャー企業から連邦政府が調達をする、一定額を調達するというそういう仕組みですが、そういう意味では日本のこの日本版SBIRにつきましては、これまでの中小企業の研究開発を促すものとはやや質の違う新次元の新たなベンチャー企業を育てようという、そういう目的だと私は理解しております。
ただ、平成11年からの実績をざっと見させていただきますと、ひとつには経済産業省の比率が、政府挙げてという割には、ほとんど年間、閣議決定をされる総予算、平成17年度でいえば300億とか、平成16年度でも200数十億というオーダーでございますが、7割、8割方はほとんど経済産業省、まあ中小企業庁ということになっておりまして、そもそも、設立した当初の趣旨であった、関係省庁が連携して中小企業による研究開発とその成果の事業化を一貫して支援するという目的からはやや、7年たってみて、果たしてどういうものかと首をかしげたくなるわけでございます。
そこで、経産大臣にお聞きしたいと思います。この平成11年以来のこれまでの日本版SBIR、これが新たな中小企業の技術開発力を促す施策として日本にしっかり根付いているという御評価なんでしょうか。問題点があるとすれば、どういうところにあると御認識でしょうか。大臣にお聞きしたいと思います。

○国務大臣(二階俊博君) 平成16年度におきまして、SBIR制度の対象となる各省庁の補助金等につきまして、今お尋ねもありましたが、60本、参加省庁は6省庁、支出実績は約300億円となっております。最近は国土交通省も参加をしてくれるようになりましたので、現在は7省庁となっております。
この研究開発補助金に係る平成16年度の申請件数については15,481件となっており、また、採択件数は3,405件、うち中小企業向け採択件数は1,823件となっております。
ただいまお尋ねの趣旨からいたしますと、これで十分な成果が上がっておるかというお尋ねでありますが、私ども、今後ともこの制度を活用して中小企業の更なる発展のために努めてまいりたいと思っております。

○西田まこと君 元々のねらいからして、少しずつ参加する省庁が出てきたということでございますけれども、まだまだ十分ではないというふうに思うわけであります。
例えば、文科省、文科大臣がいらっしゃいますのでちょっとお聞きしますけれども、例えば宇宙開発にかかわる中小企業の技術力を生かしていくというこの力はアメリカにおいても大変に大きいわけでございます。実際にNASAとかが日本の中小企業を一本釣りして、中小企業の高い技術力をアメリカで活用されているというケースは私も幾つか存じ上げているわけであります。しかし、例えば宇宙航空研究開発機構がこのSBIR制度を使おうと思っても法律上使えない、そういう今仕組みになっていると思っておりますが、こうした宇宙開発という大変高度な技術を要する、こうした宇宙開発を通じて日本の中小企業の技術力をもっとバックアップしていく、そういうお考えにつきましては今どう御認識でしょうか。

○政府参考人(森口泰孝君) お答え申し上げます。
今先生御指摘のとおり、文部科学省におきまして宇宙開発利用の取組、これは主に独立行政法人の宇宙航空研究開発機構、JAXAで行ってございます。このJAXAにつきましては、いわゆる補助金等の交付業務というのが機構法に明記されておりませんので、今御指摘のございましたSBIRの登録は行っていない状況にございます。
しかしながら、今やはり先生から御指摘ございましたように、宇宙に関しても非常に中小企業の役割も重要でございまして、具体的にはロケットの先端のフェアリングというのがありますけれども、このフェアリングの加工について非常に中小企業、大田区の町工場で非常にいい技術を持っているとか、あるいはせんだっての「はやぶさ」という、小惑星を探索しましたけれども、それのターゲットマーカーも、これ中小企業の技術でやっていると。そういうような非常にいい技術ございますので、我々といたしましてもこの中小企業というものを更に育成して、宇宙開発利用への参画を一層促進していくと、こういうことが非常に重要だというふうに思ってございます。
具体的には、そういう補助金等ではございませんけれども、宇宙オープンラボという中小企業との共同研究でございますとか、あるいは地域活動への連携支援、いわゆるコーディネーターといいますかそういうものを配置したり、大型の試験設備を共用したり、あるいは技術的な支援をすると。そういうようなことで、宇宙航空研究開発機構としても様々な取組を行っていると、そういう状況でございます。

