198-参-内閣委員会-008号 2019年04月11日


2020年4月9日

○西田実仁君 私の方からは、この第六十三条の法律にあります、警察官は、整備不良車両に該当すると認められる車両が運転されているときは、その車を停止させて、そして車検証等を出すと、ここまでは今までの法律と同じなんですけれども、今回は、そこに作動状態記録装置の記録提示を求めることができるということが加わっておるところが改正点でございます。
道交法でこうした新しい規定が加わったのは、言うまでもなく、自動運転車両とか次世代自動車の実用化あるいは商用化ということが進む中でこういう規定が加わったわけですけれども、そういう新しい自動車が出てくる中で、警察官はどのように整備不良車両であるというふうに判断をするのか、その判断方法について国家公安委員長にお聞きしたいと思います。

○国務大臣(山本順三君) お答えをいたします。
整備不良車両とは、車両等の装置が道路運送車両法第三章又はこれに基づく命令、道路運送車両の保安基準等の規定に定めるところに適合しないため交通の危険を生じさせ、又は他人に迷惑を及ぼすおそれがある車両等をいう、これは道路交通法第六十二条で規定されているところでございます。例えば、制動灯等がついていない状態の自動車を警察官が発見した場合などには当該自動車は整備不良車両に該当する、こういうふうに認めることに相なります。
自動運行装置につきましては、道路交通法令に従って安全に自動車を運行させるものである旨が技術基準として道路運送車両の保安基準等に規定されることが見込まれているところでございます。このため、自動運転中の自動車が道路交通法令に反する動きをした場合には、その自動車の自動運行装置は保安基準等に適合しないことになるわけであります。したがって、例えば、自動運行装置を備えた自動車が信号に従わない場合や最高速度を超える速度で進行する場合など、道路交通法令に反する動きをしたことを警察が発見した場合は、当該自動車は整備不良車両に該当する、こういうふうに認め得ることに相なります。

○西田実仁君 今大臣がおっしゃっていただいた信号無視とか速度超過などは、これは目に見えますので、警察官もこれは整備不良車両であるというふうに判断して、車検証を求めたり作動状態記録装置の提示を求めるということは可能になると思います。しかし、そういう目で見える法令違反がない場合の整備不良車両、例えば、自動ブレーキが正常に作動するためにはセンサーというものが不可欠になってまいりますけれども、このセンサーが不具合であると、そしてこれは事故を起こしかねない自動車であるということについて警察官がこれを整備不良車両と判断することは可能なのかどうか、そこをお聞きしたいと思います。

○政府参考人(北村博文君) お答えをいたします。
先ほど大臣から御答弁申し上げましたとおり、信号に従わない場合でありますとか最高速度を超える速度で進行している等、自動運転車に道路交通法令に反する動きが見られるという場合には整備不良車両であると認められるわけでございますが、このような道路交通法令に違反した動きがないという場合でも、例えば、自動運転車が不安定な走行をしているでありますとか、異常に大きな音を発しているというような場合にも整備不良車両であると認めることができることがあると考えております。
しかしながら、委員御指摘のように、不安定な動作などの外部に現れる異常が見られないというような場合であって、実はセンサーに不具合があるという整備不良車両というものがありますれば、現場の警察官によってこれを判断するということはなかなか困難だということもあるものと考えてございます。

○西田実仁君 昨年、国交省に寄せられました自動ブレーキに関する不具合という件数がどのぐらいになるのか、またその内容等について分かっていれば教えてください。

○政府参考人(島雅之君) お答え申し上げます。
国土交通省におきましては、リコール制度における適切かつ迅速な改善措置を実施するという観点から、自動車メーカーに対しまして不具合情報を四半期ごとに報告するよう指示をしているところでございますが、あわせて、私どもでは、同様の目的から、警察庁さん、消費者庁さん等の行政機関でございますとか一般の自動車ユーザーさんからも広く不具合情報というものを受け付けてございます。
これらに関しまして、平成二十九年に国土交通省に寄せられました不具合情報につきましては、必ずしも車両の今申し上げた故障でございますとか欠陥に当たらないものも含まれておりますが、計八千七百件、ちょうど八千七百件ございまして、このうち乗用車の自動ブレーキに関します不具合情報、これを抽出しました。
近年、自動車、特に乗用車の新車に自動ブレーキが搭載されるということから非常に搭載率高くなってございますので、そういった観点から抽出した結果、三百四十件がございました。この中で、運転者などが自動ブレーキが作動しなかったという申告がありました不具合情報は三百四十件のうちの八十八件でございまして、その八十八件のうちの七十二件が何らかの事故に関連したものとなっているというものとしてございます。

