196-参-内閣委員会-003号 2018年03月20日


2018年3月20日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 まず、私は最初に、今回の財務省の決裁文書の書換えにつきまして幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 これはもう国会挙げて、与党、野党を問わず厳しくこの真相解明ということに今取り組んでいる最中でございますが、当委員会におきましては、このあってはならない決裁文書の書換え、文書の書換えということについて幾つか、関係する大臣等々の方にお聞きしたいというふうに思います。
 まず、公文書管理の担当大臣として梶山大臣にお聞きしたいと思います。
 今回の財務省の決裁文書の書換えについては、率直に今どうお感じになっておられるのか。もちろん、徹底したこの真相解明ということが第一でございまして、今それを鋭意国会を挙げて取り組んでいるところでありますけれども、こうしたあってはならない指示に対して組織の中で一人でやっているということは、もうないということは既に国会審議の中でも明らかになっております。そういう一連の関係したものの中で、誰もあらがうことなくこれを実行してしまったというこの組織文化あるいは公務員の意識、やはりここは根本的に問題があると言わざるを得ないというふうに思います。
 梶山大臣のまず所感をお聞きしたいと思います。

○国務大臣(梶山弘志君) まず、決裁文書に手を加えることはあってはならないということでありまして、決裁済みの文書について手を加えるときにはまた決裁を取り直すということが原点、基本的な考え方であると思っております。
 御指摘の件、現在財務省において調査中でありますけれども、行政機関の意思決定の基礎となる決裁文書に書換えが行われたということは、公文書への信頼、そして行政全体への信頼を揺るがしかねない行為であり、極めて重く受け止めております。
 公文書管理については、国会等で様々な御指摘も踏まえて、第三者的な立場にある公文書管理委員会で御議論を経て、そして昨年の様々な事案に対する御指摘も踏まえた上で、昨年末にガイドラインを決定をさせていただきました。そのガイドラインに基づいて今各府省で行政文書管理規則というものをそれぞれに作るわけでありますけれども、公文書管理委員会のチェックを今行っているところでありまして、その答申の可否について年度内に返答をいただくところでありますが、しっかりそれらのことも踏まえて、これらが実効性が高まるように努力をしてまいりたいと思っております。

○西田実仁君 私は、今回の問題、様々なところ、真相を解明した上で、どうこれを二度と起こさないようにするかという対策を考えなきゃいけないと思いますが、例えば会計検査院、例えば国家公務員法、総務省設置法等々、それぞれこのいわゆる内部統制機関と言われるところのよって立つ法律を適正に執行されていればこうしたことが起きなかったのではないか、あるいは防げたのではないかというふうに思っております。
 例えば会計検査院法では、お手元に資料をお配りしましたが、第二十五条を見ていただきますと、そこには、「会計検査院は、常時又は臨時に職員を派遣して、実地の検査をすることができる。」というふうになっております。
 先般、予算委員会でも、会計検査院から、この決裁文書の書き換えた問題について再調査、一連の事実関係を確認するという御答弁もございましたし、また予算委員会におきましては、よもや書類が書き換えられたとの思いには至らず、文書の真正性の検証は必ずしも最優先事項と位置付けられていなかったと、こう釈明をされておられます。しかし、これは書類審査だけではなくて、この会計検査院法の二十五条に定めのある、例えば実地の検査をしていればこのようなことにはならなかったのではないかとの思いは果たしてお持ちなのでしょうか。
 この会計検査院法、院法を踏まえての御答弁を願いたいと思います。

○説明員(岡村肇君) お答え申し上げます。
 会計検査院は、憲法第九十条の規定に基づき国の収入支出の決算の検査を行うほか、会計検査院法第二十条の規定に基づき、法律に定める会計の検査を正確性、合規性、経済性、効率性、有効性等の多角的な観点から実施しております。
 会計検査院がこれらの規定に基づき厳正に検査を行うことにより、指摘を受けたもののみならず、これ以外についても相当な牽制となって、違法、不当な会計経理が未然に防止される効果も有していると考えております。しかし、今般、決裁文書に関する問題が明らかになるなどしたことにつきましては遺憾であると考えております。
 会計検査院といたしましては、このような事態が発生しましたことを重く受け止めまして、与えられた権限をより適正に行使し厳正に検査を行ってまいりたいと考えております。

○西田実仁君 はっきりお答えになってはおりませんけれども、この院法に定めのある権限を適正に行使をしていくという大変強い決意を持っていかなければ、これは今後また再び繰り返してしまいかねないというふうに私は大変危惧をしております。
 国家公務員法第十七条には、人事院の調査について定めがございます。添付の書類にもございますように、「人事院又はその指名する者は、人事院の所掌する人事行政に関する事項に関し調査することができる。」と。その第二には、同項の調査に関し必要があるときは、証人を喚問し、また調査すべき事項に関係があると認められる書類若しくはその写しの提出を求めることもできると、このようにもなってございます。
 こうした人事院が持つこれらの権限、こうしたことが適正に行使されていれば、今回の問題に限らずですけれども、防衛省の日報問題、あるいは文科省の天下り問題といったことについて、一連のこのいわゆる不祥事と言われるものについて起きていなかったのではないかというふうに思いますけれども、今日は一宮総裁に所見を伺いたいと思います。

