192-参-予算委員会-002号 2016年10月06日


2016年10月6日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 まず初めに、この度の相次ぐ台風によりましてお亡くなりになられた方にお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様方に心からお見舞いを申し上げます。
 この台風被害につきましては、この後、同僚の横山議員より質問をさせていただきます。
 そして、本日は、私とそして横山議員と、共に、委員長、また理事の皆様方の大変な御配慮を賜りまして質問をさせていただきましたことをまず冒頭、御礼を申し上げたいと思います。
 まず最初の質問は、経済の再生ということでございます。今回の第二次補正予算、それが経済の再生にどれだけ貢献するものなのか、特に財政効果ということについて、まず総理にお聞きしたいと思います。
 これは、私は、財政効果というのは一般会計の歳出そして財政投融資、この実績の合計で財政効果と、こう定義付けまして、パネルにさせていただきましたので御覧いただければと思います。(資料提示)
 この財政効果、政権交代直後、いわゆるアベノミクスの第一幕におきましては、ございますように百十一・八兆円、一般会計歳出プラス財政投融資、大きく増えました。しかし、第二幕の一四、一五と、残念ながら財政効果としては減りましたが、今回の第二次補正予算そして財政投融資の計画補正を加えますとプラスまた三・四兆円というこの第三幕、いよいよ景気浮揚していこうという大変強い思いのこもったものではないかと思われます。
 総理にまずお聞きします。この第二次補正予算の財政効果、そして今回の補正予算の早期成立、そして執行への決意をお聞きしたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の補正予算は、先般閣議決定をいたしました経済対策に基づきまして、当面の需要喚起にとどまらず、民需主導の持続的な経済成長と一億総活躍社会の着実な実現につながる施策を中心としています。今回の補正予算を含め、本経済対策に基づく予算措置によって短期的に現れると考えられます実質GDPの押し上げ効果は、現時点でおおむね一・三%と見込まれるわけであります。これは短期的なものでございますが、こうした短期的な需要の押し上げ効果に加えまして、本対策に盛り込まれた各施策が具体化、実行化されていくことによって、民間投資や消費の喚起や生産性の向上につながり、更なる雇用や所得環境の改善を伴う経済成長が期待されると考えています。
 本臨時国会で補正予算の早期成立を図り、財政投融資を含め円滑な執行を行っていくことで、内需を力強く下支えするとともに、未来への投資を大胆に行っていく考えであります。

○西田実仁君 大変力強い御決意をいただきました。
 この経済の再生にとって目下の最大の課題は、やはり消費の回復ということをどう図っていくのかということになろうかと思います。とりわけ、中低所得層の消費回復ということで申し上げますと、今回の補正に盛り込まれております、私ども公明党も大変強く主張させていただきました、いわゆる簡素な給付措置、臨時福祉給付金、これが三千六百七十三億円計上をされて、消費税先送りの分の二年半が一括して支給をされるということであります。その効果というのは、社会全体の所得を底上げをして、そして消費も更に底上げしていく、特に所得の少ない方々にそうした所得の底上げと消費のという効果は大変に大きいというふうに思います。実際に、これまでも簡素な給付措置がなされていく中で消費が下支えしているという効果も所得の底上げによってあるわけでございます。
 そこで、厚生労働大臣にお聞きしたいと思います。
 今回のこの簡素な給付措置、臨時福祉給付金、補正予算が成立をいたしますと、できるだけ早く確実にお手元に届くように是非していただきたいと思いますし、また、その対象者数や一人当たりの給付金の額、その根拠、また手続やお手元に届く時期、これについてテレビを御覧の皆様に分かりやすく御説明願えればと思います。

○国務大臣(塩崎恭久君) お尋ねの簡素な給付措置でございますが、まず、支給対象者数でございますけれども、これは、これまでの簡易な給付措置と同様に二千二百万人の方々にお届けをするということでございます。
 それから、一人当たりの支給額は、これまでの一年間の支給額六千円をベースにいたしまして、平成二十九年四月から平成三十一年九月までの二年半分ということで、一万五千円ということになっております。
 支給手続でございますけれども、これまでと同様に申請書を市町村に提出をしていただくと。そして、確実に支給されるように、対象者に個々に申請書を御送付を申し上げて申請を促していただくよう市町村に働きかけをしてまいります。また、テレビCMなどを通じてももちろん広報をしてまいりたいというふうに考えております。
 そして、支給時期でございますが、それぞれの市町村において補正予算に計上していただいて支給準備が始められて、来年の三月頃から順次支給が開始をされるものというふうに考えているところでございます。