○西田実仁君 今詳細に御説明いただきましたように、七十二件は自動ブレーキの不具合等で事故につながっているんではないかというようなことです。その前に警察庁から御説明いただきましたように、整備不良車両が公道を走らないようにするという目的のためには警察官による取締りだけでは十分ではないと、実際にそういう自動ブレーキの不具合等もあり得るということです。
ここからは道路運送車両法に関わることですけれども、車両法には、やはりこの運転者自らの責任による車両整備というのは求められているわけです。ただし、このセンサーの不具合などは運転者にはなかなか分からないものが少なくありません。いわゆるエーミング調整と言われるような、センサーが正しく作動する状態にしておくには、やはり整備のプロによる整備というものが欠かせません。
今後、車両法が改正されれば、従来の分解整備というものから特定整備へと変わって、その対象にエーミング調整も入ると思われます。例えば、このセンサーは車のフロントガラスとかあるいはバンパー等に埋め込まれている、装着されているわけですけれども、そのバンパーの脱着をしました、あるいはフロントガラスを替えましたという場合でも、それによって、その後エーミング調整が行われていないとセンサーが正しく作動をせず、いわゆる整備不良車両になり、そして自動ブレーキ等が作動をせずに事故につながると、こういう可能性が今までの車とはまた違って出てくるわけであります。
このエーミング調整についてなんですけれども、まず現状、これメーカーによっても、また車種によってもその測定方法は相当の数で異なっておりまして、これは整備工場からすると正しく作動する整備のためのコスト増にも大変つながっているという声も聞きます。ある程度やはりこれは標準化をしていくという方向性が必要ではないかと思いますけれども、国交省、いかがでしょうか。

○政府参考人(島雅之君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、自動ブレーキなどに用いられます周辺監視のためのカメラでございますとかレーダーにつきましては、修理でございますとか交換作業を行った際にはいわゆるエーミングと呼ばれる調整がどうしても必要となります。
自動ブレーキでございますとか自動運転技術といった先進技術につきましては、実用化当初は自動車メーカーさん各社がそれぞれに開発を進めるいわゆる競争領域に当たりますことから、現状では、このエーミング作業に含めまして、その修理でございますとか調整の方法につきましては自動車メーカーや車種ごとに異なっているというものが委員御指摘のとおり現状でございます。
一方で、整備工場の現場からは、自動車メーカーやその車種ごとに調整方法が異なるということはやはり負担が大きい、特にいろいろなメーカーの車種を扱っている整備工場さんにおいて専用のそれぞれの工具が必要となるというのは費用面でも負担が大きいといったような声も私ども承知してございます。
また、本年一月に取りまとめられました交通政策審議会の自動運転等先進技術に係る制度整備小委員会、この報告書におきましても、中長期的な取組としまして、エーミングターゲットなどの整備用機器でございますが、整備用機器の共通化、こういったものを整備しやすい車の設計、開発がなされますよう環境整備を進めるということが望まれるということが記載されているところでございます。
このため、私ども国土交通省としましては、整備工場の意見でございますとかこの報告書の内容を踏まえまして、また技術の汎用化でございますとか普及の状況を見極めた上で、自動車メーカー各社に対しまして、エーミングの方法や工具につきまして可能な限り標準化を進めるよう指導を行ってまいりたいというふうに考えてございます。

○西田実仁君 こうした次世代自動車について運転者が負っているその整備をきちんとしなきゃいけないという義務、これを全うするためのいろんな法整備、法令等がありますが、一つ、十二か月点検というのが、罰則はありませんけれども、義務化はされています。しかし、実際にいろんなところに聞きますと、はがきを出して、あるいは電話までして、十二か月点検ですよと、こう言っても、実際にある工場なんかに聞くと三割ぐらいしか受ける人がいないと、そういう話も聞きます。
確かに、これまではそんなに、正直ユーザーからすると整備しなくても故障もないということだったのかもしれませんけれども、しかし、事はこのセンサー等がそういう意味で今までとは違う形の車になっていく以上、果たしてこの車検等では、当然検査項目は拡大されていくと思いますけれども、その二年に一度の車検だけで本当に大丈夫なのかということは、やはりここは留意しなければならないというふうに思っております。
こういう次世代自動車ということでの整備不良車両が公道を走らないようにするためには、この十二か月点検というのももっと徹底をしていく必要があるのではないかと思いますけれども、国交省、いかがでしょうか。