○政府特別補佐人(一宮なほみ君) 国民の公務に対する信頼は行政運営の基盤であり、職員一人一人が国民全体の奉仕者としての使命感、倫理観を持ち、国民全体の奉仕者として国民本位の公正な行政の実現に尽力するということが不可欠であります。御指摘の最近の事案につきましては、人事院としても極めて遺憾に存じております。
 職員の服務に関する個別の事案につきましては、所属職員の服務を統督するとともに事実関係を十分に承知し得る立場にある任命権者が御判断されるものでありますが、人事院といたしましても各府省に対し、今後とも厳格な運用を強く求めてまいります。
 人事院といたしまして、全府省の職員を対象に、役職段階別に行う研修において公務員の在り方や公務員倫理を考えさせる内容を充実したり、職員の倫理保持に関する様々な啓発活動を行ったり、各府省人事担当者を対象にした説明会の実施や職員向けパンフレット作成等による国民全体の奉仕者としての服務、懲戒制度全般の趣旨の徹底などに努めております。
 今後とも、説明会や会議の場などあらゆる機会を捉えて、各府省に対し、職員の使命感、倫理観の醸成について働きかけるなど、一層の対応に努めてまいります。

○西田実仁君 総務省行政評価局にお聞きしたいと思います。
 総務省設置法第四条十二にございますように、各行政機関の業務の実施状況の評価及び監視を行うと、このようになってございます。こうしたことも適正にこの権限を使っていれば防げたのではないかという観点で御答弁願いたいと思います。

○政府参考人(讃岐建君) お答えいたします。
 総務省行政評価局は、総務省設置法の規定に基づき行政評価・監視を行っており、政府内にあって施策や事業を担う各府省とは異なる立場から行政の適正性の確保等を図る役割を担っております。
 各行政機関の業務プロセスに応じて膨大かつ多様な内容を持つ公文書の適切な管理に関しては、各行政機関における責任を持った対応が重要であり、こうした観点から、昨年九月、総務省の行政評価・監視結果に基づく勧告でも、点検、監査、研修の徹底について各府省に対して指摘をしたところでございます。
 政府全体の公文書管理につきましては、現在、昨年末の公文書管理のガイドラインの改正を踏まえて、年度内に各府省が行政文書管理規則を改正し、厳格なルールの下で公文書管理の適正な運用を図るとともに、研修の充実などにより各職員へのルールを徹底を図るということとされています。行政評価・監視の立場からは、まず政府全体のこうした動きを注視していくことが適切であると考えます。
 いずれにいたしましても、総務省といたしまして、必要な場合には行政評価・監視機能を適切に発揮し、行政運営の改善に努めてまいります。

○西田実仁君 大事なことは、そういうふうにいろいろと、人事院についても総務省にしても、あるいは会計検査院にしても、根拠に基づく法律があって、それを適正に執行していればこんなことが起きなかったのではないかということについて、私は大変に残念でもありますし、危惧もしているわけであります。結局は、そうした内部の統制機関の統制がきちんと利いていないから今回のような大事件に発展してしまっているということは言わざるを得ません。
 それで、そういう意味で、我々は今、立法府の方でこうした行政をしっかりと監視をしていくということを、常時に監視をし、そして行政の中でそれが浄化されないのであれば、やはり立法府としてしっかりとこれを真相解明するとともに、再発を防ぐということがなされなければならないという大変強い問題意識を今、参議院では党派を超えて共有をして協議をしているということは、是非行政府の皆様にもお伝えをしておきたいというふうに思います。
 観点異なりますが、今から四年前になります予算委員会で私は閣議の議事録公開を質問いたしました。その際、閣議あるいは閣僚懇談会以外の閣僚会議につきまして、現状を調査した上で、議事録の作成、公開をすべきだと、こう促したわけであります。その後、内閣府におきましては、各省庁に対して状況調査を行い、公文書管理委員会における議論等を経た上で、平成二十六年七月一日に改正を行った行政文書の管理に関するガイドラインにおきまして、閣僚会議等について、その開催日時、開催場所、出席者、議題、発言者及び発言内容を記載した議事の記録を作成するものとしたというふうに承知をしております。
 改めてお聞きいたしますけれども、平成二十六年三月に各省庁に対して実施しました閣僚会議等の議事録の作成、公開の状況について確認をさせていただきたいと思います。
 閣僚を構成員とする政府の会議の数、議事録の作成、公開、非公開など、その概要をお知らせいただきたいと思います。

○政府参考人(田中愛智朗君) お尋ねの調査につきましては、平成二十六年三月四日の委員会において、安倍総理から、閣議、閣僚懇談会の議事録について、公文書管理法の趣旨に基づき今後作成される旨及び閣僚を構成員として開催される閣僚会議等についても、閣議、閣僚懇談会に関する対応を踏まえた所要の措置を講じる旨の方針が示されたことを踏まえ、同年三月に各府省に対して、閣僚を構成員とする会議における議事録等の作成状況等について調査を行ったものでございます。
 当時の調査結果の概要としましては、まず、閣僚を構成員とする政府の会議の数は百七十二であり、そのうち議事録を作成している会議の数は七十四、議事概要を作成している会議の数は四十でございました。また、議事録の公開及び非公開につきましては、当時の調査において調査項目に含まれていないため、不明でございます。

○西田実仁君 今の報告によりますと、結局、閣僚会議等の議事録を作成している会議が七十四、そして議事概要が四十ということでありますので、全体が百七十二ということであれば、議事録あるいは概要すら作成していない会議が五十八ということになるのでしょうか。また、議事録非公開の会議数は不明ということでありますが、なぜこれは調査をしないんでしょうか。

