198-参-内閣委員会-020号 2019年05月30日


2020年4月9日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
この地方分権改革の一環として、平成二十六年から個々の地方公共団体の意見を広く取り上げる提案募集方式というのが取り入れられております。この平成三十一年の提案募集につきましては、提案の裾野を広げるための取組がなされるとともに、提案の熟度向上のための取組もなされております。
一方、こうした対応が措置された場合に、条例の制定等、提案募集の成果を住民に還元する取組ということはどうなっているのかと。各府省に委ねられることも多いとは思いますけれども、取りまとめをしております内閣府といたしましても、こうした提案募集の成果の還元ですね、こうした一括法が成立をして、それが住民にどの程度還元されているのか、そこをきちんとフォローしていくべきではないかということをまずお聞きしたいというふうに思います。
一例として、平成二十七年六月に成立しました第五次地方分権一括法。ここでは、長年地方からの要望の多かった農地転用許可権限の地方への移譲が実現をいたしました。これは、一応説明しますと、農地転用許可制度を適正に運用し、また優良農地を確保する目標を立てるなどの要件を満たしている場合には、農水大臣がこの市町村を指定いたしまして、その指定市町村は都道府県と同様の権限を移譲されると、こういう仕組みになっているわけでございます。
実際に、もうこれから四年がたとうとしているわけでありますけれども、この権限移譲に関しまして、やはり事務が煩雑である、あるいは責任が重くなる、こういうことを懸念いたしまして、実際にはその要件等を満たす可能性があるところでも、なかなかこの権限移譲の申請というものに腰が引けてしまうという基礎自治体も実際には散見をされると。私も、地元で幾つかそういう話をお聞きをいたします。
しかし、市民の立場からしますと、住民の立場からしますと、やはり申請から許可までの審査期間が短い。かつ、県に一々聞くと、離れたところにありますから、なかなか地元の事情も分からず時間も掛かるとともに、やっぱり町づくりそのものはやはり一番住民に近い基礎自治体において行うべきでありますので、本来であればこうした権限を十分に活用していただく必要が、そのために法律改正もしているということだろうというふうに思います。
なぜこういうふうに腰が引けてしまうのかということを、今日はまず最初に取り上げたいと思います。
そこで、まず農水省に、この農地の転用許可等に係る指定市町村の指定状況の現状をお聞きしたいと思います。

○政府参考人(高橋孝雄君) お答えいたします。
ただいま委員から御指摘ございました農地転用許可に係る指定市町村の指定状況につきましては、平成三十一年の三月現在で二十三の道府県の五十九の市町が指定市町村となっているところでございます。

○西田実仁君 五十九の指定市町村があるということでございます。
今、私が申し上げた問題意識は御理解いただけたと思いますけれども、この第五次一括法により措置された権限移譲について、その基礎自治体が住民サービスの一環という意味も含めてどう活用していくのをそれを後押しするのかということを農水省としてどう取り組んでおられるのか、お聞きしたいと思います。

○政府参考人(高橋孝雄君) お答えいたします。
指定市町村となりますと、先ほど委員からもお話ございましたように、農地転用許可権限が都道府県から市町村に移譲されることになります。これによりまして、申請者にとりましては申請から許可までの日数が短縮される、あるいは、市町村にとりましても現地の状況把握あるいは庁内の調整が円滑化する等のメリットが生じているところでございます。
このため、農林水産省といたしましても、できるだけ多くの市町村が本制度を活用できますよう、研修の場などを通じまして制度の活用事例あるいはメリット等につきまして周知を行うとともに、市町村からの相談にもきめ細かく対応してまいりたいと考えてございます。

○西田実仁君 ここで片山大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、この提案募集方式によりまして、法改正、今の一括法もそうですし、また義務付け、枠付けの見直しで権限が移譲されていながらも、必ずしもその成果というものが住民に還元されていないのではないか。今後、内閣府として、今のは一例として農地法の話をいたしましたけれども、全般的にこれまで、また今回も含めれば九次あるわけですけれども、これが住民の方にどう還元されたのかというフォローを、あるいはその活用するための後押しをどのようにするのか。各府省ではあるんでしょうけれども、取りまとめをする内閣府としての取組をお聞きしたいと思います。