○西田実仁君 ありがとうございます。
 これはやはり申請をしなければもらえないと。これまでも簡素な給付措置で支給されている方も多くいらっしゃると思いますけれども、だからといって自動的に振り込まれていくわけじゃありませんので、きちんと申請いただいて確実にお手元に届くように、広報、普及等にも努めていただきたいというふうに思います。
 この所得、底上げして消費を底上げしていくということに簡素な給付措置は効果があります。しかし、中間層、この簡素な給付措置が届かないところの方々の所得を底上げしていくには、何といっても多くの方が働いている中小企業の賃上げを一生懸命後押しをするということを今、政府としても行っておりますが、これが今回の第二次補正予算でどのぐらい拡充をされているのかについてお聞きをしたいというふうに思います。
 この中小企業の賃上げ、また非正規雇用の方の正社員化ということについて、これまでも、キャリアアップ助成金でありますとか業務改善助成金というのが今回の補正でも拡充されているというふうに思います。
 昨年の三月、この予算委員会でも私質問させていただきましたが、しかし、実はこの中小企業が利用するこうした助成金については、地域によって随分ばらつきがその利用度によってあります。よく利用しているところとしていない県では例えば十倍ぐらいの差があると、こういうことでありますので、その際私も申し上げました。
 中小企業の方がもっと利用しやすいように、その手続の簡素化あるいは支給要件の緩和、こういうことも大臣に要請をさせていただいた記憶がございますけれども、この中小企業の賃上げを後押しをする支援策についてこの補正でどのように拡充されているのか、大臣にお聞きしたいと思います。

○国務大臣(塩崎恭久君) 今回御審議をいただいております補正予算、この中に、今お話のございました中小企業の賃上げをバックアップするキャリアアップ助成金とそれから業務改善助成金がございまして、この拡充などを行っております。
 中小企業への支援をより一層強化をするということで賃上げをバックアップをするわけでありますけど、具体的には、キャリアアップ助成金につきましては、中小企業が賃上げ規定を改定をして三%以上の賃上げを行った場合には助成金に新たな加算を行うということで、これまでは二%以上でございました。
 業務改善助成金につきましては、現在は事業場内で最も低い賃金を時給で六十円以上引き上げる場合のみを対象としてまいりましたが、三十円以上引き上げる場合も対象とするということといたしまして、いずれの場合も生産性向上の状況を加味をしながら加算を行うというふうにしてまいりたいと思っております。
 また、キャリアアップ助成金の手続、それから要件の緩和でございますけれども、本年の八月から、申請に必要となりますキャリアアップ計画書、この提出期限を延長をいたします。それから、賃金を確認するための書類として、賃金規定だけではなくて、一覧表形式でも少し簡便に認めるということでいきたいと思っております。
 さらに、ハローワークなどの申請書類の作成を支援をするアドバイザー、これを本年四月から増員をしておりまして、こうした取組を通じて今後とも賃金の引上げに向けた中小企業への取組の支援をしてまいりたいというふうに思っております。

○西田実仁君 様々手続の簡素化等も行っていただいておりまして、是非これによって中小企業の賃上げを更に強力にバックアップしていきたいというように思います。
 この中小企業の賃上げができる環境づくりに最も大事なのは、やはり多くの下請の中小企業の経営環境を良くしていく、特に大手との取引条件の改善ということが、私もこの委員会でも何度か指摘をさせていただきました。政府の強力な後押しがありまして随分改善はされてきた例を地元埼玉でも見るようになりました。
 ある自動車部品メーカーの下請やっているところについては、これまでは根拠なき原価低減要請があったと言っていましたけれども、余り言うと下請代金法に引っかかるからというようなことで、もうこれ以上言えないというようなことを言われたという下請企業の方がいらっしゃいました。その会社は元々赤字だったんです。しかし、仕事量は変わらないんですけれども、取引条件が変わる中で黒字に転換して実際にお給料を上げることができたという話をこの間朝礼でもお聞きをいたしました。そのように効果が少しずつ出てきていることは事実であります。
 しかし、喉元過ぎればではないんですけれども、しばらくすると、また担当者も替わって、合理的な根拠はそちらで考えてくれと下請企業に理由を考えさせた上で半年一%低減させろなんという話がまた出てきたり、こういうことが実際には起きているわけであります。
 公明党としては、パネルを用意いただきますが、これまで提言で一から七まで、下請企業の取引条件の改善ということで政府に要請をさせていただいてまいりました。ここに幾つも並んでおりますけれども、これが今回、山口代表の本会議質問でもさせていただきました際に、経産大臣からパッケージ策、未来志向型の取引慣行に向けてというところにこの提言も盛り込まれているという話もございましたが、これがどう反映され、そして先ほど申し上げましたような、やはりぶり返さないために継続的に調査するなり注意喚起するなりということがとりわけ大事だと思っておりますけれども、その点どう改善されるのか、お聞きします。

