190-参-予算委員会-008号 2016年03月03日


2016年3月3日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 今、自民党、公明党の連立政権におきまして、経済再生、すなわちアベノミクスの成功、また一人一人が輝く一億総活躍社会、これを実現していくための大きな鍵となるのは地方創生であると私は思っております。
 今、この地方創生につきましては、それぞれの自治体が自主的に取り組んでいくことが最も大事でありまして、今地方版の総合戦略というものが立てられているところでございます。しかし、今後の少子高齢化問題あるいは防災面等々を考えたときには、こうしたそれぞれの自治体の取組だけでは十分とは言えないかもしれません。むしろ、そうした自治体同士が広域に連携をすることによって、様々な諸課題を解決をしていくということがとりわけ大事ではないかというふうに思います。
 一つ事例を挙げさせていただきますと、例えば首都直下地震への対応ということがございます。この首都直下地震、マグニチュード七クラスの地震が三十年以内に七割の確率というふうに言われております。万が一そうなった場合には、一か月以上の避難生活を強いられる方が四百万人ぐらいいるのではないかと、このように内閣府の試算でなされているわけでございます。
 そうしたときに、応急住宅をどうするのかという問題があります。一世帯二・七人という平均で換算いたしますと、必要な応急住宅は約百八十万戸ということになります。しかし、一つの県やあるいは都だけで短時間にこの百八十万戸の住宅を生み出すということは大変難しい。しかし、これを広く目を転じて一都十一県、東京に加えまして千葉、埼玉、神奈川、茨城、栃木、群馬、さらには長野、新潟、福島、山梨、静岡と、この一都十一県と広く広域の首都圏で見ますと、今賃貸住宅で空き家が実は百九十万世帯あるということであります。したがって、広域連携をすることによって、万が一そうした首都直下地震が起きたときにも、被災して避難生活を強いられても翌日から温かいお風呂に入ることができる、そういう可能性すらこの広域連携にはあるということであります。
 また、高齢化の問題も同様でございまして、特に東京圏におきましては、今後、二〇三〇年に向けては二百万人、さらには、一旦減りますけれども、二〇五五年というこれから四十年先を見ますと三百四十万人まで七十五歳以上の人口が増えていく。しかし、この東京圏を除きますと、実は二〇三〇年をピークにこうした七十五歳以上人口というのは減っていくわけでございまして、これをうまく広く連携することによって、こうした高齢化の問題についても解決をする可能性があります。実際に、東京都杉並区におきましては、静岡県の南伊豆町というところと提携をして、特別養護老人ホームをそちらに建てているというケースもございます。
 こうした地方創生につきましては、地方が抱える高齢化や人口減少、防災等様々な課題がございますけれども、地方自治体が広域に連携をして諸課題に取り組むことがとりわけ重要ではないかと考えますけれども、地方創生担当大臣、いかがでございましょうか。

○国務大臣(石破茂君) 昨年の十月の二十八日だったと思いますが、さいたま市におきまして東日本の地方創生連携フォーラムというのがございました。私も行ってお話をしてまいりましたが、間もなく北海道新幹線も函館まで行きますが、その会合には函館市長、あるいは東北新幹線の沿線の市長、上越新幹線、北陸新幹線沿線の首長さんがお集まりになりまして、委員が御指摘になりました防災であるとかあるいは観光であるとか、そういう広域連携のお話を随分活発になさっておられました。
 これから先、間違いなく人口は減るわけです。首都圏というのは人類が経験したことのない規模とスピードで高齢化が進むわけで、そうすると、どうやってそれに対応するか、またいろんな施設をどのようにして共用していくかということも考えていかなければなりません。
 また、観光というのを考えたときに、成田とか羽田だとかにぽおんと下りてゴールデンルートだけ行っていても仕方がない話であって、どうやって近隣で連携し、これから先、定住人口はしばらく減るわけですから、交流人口をどれだけ増やすかということであります。
 ですから、一つの自治体だけで事が完結するはずはないのであって、防災においても、あるいは観光においても、あらゆる面で連携というのは極めて重要であると。で、埼玉の果たす役割というのはその中で非常に大きなものがあるだろうと思っております。
 地方創生というのは、首都圏、東京の人や富を全国にばらまこうなんぞという、そういうつまらぬ取組ではございませんので、広域的な連携を通じて、首都圏というのもその持てる力を更に発現していくような、そういうような取組をお願いしたいと思っております。