○政府参考人(田中愛智朗君) お答えいたします。
 お尋ねの点につきましては、調査を実施した平成二十六年三月時点において議事録又は議事概要を作成していない会議は、御指摘のとおり、五十八であると承知しております。
 また、閣僚会議等の議事録の公開状況につきましては、当時の調査項目に含まれておりませんけれども、公文書管理法第四条に基づく文書作成義務を果たしているかという観点から、平成二十六年当時にルールが存在していなかった議事録等の作成状況について把握することとしたため、調査項目が議事録等の作成の状況に限られたものと承知しているところでございます。

○西田実仁君 今御答弁の中にもありました、当時、総理からも公文書管理法第四条の趣旨に基づいて必要な措置を検討するとされて調査を行い、現状に至っているわけであります。
 今報告いただきましたように、閣僚会議等について、議事録あるいはその概要の作成すらなされていない会議が相当数あるということ、またその後の追跡調査等もまだ行っておらず、現状がどう改善されているかも不明なこと、また議事録非公開の会議の実態も不明であるということなどからして、法の趣旨に沿った対応とは言えないのではないかというふうに思います。
 そこで、梶山大臣には、この公文書管理法第四条の趣旨にのっとって、閣僚会議等に関する議事録の作成、公開がどうなっているのか、更にその追跡調査をすべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(梶山弘志君) 閣僚会議等の議事の記録の作成につきましては、平成二十六年三月四日の参議院予算委員会における西田委員からの御指摘も踏まえて、平成二十六年三月の調査結果や公文書管理委員会における議論等を経た上で、平成二十六年七月に行政文書の管理に関するガイドラインを改正し、全ての閣僚会議等について開催日時、開催場所、出席者、議題、発言者及び発言内容を記載した議事の記録を作成を義務付けたところであります。
 その上で、御指摘の点につきましては、現状調査を行うことについて積極的に検討してまいりたいと思っております。

○西田実仁君 大臣の大変強い決意を示していただきました。是非ともよろしくお願いしたいと思います。
 決裁文書の書換えについて及び議事録等についてはここで終わりますので、委員長のお許しがあれば、関係の方は御退席いただいても結構でございます。

○委員長(榛葉賀津也君) 退席いただいて結構です。

○西田実仁君 次に、児童虐待死についてお聞きしたいと思います。予期しない妊娠、計画していない妊娠について今日は質問させていただきたいと思います。
 二ページ目に、児童虐待で亡くなる命の六割はゼロ歳児というグラフがございます。まずこれを御覧いただきたいと思います。これは、厚生労働省の社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会、いわゆる専門委員会によります子供虐待による死亡事例等の検証結果等について、最新の第十三次報告から作成したものであります。
 最新の平成二十七年度等を見ても五八%となっておりますが、児童虐待で亡くなる方の六割がゼロ歳児ということでございます。人数でいいますと五十二人、平成二十七年度、児童虐待で亡くなった子供さんがいらっしゃいます。そのうちゼロ歳児が三十人、六割がゼロ歳児と。そして、その月齢を見ますと、ゼロか月が十三人と、半分近く占めているのが、その次のページを見ていただきますと円グラフがございまして、ゼロか月ということであります。さらに、そのゼロか月で亡くなる方の八五%はゼロ日目に亡くなっているということでございますので、ゼロ歳ゼロか月ゼロ日と、つまり産んですぐ児童虐待という、亡くなっている方が数多くいらっしゃるという大変に悲惨な結果でございます。
 このゼロか月ゼロ日の虐待死をなくすと、ここに私は目を向けなければ本当の子育て支援にはならないのではないかという問題意識から、今日は質問させていただきたいと思います。
 今日は松山大臣にお越しをいただいておりますけれども、内閣府が進めております子育て支援というのは、妊娠期から子育て期にわたる切れ目ない支援ということであります。しかし、その主なスタートラインというのはどうしても母子手帳交付の場でございます。そのため、その場に、その交付の場に姿を見せることができない、現れない超ハイリスクな特定妊婦とはなかなか支援としてつながるのが難しいというのが現状であります。
 次のページを、三枚目、㈫のところを見ていただきますと、まさにその子育て支援のフローというか、を示させていただきました。母子手帳交付というところの右側に行きますと、保健師との面談とか妊婦健診への助成とか、地域のママ友づくり等が、様々支援が豊富になされておりますけれども、その前に医師による妊婦確定診断、あるいはその前に妊娠検査薬等によって判明していくということでありますが、その下の水色のところを見ていただきますと、妊婦健診未受診、あるいは母子手帳、その結果として未交付のハイリスクな特定妊婦の方はいつまでも支援の場につながることなく、先ほどのゼロか月ゼロ日の虐待死ということに中にはつながってしまうという残念な結果になっているわけであります。
 要は、支援につながらないというのは孤立した妊婦というふうに言わざるを得ないわけですけれども、その孤立してしまっている妊婦とつながる仕組みとして、予期せぬ妊娠、計画しない妊娠の相談支援事業に取り組んでいるところが幾つかございます。今日は、この中でも一般社団法人のにんしんSOS東京の皆さんからお聞きしたことを基にして質問をさせていただきたいと思います。
 先ほど見ていただきました専門委員会第十三次報告に戻りたいと思います。
 児童虐待で亡くなる命の六割がゼロ歳児であり、そのうちの半分近くが生まれたその日に亡くなっている月齢ゼロか月という事実を紹介させていただきました。その加害者を見ますと、調査によると九割が母親であります。そして、その全ての母親は妊婦健診未受診でありまして、したがって、母子手帳の未発行が九割というのがこの専門委員会の調査結果であります。産婦人科受診のハードルの高さがうかがわれるわけであります。と同時に、予期せぬ妊娠、計画しない妊娠への支援は、これまでのような母子手帳交付からの支援をメーンとする支援だけではどうしても切れ目が生じてしまうということが分かります。
 どんな人でも妊娠すると助けが必要となります。しかし、家族やパートナー、友人など、個人で持っている依存先が元々少ない方や、社会資源や地域コミュニティーなどにアクセスできない妊婦さんは孤立していくわけであります。妊娠したかもしれないと思った瞬間に相談できる、そういう場が少ないためであります。にんしんSOS東京は、そうした誰にも相談したくてもできない状況にある妊婦の相談支援事業を行っている一般社団法人であります。
 まず、松山大臣にお聞きしたいと思います。
 これまでの資料等から見えてくる課題について、とりわけ児童虐待で亡くなる命の六割がゼロ歳児であり、そのうちの半分近くが生まれたその日に亡くなっているという事実について、どのように受け止められるでしょうか。なぜ、こうした超ハイリスクな妊婦は悩みを抱え込んでしまうと考えられるのか、その所感を伺いたいと思います。