○国務大臣(世耕弘成君) お答えいたします。
 下請取引の改善について、まず公明党として熱心に取り組んでいただいていること、大変我々にとってもサポートになっていること、心から感謝をしたいと思います。
 下請等中小企業の取引条件改善については、まず平成二十六年の十二月、総選挙の直後でありましたが、安倍総理のリーダーシップの下、政労使合意というのが行われまして、それ以降、取組を進めてまいりました。その後、更にこれをしっかり浸透させるために、昨年末に、官邸に官房副長官でありました私をヘッドとします関係府省等連絡会議を設置をいたしまして、政府を挙げた取組を行ってきたところであります。
 その中では、まず発注側の大企業、そして下請側の中小企業、両方に対して大規模な実態調査やきめ細やかなヒアリングを行いました。さらにその上で、大企業の調達責任者のところを訪ねて、きちっと政労使合意を実行していただいているか、あるいは、おたくの業界の中小企業からこういう声が上がっているけどどう考えるかなどという対話も行ってまいりました。
 そういう中で、やはり一方的な原価低減要請ですとか、あるいは金型を保管させられているとかといった課題が明らかになってきたことから、制度面を含めた対応を検討してまいりました。そして、こういう政府の検討と並行して与党においても御熱心に御議論をいただきました。こういう中で、西田委員にも御尽力をいただいて公明党のこの取引条件改善に向けた提言もいただきました。本当に現場に浸透させるということ、あるいは個別の企業ではなくてサプライチェーン全体でやること、こういうことは非常に傾聴に値する御指摘だというふうに思っております。
 政府といたしましては、今回、未来志向型の取引慣行に向けてというのを公明党の御提言も踏まえてまとめさせていただきました。その中では、まず公取と協力をしまして下請代金法の運用基準の改正を図ります。また、下請振興法の振興基準や手形取引に関しても通達の見直しを行います。必要な規定の見直しを年内を目途に実施をしてまいりたいというふうに思います。
 また、公明党御指摘のサプライチェーン全体での取引適正化と付加価値向上に向けて、産業界に対して自主的な行動計画の策定を要請をしています。既に自動車工業会や、今朝も自動車部品工業会と懇談をしてまいりましたが、それぞれから応諾をいただいておりまして、年内に大きなプランをまとめて年度内には正式な計画を策定いただくという予定になっております。
 このほか、素形材、あるいは建設機械、電機・情報通信、繊維といった業界にもしっかりと広めていって、全国にこういう運動を広げていきたいというふうに思っています。
 そして、西田委員が特に今御指摘をいただいた、こういった取組は継続的に行っていかなければいけないと思います。しつこくしつこく、これで終わりというのではなくて、何度も現場のヒアリングをして、やっぱり改善できていないじゃないか、あるいは戻ってしまったじゃないかということをずっとこれからも継続的に、特に経済産業省中心になりながら関係府省とも連携してやってまいりたい。
 そういう中で、私も大企業にいましたから、今年買った値段よりも来年安いと担当者は評価されるというような文化があるわけですが、こういうのを改めて、中小企業、大企業の間がフェアな取引が行われて、その結果としてアベノミクスの果実が地方の中小企業にも行き渡るように取り組んでまいりたいというふうに思います。

○西田実仁君 是非、大企業も中小企業も共にウイン・ウインでいい関係が築けるようにしていきたいと思います。
 さて、次の質問でありますが、次は、全国を一つの経済圏とする地方創生回廊と、この総理が言われていることについてお聞きしたいと思います。
 今年三月のこの予算委員会で、私は、地方創生の実現のためには、自治体それぞれがもちろん頑張ることは大事なんですけれども、自治体の枠を超えて広域に連携をしていくということが大事ではないか、連携が連携を呼ぶ、連携の嵐を起こしていくことこそ地方創生の鍵ではないかということを申し上げさせていただきました。総理からも、やはりその連携の嵐を起こしていくことが地方を豊かにし、元気にしていくことになるという大変力強い御答弁をいただきました。
 その際、私は、広域連携の一つの例として、北陸、東北そして北海道の新幹線の結節点になります埼玉の大宮駅の機能強化ということが広域連携を進める上で非常に大事ではないかという、埼玉のプロジェクトを紹介をさせていただいたわけでございます。総理からも、この大宮駅の機能強化というのは単に大宮にとどまるものではなくて、関東あるいは東北、北陸、北海道と、こういうブロックに広がっていく、全国各地にこうした連携の嵐を起こして共にいきたいと、こういうお話も当時いただいたわけであります。
 そして、今回、所信表明演説におきまして、総理は、リニア中央新幹線の全線開業を最大八年前倒しをするという決意を示されるとともに、東京と大阪をハブとしながら全国を一つの経済圏に統合する地方創生回廊、これを整えるという新たな提案をされました。
 そこで、今日は、地方創生の実現に向けていかにリニアの効果を地方に波及させるのか、そのためにいかに広域連携を進めていくのかについて議論をさせていただきたいと思います。
 リニアが全線開業いたしますと、東京—大阪が約一時間、一時間というのは山手線を一周している間に東京、品川から大阪に着くというそういう時間、大幅に短縮されます。しかし、その時間短縮効果は単にこの東京、名古屋、大阪というこの三大都市圏だけにとどまるものではなくて、それを全国にいかに広めていくのか、波及させていくのかということが大事だと思ってございます。文字どおり、この東京、名古屋、大阪、これが折り畳まれて、日本列島全体が、その長さが縮小するような効果がそもそもあろうかと思います。
 まず、国交大臣にお聞きします。リニアによって、全線開業によってどのような効果があるのか、お聞きしたいと思います。