○西田実仁君 大臣、埼玉の名前を何度も言っていただき、ありがとうございます。
 この広域連携というのは、自治体同士の連携はもちろんですけれども、加えて、国やあるいは民間の企業との連携ということも必要になってくるというふうに思います。しかし、その連携していくためには当然共通のビジョンというもの、なければなりません。その共通のビジョンを打ち立てていくために、今広域地方計画というものが立てられているというふうに聞きます。その計画を立てるために自治体、国、民間が連携をして広域地方計画協議会というものをつくり、そこで共通のビジョンを作成し、加えて、ビジョンのみならず具体的なプロジェクトも作ろうとしているということであります。
 これは、かつていわゆる何全総と言われた全国総合開発計画とは違いまして、まさに地元から、地域から積み上げていって、国や、また国だけでなく自治体そして民間と、みんなが協議をしていく中で積み上げていく、そういう上から目線とは違う地域からの積み上げによる国土の利用計画であると私は思っております。
 この広域地方計画協議会というものが既にもうでき上がっておりまして、これにつきまして、今の活動状況、また広域地方計画の策定状況について、国土交通大臣にお聞きしたいと思います。

○国務大臣(石井啓一君) 昨年、新たな国土形成計画の全国計画が閣議決定されたことを受けまして、現在、全国八つの広域ブロックごとの国土づくりの戦略となる広域地方計画の策定を進めております。計画の策定に当たっては、各ブロックにおいて、今委員から御指摘がありましたように、地方から声を上げていただく、地方から積み上げていく、そういった仕組みとしまして、地方自治体、経済団体及び国の関係機関から成る広域地方計画協議会を設置をし、広域的な地域間連携の在り方や官民協働のプロジェクトの検討、協議が行われているところでございます。この二月には各協議会において計画原案が取りまとめられたところでありまして、パブリックコメント等を経て、今年度中をめどに決定をする予定でございます。
 決定後は、広域地方計画協議会を中心としまして、地方創生との連携、調整を図りつつ、国と地方、官民の連携により計画を推進していくことが重要と考えております。

