198-参-内閣委員会-018号 2019年05月23日


2020年4月9日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
今日は、公明党のICT社会推進本部というのが党内にございまして、そこでは、本年三月の二十日の日に、利用者に寄り添う行政サービスの構築に向けた提言というのを平井大臣に御提出をさせていただいております。このICTの利活用は国民生活を一層向上させるための最重要課題でありまして、特にこの行政手続のオンライン化というのは、行政の生産性や効率性を向上させるのみならず、地域の暮らしをより持続可能にしていくという基盤になっていくものとして、十項目にわたる提言をさせていただきました。今日の質疑はこの提言を基に行いたいというふうに思います。
このデジタル化に関しましては、地方の情報システムの在り方を規定しております条例優先の法体系を見直して、全国共通システムの導入をすべきとの考え方がある一方、地方自治でありますので、その自主、自律というのは尊重されなければならないと。
行政手続のデジタル化を推進するには、住民からの申請を受け付けることの多い地方公共団体のデジタル化への理解が最も必要であるというふうに思っております。しかし、その地方自治体の職員の皆様におかれましては、日々大変業務に忙殺されております。また、財政的な制約もあります。行政サービスの向上のために、今も行政のデジタル化に向けて懸命の努力をいただいていることもまた事実でございます。
しかし、その自治体が抱える課題というのは、私ども、三つに集約をさせていただいております。まず、地方自治体は、厳しい定員管理の下で人員が不足していると、税収がなかなか増えていかない中で財源不足といった慢性的なリソースの不足を抱えております。そのため、高い専門性と高額の予算を必要とするICTへの投資は後回しになりやすいという点がまず第一にあります。第二に、現行の行政手続の大半がデジタル化やオンライン化を想定しておらず、法令や運用により、書類添付あるいは窓口への来訪が必須となっております。第三に、技術的な実現性だけでなく、オンライン化やデジタル化におけるデジタルデバイドの進行など、地域の特性等を踏まえた上での総合的かつ中長期的な支援が必要になっている。こういう三点、これが地方自治体が抱える現状ではないかというふうに思っております。
よって、この行政手続のデジタル化を推進するに当たりましては、各地域における利用者の状況やニーズを理解するということが大変大事でありますし、これまでの行政制度の提供という視点からサービス利用という視点に転換をしていかなければならないと、このような問題意識に立って質問をまずさせていただきたいと思います。
最初に、まず平井大臣にお聞きします。
デジタル化、デジタル手続法のこの制定に何を期待されておられるのか。また、その期待どおりの効果を生むためには何が必要と考えるか。特に、国民の皆様の多くにデジタル化の意義を理解いただくには、どういうメリットがあるのかという、どういうメリットを享受できるのかということが理解されなければならないわけですけれども、それをどのように説明をされるのか。まず冒頭、お聞きしたいと思います。

○国務大臣(平井卓也君) 先生のお話しになった問題意識はもう全く私も共有をしておりまして、その上で、デジタル手続法というものをどのようにこれから社会の中で理解をしていただくかということは重要だと思います。
今回のやっぱり法案の一番大きいところは、原則を紙からデジタルに転換すると、ここでもうマインドセットを変えなきゃいけないんだと思います。ですから、単に過去の延長線上で今の行政をデジタル化をするということではなくて、デジタルに対する考え方を改めて、デジタルを前提とした次の時代の新たな社会基盤をどうつくるかということを理解してもらわなければならないんだと思います。本法案を契機に社会全体のデジタル化を目指すことになるんですが、国民の利便性や生産性の向上、いろんな面でのですね、図られるだけではなくて、中長期的には財政再建にも大きな効果がなければならぬというふうに思います。
また同時に、少子高齢化の、特に高齢化の先頭を走っている我が国が世界に先駆けてソリューションを示していくための第一歩だと思っておりまして、大げさに言えば、歴史的な大きな第一歩ではないかなと思います。
このような社会基盤を構築するためには、本法案だけではなく、その確実な実施が必要だと思います。このため、各省任せにせず、本法案の情報システム整備計画の策定などを通じて、私がIT政策の担当大臣としてリーダーシップを発揮して、行政のデジタル化を強力に進めていかなければならないと思います。
そして、具体的なメリットとしては、今回の法案の結果によって、手数料の支払を含め、オンラインにより実施できる手続が増えて、全国、二十四時間三百六十五日、手続が可能になるとともに、添付書類が不要になることによって、例えば共働きや育児中など、役所が開いている時間帯に訪れることが困難な方々にとって、その手続や添付書類のために何度も足を運ぶというようなことがなくなる、そのことによって国民は広く利便性を享受するということになると思います。
次の時代に進化、発展させていけるような基盤を次の世代のために残していくこと、そして、次の時代の日本がすばらしい、そのデジタル技術の恩恵によって問題をいろいろ解決して、すばらしい時代を迎えられるように取り組んでいきたいと考えております。