○国務大臣(石井啓一君) お答えをいたします。
 リニア中央新幹線の全線開業によりまして、東京—名古屋—大阪間の大動脈が中央新幹線、東海道新幹線と二重となります。これによりまして東海地震等の災害リスクへの備えになるなどの効果が期待をされます。さらに、移動時間が大幅に短縮されるなど三大都市圏の間の高速かつ安定的な旅客の輸送が維持強化をされまして、ひいては国土構造の変革がもたらされます。
 具体的には、リニア中央新幹線の全線開業によりまして、例えば名古屋と熊本、高知、山形との間の所要時間が四時間を切ることになりまして、これらの都市から名古屋への日帰り交通が可能となるなど三大都市圏へのアクセスの利便性が飛躍的に向上いたしまして、地域の活性化をもたらす可能性が高まります。最近の事例といたしましては、例えば北陸新幹線の長野—金沢間の開業に伴いましてYKKなどの企業が本社機能の一部を移転をしたと、また観光客数が大幅に増加した、こういった地域の振興や経済活性化の効果が見られるところであります。
 こういった波及効果が地域活性化、ひいては日本経済の活力を高めるものと考えております。

○西田実仁君 では、パネルを立てていただきたいと思います。ただいま御答弁のありましたように、例えば名古屋から熊本というのが今までは四時間を超えていたわけでありますが、四時間を切る日帰り圏になると。私も自分なりに調べてみたのがこのパネルでございまして、名古屋から四時間で行ける県庁所在地がリニア開通によってこれだけ増えるという一つの事例でございます。
 赤の丸が鉄道を使って四時間以内で行ける都市、既に四時間で行けるのは青のマークが付いておりまして、名古屋から仙台には既に四時間で行けますけれども、これまで盛岡には四時間十一分だったところが電車で三時間十七分になり、山形にもこれまで名古屋から四時間三十七分だったところが電車で三時間三十一分、徳島、高知、松江、また九州では佐賀あるいは熊本、今お話がございました、これだけ四時間を切るという、いわゆる日帰り交通圏にこれだけの県庁所在地が入ってくるということになります。
 この電車で行くというのが実は一つのみそでございまして、手軽に、本数も多いですし、すぐに行けると。これはやはり、例えば岩手とか山形とかあるいは九州や、熊本、佐賀といったところにおいて、名古屋の自動車産業あるいは航空産業と取引をしたいという地域の、地方にある大変世界的なシェアを持った、そういう企業が新しいイノベーション、新しい取引を拡大するチャンスが開けてくるということではないかと思います。
 新しい取引が拡大をされるということは、もちろん一つは物流の確保が大事であります。思い付くのは高速道路ネットワークでしょう。しかし、それだけで新しい取引が始まるわけではもちろんありません。むしろ大事なのは人流、人と人との行き来、人の流れというものがなければなかなか新しいものは生まれてこない。技術指導をしたり、打合せをしたり、商談をしたりという、人と人との行き来がよりやりやすくなる日帰り交通圏がこれだけ増えるということでございます。
 しかし、そう言いますと、じゃ、実際に例えば名古屋の自動車産業あるいは航空産業と取引をしたい、そういう世界的な企業とかがこの三大都市圏以外にどれだけあるのかという疑念を持たれる方もいらっしゃいますので、今日は総理以下大臣の皆様にはお手元に資料を配らせていただいております。ちょっと、かなり量が多くてパネルにはできないんですけれども、私が思い付くままというか、インターネットで自分で調べてみまして、世界的なシェアを持った企業がこの三大都市圏以外でどれだけあるのかということを調べさせていただきました。
 例えば、盛岡のある岩手県においても、また山形におきましても、例えば油圧パワーステアリングシャフトで世界シェア一五%の企業がございますし、また、世界で初めてクモの糸という新素材を量産化した、そして航空機産業や自動車産業への活用が期待されている大学発ベンチャーということもこの山形のところにございます。ほかにも、中国の島根にも、もちろん徳島や高知や九州にも、そうした全国に大変散らばっている自動車や航空産業などの新しい芽が人の行き来が活発になることによって一斉に花開くという可能性があるわけであります。
 しかし、それは可能性でありまして、それを実現するためには黙っていてそうなるというわけじゃもちろんありません。そこで大事なのが私は広域連携という、まさに自治体の枠を超えた交流あるいは連携あるいは融合を起こす、そうしたソフト面の仕掛けが必要であろうというふうに思いますが、そのことについては後に質問をさせていただきたいと思います。