○西田実仁君 まさに今御指摘いただきました広域地方計画こそアベノミクス成功の中心的な鍵を握ると私は思っております。
 今手元にございますのは首都圏の広域地方計画と言われるものでございまして、先月二月の二十五日に策定をされたもの、原案であります。ここには様々なことが書かれてありますけれども、一言で申し上げますと、対流型首都圏をつくっていく、それぞれ個性の違う地域が連携を広くすることによって対流を、温度差による対流という、その対流を起こして、首都圏一体となって活性化していこうと、こういうことであります。
 例えば観光客を見ていただきますと、今外国から訪日旅行客が増えております。しかし、その七割は東京に集中をしています。しかし、日本人も含めた全体の旅行客で見ますと、東京のシェアは七割ではなくて三割であります。つまり、東京以外の栃木とか茨城とか群馬とか、あるいは静岡とか福島とか北陸とか、そういうところに、日本人はいろんなところにいいところを見出して宿泊しているんですけれども、訪日する外国人は東京に一極集中している。これをどう変えていくのかという視点も述べられておりまして、図を御覧いただきたいと思います。(資料提示)
 この都県別外国人延べ宿泊者数の試算というものでございまして、緑の帯は現在の状況、そしてこれをそのまま外国人三千万人の時代といったときに、単純拡大してしまうと、東京に実は二千九百五十四万人宿泊しなきゃいけなくなってしまうと。現状は千三百万人なんですけど、これが二千九百五十四万人、これを東京で全部収容するのはとてもとても無理であります。しかし、日本人も含めた旅行客全体の割合に分散し直しますと、東京は今と同じ千三百万人の外国人で済むわけですね。逆に、千葉、神奈川、埼玉、栃木、群馬、山梨、茨城、静岡、長野、福島、新潟と、いずれも増えていくと。つまり、東京に一極集中している訪日旅行客の方を、今、日本人が宿泊しているのと同じように広域に分散をしていくことによって約五百万人分ぐらいの旅行客の需要が生まれてくるということでございます。
 これは大変地方創生にとっては大事でありまして、外国の旅行客十人で定住人口一人が年間に消費するのと同じ消費をしてくれるということでありますので、五百万人が分散されて宿泊すると、外国人が旅行で泊まるということになると、五十万人分の定住人口が東京以外のところに生み出されるという、そういう効果をもたらすということでございます。それだけ大きな効果があります。
 防災面におきましても、これは防災・減災ということは成長・発展戦略とまさに一体で考えていかなければならないわけで、そういうことがこの首都圏の広域地方計画にも書かれてございます。
 この対流型首都圏をつくっていくという中にあって、先ほど石破大臣もお触れいただきましたけれども、その一つのプロジェクトに東北と北陸と北海道をつなぐ首都圏対流拠点の創出というプロジェクトが実はこの原案の中に盛り込まれております。これは、昨年の北陸新幹線、そして今年三月、今月、三月二十六日の北海道新幹線がいよいよ開業することを生かしまして、首都圏と東北、首都圏と北海道、そして首都圏と北陸、これをつないでいく、連携を強化するために、新幹線の六つの路線が集結するのが実は大宮でございまして、その玄関口となる大宮を対流拠点として位置付ける、そして首都直下地震の際にはさいたま市が首都圏のバックアップ拠点として機能してもらう、そういうプロジェクトとして作られているわけであります。
 例えば、先ほど東京に一極集中する外国人観光客の話を申し上げましたけれども、これを東北や北陸に分散をしていくということには、新幹線の玄関口である大宮と成田のアクセスを強化をしていくことが必要である。あるいは、オリンピック、これはさいたま市でもバスケットボールあるいはサッカーが開催されますけれども、その機会を捉えて、それぞれの地域の歴史とか文化、あるいは芸術や物産等を世界の人々に知っていただく、そして、ついでにそちらに立ち寄っていただけるような連携プロジェクトも進めていくべきであるというふうに私は思います。
 実際に、先ほど石破大臣お触れいただいた昨年十月には、さいたま市に函館や福島市、あるいは郡山、新潟、金沢など十三の市長さんが集結されて、そこで大宮に集結してフォーラムが開かれました。このさいたま広域プロジェクトというのはまさに東北の復興ということにも資すると、こういうことで皆、意気軒高だったわけであります。
 この埼玉には実は国の出先機関も集積をしておりまして、病院等も充実しております。平時には東日本の玄関口として機能するばかりではなくて、有事には首都直下地震の復旧復興を支えていく拠点として機能していくということがこの原案には述べられているわけでございます。
 もう一つ図を見ていただきますと、こうした大宮に新幹線が六路線集結することに加えまして、圏央道が昨年、埼玉県内つながっております。そのことによりまして、東北道や関越道、そして来年度中には開通するであろう常磐道を始めといたしまして、中央道や東名高速道路などをつなげる役割を果たしていくわけであります。災害時には各地の血液センターをつなぐ緊急輸送道路にもなるのがこの圏央道ということもありまして、そうした機能もまさに対流拠点としての埼玉が果たしていくということがこの原案には述べられているわけであります。
 いわゆる何全総という全総は、今まで六回、戦後作られてきました。今回は言わば七回目に当たるわけでありますけれども、この国土計画が策定される七回目になって、初めて実は埼玉ということがこの事業計画の中に位置付けられたということでございます。こうした考え方は、まさに中央からの発想では、目線では出てこない、地域積み上げだからこそ出てきたということで、こうした動きを政府全体として支えていくということが大事であろうというふうに思っております。
 中でも、この広域地方計画、広域地方計画協議会の活動は中心を成すものでありまして、国土交通省のみならず各省庁ともよく連携をして、政府全体としてしっかりとその後ろ盾をしていくべきであるというふうに思います。このことについて、大臣の御見解、また、さいたま広域プロジェクトについての御評価もいただければと思います。

○国務大臣(石井啓一君) 広域地方計画に盛り込まれるプロジェクトにつきましては、効果的かつ着実な推進に向けまして、広域地方計画協議会を中心として、関係省庁が連携協力して一体となって取り組んでいくことが重要と考えております。
 また、今御紹介いただいた首都圏の計画原案に盛り込まれたさいたまプロジェクト、さいたま広域プロジェクトについてですが、これは、東北、北陸、上越方面からの新幹線が集結するさいたま市を東日本の玄関口と位置付けております。その上で、さいたま市において、首都圏と隣接する各ブロックとの対流拠点としての機能、また、災害時に首都圏をバックアップする最前線としての機能を強化することとしております。
 こういった広域連携のプロジェクトは、国土形成計画の全国計画で掲げました対流促進型国土を実現するための拠点を形成するものとして重要な取組になるものと認識をしているところでございます。

○西田実仁君 石破大臣にお聞きしたいと思います。
 地方創生の推進交付金というのがいよいよこの予算、来年度予算に盛り込まれています。こういう広域な連携にこそ、まさにこの地方創生の推進交付金ということは是非後押しをしていただきたいと、そうした要請があった場合にはしっかりとした後押しをお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。