○国務大臣(松山政司君) 児童虐待、またそれによって幼い命が亡くなるということは決してあってはならないことでございます。
 委員御指摘のとおり、虐待で亡くなる子供のうち、ゼロ歳児が全体の約六割を占めており、このうち四割弱がその日のうちに亡くなっていることは大変痛ましいことでございます。
 生まれたその日に亡くなる子供の事例ですが、予期しない妊娠であることなどによって妊婦は妊娠そのものに、周囲に相談できないと、また一人で悩み、また相談を、助けを求める場所が分からないまま自宅等で出産をしたり、また遺棄をした状況が推察をされます。
 このため、予期せぬ妊娠を含めた様々な事情をお持ちの妊婦の方が安心して相談できるような環境整備というものをしっかり行っていくことが重要であると考えております。詳細は厚労省の方からも答えさせていただきたいと存じます。

○政府参考人(山本麻里君) お答え申し上げます。
 ゼロ歳児の死亡事例におきましては、議員からも御紹介ございましたように、母子健康手帳の未交付であるということでありますとか、妊婦健康診査が未受診である場合がほとんどでございます。松山大臣から御答弁ございましたように、予期しない妊娠であることなどにより周囲に相談できず、一人で悩み、助けを求める場所が分からないといったような状態が推察されるわけでございます。
 そのほか、ゼロ歳児死亡の背景としては、産前産後の心身の不調でございますとか家庭環境の問題等も考えられると考えてございます。

○西田実仁君 この関東圏にはこうした相談窓口が大変に少のうございまして、例えば、赤ちゃんポストで有名な熊本の慈恵病院、こうのとりゆりかごが受ける相談件数、この三割は関東圏からの相談だそうであります。また、同じような相談支援事業を行っているにんしんSOS大阪、ここは府からの委託を受けて地方独立行政法人のところが運営していますけれども、この半分も府外からの相談でありまして、そのうち関東圏が圧倒的に多いということであります。
 なかなか近くの友人や家族には相談できない、また、遠くの専門家、医師とか弁護士などは大変に心理的、物理的に話せない、あるいはお金が掛かるため相談できない、そんな関東圏のこうした悩みを抱えている妊婦さんが熊本の慈恵病院あるいはSOS大阪に電話を掛けて相談している姿が浮かび上がってくるわけであります。
 今お話しのように、ゼロ日目の虐待死のほとんどは、その母親が母子手帳未交付であり産婦人科未受診ということで、現在の制度ではなかなか支援につながることができないこと、また思い掛けない妊娠を繰り返してしまう人がいること、相談しづらい社会、人間関係があること、こうした困難を克服していくには、産む産まないに制限されず相談できる、妊娠の可能性があるそのときからつながれる、そして匿名性が守られ安心して相談できる環境という三つの条件が欠かせないのではないかと、このにんしんSOS東京の方はおっしゃっておられました。
 このにんしんSOS東京の相談件数は、資料の㈭のところにございますように、二〇一五年十一月から始められて、今直近、今年の二月では新規の相談者数は百五人になっておられるようでありまして、継続的なここは関わりをしているところではありますので、延べの相談件数はこの新規相談者数の五倍にも上るというふうに言われております。
 その一つ前に戻っていただきますと、こうしたことにも様々行政の方でも対応をしようと努力をしていただいているわけですけれども、この予期しない妊娠、計画しない妊娠の相談支援事業というのは一般的な相談支援の課題になかなか応え切れていないと。この左側に課題がありますように、従来の既存の妊娠相談窓口では、例えば、福祉、法的な面からのサポート体制が不足とか、あるいは問題意識のない課題にアプローチできないとか、相談内容が限定しているとか、開かれた相談窓口になり切っていないと、こういう課題が数多くあるわけでございます。
 こうした現状の、この一般的な妊娠相談窓口の課題については厚労省はどのようにお考えになっているのでしょうか。