 さて、このリニア全線開通によりまして劇的な移動時間の短縮が日本列島全体に及んでいくことが期待されますが、しかし、その時間短縮効果のみならず、日本の国土を変革していく可能性もあるというふうに私は強く思っております。
 総理は、さきの衆議院本会議におきまして、リニアの開業により三大都市圏が一時間で結ばれ、人口七千万人の世界最大の巨大な都市圏が形成される、我が国の国土構造が大きく変革され国際競争力の向上が図られ、その成長力が全国に波及し、日本経済全体を発展させるものだと述べられました。この総理の御発言、私なりに考えてみますと、例えば関西の文化やライフサイエンスという産業、そして中部の物づくり産業、そして東京にあるIoTとか、あるいはフィンテックといった、この三大都市圏の様々な都市の持っている特徴、これが融合し、新しいイノベーションを生み出していくという、そういう可能性をこのリニアが生み出すのではないかというふうに思います。そこにその巨大な都市圏が創出されることで、海外から優秀な人材やお金も集まってきて、また新しいものが生み出され成長力が高まっていくと。
 アメリカの経済学者でリチャード・フロリダという方が「クリエイティブ都市論」という本を書かれております。その本の中には、これからの競争は都市間の競争ではなくて、むしろ複数の都市を巻き込んだ、包含した、メガ地域同士の戦いになると、こういうことを言っておられます。
 このメガ地域、世界のトップ四十のメガ地域を調べてみますと、もうそこだけで、人口としては一八%なんですけれども、世界全体の経済活動の六六%、イノベーションの八六%、そしてトップ科学者の八三%がそのメガ地域トップ四十の中に全部入っていると、こういうことなんです。驚いたことに、このトップ四十のうちのトップツーは年間の経済活動が二兆ドルだそうでありますけれども、その二つのうちの一つはボストン、ニューヨーク、ワシントンというボスウオッシュというこの地域、もう一つは実はこの広域東京圏ということで、世界のまさにメガ地域のトップツーのうちの一つは広域東京圏、そしてトップシックスの一つが名古屋から関西のこのメガ地域と、こういう分析であります。
 そうしますと、このリニアによって東京、名古屋、大阪というのが一つの巨大な都市圏ということになりますれば、まさにトップツーに入っているところとトップシックスに入っているところが合体して、世界のまさにメガ地域に更にスーパーが付くような、スーパーメガリージョンと、超メガ地域と言えるような巨大な都市圏が誕生する可能性というものが大変秘められていると思っております。それが日本の国際競争力を高めていくということになろうかと思います。
 国交大臣にお聞きします。
 昨年八月に閣議決定をいたしました日本の国土形成計画の中で、このリニア中央新幹線がどう位置付けられ、今申し上げましたスーパーメガリージョン、超メガ地域というものがどう位置付けられているのか、そして、総理が提唱されている地方創生回廊づくりにこれをどう生かしていかれるおつもりなのか、お聞きしたいと思います。

○国務大臣(石井啓一君) 昨年八月に閣議決定をされました国土形成計画の中では、リニア中央新幹線は国土構造にも大きな変革をもたらす国家的見地に立ったプロジェクトであり、これによって、世界から人、物、金、情報を引き付け、世界を先導するスーパーメガリージョンの形成が期待をされ、さらに、その効果を最大化し、それを全国に波及させることを目的にスーパーメガリージョン構想の検討を行い、それに基づく施策を推進すると、このように明記をされております。
 地方創生回廊について総理は、リニア中央新幹線と整備新幹線や高速道路等により東京と大阪を大きなハブとしながら、全国を一つの経済圏に統合する地方創生回廊を整えると、このように述べられていらっしゃいます。
 その実現に向けましては、異なる地域の個性のある産業が融合して新たなイノベーションが起こり、高い生産性を有するスーパーメガリージョンが形成されること、加えて、その効果を地方に所在する高い技術を有する産業にも波及をさせていくこと、それを広域的な地域、官民の連携によって実現をしていくことが重要と考えております。
 国土交通省といたしましても、こういった連携の実現に向けて全力で取り組んでまいりたいと存じます。

