中小企業を救済
窮地に陥る企業
2004年、物流・流通加工業を営む企業「テスココンポ」(埼玉県行田市)に、西田まことの姿があった。長引く不況で業界全体が落ち込む中、同社は独自の発想とノウハウで着実な発展を続けていた。
だが、2003年に取引先の銀行が経営破綻。国の管理のもと債権の取り立てが強化された。テスココンポは融資の見直しを迫られ、30年で返済する予定の借金を15年で返済することになり、資金繰りが窮地におちいっていた。
経営が順調な中小企業の破綻を避けるために、公的機関のもと、金融機関が貸し付けている借金の一部を放棄する、債権放棄による再生案が練られた。4つある取引金融機関のうち、3つは債権放棄を快諾。しかし、残る1つ、政府系金融機関の「中小企業金融公庫」だけが、首をたてに振らない。
「これは1社に限った問題ではない。多くの中小企業が悩んでいる課題のはずだ。それを放置するわけにはいかない!」
西田は、すぐに中小公庫を訪れ、中小企業の実情を率直に訴えた。
「そもそも中小企業を再生しようというのが政府の方針。政府系金融機関である中小公庫こそ、まず率先して債権を放棄すべきではないか」
しかし中小公庫側も譲らない。「債権を放棄する義務はない」と。
国会で直談判
この事態を打開するため、西田は中小企業金融公庫の総裁に、国会の場で直談判することを決意。総裁に対し西田は、現場の声を紹介しながら、政府系金融機関でありながら冷たく突き放すような中小公庫の姿勢を糾弾した。呼び出された総裁は「積極的に対応するよう全店に指示」と答えるとともに、「これからもこの問題を、さらにいっそう進めていきたい」とこれまでの姿勢を改め、中小企業再生に向けた努力を行うことを約した。
この質問が大きなきっかけとなり、中小公庫が企業再生のために債権の一部を放棄するケースが5年で約5倍に増加。全国の多くの中小企業が救われたのである。
窮地から抜け出したテスココンポの加藤社長は語る。
「我々の思いや、現場で実際に起きていることが、本当に国会に届くものなのかと、大変驚きました」。
「西田まこと中小企業救済ドキュメント」












西田まこと