○政府参考人(山本麻里君) お答え申し上げます。
 妊娠に関する相談窓口としては、予期せぬ妊娠についての相談を含め、女性の心身の悩みに対応するため、都道府県、指定都市、中核市に女性健康支援センターの設置を進めているところでございます。また、妊娠期から子育て期にわたるまでの切れ目のない支援を行うため、市町村に子育て世代包括支援センターの設置を進め、二〇二〇年度末までに全国展開することとしております。これらにおきましては、必要に応じ複数回の相談に応じるとともに、相談内容に応じて関係機関と連携して支援を行っております。
 一方で、これらの相談受付時間につきましては、休日や夜間等に対応しているところが少なく、予期せぬ妊娠への対応として、いつでも相談できる体制の整備が課題であると認識しております。

○西田実仁君 まさに今おっしゃった女性健康支援センターについては、そうした課題、二十四時間対応あるいは休日夜間対応がないというところ、この体制の貧弱さというものを、課題を克服していかなければいけないと思います。また、法的に全国展開位置付けられました子育て世代包括支援センターについては、今お話しのように、ここが、いわゆる妊娠に葛藤している、妊娠葛藤相談の支援機能を持つことは重要であり、価値のあることであるというふうに思います。
 しかし、現在この行政が行っている相談支援事業をそのまま移行させても、なかなかこの問題の根本的解決には至らないんじゃないかと。今の現状の制度ではなかなかつながれないというところが問題なわけでありますので、ここを、その支援を必要としている人につながっていく。まず、つながるべきその方がどこに、どの地域にどのようにいらっしゃるのかということを把握できなきゃいけませんし、また、そのつながる方法、環境を整えていくという必要があるというふうに思います。
 すなわち、ゼロか月ゼロ日の虐待死をゼロにしていくためには歩み寄る支援が不可欠でありましょう。孤立状態にある当事者へのアウトリーチをいかに行うか、相談窓口の存在を当たり前に皆が知っているということが必要であります。当事者にとって相談しやすい時間帯と手段を用意する必要がありますし、保健所など行政の窓口はどうしても敷居が高いということでございます。
 そこで、この全国妊娠SOSネットワークのホームページによりますと、妊娠葛藤相談窓口は全国に今四十七か所設けておられますが、県内に一か所もない自治体もあります。また、その運営主体が、開設時間や曜日、相談方法など、地域によってかなりばらつきがございます。そもそも支援が必要なこうした超ハイリスクな妊婦の方にこのような施設があること自体が周知されていない、この施設への公的な支援も十分とは言えないと。
 少子化が同じように進むドイツにおきましては、二〇一四年に内密出産制度ができまして、国民四万人に対して妊娠葛藤相談に対応できる相談員を一名配置することが定められております。中絶を検討している場合でもその相談所に相談することが義務付けられており、相談所での相談をしたことを証明する書類がないと中絶手術を受けることができないなど、妊娠をしたそのときから相談できる場所があることが母子それぞれの人権を尊重することにつながるという考えで運営されていると聞きました。
 全国の指定都市市長会からも、こうした内密出産制度について、我が国に適した法制度の整備について検討すべしという要望もいただいておりますし、妊娠葛藤相談を始めとした相談体制の整備や人材育成に係る経費への財政支援ということも求められております。
 松山大臣にお聞きしたいと思います。
 今、資料等の提供いただいた、にんしんSOS東京のような妊娠葛藤相談窓口はますます必要になってくるのではないかと思います。今申し上げましたように、県内に一か所も設置されていない自治体もありますし、その運営方法も地域によってかなりばらつきがございます。必ずしも、支援が必要な超ハイリスク妊婦の方にも知られていない、そうした課題があります。
 今後、こうした妊娠葛藤相談窓口をどのように支援していくか、また周知を図っていくか、大臣にお聞きしたいと思います。

○国務大臣(松山政司君) 先ほど厚生労働省から答弁させていただいたとおりに、厚労省において、女性健康支援センターによって予期せぬ妊娠に悩む方への相談支援の対応をしっかり今強化をしているところでございます。
 いつでも相談できる体制構築に向けて、その周知も含めて厚生労働省がしっかりと取り組んでいくように、私としても注視をし、また連携をして取り組んでまいりたいと思います。

○政府参考人(山本麻里君) お答えを申し上げます。
 先ほど、女性健康支援センター及び子育て世代包括支援センターを全国的に進めていくという答弁をさせていただきました。これらにつきましては、議員が御指摘になりましたように、歩み寄る支援、アウトリーチ型の支援というのが大変重要だと考えてございます。したがって、このセンターの実施に当たりましては、地域の実情によりまして、より適切な団体に業務を委託していくということも可能であるというふうに考えてございます。
 現状では、これらのセンターの開設時間、曜日、相談方法は各センターで様々な状況でございますけれども、予期せぬ妊娠相談への対応を強化するために、平成三十年度予算案におきましては、女性健康支援センターについて夜間、休日対応加算を新設いたしまして、いつでも相談できる体制構築に向けて取り組んでおります。
 また、リーフレットの作成等の広報活動についても、女性健康支援センター事業の事業内容に含まれているところでございまして、センターを設置する自治体においては、相談窓口の周知についてはハイリスクの妊婦さんを念頭に様々な工夫をしながらきめ細かく取り組んでいただくよう依頼をしていきたいと思っております。