○西田実仁君 今御説明いただきましたように、大事なことは、このスーパーメガリージョンを三大都市圏のみならず全国津々浦々に波及をさせていくということでありまして、それには何が必要かと先ほど少し申し上げましたが、この三大都市圏と地方圏の橋渡しをするというこの広域連携というソフト面の仕掛けがなければ、黙っていて融合したり、交流したり、あるいは提携したりする新しいイノベーションが生まれるわけではありません。
 この広域連携ということを、この三月、私は埼玉を例にして質問させていただきました。埼玉では新幹線の沿線十七都市と連携をいたしまして、東日本の玄関口としての大宮、これを首都東京圏とどう融合していくその懸け橋となるのかというさいたまプロジェクトが既に進行しているわけでありますけれども、この埼玉の位置付けも、東日本の玄関口ということから更にバージョンアップしなければならないんではないかと。今申し上げた三大都市圏、東京、名古屋、大阪という巨大な都市圏が誕生いたしますれば、そこと東日本をどうつないでいくのかというところにやはり埼玉が果たす役割というものもより自覚をしていかなければならないんではないかと。
 具体的には、そういう、例えば中部圏の航空産業や自動車産業と東日本の地方圏の世界的なシェアを持った企業との商談会とか、あるいは研究会とか交流、こういうことを、例えばその場を提供していく、そういう役割が東日本の玄関口である埼玉にも求められてくるというふうに思うわけであります。
 こうしたソフト面の仕掛け、特に、既に大臣に承認をされております広域地方計画、これを一つ一つ、いろんな各地にプロジェクトがございます、この広域連携のプロジェクトを絵に描いた餅に終わらせずに具体的に進めていくためにどうこれから着実に進めていくのか、大臣にお聞きしたいと思います。

○国務大臣(石井啓一君) 本年三月に策定をいたしました首都圏を始めとする全国八つの広域地方計画には、広域的な視点から官民が連携して地方創生に取り組んでいく百十六の広域連携プロジェクトが盛り込まれております。現在、これらのプロジェクトについては地域主導で順次推進されつつあります。国としても、その取組を支援をしていくために、それぞれの地域におきまして官民の多様な主体によって構想を具体化し取組を加速化していくために、平成二十九年度の概算要求において必要な経費を要求をしているところでございます。
 委員御指摘の埼玉のプロジェクトについてでありますが、これは、北海道、東北、北陸、上越新幹線の結節点であるさいたま市におきまして、首都圏のみならず、中部、近畿と東北、北陸などとのビジネス連携の場を提供するなどによりましてスーパーメガリージョンの効果を東日本に波及させていくものであります。地方創生を実現していく上で大変重要なプロジェクトと認識をしております。
 埼玉のプロジェクトを始めといたします広域連携プロジェクトを各地で推進することによりまして、地方創生を実現できるよう、国土交通省としてもしっかり取り組んでまいりたいと存じます。

○西田実仁君 ただいま大臣から御答弁いただきましたように、やはりこのスーパーメガリージョンの効果を地方に広げていくためには広域連携という仕掛けがどうしても必要で、そのプロジェクトを強力に推し進めていく、そういう必要があります。
 前回、三月の予算委員会でも地方創生担当大臣にお聞きしました。その地方創生の実現をしていくために必要な広域連携、それを後押しをするためには、例えば地方創生交付金、これの運用等で工夫がやっぱり必要ではないかと、こういうことを三月に申し上げさせていただきましたが、その後どのように工夫されているのか、お聞きしたいと思います。

○国務大臣(山本幸三君) 地方創生を推進するに当たりましては、地方公共団体間で連携して取り組むことが極めて重要であると考えております。
 そのために、地方創生推進交付金の申請要件として、先駆タイプというのがあるんですけれども、この先駆タイプの申請要件に、是非、地域間連携、広域連携ですね、これを条件としております。関係する地方公共団体と連携して広域的なメリットを発揮する事業であるという、そういう連携が必要だということを先駆タイプの申請要件としているところであります。
 さらに、本年七月より、地方からの要望を踏まえまして、これまで複数の地方公共団体が予算を共同で実施する場合のみを地域間連携と認めていたわけでありますけれども、これを予算の共同実施以外で連携するということも広く認めるという形で運用の弾力化を実施したところでございます。
 地域の実情に応じた広域連携の取組を更に推進するために、今後とも国として、地方創生推進交付金といった財政面に加えて、情報面、人材面からも積極的に支援してまいりたいと考えております。