○国務大臣(石破茂君) 地方創生におきましては、今国交大臣からも答弁がございましたが、地域間連携というのが必要だと、官民の連携が必要だと。そしてまた、政策間の連携、一つの政策だけを実現させるのではなくて、政策が複数にわたって実現されることが必要であるというふうに考えております。
 それから、委員御指摘のように、上から下りてくる話じゃなくて、ボトムアップ型の、官民が連携し、地域が連携し、複数の政策が成就されるということが極めて重要だというふうに認識をいたしております。
 したがいまして、この原案を作成する広域地方計画協議会、委員が何度もお触れになっているものであります。これには民間団体も含まれておるわけでございますので、こういうものから提案がありました場合には、新型交付金も含めまして、積極的にこれをバックアップすることが極めて重要であると思っております。
 そこにおきましては、精神論もよろしいんですけれども、やっぱり経験と勘と思い込みで政策をつくられても困るのでありまして、いかにして数字をきちんと分析をするか、まさしくそれは民間の得手とするところだろうと思っております。そこにおいて、三つの連携をきちんとやりながら、ボトムアップ型の地方創生というものを実現をしたいというふうに考えておる次第でございます。

○西田実仁君 ありがとうございます。まさにボトムアップ型の地方創生こそ、この政権の最重要な課題だというふうに思っております。
 総理にお聞きしたいと思います。
 この今私がるる申し上げましたのは、首都圏だけではなくて、全国で八つの実はこの広域地方計画協議会がそれぞれ取組をしているわけです。地方創生という取組につきまして、私は、連携が連携を呼ぶ、連携の嵐のようなものをこの日本全国に、日本列島全体に起こしていくということがまさに地方創生であり、アベノミクスの成功につながるというふうに思っているわけでありますが、こうしたことを政府一体となって連携の嵐を後押しをしていくということについての御見解をお伺いしたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も、まさに今、西田実仁委員が言われた連携の嵐をつくっていくことこそ地方を豊かにしていく、元気にしていく、地方創生の鍵の一つではないかと思います。
 新たな国土形成計画では、個性豊かな地域が相互に連携することによって、人、物、情報等が双方向で活発に行き交う対流促進型国土の形成を基本コンセプトとしています。着実に整備が進む高速道路や新幹線等の高速交通ネットワークも生かし、個性と連携による対流で地域の活力やイノベーションを創出するため、全国八ブロックで広域的なプロジェクトの検討が進められています。
 この三月には北海道新幹線が函館まで開業します。委員御指摘のさいたま広域プロジェクトにより、大宮駅の機能向上やMICE等の拠点が整備され、さいたま市が東日本ネットワークの結節点となることで、首都圏と東北圏や北陸圏、さらには北海道まで活力ある対流が促されるものと考えています。
 つまり、単に大宮駅の機能向上は大宮駅にとどまることではなくて、このように対流が進んでいく、そして広域による、まさに今委員がおっしゃったように連携の嵐が進んでいくように、大宮駅のこの新たな機能の向上が関東地域、それはしかし、更に多くの、八つのブロックにも拡大していくものではないかと、こう考えています。
 広域地方計画に盛り込まれたプロジェクトを効果的かつ着実に推進していくことで、地方の主体的な取組を政府一丸となって支援し、全国各地に連携の嵐を西田実仁委員とともに起こしていきたいと、このように考えております。

○西田実仁君 大変に温かいお言葉をいただきまして、ありがとうございます。
 次に、軽減税率制度についてお聞きしたいと思います。
 消費税が一〇%になりますときには軽減税率制度を導入する消費税法の改正法案が、既に衆議院から参議院へと送られました。これまでの議論としては、消費税の逆進性対策ということで総合合算制度とかあるいは給付付き税額控除ということも論じられてきましたけれども、先ほど別の委員からもお話がありましたように、これらを実現するためには正確な所得や資産の把握ができなければできない、しかし、これは非常に困難であるということ、また、いずれも買物のたびに感じる痛税感を緩和するということには直接つながらないわけでありまして、したがって、結局、消費税一〇%引上げ時に逆進性対策や痛税感の緩和策として現実的かつ実行が可能である、効果があるのは軽減税率制度しかないんだというのが衆議院の結論で、こちらに、今参議院に来ているということであります。
 そこで、まず総理に総論的にお聞きしたいと思いますけれども、これからの社会保障を支えていく基幹税としての消費税、これが一〇%と二桁になるときに、食料品全般に幅広く軽減税率制度が導入される。かつ、平成三十三年四月からは、いわゆるインボイスと言われる商品ごとに税率と税額を記載する制度が導入される。この意義について、消費税に対する国民の皆様方からの御理解という観点も含めて御答弁をいただきたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍内閣においては、社会保障を充実をさせ、そして国の信認を確保するために、三党合意に沿って、五%から八%、そしてさらには八%から一〇%、二度にわたって消費税を引き上げていくこととしております。
 しかしながら、十七年ぶりとなった前回の引上げ後は、予想よりもはるかに消費の落ち込みが大きく、そして長く続きました。来年四月に八%から一〇%へと引き上げていくに当たり、私は、国民の皆さんに納得していただく必要があると申し上げてまいりました。消費への影響にも配慮しなければなりません。
 こうした中で、消費税の軽減税率制度は、税制抜本改革法に基づき、消費税率引上げに伴う低所得者への配慮として導入するものであります。この軽減税率制度は、給付付き税額控除といった給付措置とは異なり、今、西田実仁委員が御指摘をされたように、まさに日々の生活において幅広い消費者が消費、利活用している商品の消費税の負担を直接軽減することによって買物の都度痛税感の緩和を実感できるとの利点があり、この点が特に重要であるとの判断により導入を決定したところであります。例えば、千円のものが千百円とはならずに千八十円のままだなということを感じることができるということであります。
 さらに、年収の低い方の飲食料品等の消費支出に占める割合は、収入が高い方、高収入の方よりも高くなっています。消費税が有しているいわゆる逆進性の緩和の観点からも有効であると思います。
 また、事業者への配慮を行いつつ、平成三十三年度からインボイス制度を導入することとしており、これによって複数税率の下で適正な課税を確保できるものと考えています。
 こうした軽減税率制度の導入により、日々の生活の中で痛税感の緩和を実感していただけるとともに、適正な課税が確保されることを通じて消費税制度への一層の理解や信頼につながることも期待できると確信をいたしております。