○西田まこと君 この宇宙開発に関してだけではもちろんないわけですけれども、特に夢のあるというかロマンのある、中小企業のひとつの技術力を高めていく上では大変大きな開発テーマであると思いますので、更にそうしたことを志向している中小企業に対する支援を図るべきであるということを申し上げたいと思います。
そこで、引き続き、この日本版SBIRをより機能させていくために現状がどうなっているのかということにつきましてお聞きしたいと思います。
元々はアメリカのSBIRに倣ってできた制度ということもありまして、ひとつのモデルとしては、全くまねする必要はありませんけれども、アメリカのこのSBIRがあるわけであります。そこにおきましては、例えば資金援助を行う場合に開発ステージごとにしっかりと行っていく、そして事業化ということが最終目標であるならば、そのステージごとに最終的な商業化が可能なところに絞り込んで資金を支援していく、そういうやり方がアメリカではなされていると承知しております。
日本のこのSBIRにつきましては、この資金援助の先でございますが、その開発ステージごとに行っているのか否かということにつきまして、政府参考人からお聞きしたいと思います。

○政府参考人(望月晴文君) 我が国の日本版SBIRの中では、元々ある特定の補助金を指定しているわけでございますけれども、その特定の補助金の指定する要件の中には、この補助金を受ける中小企業者がその成果を利用した事業活動を行うものができるものであること、すなわち事業化に非常に近いものであることということと、それからもうひとつは、元々この補助金が競争的に応募させるもの、競争入札のようなものであると、こういうふたつの制限が付いてございまして、ステージごとにというふうに先生おっしゃいますと、どちらかというと非常に実用化に近い段階のレベルの補助金についてその対象にすると、こういうことになっているわけでございます。

○西田まこと君 各省庁の補助金、特定補助金に応募してくる形でこの資金援助がなされているわけですが、実際この申請数というのはどのぐらいあるんでしょうか。
また、申請された場合に、これはまたアメリカの例で恐縮ですが、アメリカでは2万点ほど多分申請されていると私は承知しておりますが、そのうち採択ならなかったもののテーマにつきましてはなぜ採択ならなかったのか、また今後のその中小企業の事業計画策定の改善点、こうしたことも丁寧に文書で答えている。つまり、採択された中小企業のみならず、採択されなかった中小企業の育成も丁寧に行っているというふうに理解しておりますが、日本におきましてはどのようになっておるんでしょうか。

○政府参考人(望月晴文君) この対象になっている、先ほど大臣ちょっと御答弁申し上げましたけれども、60本の研究開発補助制度につきましては、申請件数トータルで15,400件ということになってございます。実際にそれに基づいて採択された件数が3,405件でございまして、そのうち中小企業向け採択件数は1,823件ということになっているわけでございます。
それで、お尋ねの不交付になったような場合に、きちっと理由が中小企業者に分かるように説明をされ、かつそれが中小企業者の今後の研究開発改善に使われているかと、あるいは活用されているかというお尋ねでございますけれども、このSBIRの対象補助金における採択結果の通知につきましては、制度創設以来、特定補助金の交付の方針という方針があるわけでございますが、この方針において、評価結果の理由を説明するように努める、すなわち、特に不採択の理由は原則として通知をされているわけでございます。
ただ、それぞれの補助金の制度の中における不採択理由の通知でございますので、通知の仕方は様々でございまして、典型的には、不採択の通知を行う際に、審査項目についてA、B、Cなどの段階評価を付したり、あるいはコメント欄を設けるなどの工夫を行っているものもございます。したがって、そういった中で、原則としてその内容が、不採択された者にとってその理由が分かりやすいようにということに努めているわけでございます。
今後とも、関係省庁連絡会議というのがございますけれども、これを活用しながら、補助金に応募しようとする中小企業者の参考となるように、御指摘のような効果的な採択結果の報告例を示すなどして、関係各省においてもそういったことが全般的に行われるようにしていきたいと思っているわけでございますが、はっきり申し上げまして、今申し上げたような丁寧な工夫をしてやっているものがすべてだとは申し上げませんけれども、そういうことで全体として努力をしている最中にあるということでございます。