○西田実仁君 これまで申し上げさせていただきましたように、リニアは、時間短縮効果ということに加えまして全国を一つの統合した新しい経済圏を創出する、そういう効果をもたらす可能性があるということでございました。そのためには、リニアを始め新幹線あるいは高速道路といったインフラ整備を着実に進めるとともに、経済界や自治体あるいは市民の皆様が様々な制約やバリアを越えて、更に圏域を越えて広域に連携していく広域連携、これが必要である。広域連携が活発に行われることが日本の国際競争力を高め、アベノミクスの効果を全国津々浦々へと浸透させ、そして人口減少社会でも活力を失わない日本をつくっていくことになるのではないかというふうに考えます。つまり、東京だけではなくて、日本列島全員野球でまさに強い日本をつくっていく、これこそが総理がおっしゃる地方創生回廊ではないかというふうに思います。
 このような観点から総理にお聞きしたいと思います。
 埼玉を始め、今後各地で進められる広域連携の取組が地方創生回廊の創出を加速していくものとしてこれまで以上に活発化していくことが重要でございます。このような広域連携が連なり、各地に連携の嵐を起こしていくことは、地方創生回廊にとってますます重要なものになってきていると考えますが、このことについての総理の御見解を伺いたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本が成長していく第一幕としてはあの一九六四年のオリンピックがあり、そして東京と大阪を新幹線でつないで、そしてそのインフラを基に日本は高度経済成長をしたわけでありまして、都市と都市をつなぐということは間違いなくその都市間の力を合わせた大きな相乗効果があるわけでございます。
 ですから、今、シンガポールとクアラルンプールを高速鉄道で結ぶ、日本も新幹線をこれ、採用してもらいたいということで働きかけを行っていますが、まさに西田先生がおっしゃったようなそういう方向に今世界が動いているんだろうと思います。日本はその中でも更に一歩先を行く広域連携を進めていくということが大切ではないかと思っております。
 札幌や敦賀、そして長崎への新幹線ネットワークの整備が進むとともに、リニア中央新幹線の全線開業で三大都市圏が一時間で結ばれ、人口七千万人の世界最大の都市圏が形成されます。これによって我が国の国土構造が大きく変革をされ、国際競争力の向上が見込まれるわけであります。
 大事なことは、その効果を大都市圏だけにとどめず、地方に波及をさせ、日本全体で成長していくことが大切であります。新幹線、幹線鉄道のほか高速鉄道路やあるいは国内航空ネットワークなどによって、東京だけではなくて、東京も大阪も名古屋もハブになっていくということでありまして、ハブとなって北から南まで地方と地方をつないでいくということになります。地方創生回廊をつくり上げ、全国を一つの経済圏に統合していくことで地方に成長の大きなチャンスを生み出していくことになるんだろうと思います。
 例えば、私の地元の山口県も、大阪で商談して、その後リニアで東京に行って、リニアでも商談して、夜に飛行機で帰ってくるということが可能になってくるわけであります。
 そして、委員御指摘の埼玉の広域プロジェクトは、大宮駅においてリニアがつくる巨大都市圏と東北や北陸とのビジネス連携の場を提供することで、大都市の集積の効果を広く東日本に波及させるものであります。まさに、地方創生回廊の実現をしていく上で大変重要なプロジェクトと考えております。その際、大宮はもはや首都圏の東日本に対する玄関口であるだけではなくて、中部や近畿も含めた巨大都市圏の玄関口としての機能を果たすことが期待されると思っております。
 このような各地の広域プロジェクトを効果的かつ着実に推進していくことで各地にまさに先生がおっしゃった連携の嵐を起こしていく、そして地方創生回廊の実現につなげていきたいと、このように考えております。