○政府参考人(島雅之君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、自動ブレーキや自動運転技術を搭載しました次世代自動車では、やはりカメラやセンサーの不具合が事故につながるおそれもありますことから、それらの調整も含めまして従来の自動車以上に保守管理が重要になるものというふうに考えてございます。このため、国土交通省では、二〇二四年からいわゆる車検におきまして自動車の電子装置まで踏み込んだ検査を導入するべく必要な準備を進めているところでございます。
また、自動車の保守管理のためには、車検のみならず、法定点検を含みますユーザーによる点検整備を通じた保守管理が重要だと思ってございます。法定点検につきましては、ユーザーに対して罰則をもってその実施を義務付けているものではございませんが、一般の乗用車では十二か月点検の実施率が約六割にとどまっているといいますことから、国土交通省としましてはその実施率を向上させるための施策を講じているところでございます。
具体的には、毎年、全国におきまして関係業界とともに自動車の点検整備推進運動を実施しまして、ユーザーに対しまして点検整備の重要性を周知啓発してございますし、また法定点検を行わないで車検を受検しましたいわゆる前検査と呼ばれるユーザーの方々に対しましては、法定点検の確実な実施を周知しますとともに、その報告を求める、先ほどにもありましたはがきの送付をさせていただいております。
さらに、今申し上げた定期点検整備を実施せずに劣化、摩耗等によるいわゆる基準の不適合箇所がある自動車のユーザーに対しまして行うこととなっております点検整備勧告という制度もございますが、これにつきましても、より発動しやすいようにその要件を見直しをさせていただくとともに、車検証にその点検整備勧告の履歴を記入するといったような取組を行っているところでございます。
私ども国土交通省といたしましては、引き続き、これらの取組を推進しながら、ユーザーに対しまして次世代自動車を含めた自動車の点検整備の実施を促してまいりたいと考えてございます。

○西田実仁君 ところで、自動ブレーキの作動に関しまして、輸入車メーカーにおいては、このエーミング調整の前にいわゆる四輪アライメント調整というものを行っております。それはなぜやらなきゃいけないかというと、車の直進性に不具合が発生すると、つまり車が真っすぐ走っていないと、センサーが幾ら正しくても間違ったものと認識してしまうという意味での四輪アライメント調整が必要になっているということであります。
こうしたこと、次世代自動車に特有の整備不良リスク、これに対応していくためには、こうした四輪アライメントに加えて、三次元測量機とかジグ修正機とか、そうしたこれまでにない機器の導入も必要になってくると聞いております。しかし、こうした高額な機器を購入し設備投資を施した整備工場も、従来からの工場も、事故を起こした車両の保険対応修理においては、そのいわゆる対応単価と言われるレーバーレートが同じなのはおかしいのではないかという問題提起がなされています。
今日、表をお配りをしました。このレーバーレートというのは工賃単価というふうに訳せば、工賃というのはこのレーバーレート掛ける指数によって単価が決まるわけですけれども、関東地方のこういう車体整備という、いわゆる事故を起こした車の修理を行っている工場のアンケート調査を自動車車体整備工場のこの協同組合が取られました。東京から山梨ほか関東を見ていただくと分かることは、実は県ごとに、損保会社は三大損保、四大損保とありますけれども、県ごとにその対応単価を調べたところ、下の数字があるように、損保会社三社以上の工賃単価が一致しているものはもう七五%を超えているとか、四社以上一致しているものはもう七五を超えているとか、三社以上一致している割合は八五%を超えているというふうな、つまり、県によってほとんど同じだということなんですよ。
この表を見て率直に金融庁とまた国交省から意見を聞きたいんですけれども、保険対応の修理単価、いわゆる対応単価については、本来、損保会社と整備工場との間の個別交渉によって、民民ですから、決めることであります。しかし、今表でお示しをしましたように、あたかも地域相場のようにほとんど同じになっているという現状、しかもこれ、単年度ではなくて、これは二十九年度のアンケート調査のようですけれども、過去においてもこのような実態があるというふうに聞いているわけであります。
次世代自動車に特有の整備不良リスクを踏まえて、この実態、表を見てどう率直に思われるのか、金融庁並びに国交省にお聞きしたいと思います。