○西田実仁君 今、大臣からメリットについてお話がございました。
いろんな生活シーンごとにこの法案が制定された際にはメリットがこうあると、共働きの世帯ではこうだとか、子育て世代ではこうだとか、この法案が成立した暁には、是非、こういうことがメリットとしてあるということを国民の皆さんに周知徹底、広報を分かりやすくまたしていただきたいというふうに思います。
現在、経済財政諮問会議におきましても、次世代型の行政サービスということに向けての改革が検討されているというふうに仄聞してございます。この本法案も踏まえまして、政府として成長戦略等にどう反映させていくのか、これについて大臣にお聞きしたいと思います。

○国務大臣(平井卓也君) この次世代型行政サービスというのは、単なるデジタル化だけではなくて、IoTやAI等の新技術活用やデータ整備等を通じて、行政が保有するデータを民間も活用し、より効率的で質の高い行政サービスに転換するとともに、行政が新しいデータを整備し、民間の利活用を積極的に後押しする必要もあるというのがこの諮問会議の次世代行政サービスという言葉だと思うんですが、ここで午前中も話しましたけど、我々が目指す行政のデジタル化は、アナログからデジタルへの転換、これだったらデジタイゼーションという言葉だと思います、とは全く別のデジタライゼーション、すなわちデジタルの力で全く新しい姿に変えるという改革、つまり、そのデジタライゼーションそのものをやっていかなきゃいけないんだと思います。デジタルを前提とした、次の時代にふさわしい、セキュアで便利な行政サービスを実現するよう、デジタルに対する考え方も改めながら、サプライサイド思考から徹底的なユーザーサイド思考に変更、変革していくことも重要だと思います。
このため、この法律には、単に過去の延長線上で今の行政をデジタル化するのではなくて、デジタル化の前に業務改革、BPRを徹底して、エンド・ツー・エンドで最新の技術動向を踏まえたデジタル技術の活用を前提とした見直しや、情報システムの共有化やデータの標準化の推進、行政手続と関連する民間手続のワンストップ化等を図ることによって、セキュアで利便性の高い次世代型行政サービスを実現していきたいと、そのように思います。
このような国民目線の真の行政のデジタル化を強力に進めていくために、年内をめどに情報システム整備計画を策定して本法案に基づく取組を具体化していくほか、成長戦略においてAIやデータを活用したスマート公共サービスを盛り込むとともに、IT戦略においても、デジタル技術を徹底的に活用した行政サービス改革をデジタルガバメント実現の柱として位置付ける方向で現在調整しているところでございます。

