190-参-財政金融委員会-014号 2016年05月24日


2016年5月24日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 まず初めに、熊本地震によります中小企業の事業再建につきましてお聞きしたいと思います。
   〔委員長退席、理事長峯誠君着席〕
 先日も、熊本で事業をされている中小企業の社長さんとお話をする機会がございましたけれども、いまだに大変に厳しい生活を余儀なくされているわけでありまして、一刻も早く日常が取り戻せるようにしていく努力を我々も最大限しなければならないと思っております。同時に、熊本県内には多くの中小企業がおありということで、五万三千社以上あるんでしょうか、この一連の地震による損害は少なくとも一千六百億円に上ると、こういうふうにも言われております。
 熊本商工会議所による訪問調査を拝見しましたけれども、建物の建て替えや修理が必要とされる中小企業は六三%、機械や備品の損傷等についても五五%あるということであります。地域経済活性化支援機構、REVICは、地域金融機関等と連携をして、被災された事業者の事業再建を支援すべく、熊本事務所を既に開設をされているというふうに承知しております。
 この熊本地震によりまして被災されました中小企業の現状及び今後の支援策についてお聞きしたいと思います。
 特に、REVICによります地域金融機関との連携というのは、今後具体的にどのように進めていかれるのか。また、その際、金融庁が所管をされております、私も議員立法で野党時代に関わりましたけれども、東日本の事業者再生支援機構、二重ローンの解消のための支援機構でありますけれども、ここでは既に東北三県を中心とした特に資本金一億円未満の小さな企業の事業再建ということについて地域金融機関と連携して大変ノウハウを積んでいるわけでありますので、そうした東日本事業者再生支援機構で培ったノウハウ等が今回の熊本地震に対する中小企業の事業再建ということについてどう生かされていくのか、また生かそうとしているのか、こうしたことを大臣にお聞きしたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 金融庁におきましては、四月の十五日の、熊本県内の関係金融機関等に対しまして、いわゆる融資の迅速化とか既存融資に係る返済猶予等々、災害の影響を受けている主に中小企業者への便宜というものを考慮した的確な措置を講ずるよう要請したところであります。
 御指摘のREVIC、いわゆるリージョナルエコノミー何とかの略でしたかな、地域経済活性化支援機構でしたか、このコーポレーションというかREVICにおいて、事業再生とか地域活性化を支援する様々な機能というのを活用して、地域の金融機関と連携して被災事業者の事業再建とかまた復旧復興に向けた取組を支援するということにしておりまして、その一環として、この五月の十日に熊本事務所を、地域経済活性化支援機構の熊本支部というのをスタート、事務所を開設したと承知をいたしております。
 また、今、西田先生御指摘のありましたとおり、東日本大震災事業者再生支援機構というものや被災地の地域銀行の様々な経験やノウハウというのは、これは極めて貴重なものでありますので、この機構において、東日本大震災を経験した各機構とかまた銀行に今人が戻っていますから、その人たちを貸せと、その人たちを出してくれということで、元気がいいから若い人だけ来られても対応のやり方も全然違っちゃいますので、経験者を出してくれという話で、人的支援を受ける予定であるというように伺っておるところであります。
 いずれにしても、金融庁としては、金融機関が取引先企業との間のいわゆる何が今必要なのか、融資の支援なのか、それとも手形のジャンプって、延滞するという、そういったような話を把握していわゆるきめ細かい対応は行うというのが大事なのであって、一律にというより個別に聞かないと全然事情が中小によっては違いますからという指示をいたしておるところであります。