○西田実仁君 衆議院の議論では、インボイス制度について随分ありました。免税事業者はこのインボイスを発行できませんので取引から排除される、あるいは課税事業者への転換を余儀なくされるなどして、あたかも全ての免税事業者が廃業に追い込まれるかのような議論さえあったわけであります。
 しかし、本当にそうでしょうか。実際に、例えば消費者を相手にしている免税事業者の方は決してインボイスを求められることはありません。また、仮に企業を相手にしていたとしても、相手が簡易課税制度を導入しているところであれば、インボイスではなくても、当然売上げだけで計算できるわけであります。また、全ての免税事業者が課税事業者に転換するということに仮になったとしても、簡易課税制度を選択すれば仕入れ税額を計算することは必要ないわけであります。すなわち、インボイスを導入したからといって全ての免税事業者が廃業に追い込まれるような議論というのは、私は明らかに行き過ぎではないかというように思います。
 もちろん、インボイス制度の導入によって免税事業者が影響を受けるのは事実であります。ですから、今般のこの税制改正法案にも円滑に制度を導入できるような様々な配慮がなされておりますし、いわゆる検証規定ということも盛り込まれているわけでございます。
 そこで、財務大臣にお聞きします。
 今回のインボイス制度の導入の意義並びに免税事業者を含む中小事業者の方々が円滑に制度を導入できるよう、今般の税制改正法案にはどのような配慮がなされ、措置が講じられようとしているのか、お聞きしたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) インボイス方式とよく言われておりますが、正確な日本語で言うと適格請求書等保存方式というのは、多分直訳すればそういった意味なんだと存じますけれども、長いものですから、このインボイス方式という言葉が今何となく広まっておりますけれども、いわゆる複数税率というものをやります場合においては、間違いなくこういった制度が必要。なぜ必要かといえば、売手が軽減税率で申告したけれども、買っている納入業者、BツーBの場合ですけれども、納入業者の場合は標準税率でやったという形にして仕入れ税額控除ということにしますと、これは明らかにそこに不正が発生する、二%差が出ますので不正が発生すると。
 したがいまして、事業者相互間である程度牽制をしていただいておく必要があろうと思いますので、そういった意味では、税額計算というものをきちんと確保するためにはこういったような仕組みを導入しておかないと、複数税率というものは非常に複雑かつ抜け穴だらけみたいな話になりかねぬということになろうかと存じます。
 そこで、我々としてはこの方式が、適格請求書方式ですけれども、これにおいて税額が明確ということになりますので、逆に言えば売手、今度はBからCに売っている場合でも、BからBに売る場合でも同じですが、価格転嫁、これにはちゃんと税額が掛かっているんですからという価格転嫁がしやすくなりますので、これが税額ですということを示せるということになろうという点もあろうと思いますが、いずれにいたしましても、こういったことでやっていこうと思っておるんですけれども、今御指摘のありましたように、免税事業者からの仕入れというのは仕入れ税額控除というものができないということになるので、課税選択を余儀なくされるので課税業者の方に無理やり移行せいということになるのではないかという懸念の声があるということも事実です。
 したがって、私どもは、これは免税事業者への影響は実に様々なんだと思っております。例えば、簡易課税というのがありますが、御存じのとおりですが、これを適用している納入業者にとりまして、失礼、納入先業者は仕入れ税額というのを積み上げて計算する必要がありませんので、簡易業者の場合は、したがって、いわゆる適格請求書、インボイスというものを必要としません。
 したがいまして、免税事業者から取引を排除されるということは基本的にあり得ませんので、例えば地元の小さなスーパーとかレストラン等々が地元の農家から直接物を仕入れているというのは多分こういった例に当たるんだと思いますけれども、そういったことにはならぬと思っております。
 また、免税事業者が課税選択というのを行うということになりました場合も、その業者が簡易課税という制度を利用することによって、いわゆる事務負担というものが一挙にぼおんと軽減できる、通常と変わりませんから、そういったことに軽減するということも可能だと思っております。
 そして、免税事業者としては、こういった事情というものをよくよく理解していただいた上で課税業者への転換というものを決めていただかないと、安易に決められるということではいかがなものかと思いますので、適格請求書等保存方式と言われるこのインボイス制度というものの導入というものは、これは二十九年、来年四月から導入をさせていただくと、それの四年間掛けまして平成三十三年の四月からということで、まず準備期間というものを四年は置かせていただかないと、これ、実にいろいろな、初めてのことですから、いろんなことがあろうと思っております。
 また、仮にインボイス方式というものが導入されてから六年間、六年間は免税事業者からの仕入れというものにつきましては、これは一定の仕入れ税額控除を認めるということにしておりますので、前半三年間は八〇%、後半三年間で五〇%というような簡易なやり方を考えるといたしておりますので、我々としては、トータル十年間の十分なる期間もあろうかと思っております。
 また、この方式導入までの間、導入いたしますまでの間は、複数税率に対応したいわゆる経済用語で区分経理というものの整理が困難な小企業者、零細業者はおられるということをある程度考えておかぬといかぬところだと思いますので、この税額計算の特例というものを設けることにして、いわゆる小規模の小売業者が複数税率に対応するために必要なレジとか、それからPOSなんてそんな大きなシステムじゃないでしょうけれども、小さなシステムというものを改修するのに必要な資金の手当て等々は、既に予備費やらまた補正予算等々で手当てをさせていただいております。
 いずれにしても、今回の税制改正の附則におきまして、この制度の導入に当たって、いわゆる事業者の準備状況及び事業者の間の取引等々への影響など、これ、我々でもいろいろ調べさせていただきませんと、実際わあわあわあわあ言うけど本当にどうなるかというのはよく分かりませんので、そういったものをきちんと検証させていただいた上で我々としてはきちんとした対応を行おうということを考えておりますので、御心配な点は多々あることは重々承知しておりますけれども、そういったものに私どもとして全力を挙げて取り組みたいと考えております。