○西田実仁君 今大臣が御指摘いただいた、セキュアで便利なサービス、あるいはユーザー思考、ユーザーサイドの思考ということは、大変、先ほどの最初の質問に関連しますと、メリットというものを国民に感じていただくには非常に大事な点だというふうに思うんです。
特に、今、与党に身を置いていて様々な政策を考えるときに常にぶち当たる問題というのがございまして、それは行政の基本が申請主義になっているということでございます。もちろんその意義は当然あるとは思うんですけれども、例えば家計の厳しい方々への給付支援策を検討しようというふうになったときに、そもそもその支援策、支援が必要な方にこういう支援策があるよということを周知することが大変まず難しいということ、またさらに、それが周知されたとしても、さらにその方が申請をしようというときには様々な背景によってなかなか困難が生じやすいという、そういう壁にぶち当たることが少なくありません。
そういうときにいつも思うのは、支援の対象者があらかじめ分かっているとすれば、従来からの行政の在り方をこの申請主義からむしろプッシュ型に変えていくという必要があるのではないかということを感じておりまして、そういう問題意識に立ちますと、今回のデジタル化、単なるアナログからデジタルへの転換ではなくという大臣のお話がございました。こういう転換もまさに進めていく契機になるのではないかというふうに期待をしております。
具体的に、例えば消費税に対する対応として、簡素な給付措置というのがこれまで行われてまいりました。所得の厳しい方々に給付された臨時福祉給付金、これも当然申請主義になっておりまして、申請書の発送からその受付、支給決定から実際の振り込みによる支給、この一連の流れがあろうかと思いますけれども、もう既にこの取組がどうなっているのか分かっていると思いますので、厚労省の方にお聞きしたいと思います。

○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。
臨時福祉給付金でございますが、消費税率の引上げを踏まえまして、所得の少ない方への影響に配慮するという観点から、市町村民税が課税されていない方を対象に、平成二十六年度から平成二十九年度までの間に複数回にわたり支給を行ったものでございます。
この給付金は、対象者からの申請に基づき支給決定を行い、本人が指定する口座に振り込む形で支給を実施をしており、直近に実施をしました給付金の給付では、平成三十年三月末時点で二千六十万人に支給がなされています。
この給付金の実施に当たりましては、対象者に対して確実な周知を行うということが重要でございましたことから、国として、新聞広告やテレビCM、特設ホームページを始め、ポスターやチラシを幅広く配布するなど、周知を実施をしたところでございます。市町村では、対象となる可能性のある方に幅広く個別勧奨を行うために申請書の送付を行ってございます。これらを踏まえまして、対象者には市町村に郵送等により支給申請を行っていただき、市町村から口座振り込みにより支給を行った、このような手続でございました。

○西田実仁君 この際、一番そうした情報で難しいのは、税の関連する情報の取扱いでございます。今お話しのように、住民税が課税されていない世帯に対して支給するというこの簡素な給付措置、ここでは、税情報の融通というんでしょうか、これはどのような手続で行ったんでしょうか。

○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。
この給付金の対象者は市町村民税が課されていない方を対象としておりますが、法律上の守秘義務との関係で、課税情報をそのまま用いた個別勧奨等はできなかったことでございます。そうしまして、各市町村は給付金の対象となる可能性がある方に対して幅広く個別勧奨を行ったと、こんな形で行ったところでございます。

○西田実仁君 そういう税情報の取扱いの問題もございますし、また、周知徹底、我々もこの政策をつくった側だったものですから、党を挙げて相当取り組んでもなかなか知っていただくことに時間も手間も掛かるわけですけれども、しかし、今回の簡素な給付措置はかなりの高い率で必要な方にお届けできたというふうには思いますが。
こうしたことは一例でありまして、申請主義からプッシュ型の行政サービスに変えていくという、そういうことがこのデジタル化の手続法でどう変化していくのかというところを先ほど申し上げたように大変期待しておりまして、大臣にお聞きしたいんですけれども、行政の在り方が申請主義であることの意義もあるとは思いますが、その限界についてどうお考えになるのか。また、このデジタル化を通じて行政の在り方を申請主義からプッシュ型に変えていく、移行していく、そして国民に必要な給付を確実に行うことを可能としていく必要があるのではないかという問題意識についてどうお考えになるか、お聞きしたいと思います。

