201-参-総務委員会-005号 2020年03月18日


2021年9月18日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 早速質問させていただきたいと思います。
 地域社会再生事業費の使途についてお聞きしたいと思います。
 令和元年度の税制改正大綱におきましては、地域間の財政力格差の拡大等を踏まえ、都市と地方が支え合い、共に持続可能な形で発展するために、特別法人事業税及び特別法人事業譲与税が創設をされました。
 当時、都市と地方それぞれから様々な意見がある中、この今申し上げました、都市と地方が支え合い、持続可能な形で発展していくというこの目的に照らして、取りまとめを私も税調でやっておりましたので、よく鮮明に覚えているところでございます。
 今回、地財計画の中にはこの財源を活用するために地域社会再生事業費四千二百億円、これが計上をされております。
 そこで、当時、自治税務局長だった内藤自治財政局長にまずお聞きしたいと思いますが、この地域社会再生事業費、これは地方法人課税の偏在是正措置で浮いた、活用するお金として計上されているわけですけれども、譲与される団体においてどのように活用されることが期待をされて創設されたのか、それをお聞きしたいと思います。

○政府参考人(内藤尚志君) お答えを申し上げます。
 今お話ございましたように、地方法人課税の在り方をめぐりましては、令和元年度税制改正におきまして、大都市部からの御意見を含めまして様々な御議論があったわけでございますけれども、最終的に大都市部が将来にわたり発展していくためには地方の活力の維持が不可欠であり、都市と地方が支え合い、共に持続可能な形で発展していくために、新たな偏在是正措置を講ずることとされたところでございます。
 その具体的な対応につきましては、財源の一部を財政健全化に活用することも考えられたわけでございますけれども、一方で、地方からは、都市と地方が支え合う持続可能な社会の構築に向けて、偏在是正措置により生ずる財源の全額を歳出に計上し、より実効性のある措置とするよう提言がなされたところでございます。
 現在、地方では、人口減少、少子高齢化が長期にわたって進行していく中で、地方創生を推進するための基盤でございます地域社会の持続可能性の確保は急務となっているところでございます。
 地域社会再生事業費は、こうした状況を総合的に勘案をいたしまして、令和二年度の地方財政計画において偏在是正措置により生ずる財源の全額を活用して計上したものでございまして、地方団体におかれましては、この財源を活用して地域社会の維持、再生に向けた取組を積極的に行っていただきたいというふうに考えているところでございます。

○西田実仁君 まさにそういう目的なわけでありますが、これが、もちろん地域社会の維持、再生ということで、借金の返済に回る場合ももちろんあるのかもしれませんけれども、しかし、それがほとんどになってしまいましたら、何のためにこれを創設したのかというふうに正直思います。
 そこで、総務大臣にお聞きしたいと思いますけれども、この財源は、やはり地域に住む住民の方が偏在是正措置の効果を実感できると、そういう歳出に使ってもらわなきゃいけないというのが、そもそもこれ国税で、正直言って、吸い上げると言ったら変ですけれども、取って、それを偏在是正措置として地方に分配していくわけでありますので、そういう改正の趣旨というものを各団体にどのように周知徹底していくのか、お聞きしたいと思います。

○国務大臣(高市早苗君) 地域社会再生事業費の趣旨につきましては、もう内藤局長から説明申し上げたとおりでございますし、今、西田委員がおっしゃったものでございます。
 これをどう伝えていくかということですが、これまでも説明会やヒアリングなどの機会を通じて地方団体には情報提供を行ってきております。引き続き、周知にしっかりと努めてまいります。