○西田まこと君 やはりこの日本版SBIRを社会に根付かせていく、そして日本の中小企業をもっと研究開発力を高めていくということからすると、大変手間も掛かって大変だということは承知しますが、単に不交付、不採択の理由だけを伝えるということではなくて、どうしたら事業計画、事業化を目指している元々補助金でありますから、どうしたら事業化につなげられるのかというその事業計画そのものの改善点、改善策というものまで明示して、文書なりで中小企業にしっかりと伝えていく、丁寧に行っていくことが、私はやはり、アメリカにおいてベンチャー企業が育ってきた背景に、実は華やかな裏でこういった丁寧なことをやっていたんじゃないかということを強く思っておりますので、引き続きの御努力をお願いしたいと思います。
続いて、このSBIRの売上げのうちどれくらい政府調達として行っているのかということでございます。この日本版SBIRと政府調達との関係につきましてお知らせいただきたいと思います。

○政府参考人(望月晴文君) 実は、政府調達の中で、中小企業の官公需法というのがございまして、中小企業にとってできるだけ官公需の受託の機会を増やすようにという法律が別途私ども持っておりますけれども、その中で、SBIRに採択された企業については、各省庁において十分その情報を官公需の発注に当たっては活用していただきたいということを昨年、官公需法の対処方針の中で閣議決定をしたわけでございますけれども、現在、私どもは、SBIRの採択された企業の情報を各省庁に開示をして御活用いただくように努め始めているところでございまして、大変恐縮ですけれども、トータルの実績が幾らであるかということは、現時点では私どもではまだ把握しておりません。

○西田まこと君 ここはしっかり、せっかく官公需法との関係で連携が取れるようになったわけでございますので、フォローしていただいて、せっかく補助金を使って300億近くのものを中小企業に出しているわけですので、それがきちっと事業化されるようにお願いしたいと思います。
残り、最後、ふたつ目の、やや省庁横断的というか、全く違う分野でございますが、言語障害をお持ちのお子さんが、未就学の段階では保健センター等でいわゆる言葉の教室というものを受けて、これはお子さんだけではなくて、親御さんも大変にどう対応していいのか分からないという中で言語聴覚士からきめ細かい指導を受けている。ところが、小学校に入ると途端にこれは、今までは母子保健法の世界だったけれども、小学校に入るとこれはもう違うということで同じ言語聴覚士から指導を受けることができなくなっている。こうした問題を随分私の地元埼玉でも指摘を受けております。
ここはやはり、今文科省さんで進めておられる、障害の発見から就労まで一貫して、しかも個別に支援をしていくという、そうした発達支援システムというものをより充実させていって、できればやはり未就学児時代に指導を受けた言語聴覚士が、身分はそのままで週何回かでも学校に行って指導をする、あるいはその子供とともに、学校の先生も必ずしもその専門家ではないわけでありますので、この分野では。そうした学校の先生への指導に当たるというシームレスな一貫した支援というものがもうちょっと滑らかにしていくべきではないかというふうに強く問題意識を持っております。
この点に関しまして、文科大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(小坂憲次君) 西田委員御指摘のように、ゼロ歳児のときに言語障害がある、あるいは聴覚障害があるというようなことが発見をされる。まずその発見をできるだけ早くするということですね。それから同時に、その指導を幼児期から各学校段階においても適切な連携した計画を持ってそれに取り組んでいくことが必要でありまして、地域によりましては一貫した指導を積極的にやっている教育委員会もございまして、例えば滋賀県の湖南市の指導は、平成14年度から教育委員会において個別指導計画を、要綱を策定をいたしまして、乳幼児期から児童期を経て就労するまでの各段階の個別指導計画を作成して、関係機関と横の連携を取って、それぞれのステージごとの今度は縦の連携を進めていると、こういう事例もあります。
御指摘のように、言語聴覚士が小中学校の特殊学級やそういう場に赴いて言葉の指導をするということが非常に重要でございますが、事例はまだ少ないんですよね。全国でまだ100校ぐらいしかやっておりません。これはやはり大変必要なことでございますので、言語聴覚士自身が少ないということもありますから、そういった皆さんの育成も含めながら積極的にこれを取り組んでいかないといつまでたっても状況が改善しない、こういう認識を私持っておりますから、委員の御指摘を踏まえながら、更なる努力をするように指導してまいりたいと存じます。

○西田まこと君 今大臣から積極的な取組の御答弁いただきました。障害の発見から就労までを一貫して支援していく発達支援システム、これはもう文科省さんが挙げて取り組んでいただいていると思います。厚労省ともまた連携をしながら、あくまでも焦点は一人のお子さんでありますので、そこに縦の応援又は横の応援、ともにしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
以上で終わります。ありがとうございました。

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