○西田実仁君 是非そうしたきめ細かい対応をお願いをしたいと思います。
   〔理事長峯誠君退席、委員長着席〕
 フィンテックの意義と課題についてお聞きしたいと思います。
 フィンテックということにつきましては、一般的に申し上げますと、アメリカにおきましては、クラウドファンディングを除きましてその振興策に余り目立った動きはないのではないかというふうに承知をしております。一方、イギリスにおきましては、大変国家の強いイニシアチブによりましてこのフィンテックを振興しているというふうに思います。
 しからば、日本のフィンテックに対するスタンスというのはどのようにあるのか、基本的な認識をお聞きしたいと思います。イギリスの事例等を参考にして、日本においてはやはりフィンテックを振興していこうということが今回の法改正の趣旨と考えてよろしいのかどうか、まずそこをお聞きしたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) このファイナンシャルテクノロジーということについて、今くっつけてフィンテックという言葉が広まりつつありますけれども、これは利用者保護とか不正の防止という観点というのをよく考えておかないかぬところなんですが、これは日本の今後の経済とか金融とかいうものの発展を考えるときに避けて通れぬと。このファイナンシャルテクノロジーの進歩というのはこれは物すごく、我々にとって避けて通れないし、かつこのテクノロジーに関しては日本の方がはるかに進んでおると、技術的なものでは。
 問題は、それをいかにして利用するかというところでありまして、それに対して、いわゆる役所の方の規制があるからできないとかいう話をよく銀行は言うんですけど、本当にあるかといったらなかったりするものですから、御自分たちの都合で言われるのはよくある話なので、銀行の言う話をそのままうのみにするわけにもいきませんので、我々としてはこれはよく調べた上できちんとしたことをやっていかないかぬと思いますので。この法案というのは、そうした観点から、各金融機関に、事業者の個々の経営判断というものを前提とした上で、日本の金融機関として、いわゆるIT企業というんですか、そういった企業等が機動的に連携していく上で、制度面で五%とかいろいろあるからという話がありましたので、そういったものを取り除くなどの観点から必要な法整備を図るということがこの趣旨であります。
 元はといえば、なぜ五%になったかといえば、そのまたずっと前の二十世紀の話ですけれども、あのときの銀行というものが明らかにというあの話から、これは行き過ぎということから、銀行に対してのいろいろな不信感からこういったものが入ってきたんだと記憶しますけれども、いわゆる海外展開というものも視野に入れたものになっているんだと思っておりますので、フィンテック・ベンチャーに関する有識者会議というのを設置いたしまして、海外の優れた事例、今イギリスの例を引かれましたけれども、議論を進めておりますほか、民間事業者のいわゆる相談等を一元的に対応する窓口としてフィンテックのサポートデスクというものを金融庁の内部に設置をさせていただいて、事業者が抱える課題の把握などに活用するという取組などを進めておるところであります。
 いずれにしても、この技術革新が進んでいきますと、金融の分野においてもいわゆるサービスというものに関しましてもいろんなことができるようになりますけれども、利用者の便宜が向上されると同時に、これはそれがきちんとうまくいけば日本の経済とか金融とかいうものの発展にもつながっていくように我々としては環境整備をすると同時に、これが、相手が全然分からぬ人たちがいっぱいいらっしゃるはずですから、それをうまく悪用されたりなんかすることというものを同時に気を付けておかないかぬところだと思っております。

○西田実仁君 このフィンテックの本質というのは、今ある既存の金融システムにいかに創造的破壊というか、ディスラプトということでしょうけれども、ディスラプティブイノベーションへの挑戦を起こすかということだろうというふうに思います。
 しかし、どちらかというと、日本においてフィンテックが語られる視点というものは、既存の金融業者、特に銀行の方から語られることが非常に多いと。こうした既存の銀行によるフィンテックへの出資を促すということと、フィンテックに既存の金融システムをディスラプトしていくという、創造的破壊を促していくということとは似ているけれども違うのではないか、というか、むしろベクトルは逆なんじゃないかというような気もしないわけでもないんですけれども、この辺はどのようなお考えでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) これはもう将来に物すごく大きな影響を及ぼし得るものだと思っておりますし、多分私どもの生きている間に銀行というのはほとんど支店というものが多分なくなってきて、ATMといわゆるスマホが一台あればほとんど事が足りる、それぐらい技術が進むだろうと今言われているんですけれども、これは非常に大きな影響を及ぼし得るものなのであって、金融機関が担ってきておりました業務が全く新しいプレーヤー、新しい人たちによって提供されていくという、いわゆる構造的な大変化が起こり得るものだということも私どもとしては認識をいたしております。
 したがいまして、金融グループから金融関連IT企業への出資を容易化する、簡単にするという措置を盛り込んでおりますが、これは既存の金融業の傘下にフィンテックを置くんだというようなそんなつまらない趣旨の話ではなくて、金融機関とITときちんと連携強化を可能にすることによって、いわゆる利用される方々の利便の高い金融サービスというものの提供が図られるようにするようにいたしたいと思っております。
 また、金融機関のみならず、多様な方々が必要としておられるものに応じて機動的に連携をしながらイノベーションを進めるということで、今言われましたように、ディスラプティブイノベーションというような表現も使われていますけれども、技術の進歩によってこれまでと全く違ったものが出てくるんだと思っておりますので、少なくともそろばんができなきゃ銀行員が務まらなかったものが、今ボタンさえ押せば銀行員が務まるようになったと、あれどころの騒ぎじゃないような大きな変化が出てくるんだと、私どもはそう思っておりますので、我々としては、その環境整備というものに引き続き取り組んでいかねばならぬと思っております。