○国務大臣(平井卓也君) 私も同じような問題意識を持っています。ユーザー目線で人に優しい行政サービスを実現したいと思っておりまして、国民からの申請を待つのではなく、対象者に対して必要なお知らせをする、言わばプッシュ型サービスを普及させることは非常に重要なことだと思います。
現在も、例えば、自治体が行う行政サービスについて、サービスを受けられる可能性がある住民を抽出して、マイナポータルのお知らせ機能を活用して効率的にサービスに係る情報を提供することはできるようになっていますが、マイナポータルを使っている方が非常に少ないということで、余り知られていないのかも分かりません。
今後、今般のデジタル手続法案を契機として、行政機関間の情報連携を始めとしたシステム整備を推進するとともに、デジタル社会の本人確認の基盤であるマイナンバーカードの普及に取り組んで、その上でプッシュ型の行政サービスを拡大していきたいと考えております。

○西田実仁君 ちょっとこれ通告していませんけれども、今お話しの行政機関のシステム整備の話なんですけれども、これまた政策をつくっているときにいつも思うんですけれども、予算を取るときに、何かやろうと思うとこのシステム整備は物すごく掛かるんですね。野党の皆さんから随分それを批判をされて、何のための政策なんだと言われることがあって、確かにそういう面もあるなというふうに思うこともないことはないんですけれども。
このシステム整備の、行政に、地方自治体におけるシステム整備の、何というんですかね、お金が掛かり過ぎているのか、適正な、まあ適正じゃないとは言えないと思いますけれども、そういう予算面での制約というかはどんな御感想を持っていますか。もしお答えできたらお願いします。

○国務大臣(平井卓也君) 行政のシステムコストというのは全国一律ではありません。それぞれ地域によっても異なるということは我々が見ていても明らかです。競争が働いている、働いていない、またシステムの考え方によってもコストが違うし、これからはやっぱりクラウドを前提にするというのも、実はそんな昔から言っていることではないんですよ。明らかに所有から利用へという考え方によってコストダウンが図れるということは皆さん分かってきたので、これからエリアを超えて共通化できるものはしていく、自治体クラウドの考え方はそこだと思います。
そして、さっき、診療報酬の改定の話とシステム改修のコストの話がありましたが、これは診療報酬のみならず、我々が法律を触れば触るほどそれがそのままシステムに跳ね返るという、改修に跳ね返るということがあって、これも考え方なんですね、システムの考え方。制度を変更するということに対して、今はやっぱり昔の考え方のシステムのアーキテクチャーだとそれは掛かってしまいますが、これから全部コンポーネント化をしていくというようなシステム構成になれば、そこはもう大幅に削減をできると。
次世代のシステムは、やっぱり過去の延長線上ではないと。ですから、システム更新の時期なんかを見ながら、ベストのものをこれから推薦していくということだと思います。で、できるだけ共通なものは共通で使っていくというような方向で考えるべきだと思っております。

○西田実仁君 勉強になります。
まさに、そういう何か施策をやろうとするときに、必ずシステム改修でこれだけの経費が掛かりますという、そんなに掛かるのかと思うぐらいに大体予算を確保しなきゃいけないというふうになるんですけれども、しかし、今のお話のような自治体クラウドも含めてやればそれほど掛けずにできる可能性が随分出てくるんだろうというふうに思っておりまして、そこは是非、予算の査定等につきましても、概算でこのぐらいというのはこういうデジタル化法案ができることによってもっとこれだけになるというような姿を見せていくことも、この法律を成立させた一つの国民に対するメリットということも言えるんだろうというふうに思いますので、是非お願いしたいと思います。
もう一度、我が党の提言に戻りますけれども、この行政手続のデジタル化を推進するには、やはり住民からの申請を受け付けることの多い地方自治体、このデジタル化への理解というのが必要ということで、地方自治体向けの研修、あるいはソフト面のサポートを適切に推進することが必要だと、このように提言でも盛り込まさせていただきました。
これを受けまして、このオンライン化法第五条第五項には、地方自治体等へのオンライン化について国は情報提供その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない旨が規定されております。
そこで、総務省におきましては、IoTの地域実装のための総合的支援というのを行っておられまして、平成二十八年度から計画策定の支援、地域情報化アドバイザー派遣等の人的な支援、また、民間プラットフォームの活用を始めとするデータ利活用の明確化、実装事業の支援等を実施しておられます。
二〇二〇年度を目指しての地域ICTの普及ということだろうというふうに思いますけれども、現状どこまで行っているのかということと、またその効果、また二〇二一年度以降どのように取り組んでいくのか、これをちょっと御説明いただきたいと思います。