○西田実仁君 今大臣お示しいただきましたように、いわゆる平成三十三年四月にインボイス制度が導入されるまでの間は、現行の請求書等保存方式が基本的には維持されるということであります。しかし、今度は軽減と標準という二つの、複数の税率になりますので、それをきちんと区分をするということが必要です。その際に、例えば米印等によって区分していくというやり方も示されています。
 しかし、今図で示させていただきますように、事業者の方から、こういう米印ではなくて、軽減税率対象の商品の請求書は請求書、つまり八%の請求書、そして標準税率一〇%の対象の商品の請求書、一〇%の請求書と。この図にありますように、ここではスーパー等の統一伝票の例をイメージで挙げておりますけれども、一〇%ということをきちんと書いて、この請求書はもう全て一〇%ですよ、あるいはこの請求書は全て八%ですよ、こういうふうに分けてやるやり方がいいんじゃないかと、こういうのを是非認めてもらいたいんだというお声があります。
 私たちはこの事業者の方々の声をしっかりと聞いて、もちろん適正な課税が確保されることが大前提でありますけれども、その上で、制度をできる限り柔軟に運用して、事業者の方々のそれぞれの工夫により、軽減税率制度の導入に向けた準備負担をできる限り軽減するということが必要ではないかと思いますけれども、こうしたことが認められるのかどうかということも含めて御見解をお聞きしたいと思います。

○副大臣(岡田直樹君) 制度の具体的な運用の御質問になりますので、私からお答えをさせていただきたいと存じます。
 ただいま財務大臣も答弁申し上げたように、インボイス制度、平成三十三年四月から、四年間の準備期間を置いて導入をされるわけでありますけれども、それまでは原則現行制度を維持しながら、区分経理に対応するために請求書の中に軽減税率対象品目である場合にはその旨の記載をしていただく、また、税率ごとに合計した対価の額の記載も求めることとなっております。このうち、軽減税率対象品目である旨の記載を求める意味は、売手と買手の双方が、売買した商品のうち何が軽減税率適用対象であるかについて検証し、共通の認識を持てるようにすることが目的でございます。
 したがって、こうした目的を達成できるならば特段具体的な方法を限定する必要はないと考えておりまして、先ほど委員から御指摘がありましたような米印などの印を付ける方法も考えられますが、また今御提案があった適用税率ごとに請求書を分けてそれぞれの請求書に税率を明記する方法も採用し得るものと、このように考えております。