○国務大臣(片山さつき君) この提案募集方式で、まさに地方からの発意とその多様性を重視して、住民に身近な課題、それを現場の知恵と工夫で具体的に解決するための地方分権の提案募集方式ということでこの平成二十六年以降やってきて、子ども・子育て、農地、農業、都市計画など、相当幅広い分野にわたってやってまいったわけでございますが。
まず、確かに、提案募集方式でこういうことができましたということが知られているのかということがまずあります。これは、農地のことについてはまた私も思いがありますので後でお答えいたしますが、一般的に知られているのかということ。知られていなければ御活用もできないということですから、まずこの提案募集方式のハンドブック化、それから取組成果事例集を作成して、あらゆる機会を通じ、あらゆる媒体を通じ、一層その活用がなされるように普及する、普及するという努力はしてまいりました。ハンドブックは昨年は八万部まで増えました。ただ、数の問題じゃないですけどね、これをちゃんと見ていただいて活用していただいているかということなんですが。
例えば、地方版ハローワークなんかは三百八十自治体の七百六十七か所で、埼玉県も含めてですね、これは非常に事例が広がって就労支援も増えたということはあるわけで、広がれているものもあります。広がれているものについては、やはり住民の皆様の実感も、ああ、便利になったなというのは確実にあるとは思うので、これからも先進事例の普及や情報発信を強化をして、できるだけ、せっかく決まった以上は、法改正までするわけですから、お使いいただきたいということでやってまいりたいと思います。
また、先ほどの農地転用の問題につきましては、これはもう大問題でございまして、私も出身が埼玉なので、時々いろんなお話の相談を受けるんですが、確かにもう相当、何でこれが動かないのというのは、何でというのは相当見聞きをいたしておりますよ。その中には、知らないということよりも、やはりもう一段やりやすくしないと難しいからなのかなという部分も含めて、率直にあると思います。
つい先日も、国家戦略特区の農業版ということでは最初に指定させていただきました新潟市を市長、首長とともに回ってまいりまして、三軒農家レストランもできて、それなりの発展はあるんですよ、それなりの。しかし、あるところで、じゃ、これから今どうしようという状況になっている中で、もうただでいいからこの農地代わってくれないという話が実際にこれとこれであるというようなお話も見聞きして、ちょっとパラダイムが違ってきているのかなと、その面積ではなくて、収量とか収益とかいうことで。
我々も、ですから、その地方創生の中で、企業経営的な、地域経営的な要素をもうちょっと入れないとということを申し上げているわけですが、そういったことも捉え合わせて農水省さんの方でも現場感覚でこの数年間を振り返っていただいて、また次の展開もあるのかなというふうに思う部分がこの問題についてはありますが、全般については、やはり周知徹底と使いやすさの改善ということですね、法改正を受けてできるだけきちっとさせていただきたいと、かように思っております。