○政府参考人(赤澤公省君) お答えいたします。
御指摘のとおり、総務省では、ICT、IoTの地域実装に向けまして、地方公共団体におけるIoT実装のための計画策定支援、それから補助金、特別交付税措置を含む財政支援、それから専門家の派遣などの人的支援、それから優良事例の紹介等の普及促進活動を総合的に行っているところでございます。
このような取組の成果を把握するため、平成二十九年度から毎年度、前年度末、三月三十一日時点において、どれほどの地方公共団体等がICT、IoTを活用して地域課題の解決等に取り組んでいるか等々について全地方公共団体に尋ねる、地域IoT実装状況調査を実施しているというところでございます。
直近の平成三十年度末の状況は本年五月二十一日締めで調査をしておりまして、現在、その結果を取りまとめているという状況でございます。現在その取りまとめている直近の調査ではなく、一つ前の平成二十九年度末の調査で御参考までに申し上げますと、ICT、IoTの実装の取組について実施している、検討している、関心があると回答された地方公共団体は全体の九割を超えておりまして、地域におけるICT、IoTの実装への関心の高さがうかがえる結果になっていると考えております。
総務省といたしましては、これまでに実施した調査結果、それから現在取りまとめ中の最新の調査結果も踏まえまして、引き続き、ICT、IoTの実装が地域においてより一層進展するよう進めてまいるとともに、令和三年度以降の取組についても検討を進めてまいりたいと考えておるところでございます。

○西田実仁君 それから、先ほど大臣からもメリットの一つとしてもお話がありましたが、この行政手続の効率化、また申請者の利便性を向上させるために、各種申請手続における手数料のキャッシュレス化も推進する必要もございます。本法案では、その第六条第五項におきまして、手数料の納付に係るオンライン化規定が新設をされております。
そこで、内閣官房にお聞きしますが、手続のデジタル化による行政処理コスト、この低減を踏まえまして、今後手数料は引き下げられるということがどの程度見込まれるのか、国民に対するメリットとして是非御説明いただきたいと思います。

○政府参考人(時澤忠君) 本法案では、行政手続をオンラインで行う際に、手数料の納付についてもオンラインで実施ということとしております。この結果、窓口対応や行政内部の事務処理の効率化など、オンライン化による行政処理コストの低減が期待されることから、これを踏まえた手数料の引下げにつきましても各府省に検討を促してまいりたいと考えております。
なお、現時点におきましても、既に登記事項証明書の交付請求、あるいは自動車の継続検査手続など、これをオンラインで行う場合には手数料の引下げが実施されているところでございますので、こういうのを参考に取組を広げていきたいと考えております。

○西田実仁君 地方公共団体における行政並びに住民のデジタルデバイド対策として、機器の拡充などのハード面、また利用者への情報提供や操作補助などのソフト面、この双方について予算措置を含めた適切な対策を講じることが必要であります。
本法十二条におきましては、情報通信技術の利用のための能力又は知識経験が十分ではない者が身近に相談、助言その他の援助を求めることができるようにするための施策、その他の情報通信技術の利用のための能力又は利用の機会における格差の是正を図るために必要な施策を講じるものとされております。
そこで、総務省にお聞きしたいんですが、総務省、厚労省の研究会の下に設置されましたICT地域コミュニティ創造部会におきまして、デジタル活用支援員制度なるものの検討がされているというように聞いております。これは必ずしもデジタル手続にとどまらない施策だとは承知しておりますが、その検討状況とデジタルデバイド対策としての効果についてお話しいただきたいと思います。