○西田実仁君 力強い決意を述べていただきました。是非、その連携の嵐を起こして、日本全体を元気にしていくということに一生懸命取り組みたいというふうに思います。
 話題は変わりまして、子供食堂についてお聞きしたいと思います。
 全国に広がるこの子供食堂でありますが、単に食事を提供するのみならず、学習支援あるいは居場所づくりにおいてそのニーズが大変高まっております。
 先日、この子供食堂を運営する地元所沢の社会福祉協議会の皆さんと様々な意見交換をさせていただく機会がございました。この社協の皆さんが異口同音に言われておられますことは、子供食堂のニーズの把握が大変に難しいと。必要だということをお子さんの方から発信することはまずありませんし、親御さんからもそうしたことはない。その中で、どうニーズを把握していくのかというところが一番苦労されているというお話でございました。
 この所沢では、コミュニティーソーシャルワーカー、CSWというのを、生活困窮者自立相談支援や、あるいは学校や民生委員の協力者の皆様、こども相談センターと打合せを重ねる中で情報を収集し、子供食堂というものを立ち上げておられます。立ち上げは社協が行いましたけれども、現在はもう地域のボランティアの皆さんが運営をされておられるものであります。地域の住民の皆さんを巻き込んで一緒にやることによって住民の皆さんが住民を呼んでくるという、そういう協力者も増えているということでございます。
 こうした意見交換の中で、子供からの発信がないという状況で、例えば学校、もっと言えば保育所ですね、その保育所にソーシャルワーカー等が配置されていれば、もっとその家庭の状況も、発見もまた家庭の状況も把握しやすい、そういうお話もございました。
 そこで、加藤担当大臣にお聞きしたいと思います。
 学校や地域、地域子育てセンター、そして保育所も含めたネットワークの中で、養育に問題がある家庭の早期発見ができるよう、補正予算に盛り込まれております子供の未来応援地域ネットワーク形成事業、この中でその環境整備を進めていくべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) 委員御指摘のように、貧困など困難を抱える御家庭の事情というのはなかなか外から見えづらい、把握しづらい、こういうこともございます。そういった意味で大変、早期発見というのは非常に大事でございますし、そういう意味で、今委員御指摘のように、学校に、学校等をプラットフォームとしてスクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーなどの配置をしていく。あるいは、妊娠期から子育て期にわたる様々なニーズに対して総合的に相談支援を提供し、切れ目のない支援を実施する子育て世代包括支援センター等の設置等も行ってきているところでありますが、こうしたそれぞれが展開をしていただく中で、やはり総合的に推進をしていく必要がある。そういうことで、学校あるいは子育て世代包括支援センターなどを含む多様な関係者が連携をして協力をしていただいて、支援を必要とする子供たちに確実に支援を届けていくということが必要であります。
 そういった観点に立って、今御指摘いただきました地域ネットワークを形成するための自治体の取組を支援する地域の子供未来応援交付金というものを平成二十七年度の補正予算において、また、この度の平成二十八年度の第二次補正予算においては十億円計上しているところであります。
 自治体の創意工夫によって、例えば御指摘のような所沢ではCSWあるいはソーシャルワーカー等々を配置をしていただくということは十分可能でありますし、実際にこの交付金を既に活用いただいている中にも、子供たちの居場所を整備して、心理カウンセラーなどコーディネーターを配置して福祉、教育など様々な関係者との間の情報共有を図る、こういう取組を既にしていただいているところもございます。
 そういった意味でも、こうしたまずネットワークをつくっていただいて、そういう中で先行的なモデルとしての取組をしていただく、これ大いに実施をしていただきたいというふうに思います。

○西田実仁君 子供食堂という名前ですから子供のための食堂というふうに思いがちですけれども、その名付け親の方が言っておられるように、決して子供だけのための食堂ではないと。独りぼっちで寂しく食事をする、こういう孤食という問題を抱えているのは、お子さんはもちろんですけれども、例えばお独り住まいのお年寄りの方もそういう孤食に陥っておられるわけでありまして、そうしたお年寄りとお子さんとが一緒になって食事をする多世代型の子供食堂ということもやはりこれは必要になってくるのではないかというふうに思うわけでありまして、今、子供未来応援基金というのを設けてこうした子供食堂の運営支援することを行おうとしているわけでありますけれども、今私が申し上げたような、そうした孤食のお年寄りと孤食のお子さんと一緒になって多世代で食事をする、そういう地域サロンみたいなものも是非この基金で応援していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) 今御指摘をいただきました子供の未来応援基金は、誰もが子供の貧困対策のために行動できる仕組みとして、子供の貧困を何とかしたいという企業あるいは個人の方々が基金を通じて、草の根で支援をしておられるNPO等、今の事例でいえば子供食堂等を行っている方々を支援していくということを目的としているところでございます。
 支援の対象においては、子供食堂あるいは学習支援、様々な事業が含まれております。子供たちに温かな食事と団らんのある居場所を提供して必要な支援につなげていくということで貧困の連鎖を断ち切っていく。こうした取組であれば、御指摘のように、高齢者を支えた形で運営されている子供食堂も当然支援の対象になるというふうに思います。
 実際、子供たちがふだん接することの少ない地域における高齢者を含め様々な世代の方と交流するということは、地域において包括的な社会をつくっていくという意味で非常に重要だというふうに思っておりますし、既に今回申請いただいている中にも、子供たちの居場所を整備する中で高齢者などとの交流を行うというものも入っているところでございます。
 まさに、民間資金の特性というのを生かして、創意工夫を生かした地域づくり、これに対するそうした様々な活動、これの支援にしっかりとつなげていきたいと思います。

○西田実仁君 終わります。ありがとうございました。

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