○西田実仁君 大変に分かりやすく御説明いただきまして、ありがとうございます。
 先ほど大臣からお話がありました予備費や補正予算に盛り込まれておりますレジの導入支援あるいは受発注システムの改修等の支援の補助詳細はいつ頃示されるのでしょうか。できるだけ早く示していただいて準備に当たりたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(林幹雄君) 本補助金につきましては、中小企業・小規模事業者が補助金申請を円滑に行えるように申請者の手続負担にも配慮した制度設計が必要だというふうに考えておりまして、このため、レジ導入等の支援については、具体的には、応募期間を限定せず随時申請を受け付ける、あるいは申請書類の枚数を最小限とする、申請や金額確定のために通常複数回必要な手続を極力減らすとか、あるいはレジメーカーに補助金申請事務のサポートやレジ操作の指導をしていただくなどを今検討しているところでございまして、軽減税率制度の開始までに中小事業者やレジメーカー等の準備が円滑になされるよう、申請受付前にも対象機種の範囲など支援制度の詳細について明らかにするということを考えているところでございます。

○西田実仁君 支援の対象となる受発注システムの範囲についてお聞きしたいと思います。
 この受発注システムが余り狭く取られると意味がないし、広過ぎても際限がない。この範囲について長官にお聞きしたいと思います。

○政府参考人(豊永厚志君) お答え申し上げます。
 複数税率対応レジの導入や改修に対する補助とともに、中小の小売事業者や卸売事業者が行う複数税率に対応するために必要となる受発注システムの改修、入替えを補助することとしております。それは先生の御指摘のとおりでございます。この受発注システムの改修、入替えにつきましては、一定額の上限はございますけれども、三分の二の補助ということになってございます。
 このシステムの一つの特徴ではございますけれども、現実的には受発注のみならず経理や在庫管理などと併せて一体的に改修することも想定されますが、その場合でも、取引先との受発注に必要な部分については支援の対象とすることといたしたいと考えております。

○西田実仁君 ありがとうございます。
 次に、子育て世代包括支援センターについてお聞きしたいと思います。
 児童虐待による痛ましい事件が続いております。こうした児童虐待をなくすためには、児童虐待を防止し、かつ妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援を実現することが必要であります。そこで、ワンストップ拠点としての子育て世代包括支援センターを各地において立ち上げていこうということが行われているわけでありますが、現在は予算措置でありまして安定しておりません。市町村の取組を促すためにはこれを法定化すべきではないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 今、西田先生御指摘のように、子ども・子育て支援新制度の下でこの子育て世代包括支援センターは法定をされていないわけでありまして、予算事業で行っているわけでございます。昨年末に取りまとめました児童虐待防止対策強化プロジェクト、この中で同センターの法定化を盛り込んだところでございまして、これを受けて、子育て世代包括支援センターの法定化を含む児童福祉法等の改正法案を今国会に提出すべく、準備をただいま行っているところでございます。
 さらに、これに加えて同センターの好事例の周知などを行うこととしておりまして、これを通じて、平成三十二年度末までに子育て世代包括支援センターの全国展開をしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。

○西田実仁君 これは、行政だけではなくて民間の力も十分に活用していくべきではないかと思います。
 総理あるいは厚労大臣も視察されました埼玉県の和光市でございますけれども、ここでは、虐待のおそれがある家庭のみならず、子育てに不安を抱えている家庭に対して訪問して支援する、ホームスタート事業と言っているようでありますけれども、これを民間団体に委託して実施をされております。運営者はNPO法人のわこう子育てネットワーク、中心者は森田圭子さんという方で、既に三十八の御家庭に訪問支援をしているということであります。
 こうした民間の力を利用した取組に対しても積極的に支援していくべきでありますし、ボランティアの皆さんが効果の高い支援に取り組むための研修などの人材育成、これにも取り組むべきと考えますが、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘のような埼玉県の和光市には総理も私も参らせていただいて、名物部長さんを中心に地域ぐるみで非常に御努力をいただいているのをつぶさに見てまいりました。
 特に今お話ございましたホームスタート事業、これは家庭訪問型の子育て支援でございますけれども、民間団体と協力をして、言ってみればパートナーシップを組んでやっているという先進事例ではないかというふうに思います。
 この子育て世代包括支援センターによります妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援を提供するためには、やはり人材の育成を含めて、地域の実情に応じて市町村と民間事業者の皆さん方とが協力をしてそれぞれの機能を最大限発揮するということがとても大事だというふうに思っております。
 この子育て世代包括支援センターの全国展開に向けて、今お話がございました和光市の取組を含めて、民間事業者等と協力をして実施している好事例を厚生労働省としてもしっかり周知を行っていきたいと思っておりますが、この人材育成の支援に関しましては、まず保健師等の専門職、こういった方々を対象として子育て世代包括支援センターにおける保健指導等に関する研修に対する支援を行うということが一つ。それからもう一つは、必ずしも専門性はなくても子育ての御経験が豊富だという方々についての保育や子育ての支援サービスに従事するために必要な研修を行うということも同時にやっていこうと思っておりまして、こういう中で官民パートナーシップを組んでそれぞれの地域に合ったサービスを提供していくようにしてまいりたいというふうに思います。