○政府参考人(中村修君) お答えいたします。
車両の修理の際に保険会社から車体整備事業者に支払われます修理代金については、保険会社と車体整備事業者との間において個々の契約の下に設定されるものであるというふうに考えておりまして、御指摘の表でありますけれども、各地域において保険会社の対応単価というものの多くが一致しているという理由につきましては、地域における競争環境など様々な要因があると考えられ、一概に申し上げられないとは思いますが、対応単価というものについては各保険会社、それから各修理業者が個別に交渉、合意して設定していくということが適切であるというふうに考えております。
また、次世代自動車につきまして、これは高度な修理を実施するということですが、その際には高度な技能を有する整備要員の確保などが必要になると思われます。こうした点についても、個々の個別の交渉の中で適切に反映されることが重要ではないかというふうに考えておりまして、金融庁としては、新技術等の導入によるリスク実態も踏まえまして、適切な保険金支払が確保されるよう保険会社を監督してまいりたいというふうに考えております。

○政府参考人(島雅之君) お答え申し上げます。
今、金融庁から答弁あった、国土交通省としても同様のものと考えてございます。加えまして、対応単価につきましては、設備費でございますとか人件費でございますとか稼働率などを踏まえた適切な原価計算に基づいて算出されるべきものということから、次世代自動車につきまして高度な修理を実施する場合には、高度な技能を有する整備要員の確保でございますとか設備投資等に見合った対応単価が設定されるべきだというふうに考えてございます。

○西田実仁君 金融庁にお聞きしたいと思いますけれども、個別交渉の結果で各県でこんなに一致していることについてどう思いますか。

○政府参考人(中村修君) これにつきましては、先ほど答弁申し上げましたように、地域における競争環境など様々な要因があると思われまして、一概には申し上げられないということかと考えております。

○西田実仁君 レーバーレートというのは、今国交省が説明されたように、それぞれの個社の減価償却とか人件費とか、そういったことによって割り出してくるものなんですよ。ですから、個社ごとには、この個社は、我が社は対応単価が幾らですというのが割り出すことは、算出はできます。
損保会社はどうやって割り出すんですか。

○政府参考人(中村修君) お答え申し上げます。
対応単価につきましては、各社、個社ごとに決めておりまして様々でございますけれども、各社におきまして、物価を参考に見直しを行うですとか、修理費に関して作業時間や熟練度など様々な要素を勘案しながら定めているというふうに承知しております。

○西田実仁君 個別交渉ですから、その個社のそうした算出によるレーバーレートと損保会社が考えるレーバーレート、それぞれ突き合わせて交渉していくべきであります。マクロの数字というよりも、損保にそういう、それぞれの各社に応じた対応単価の突き合わせしないと、個社交渉にはならないんですね。そのことを指摘しておきたいと思います。
最後に、車検証の電子化についてでありますけれども、二〇二二年度、車検証のICチップ化が導入される際に、点検整備記録の書き込みもできると想定されていると聞いておりますが、加えて、この車体修理、板金修理の記録も記録すべきではないかと。車検証の電子化の際には、システムの作動状態を確認するとともに、整備不具合があるかないか、どの工場で整備をしたのかの、その整備のトレーサビリティーの確保の観点からもそうしたことが検討されてしかるべきではないかと考えますけれども、いかがでしょうか。

○政府参考人(島雅之君) お答え申し上げます。
自動車検査証、いわゆる車検証のICカード化につきましては、今国会に道路運送車両法の一部を改正する法律案を提出しまして、二〇二二年度の導入を目指しているところでございます。
このICカードに搭載するICチップには、車検証情報を記載する領域のほかに空き領域を設定させていただきまして、民間等の創意工夫による多様なサービスの創出に向けましてその利活用を視野に入れた検討を進めているところでございます。具体的な利活用方法、方策につきましては、有識者や関係団体等から成ります自動車検査証の電子化に関する検討会というものを設置しまして、今年度検討を行って、まさに行っているところでございます。
委員御指摘の自動車のトレーサビリティーの確保、これは自動車の安全、安心の確保の観点から極めて重要だというふうに考えておりまして、ICチップの空き領域の利活用の方策の検討に際しましては、自動車の点検整備情報でございますとか車体整備情報の利活用も含めて検討してまいりたいと思ってございます。

○西田実仁君 終わります。
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