○西田実仁君 農地転用の許可権限については、今大臣からも実際のお話をお聞きしましたけれども、やはり本当は市民に近いところで判断した方がいいんだけど、市民に近いからこそ逆に判断すると顔見知りということもあってなかなか難しくて、むしろ県に置いておいてもらった方がいいみたいな本音も幾つかの基礎自治体から聞いておりまして、そういう責任の在り方というのもちょっと何か工夫しないと、なかなか実際にはそういう意味で使いにくい面もあるのかなという気はしているんです。
この後もちょっとお聞きしますけど、社会教育施設と高齢者福祉施設の複合化が進んでいる。公共施設が老朽化して、それを複合化させることによって再生していくというようなスキームが、今回この一括法の中でも公立社会教育施設の所管を教育委員会から首長部局へ移管するという話として出てきているわけですけれども。
これ、質問通告していないんですけれども、大臣、よくいろんなことを御存じだからあえてお聞きしますけれども、この補助金の在り方なんですけれども、複合化したときに、単独では補助金が出るのに複合化すると出ないとかですね。そうすると、せっかくこういういろんな権限を移譲して、人口減少、老朽化対策をするということでスキームをつくっても、補助金の方が今度縦割りのまま残っていて、かえってそういうことができるんだけれどもやらない、できない、かえってやると損しちゃう、損するって変ですけれども、負担が増えてしまうという声が聞かれるんですね。
ですから、こういう権限の移譲をしていろいろ複合化していくということは望ましい方向だと私も思いますけれども、しかし同時に、補助金も省庁の縦割りではなくて、やはりもっと使えるような、そういうフォローも是非内閣府としてもいろいろ考えていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(片山さつき君) まさに、御指摘のようなことは実際に遭遇することがございます。ですから、元々日本は行政の仕組みを非常に精緻につくっておりますので、真面目な国民性ということで。そういうことの中で、統合を行って、うまく使い勝手が良くなったということの方にくっついてこないということもあって、気が付くとその翌年に何とか対応したりしているんですが、その間の一年間は何だったのよになったりすることがございます。
この部分は、横に査定しておりますのは本来は財務省でございますから、私たち現職だったときにはその辺辺りも見るように言われていたんですけれども、なかなかそこまで目が届かないところもあるんでしょうが、政府全体でありとあらゆるレビューを四種類ぐらいやっていますから、いろんな主体で。そういったところできちっとチェックしなくちゃいけない部分だと思いますし、地方創生という観点では、我々は推進交付金を制度として持たせていただきながら、各所管分野の補助金もあるわけで、基本的に同じことについては二つ乗っけないことにしてあるんですが、それじゃせっかく地方創生で新たなアイデアを出したのに意味がないとおっしゃるところもあって、そこは上手にプラスアルファの方の新たな付加価値として付け加わっている部分のプロジェクトと、もう本当に土着的に前からある各省のプロジェクトが切り分けられれば併用できるわけでございますが、こういった知恵を出すことも我々の仕事だったりするものですから。
いずれにしても、無駄に使われず、ちゃんとKPIができるような生きた予算であれば、むしろ柔軟化した方がこれは財政当局にとってもいいはずですから、これからも御指摘の点を踏まえながら、結果的にいいというふうに持っていけるように努力をしてまいりたいと思っております。

○西田実仁君 ありがとうございます。
是非、様々なところで基礎自治体の方からも御要望もいただいておりますので、また御相談をさせていただければと思います。
では、地方独立行政法人法の関連でお聞きしたいと思います。
国立大学法人は、平成二十八年五月に成立した国立大学法人法の一部を改正する法律によりまして、その対価を教育研究水準の一層の向上に充てるため、教育研究活動に支障のない範囲に限り、文部科学大臣の許可を受けて土地等を第三者に貸し付けることが可能になっております。
この国立大学法人における土地等の第三者への貸付けはどの程度実施されているのか、具体例を挙げて御説明をお願いします。

○政府参考人(玉上晃君) お答えいたします。
今先生御指摘のとおり、国立大学法人においては、二十八年五月の国立大学法人法の改正に行われておりますが、この仕組みを活用して、平成三十年度末までに九大学において十二の貸付事業について認可をしております。具体的な事業といたしましては、教育研究施設としての活用を含む民間事業者のための事務所ビルでございますとか、第三者に駐車場を使途として貸付けを行う、又は環境保全に係る再生可能エネルギー発電事業など、貸付事業を通じて新たな財源を確保するのみならず、大学の教育研究に資する事例も出ております。

○西田実仁君 今度はこの法律案で公立大学法人もできるようになるということでありますけれども、その際には、地方独立行政法人を設立する地方公共団体の長の許可を受けることになっております。その判断基準はどうなっているんでしょうか。