○政府参考人(赤澤公省君) お答え申し上げます。
御指摘いただきましたとおり、昨年十一月から厚生労働省と連携して立ち上げました両省の政務官主宰のデジタル活用共生社会実現会議の下で、ICT地域コミュニティ創造部会を設置いたしまして、住民から地理的に近い場所でICT機器の使い方などを教えてくれる、そういうデジタル活用支援員の仕組みの在り方も含めまして、高齢者等のデジタルデバイド対策について御議論をいただいたということでございます。
この部会での御議論も踏まえまして、本年三月にはこのデジタル活用共生社会実現会議において報告書が取りまとめられまして、その報告書では、地域のNPO団体の構成員やICT企業の退職者などのデジタル活用支援員の候補のイメージというものが示されるとともに、地域での相談会の開催、それから地域の町内会、自治会等との連携による個別対応等の支援員の活動の在り方、それから支援員の募集、管理、活動費等の支援員が継続的に活動をしていくための国、自治体、それからNPO団体等のサポートの在り方等について、具体的なモデルの構築を進めるよう提言がされたというところでございます。
総務省におきましては、現在、この提言に基づきまして、デジタル活用支援員のスキーム全体について具体化のための検討を行っているところでございます。本年度中にモデル実証を調査研究として行いながら、その中でデジタルデバイドへの効果も検証しつつ、スキームの整備というのを図ってまいりたいと考えております。

○西田実仁君 五月十四日の経済財政諮問会議におきまして、民間議員の方から、AI、ICTの活用に関心がない、あるいは関心はあるけれども専門性が不足していてなかなか検討に至らない自治体が多数である、このことを踏まえて、総務省については技術面のみならず、人材面、財源面、業務面からの課題を早急に洗い出すべきであると、こういう御意見がございました。そして、ソサエティー五・〇時代にふさわしい自治体行政のデジタルトランスフォーメーションの実現に向けて、AI、ICT化、アウトソーシング、クラウド化等を抜本的に進める計画を立てて進展を図るべきと、このような指摘が民間議員からございました。
この指摘を一言で言えば、ソサエティー五・〇時代にふさわしい自治体行政のデジタルトランスフォーメーションということのようでありますけれども、こうしたデジタルトランスフォーメーションの実現に向けての課題をどう認識し、またその解決のためには何が必要とお考えになるのか、大臣にお聞きしたいと思います。

○国務大臣(平井卓也君) 我が国において、地方自治体は行政手続に際して住民とじかに接する機会が多いわけですから、地方自治体に対する手続は多数存在するため、五月十四日の経済財政諮問会議における民間議員が指摘するように、地方自治体のデジタル化は極めて重要だと考えます。
地方自治体のデジタル化を進める上での課題は、業務の標準化など業務改革、BPRを前提としてデジタル技術を活用して先進的な取組を行っている自治体もあれば、デジタル化の取組が進んでいない自治体も数多く存在し、自治体の取組の差が結構大きいということだと理解しています。このような状況で我が国全体の地方自治体のデジタル化を効率的、また効果的に進めるためには、先進的な取組を積極的に横展開して広げていくことが有効な手段の一つだと思います。
その際に重要なことは、サプライサイドの思考ではなく、設計、開発の段階から利用者視点に立ったサービスになるよう、デザイン思考を徹底することがまず必要かなと思います。具体的には、今後、AI等のデジタル技術を活用した優良なシステムやアプリケーションを地方自治体が共同利用することを前提として、全国の地方自治体の職員とデジタル技術を有する開発者が一緒になってデザイン思考で設計、開発して、開発者がそれを地方自治体に提案して実装していけるような場を設けたいというふうに考えています。
いずれにしても、今回の法案をきっかけとして、今後人口減少による労働力の供給制約に直面する地方自治体も、行政サービスを持続可能な形で提供するために積極的にデジタル化に取り組むときが今来ていると思います。政府としても、地方自治体のポジティブな取組をもう最大限応援していきたいと、そのように考えております。