○西田実仁君 是非丁寧な対応をお願いしたいと思います。
 再三、今私も申し上げているように、内閣府の子育て支援というのは、妊娠期から子育て期にわたる切れ目ない支援の実施を掲げておられます。しかし、その切れ目ない支援のスタート時点がこの母子手帳の交付の場での面接でありまして、どの自治体も全員面接を目指して、そこで特定妊婦をスクリーニングしているということでございます。しかし、産むか産まないか迷っている人あるいは日常生活の中で経済的な困難を抱えている人は、年金とか税金の未納とかという場合もあろうと思いますけれども、なかなかこの氏名を明かして母子手帳の交付を受けることが難しいという現実もあろうかと思います。
 そうした産む産まないの葛藤をしているような、妊娠して困っている段階でキャッチできる場所がないというのが、こうしたゼロ歳ゼロか月ゼロ日で虐待死ということになってしまう遠因にもなっていると思われます。
 現在、母子手帳交付時に妊婦健診受診票十四枚、妊婦超音波検査受診票一枚及び妊婦子宮頸がん検診受診票を交付しておりますが、多くの産婦人科では補助券を使用できるのは妊娠十週から十四週辺りからでございます。妊娠の判定のための検査あるいは十週前の受診の際には妊婦健診補助金が利用できないことがほとんどであろうかと思います。つまり、妊婦が検査薬などで判断した五から十週の間の産婦人科受診は全て自費となっているという問題もございます。
 予期せぬ妊娠、計画しない妊娠のような超ハイリスク妊婦の場合、妊娠判定のための産婦人科初回受診料を無料にするとか、あるいは妊娠初期から妊婦健診補助金が利用可能な言わば初めての産婦人科受診券を発行し、妊娠葛藤相談支援事業や行政機関との連携の下、母子手帳が交付される前からの子育て支援、胎児期からの子育て支援につなげていく必要があるのではないでしょうか。
 ゼロか月ゼロ日の虐待死をなくし、女性のリプロダクティブヘルスの向上に係る松山大臣の決意を伺いたいと思います。

○国務大臣(松山政司君) 平成二十七年三月に閣議決定をしました少子化社会対策大綱では、安全かつ安心して子供を産み育てられる環境を整備し、個々人が子供についての希望を実現できる社会をつくるということを少子化対策の基本的な目標としております。
 また、子育てをめぐる環境が大きく変化する中で、一人一人の子供の健やかな育ちを実現するため、子供や子育て支援の更なる充実を図ることが重要だと存じます。
 委員御指摘の、母子手帳が交付される前からの子育て支援、また予期せぬ妊娠に悩む方への支援、これにつきましては、引き続き、厚生労働省において、妊娠期から子育て期にわたるまでの様々なニーズに対してワンストップで相談支援を提供する子育て世代包括支援センターの全国展開を図ってまいります。また、女性健康支援センターによる予期せぬ妊娠に悩む方への相談支援の対応、これもしっかりと強化をしてまいりたいと思います。
 今度とも、妊娠、出産、そして子育ての各段階に応じた切れ目のない取組を厚生労働省と連携して一層推進をしてまいる決意でございます。

○西田実仁君 厚労省にお聞きしたいんですけど、妊婦健診に係る補助券の取扱いについてお聞きしたいと思います。
 市町村において妊娠届出をする際、医療機関による妊娠の確認は法律上必須でしょうか。

○政府参考人(山本麻里君) お答え申し上げます。
 妊娠の届出につきましては、母子保健法施行規則において妊娠月数を届け出ることになっておりまして、この妊娠月数の判定は医師又は助産師の診察によらなければ正確を期し得ないため、あらかじめ医師等の診察を受けることを推奨しております。
 しかしながら、法令上は、妊娠の届出に当たり医師等の診察を受けることは要件とはしてございません。仮に、判定を受けていない方がいらっしゃいましたら、速やかに診察を受けるように指導するとともに、その結果の把握に努めることとしております。

○西田実仁君 つまり、法令上必須ではないということであります。
 必須でなければ、仮に、その当事者が妊娠をしたと確信した場合に市町村に届出を行い、妊婦健診の補助券をもらうことも可能ということになろうかと思います。その補助券を使用して、いわゆる初めての産婦人科受診、今推奨されると言われました医師の受診を受けるということも、この補助券を使って可能になるわけであります。ただし、その際、市町村にこの補助券の使用を認めてもらわなければならない。妊婦健診は自治事務ということでありますので、事業主体である自治体が認めれば可能になるんだろうというふうに思います。
 ただし、国は、この妊婦に対する健康診査についての望ましい基準というのを定めておられます。この大臣告示に、いわゆる初めての産婦人科受診券と私が申し上げているような使用方法が可能になるような明記をする、あるいは、現行の大臣告示にもある医師が必要とした検査という項目の中に、超ハイリスク妊婦の妊娠判定検査に使えるように通知するといった対応は可能なのではないでしょうか。御検討をいただきたいと思いますが。

○政府参考人(山本麻里君) お答え申し上げます。
 初めての産婦人科受診券につきまして御質問がございました。一般的に、妊娠判定のための検査そのものは妊婦健康診査の対象になっていないわけでございますが、事業の実施主体である市町村の判断により、初めての産婦人科受診の際に受診券を用いて妊娠判定検査以外の妊婦健康診査を受けることにより、受診される方の負担を軽減していくことは可能と考えてございます。
 特に、御指摘のようなリスクの高い妊婦さんにおきましては、自治体に配慮をしていただくことが必要と考えてございます。このことにつきまして、市町村とよく意見交換をしながら、具体的な方策について検討してまいりたいと思っております。