○西田実仁君 一応確認でありますけれども、このフィンテックなどによる金融関連IT業務等について、今回の法案では限定列挙をするということは取らず、行政の裁量で認可ができるような、そういう立て付けにしております。これは当然、フィンテック等で生じる急速な進展に迅速に対応するにはこの方がいいという御判断だろうと思います。また、認可に際しまして、財務の健全性とか、銀行本体へのリスク波及の程度等が勘案されれば、銀行等による無制限の出資というものがなくて、制限されてリスクを高めることもないと、こういう趣旨だろうというふうには理解をしております。
 銀行による金融関連IT業務等に関する出資の規制緩和について、審査、認可という行政のプロセスは、むしろ、でも逆に、規制の透明性が下がって、何よりもディスラプティブイノベーションが大きくなりはしないかという議論もあろうかと思いますけれども、これについてはどのような御見解でしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) 西田先生の御指摘の点は、これは金融業界というかグループからいわゆる金融関連IT企業への出資を容易にするというような規制の緩和というときには、いわゆる当局による認可を条件とすることの必要性についてということになろうかと思いますけれども。
 御指摘の規制の緩和というのは、ちょっと先ほども申し上げましたけれども、金融業界とIT業界というか企業との連携強化を可能にすることによって利用者利便の高い金融サービスというものの提供が図られるようにすることが目的でありますので、少し違っているんだと思いますが、他方、金融グループがいわゆるそうした業務を担うということに対する、本業たる銀行への悪影響を与えないかという点を考えておくことも重要なんだと、これは銀行からはよく言う話ですけれども、いろんな点を十分に確認できるよう認可の枠組みを設けることはいたしております。
 ただし、認可に際しましては、これはいわゆる、さっきのようにディスラプティブな話にならないように、イノベーションの阻害要因とならないように透明な運用を努めていくというのは、これはもうこの種の話が起きるときに一番大事なところでもあろうかと思いますので、御指摘のとおりだと思いますので、その点については十分に留意して事を進めてまいりたいと考えております。

○西田実仁君 この法改正後に予定されております大まかな認可基準、認可のプロセス、またいつ頃それが公表されるのかについてお聞きしたいと思います。
 今大臣からお話がありましたように、規制の透明性とかあるいは裁量性の排除など懸念する課題をクリアするためにも、そこは是非しっかりしていただきたいと思います。ここを金融庁にお聞きしたいと思います。

○政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。
 金融関連IT企業等に対します出資の認可に際しましては、各金融機関からの申請を受けて、具体的な業務に即してその可否を判断していくことになるかと存じます。
 その際の基準ということでございますが、一つは銀行業との親近性の程度に留意する必要があると考えていますが、あわせて他業禁止の趣旨等にも照らして判断していく必要があると。こうしたことから、例えば金融グループの財務の健全性に悪影響を与えないか、それから銀行本体へのリスク波及の程度が高くないと見込まれるかどうか、あるいは銀行の優越的地位の濫用ですとか利益相反の弊害のおそれがないかどうか、それから出資というものがグループの金融サービスの向上に資する適正なものと見込まれるかどうかといったことを確認することが必要になるものと考えております。こうした点につきましては、施行に当たって策定されます内閣府令等で明確化することを考えていきたいと思っております。
 なお、その基準策定、公表のタイミングについての御質問でございますが、この法律では法律の施行日は一年以内の政令で定める日とされておるところでございます。今後の基準の策定には相応の作業が必要になるとも考えておりますが、可能な限り早期に公表できるように作業を急ぎたいと考えております。

○西田実仁君 最後に、プリペイドカード利用についての苦情処理体制をお聞きしたいと思います。
 プリペイドカード発行者の苦情処理体制の整備に関しまして、当該義務違反に対する直接の罰則が今回の法律では設けられていないのはなぜか、また、被害防止のために、業界としての例えば指針の策定などにより相談・苦情処理体制の強化や悪質な加盟店とは契約しないなど実効性を高めていく必要があるのではないかということについて、最後お聞きしたいと思います。

○政府参考人(池田唯一君) まず、この法律案におきまして直接の罰則が設けられていない趣旨についてお答えを申し上げたいと思います。
 プリペイドカード発行業者の業務の運営に関しましては、プリペイドカード利用者を害する事実があると認められる場合には、プリペイドカード発行業者に対して業務改善を命ずることができるとされております。また、こうした業務改善命令に違反した場合には、その段階で罰則を科し、あるいは登録を取り消すといったことができることとされております。
 したがいまして、苦情処理体制の整備義務違反自体に対して直接の罰則規定は設けられておりませんが、こうした規定に基づく監督権限等を通じまして、プリペイドカード発行者に対する適切な苦情処理体制の確保を図っていくということが可能かと考えているところでございます。

○政府参考人(遠藤俊英君) 引き続きまして、苦情処理体制の整備に関して付け加えてお答えさせていただきたいと思います。
 プリペイドカード発行者に対する苦情処理体制の整備に関しましては、金融庁の事務ガイドライン、これは平成二十二年に作成、公表いたしました。この事務ガイドラインにおきまして、利用者等からの苦情相談体制の整備などを監督上の着眼点として規定しております。あわせて、加盟店契約の締結、これに関しましても、このガイドラインで監督上の着眼点として、プリペイドカード発行者において契約相手方の業務が公序良俗に照らして問題がないかを確認しているかということについて規定しております。
 さらに、日本資金決済業協会、この日本資金決済業協会というのはプリペイドカード発行者等の自主規制機関でございますけれども、この日本資金決済業協会における自主規制規則、これも平成二十二年に作成、公表しておりますが、ここにおいても先ほどの監督のガイドラインと並行した形で、協会員の苦情処理体制の整備、加盟店管理について規定しているところでございます。
 いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、今回の法改正を踏まえまして、自主規制機関と連携しつつ、プリペイドカードの利用者保護の観点から発行者の苦情処理体制の整備、加盟店管理が更に徹底されるように今後とも適切な監督に努めてまいりたいというふうに考えております。

○西田実仁君 終わります。

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