○西田実仁君 ちょっと本法から若干離れるかもしれませんが、IT担当大臣なので是非お聞きしたいと思って、今日は国交省の方にも来ていただいていますが、MaaSについてちょっとお聞きしたいというふうに思います。
MaaSというのは、モビリティー・アズ・ア・サービスということでございますけれども、いろんな種類の交通サービスを需要に応じて利用できる一つの移動サービスに統合することと、このようにITS会議等では定義をされております。このMaaSということが、特に関心を持っているのは、今の、一つは高齢者の方々の免許返納によってマイカーを手放すときにそれでもなお不便ではない暮らしができるようにする、そのための一つのアプローチとしてあり得るということであり、また、いろんなパターンはあると思いますけれども、自動運転とかあるいは地域の公共交通機関とかを組み合わせて、ファーストワンマイルとかラストワンマイルですね、便利に過ごせるようにしていくというための交通戦略をどう立てるかということ、そのときにはデータをどう扱うかということが、大変にビッグデータになりますので、道路からの情報、また車からの情報等々、相当入り組んだ情報を整理しながらこのMaaSを構築していかなければならないんだろうというふうには思っております。
このMaaSは、まさにICTを活用して交通をクラウド化し、公共交通か否か、またその運営主体にかかわらず、マイカー以外の全ての交通手段によるモビリティー、移動を一つのサービスとして捉えてシームレスにつなぐ新たな移動の概念であるというふうに承知をしてございます。
我が国におきましても、幾つかの都市において民間事業者による取組が散見されるようになりました。この地域の足をどうつくるかという足づくりというのはもう町づくりになるというふうに私は思っておりまして、今日はちょっとお聞きしたいと思います。
このMaaSには、ICTにより、鉄道、バス等の経路、時刻表等のデータを検索して組み合わせ、利用者のニーズに合うサービスが提案されます。このため、検索対象となる交通機関の運行情報、あるいは駅などの地理的情報等のデータを利用できる必要があって、欧米ではオープンデータとして整備をされております。我が国におきましても、四年前の九月に公共交通オープンデータ協議会なるものが設立されておりまして、公共交通におけるオープンデータ推進に関する検討が進められていると理解しております。
そこで、国交省にまずお聞きしたいんですけれども、ICT技術の進展、MaaSの考え方が広まる中、公共交通分野におけるオープンデータ化について、現状どう取り組んでおられるのか、また、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックを見据えて更に積極的にこのオープンデータ化に取り組むべきではないかという点から国交省にお聞きしたいと思います。

○政府参考人(大野秀敏君) お答えいたします。
公共交通分野におけるオープンデータ化を推進することは、一層の利用者利便の向上に資するとともに、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会における円滑な輸送にも寄与するものと認識をしております。
このため、国土交通省では、平成二十九年に、学識経験者、交通事業者等を構成員といたします検討会を設置しまして、検討を進めてきておるところでございます。同じく、この検討会において平成二十九年に取りまとめられました中間整理におきましては、オープンデータのメリットや費用対効果、データ管理の在り方等の課題について引き続き検討をすることや、そのための実証実験を実施することが指摘されております。
この指摘を受けまして、平成三十年度には、実証実験として、鉄道事業者の協力の下に首都圏の複数の駅で電子地図等のデータを整備いたしますとともに、オープンデータを活用したスマートフォンアプリのコンテストを関係団体と共催で実施をいたしまして、多くの応募をいただいたところでございます。
今後、この検討会におきまして、この実証実験の結果を踏まえて、今後の推進の方向性を検討することとしております。また、今年度も引き続き実証実験を実施することとしております。
国土交通省としましては、引き続き、公共交通分野におけるオープンデータ化を推進してまいります。

○西田実仁君 MaaSにおきましては、ICTデータを用いてそれを収集、分析することによって、混雑ルートからの需要分散を図ったり、あるいは価格設定による交通誘導等の可能性があるとされます。こうしたデータの活用は、オリパラなどの大規模なイベント、あるいは災害、事故時における交通対策、交通対応策の検討にも資すると考えられますが、この点について国交省、いかがでしょうか。