○西田実仁君 続いて、緊急防災・減災事業費についてお聞きしたいと思います。
 いわゆるこの緊防債でありますけれども、東日本大震災を契機に、全国防災の一環として創設されました。そういうこともありまして、復興・創生期間である二〇二一年度までの措置となってございます。対象事業への充当率は一〇〇%、その元利返済のうち七割が交付税措置されますので、自治体負担は三割と軽減される、まさに緊急で防災・減災事業をしていくという趣旨であろうかと思います。
 その対象事業の一つとして、津波対策の観点から移転が必要と位置付けられました公共施設等の移設がございます。津波浸水想定区域内にあり、地域防災計画上必要な災害対策の拠点となる施設の移転を図ろうとする場合に、この緊防債が使えるということであります。
 ただ、昨年の台風十九号による河川氾濫に見られるように、大雨、台風等による浸水想定区域にある消防署が例えば移転しようとする場合には、この緊防債の対象には従前なってございませんでした。実際に、昨年、私の地元におきましても、この台風十九号に見舞われましたある消防署が移転計画を進めてこれを使おうと思ったところ、なかなか対象になっていないということでございましたが、是非これを緊防債に適用すべきであると、こう強く私自身も要望してまいりました。
 そこで、総務大臣に、頻発する河川氾濫等の水害が繰り返される中、いざというときに人々の命を守る消防署の移転に関して、津波浸水想定区域からの移転、建て替えのみならず、洪水による浸水想定区域等からの移転についてもこの緊防債の対象事業として加えるべきと、こう従前から要請してまいりましたが、どのように措置されたのか、お聞きしたいと思います。

○国務大臣(高市早苗君) 西田委員からは、今の件につきまして非常に強い御要請を受けてまいりました。
 令和元年台風第十九号による大規模な浸水被害などを踏まえまして、令和二年度から本事業債の対象事業を拡充することとしております。具体的には、今御紹介いただいた洪水浸水想定地域などからの消防署の移転事業、また指定避難所や災害対策の拠点施設における電源整備のかさ上げ、また機械施設への止水板の設置などの浸水対策事業を新たに対象に追加をしております。
 是非とも、地方団体においてはこの事業債を積極的に御活用いただきたいと存じます。

○西田実仁君 ありがとうございます。
 ただ、この緊防債、先ほどもお話がありますように、来年度までの措置とされております。ただし、来年度に建設工事に着手した事業については、令和三年度以降も現行と同様の地財措置が講じられるというように伺っております。
 ただ、今度新しく、そういう意味で、浸水想定区域からの消防署の移転が対象事業に加わった、加わるという地財計画になっているわけですけれども、まあ来年度からです、四月からですね。そうすると、これはもう言うまでもないことですけれども、じゃ、消防署を移転しようというふうに計画しても、来年度に建設工事に着手するというのは相当大変であります。あえて申し上げさせていただきますけれども、基本構想、基本計画の策定、基本設計、実施設計の委託、実施設計完了後、入札を実施し、落札者と仮契約をした後に議会の議決を受け、本契約に至ると。そういう意味で、相当な困難があるというふうに思っております。
 総務大臣にあえてお聞きいたしますけれども、この緊防債については、新たに加わった対象事業も今御指摘のとおりございまして、それらが自治体に活用していくためにも、是非、再来年度以降もこの緊防債、継続をしていただきたいと考えますけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(高市早苗君) 緊急防災・減災事業債につきましては、地方団体からもこの事業期間の延長を求める強い要望をいただいております。まずは、地方団体が来年度に整備予定の事業に安心して取り組んでいただけますように、来年度末、つまり令和三年三月末までに建設工事に着手した事業については、今回、令和三年度以降も現行と同様の地方財政措置を講ずることといたしました。
 その上で、令和三年度以降のこの事業の在り方については、今委員から御指摘いただきましたようなケースもありましょうし、地方団体の取組状況やそれから御意見も十分にお聞きして判断をしてまいります。