○政府参考人(玉上晃君) お答えいたします。
公立大学法人の場合でございますと、土地につきましては、地方公共団体から出資されて教育研究活動を行っているということから、設立団体の長の認可を得ることとしております。その具体的な認可基準については、各地方公共団体が定めることとしております。
国立大学におきましては、既に文部科学大臣決定を平成二十九年に定めておりまして、その中では、業務の遂行や財産の管理上支障が生じないか、土地等の貸付けが公共性、公益性を損なうおそれがある用途に使用しないか、当該土地等が現に使用されていない理由及び将来的にどのように当該土地などを使用するのかについて明確になっているかなどといった判断基準に基づき認可しているところでございます。
各公立大学法人の設立団体におかれましても、これらを参考にしつつ、各地方公共団体の条例ですとか各種の規定なども踏まえ、適切に定められるものと考えております。

○西田実仁君 次に、社会教育法、図書館法、博物館法等についてお聞きしたいと思います。
現行法では、公立社会教育施設は教育委員会が所管するとされておりまして、昨年十二月の中央教育審議会の答申においても、今後とも教育委員会が所管することを基本とすべきとされております。
しかし、それはこれまでもありました政治的中立性等の理由ということだと思いますけれども、今回は教育委員会から首長部局へ移管することができるように方針転換をいたしました。
そもそも、その公立社会教育施設における政治的中立性とは具体的にどのようなことをいうのか、その解釈についてお聞きしたいと思います。

○政府参考人(塩見みづ枝君) お答えいたします。
教育基本法の第十六条第一項におきまして、教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものと規定されておりまして、社会教育施設における社会教育を含めた教育につきましては、一部の勢力に不当に介入されることなく、中立的に行われる必要があるというふうに考えております。
また、社会教育施設であります公民館につきましては、社会教育法第二十三条第一項第二号におきまして、特定の政党の利害に関する事業を行い、又は公私の選挙に関し特定の候補者を支持することを行ってはならない旨規定されておりますが、本規定は公民館の政治的中立性を確保するために設けられているものでございまして、公民館を政党又は政治家に利用させることは一般的に禁止されませんけれども、例えば公民館を特定の政党に特に有利又は不利な条件で利用させることや、特定の政党に偏って利用させるようなことは許されないというふうに考えております。

○西田実仁君 介護保険法についてお聞きしたいと思います。
今回の法改正によりますと、事業所で不正事案が発生した場合、事業所への立入検査に加えて事業者本部への業務管理体制の検査による包括的な確認が可能になるわけでありますが、この権限移譲で中核市は当然事務負担は増えていくわけでございます。
提案募集検討専門部会、一昨年の十月に行われたところでも、中核市において適切な業務管理体制がしかれるよう、研修等の支援の必要性が指摘されております。
中核市への具体的な支援の在り方について、厚労省にお聞きしたいと思います。

○政府参考人(諏訪園健司君) お答えいたします。
介護サービス事業者の業務管理体制の整備及び監督権限につきましては、介護サービス事業者の不正事案の再発を防止し、介護事業運営の適正化を図る観点から、個別の指導監督とは別に平成二十一年度に創設されたものでございます。これにより、事業者に対して業務管理体制の整備を義務付けるとともに、厚労省及び自治体に対して事業者本部への立入検査や是正命令に関する権限を整備したところでございます。
現在、中核市における業務管理体制の整備及び監督の権限につきましては、地域密着型サービスのみを行う介護事業者に係るものが対象になっております。事業者に対する業務管理体制に係る指導権限、現在都道府県、そしてサービス事業所の指定及び指導監査権が中核市と、このように分かれておりましたところ、今般の権限移譲によって、中核市における介護サービス事業所の指定及び指導監督権限との一元化が図られることになるわけでございます。
これにより、事業所への立入検査と事業者本部への業務管理体制の包括的な確認が可能となり、迅速かつ効率、効果的な監督に資する一方で、委員御指摘のとおり、中核市における事務負担は一定程度増加するものと考えられます。
このため、厚生労働省といたしましては、二〇二一年四月の施行に向けて、国主催の研修会を開催し、新たに増える業務に係る知識、情報をお伝えするとともに、実務担当者間での情報交換の場を設けるなど、中核市が円滑に新しい事務を実施できるように努めてまいりたいと考えております。

○西田実仁君 終わります。

TOP