○西田実仁君 最後ですが、中小企業支援、下請取引の改善についてお聞きしたいと思います。
 表を見ていただきたいと思いますが、日本経済全体の付加価値の五一%は中小企業、働いている方は七割働いていらっしゃいます。それがいかに今日本経済の成長を牽引しているかということを、一昨日、財務省の法人企業統計が発表されました、それで確認をしたいと思います。
 人件費をどれだけ増やしているのか、設備投資をどれだけ増やしているのか、経常利益がどれだけ増えているのか。これ見て明らかでありますが、人件費は全規模平均二・五%に対して、資本金が一千万から五千万のところが一番増やしているんですね、昨年一年間で。設備投資も一番増やしているのはやっぱり一千万から五千万のところなんです。経常利益が一番増えているのも実は一億円未満のところでありまして、つまり、中小企業がまさに成長を牽引しているというふうに私は思います。その御認識を総理にまずお聞きしたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 中小企業におきましても経常利益は過去最高水準を記録をしております。日本経済を持続的な成長軌道に乗せていくためには、好調な企業収益を中小企業の業況の一層の改善につなげ、経済の好循環を確実なものにしていかなければならないと考えております。もちろん、過去最高とはいえ、大企業とはこれ水準が違うということももちろん我々は認識をしております。
 このため、生産性の向上に向けた設備投資支援として固定資産税の大胆な減税を行います。多くの中小企業は、言わば残念ながら法人税を払えるというところになっておりませんから、こちらの方で設備投資に減税してもこれは恩典が行かない。今まではこの仕組みしかなかったんですが、ほかの仕組みはないか、これ与党で、自民党、公明党、一緒に知恵を絞った結果、設備投資支援として固定資産税の大胆な減税をこれは初めて行うことにいたしました。
 また、先ほども御説明したんですが、ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金により新商品の開発等も支援していきます。手元になかなかお金がない、これを変えていけば生産性が上がって利益も出てみんなの給料が上がっていく、でもお金がないという方に対しまして、その生産性を上げていくアイデアに対して一千万円、物づくり、かつては工場だけだったんですが、サービス業等々にも広げた補助金を行っていきます。
 また、財政面に加えまして、経験豊富な専門家が相談に応じるワンストップ窓口を拡充していきます。中小零細企業の人たちは、もう仕事で朝から晩まで忙しくて、いろんな新たな経営方針とかこんなメニューがあるって考える時間はないんだろうと思います。ですから、一か所で、こういういい融資がありますよと、個人保証は要らないこういう融資がありますよというアイデア、経営方針についてもいろいろと、この情報プラスいろんな知恵も提供していただける、中小企業・小規模事業者の様々な経営課題にきめ細かく対応してまいります。
 あらゆる施策を総動員して、地域の中小企業・小規模事業者にその活力を最大限発揮をしていただくように全力を挙げていく考えでございます。

○西田実仁君 そういう意味で、この下請取引をしている中小企業の支援策ということで今回実態調査を大規模にやっていただいています。特筆すべきは、大企業のみならず、三次、四次という取引上の立場が弱いというおそれのある下請企業の意見もしっかりとヒアリングされているという、これは私は大変大事だと思うんですね。
 この下請取引が厳しいということは言われていても、意外と実態はもっと厳しいんだという声を地元でよく聞くわけでございまして、この調査は是非継続していただきたいということと同時に、法的には触れていなくても実際には大変だという、そういう取引上の改善も、これは是非実態調査に基づいて促していただきたいと思います。最後の質問、総理にお聞きしたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 取引条件、これは極めて重要であります。大企業は、特に輸出企業は大きな利益を上げておりますが、下請企業というのは、言わば円高が是正されたメリットがなくて、むしろ海外から輸入する、むしろ円安が逆になっている、そこで条件が変わらなければ結局厳しいということになっています。
 ですから、我々、利益を上げている企業は特にそうなんですが、この実態調査をしっかりと行いまして取引条件の改善に努めていきたいと、このように思っております。

○西田実仁君 終わります。

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