○西田実仁君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 では、この虐待死の話はここまででございますので、委員長のお許しがあれば、関係の方は御退席、結構でございます。

○委員長(榛葉賀津也君) 御退席いただいて結構でございます。

○西田実仁君 続きまして、高齢運転者の交通事故防止についてお聞きしたいと思います。
 六十五歳以上の高齢者が加害者の交通事故が、ここ数年は低下傾向であるものの、依然として全体の三割を占めております。車が登校途中の小学生の列に突っ込んだり、病院の敷地内で暴走して歩行者をはねたりといった重大事故が頻発しておりまして、高齢者の車の運転は社会問題化しております。
 二〇一七年、昨年の三月に七十五歳以上の認知機能検査を強化した改正道交法が施行されました。その効果もあってか、高齢者の免許返納は、昨年、九八年の制度導入以降最多となったというふうに聞いております。
 内閣府が昨年十一月に実施した運転免許証の自主返納制度等に関する世論調査では、どのようなときに運転免許証を返納しようと思うかとの問いに、六五%の人が自分の身体能力の低下等を感じたときと答える一方、家族や友人、医者等から運転をやめるよう勧められたときと回答した人は全体の三七%と、自らが納得しないとなかなか免許を返納しないということだと思います。そして、安心して運転免許証を返納するにはどういうことが必要かというふうに聞いたところ、最も多いのは、電車やバスといった公共交通機関の運賃割引、無償化の六五%、次いで、地域における電車、バス路線など公共交通機関の整備が五九%と約六割。高齢者にとって自動車は足であり、鉄道やバスなどの交通網が不便な地域に住む高齢者は運転免許がなかなか手放せない。返納した人にマイカーに代わる移動手段を提供する必要があることがよく分かります。
 この運転免許証を自主返納しますと、運転免許経歴書が発行されます。自治体によっては無償で発行しているところもあります。一般的には、しかし、手数料千円ぐらい必要ということで聞いております。この運転免許経歴書を提示すると何らかの特典が受けられる自治体があります。私の地元の埼玉でも、巡回バス券、バス回数券六十枚、五千円相当ですけれども、提供する町や、そうした返納タクシー券を提供する自治体もございました。
 内閣府の世論調査でも明らかなように、自動車に代わる公共交通機関の運賃割引、無償化は最も求められております。
 そんな中、タクシー業界でも運転免許返納割引を導入する事業者が増えております。私の地元埼玉でも、四十九法人、一個人事業者が、七十歳以上の者で運転免許証を返納することにより警察署で発行される運転経歴証明書を提示した場合に一割引きというふうにしております。全国的にも、国交省の調べによりますと、法人で二千六十四社、個人で千五百六十一社のタクシー事業者が運転免許返納割引を平成二十八年一月の段階ですが導入しております。しかし、全国五万社あるタクシー事業者のまだ七%ほどという実態であります。
 これをもっと普及させるためには、例えば、身体障害者割引のように、運転免許返納割引を公共的割引に位置付けられないものかという問題意識で質問させていただきたいと思います。
 この身体障害者割引は、平成十三年の国交省自動車交通局長通達によりまして公共的割引に位置付けられています。すなわち、身体障害者割引は、身体障害者福祉法による身体障害者手帳を所持している者に適用するものとし、割引率は一割とすると。知的障害者割引も同様であります。いずれも局長通達によって公共的割引に位置付けられているものの、これによって、一割引きですけれども、それを、減収分を補填するという予算措置は特にとられておりませんで、事業者のまさに自主的な割引制度ということですけれども、公共的割引に位置付けられて、それが普及しているということであります。
 そこで、運転免許証の返納割引についてもこうした身体障害者割引などと同様に、今は位置付けられておりませんが、公共的割引に位置付けることによって、法人、個人を問わず、タクシー事業者に広く普及することが可能になるのではないでしょうか。運転免許証の返納により新たな顧客として迎え入れる契機にもなり得るわけであります。関係者の意見もよく聞きながらも、国交省自動車局には運転免許返納割引の普及に向けての何らかの措置を求めたいと思いますけれども、いかがでありましょうか。

○政府参考人(早川治君) お答えいたします。
 高齢運転者による死亡事故等の発生が社会的問題となっております中、高齢運転者の交通事故防止対策は喫緊の課題でございまして、こうした対策を進める上でも、自動車の運転に不安を感じる高齢者の移動手段を確保するということが必要と認識しております。
 先生御指摘がありましたように、タクシーはこうした高齢者の移動手段として重要な役割を果たすものでもございますし、また、これも御紹介ございましたけれども、一部のタクシー事業者においては、地域の要請等を踏まえ、運転免許証を自主返納した高齢者を対象とした運賃の割引を実施しているということは私どもも承知しております。
 国土交通省といたしましては、このような割引制度が減収を伴うということを勘案した上での事業者の自主的な判断の中で行われているということは留意する必要がございますけれども、委員の御指摘踏まえまして、タクシー事業者に対してこうした運賃割引の全国的な実施状況などについて周知をいたしますとともに、割引制度の導入について検討いただくよう、理解と協力を求めてまいりたいというふうに考えております。