○政府参考人(城福健陽君) MaaSにつきましては、委員御指摘のとおり、移動に当たって利用いたします複数の交通手段を統合、一貫することで一つの移動サービスとして捉えようとする考え方でございます。具体的には、スマートフォンなどで最適ルートなどの検索や予約、決済を事前に一括して行うことでシームレスな移動が可能となります。さらに、統合された一つの移動サービスにつきまして、利用しやすい定額制などの料金を設定することで価格面での利用利便の向上も期待できるところでございまして、交通需要や交通流のマネジメントにも効果が期待できるものと考えております。
さらに、MaaSは、移動の利便性の向上をもたらすのみならず、スマートフォンで目的地までの交通手段の検索などを行われることからしましても、利用者の移動データを広範に把握することが可能となります。このように把握されましたデータは、個人情報への配慮を前提とした活用ということを想定すれば、委員御指摘のとおり、大規模イベントや災害時あるいは事故時などにおけます、バスなどのルートや便数の検討などの交通対策、ひいては地域の公共交通、あるいは町づくりの計画の立案にも資するものと考えております。私ども国土交通省の有識者懇談会が本年三月に行いましたMaaSに関する取りまとめにおきましても、このようなデータ活用の可能性と重要性につきまして指摘されております。
私どもとしては、今後、MaaSにつきまして、運行情報や予約状況など、交通事業者のデータを事業者間で連携するためのルール作り、あるいは実証実験の支援を通じました地域特性ごとのモデルの構築などに取り組みまして、地域の交通などの課題の解決に資するMaaSの展開に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

○西田実仁君 最後に、大臣にお聞きしたいと思います。
今テーマにしましたこのMaaSですね、このオープンデータ化の問題でありますとか、あるいは、このまさにビッグデータをどう整理するかという意味では新しいシステムアーキテクチャーみたいなことも考えていかなければ多分対応できないんだろうと思います。道路が発する情報もあるし、車が発する情報も、そうしたことをどう組み合わせて最適化していくかという新しいこの概念のMaaSについて、またオープンデータの活用について、大臣としてどのような所感をお持ちなのか、お聞きしたいと思います。

○国務大臣(平井卓也君) 社会全体のデジタル化が進む中で、様々なデータを広範かつ自由に活用して経済成長に役立てていくことは重要な課題です。その中で、国及び地方公共団体、企業等が保有するこういう公共データをオープンデータとして提供することで、新たなビジネスの創出や行政サービスの効率化につなげることが期待されています。
オープンデータの推進は、議員立法により成立した官民データ活用推進基本法により、国及び地方公共団体の義務として位置付けられており、これまで政府としては、データの公開、活用を希望する者と関係府省庁が直接対話を行うオープンデータ官民ラウンドテーブルを開催し、ニーズのマッチングを行ってきました。また、二〇二〇年度までに全ての自治体がオープンデータに取り組むという目標達成のために、ガイドラインや活用事例集の提供、オープンデータ伝道師の派遣などの人的、物的支援を積極的に今行っているところです。
委員のお話のとおり、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会が迫っておりまして、期間中、大量の外国人来訪者や生活者がストレスなく移動、生活できるようにするためには、様々な言語、属性に応じたきめ細やかな対応が必要だと思います。この点、二〇一二年のロンドンや二〇一六年のリオでの経験を踏まえ、公共交通や病院等の施設情報、バリアフリー情報やイベント情報等、様々なデータをオープンデータ化することが鍵となると考えます。それにより、企業や市民の自由なイノベーションを促して、便利なアプリケーションの開発を進めることができると思います。
二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機に我が国のオープンデータ活用が飛躍的に高まることを目標として、更なるオープンデータの提供に向けて自治体や関係企業等の取組を積極的に支援していきたいと考えております。

○西田実仁君 終わります。

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