○西田実仁君 ほかにも、学校の体育館のエアコン設置等もいろいろ計画をして、一気にできるわけじゃありませんので、来年度にももちろんやるところもあるでしょうけれども、来年だけでは終わらないというところも当然あります。そういったところの意見もよく聞いていただいて、判断をいただきたいというふうに思います。
 次に、自治体間連携によります温室効果ガス削減についてお聞きしたいと思います。
 私の地元、埼玉の秩父市は東京の豊島区と提携をしておりまして、昨年四月から始まりました森林環境譲与税を活用いたしまして、秩父市内の市有林の一部をとしまの森というふうにして整備をしてございます。秩父市としては、都市部の森林環境譲与税を秩父地域に還流してもらう仕組みの一環として、また豊島区としては、森づくりで森林が吸収するCO2によって区内で発生するCO2を相殺する一環として、両者がウイン・ウインの関係を築くことができるとして事業化したということを伺っております。
 こうした自治体間連携による温室効果ガスの削減策については、新年度から森林環境譲与税がほぼ倍増されるということも聞いておりまして、今後更に増えていくものと思われます。
 実際、秩父市でも、他の自治体との連携も更に進めていきたいと考えている一方、森林のない自治体においても、森林環境譲与税の活用として、こうした森林のある自治体との連携を模索したいと考えているところが少なくありません。しかし、都市側の自治体には、どのように森林のある自治体にアプローチすればよいのか分からないとの率直な意見も聞いております。
 そこで、大臣にお聞きしたいと思いますが、こうした自治体連携による温室効果ガスの削減を推進するため、山のある自治体と山のない都市側の自治体とのマッチングに国や県がより積極的な役割を果たしていくべきではないでしょうか。森林環境譲与税の利活用の観点も踏まえ、国や県がどのような役割を果たしていくべきか、御所見をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(高市早苗君) 森林環境譲与税の創設目的を考えますと、今、西田委員から御紹介のありました秩父市と豊島区のようなお取組、つまり、山間部と都市部の地方団体が連携して森林環境譲与税を活用した森林整備の取組を進めるということは非常に有効だと思います。
 これから、関係省庁や都道府県とも連携をしながら、優良事例の横展開ですとか、また地方団体の御相談に応じるということで、地方団体間の連携による効果的な事業が推進されるように努めてまいります。

○西田実仁君 是非お願いしたいと思います。
 この秩父は荒川の源流でございまして、異常気象による水害を防ぐべく、秩父地域の森林による保水力を試算しております。きちんと森林整備を施せば、秩父地域にある四つのコンクリートのダム調整容量の三分の二、すなわち東京ドームの七十二個分の保水力があることが明らかになってございます。自治体間連携では、こうした河川上流の森林の役割を下流の住民が学ぶ環境教育の役割もございます。森林の保水力を維持するため、秩父郡市では唯一、森づくり課のある秩父市が、一市四町の森林環境譲与税を活用し、秩父郡市が所管する人工林の集約化業務も進めてきてございます。
 こうした気象変動と防災に果たす自治体の役割というのは、今後日本が世界に発信していくべき重要な分野であると思っておりまして、折しも国連の防災機関では、災害に強い都市の構築を目指してキャンペーンを進めております。本年六月には、豪州におきましてアジア太平洋防災閣僚会議が開催されます。
 例えば、こうした国際会議において、気象変動と防災に果たす自治体の役割について互いの知見を交換し合う議論の場を持つべきではないでしょうか。内閣防災にお聞きしたいと思います。

○政府参考人(村手聡君) お答え申し上げます。
 気候変動により世界的に災害リスクが高まることが予想される中、災害に強い地域の構築というのは重要な課題と認識してございます。
 二〇一五年に、我が国が主導して国際防災世界会議において取りまとめました仙台防災枠組におきましても、自治体の防災というのは重要なテーマとして取り上げ、七つのグローバル目標の一つとして、二〇二〇年までに地方の防災戦略を有する国家数を大幅に増やすことを掲げ、指導原則といたしまして、地方自治体による災害リスク削減の能力を強化することが必要として、地方レベルの優先行動を促すなど、地方自治体の役割について強調をしております。
 この目標の達成を支援するため、これまでも内閣府におきましては、世界各国の自治体職員のアジア防災センターへの受入れとか、また官民防災セミナーへの招聘などを通じて貢献をしてきてございます。
 また、一昨年に、国連防災機関、UNDRRが主催いたしましたアジア防災閣僚級会議におきまして、当時のあかま副大臣がテクニカルセッションの議長を務めまして、我が国の地域防災計画について御紹介を申し上げ、地方レベルの防災戦略を策定することが仙台防災枠組による防災の根幹を形成すると強調いたしまして、各国からの賛意を得たところでございます。
 気候変動により災害が多発する中で、我が国の自治体において蓄積された災害対策の貴重な経験やノウハウを世界と共有することは重要なことでございます。今後も、UNDRRと連携いたしまして、先ほど御紹介ございました、六月にオーストラリアで開催される予定でございますアジア太平洋閣僚会議とか、また同機関が提唱されている都市を強靱化するためのキャンペーンにおきまして、自治体防災の重要性を強調するとともに、我が国自治体の知見を共有することなどによりまして、防災先進国として、災害に強い国際社会の実現に向け、議論を先導してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。

○西田実仁君 終わります。

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