○西田実仁君 是非、積極的にお願いしたいと思います。
 こうした、今後ますます増えるであろう認知症を患った方の自動車運転については、海外では単に免許取消しあるいは停止といった方法ではない対応を取っているところもあると聞いてございます。地域によっては、自宅から半径何キロ以内あるいは日中のみといった限定付きの運転免許証を発行しているところもあるというふうに聞いております。
 高齢運転者交通事故防止対策ワーキングチームによる高齢運転者による交通事故防止に向けてには、八十歳以上の運転リスクが特に高い者への実車試験の導入等々、運転免許制度の更なる見直しが掲げられております。日本においても、高齢運転者について、どうしたら個別判断によって運転できるようになるかを考える必要があるのではないでしょうか。全国どこでも運転できる免許証か免許なしといった二者択一ではなく、一定エリアのみ有効な免許といった選択肢をつくる検討もすべきではないでしょうか。
 交通の不便な地域で暮らすお年寄りの足をいかに確保するかという政策課題を踏まえ、現在実施していると聞いておりますが、高齢者等の特性等に応じたきめ細かな対策の強化に向けた運転免許制度の在り方等に関する調査研究について、大臣の問題意識をお聞きしたいと思います。

○国務大臣(小此木八郎君) 昨年の交通事故の死者数が三千六百九十四人ということになりまして、昭和の四十年代のピークと比べますとこれは四分の一以下になっているということになります。しかしながら、その三千六百人台の中でも高齢者の死者数が数多く見られるということもありまして、警察として、交通安全の観点から、高齢運転者の安全運転を継続をしていただきながらも、最終的に運転免許証の自主返納等により、本人が納得した上で運転を終えてもらうことが重要であるという認識は持っております。
 その上で、御指摘の点については、移動手段の確保の観点からも、高齢者の運転能力に応じたきめ細やかな対応について検討すべく、警察庁では、運転可能な地域や車両等を限定する免許の導入の可否も含めて、高齢者の運転能力に応じた運転免許制度の在り方について調査研究を進めているものと承知しています。
 交通安全の確保を第一としつつ、こうした検討がしっかりと進められるよう警察を指導してまいりたいと思います。

○西田実仁君 続きまして、最後ですが、二輪車、トラックの路上駐車取締りについてお聞きしたいと思います。
 先般、小此木大臣は、バイクの駐車規制の見直しということについて触れられました。なかなか、二輪車の駐車場の整備が普通自動車に比べて大変少のうございまして、こうした現状に鑑みて、バイクの駐車規制の見直し、これまでも行っておられるようですけれども、更により一層取り組んでいくと、こういうお話でございました。
 具体的にどのように見直していくのか、お聞きしたいと思います。

○国務大臣(小此木八郎君) 交通の問題については何をおいても安全第一というものを考えておりまして、これは毎日のように警察の方々とも確認をしているところであります。
 その中で、お尋ねの駐車の問題については、他の交通の、あるいは地域の、もう悪質でないこと、危険でないこと、迷惑にならないということが重要であるということ。しかし、全国、北海道から沖縄までいろんな地域がございまして、ここでは迷惑になってもここでは迷惑にならないような、悪質、危険、それぞれ意味が地域によっては変わることも考えられますので、例えば二輪車の駐車については、これまでの取組により駐車場は増加傾向にあるものの、二輪車の車両保有台数当たりの駐車場台数は依然として四輪車に比べて少ない水準であることからも、二輪車のための駐車スペースが増えるよう、引き続き国も都道府県もしっかりと取り組む必要があるということと、警察においては、道路における二輪車の駐車規制について、先ほど申し上げたように、迷惑にならない場所であれば、従前から、駐車規制そのものを緩和することや、その他の臨機応変な対応をしているところでありますが、そうした取組について更に引き続き指導してまいりたいと、このように考えて記者会見でお話をいたしました。

○西田実仁君 こうした二輪車についての駐車規制の見直しを不断に進めている大臣に、是非今日は、トラック運送事業者、とりわけ下請のトラック運送事業者が直面しております、二輪車の駐輪場も少ないんですけど、都内の荷さばき駐車場も非常に少ない、そういう環境の中での、とりわけ中小下請のトラック運送事業者が直面している問題についてお聞きしたいと思います。
 まず、表を見ていただきますと、下請運送会社の実態ということで、これは私が地元でお聞きしたものですので普遍化はなかなかできないのかもしれませんが、一つの現実を示していると思います。
 大手宅配A社、B社、C社、それぞれの下請をやっている会社から聞きますと、平成三十年ですから三十年間の推移が、ここにあるように平成元年から、平成十年から、平成十五年から、それぞれお聞きをしました。大手宅配A社の下請をしているところの単価は二百四十円から今や百三十円と。一方で、配達件数は百五十件から百七十件に増えて、そのドライバーの賃金は三万六千円から二万二千百円まで下がっていると。個人宅に配達が多いため、不在が多数です。夜二十二時頃まで稼働しているという実態。また、大手宅配B社においても同様の傾向がありますし、大手宅配C社でも、支店等が併合、合併して配達距離ばかりが増えていると、こんなような実態をお聞きをいたしました。
 大手宅配会社は、労使で宅配総量抑制で一致するなど、いわゆる働き方改革に取り組んでおられます。しかし、この大手からの仕事を請け負っている中小の貨物運送業者の皆様方は大変な実態になっているということでございます。
 こうした実態の一方で、都内の荷さばき駐車場の整備というものは、いろいろと国交省で取り組んでいただいているんですけれども、なかなか追い付かないと。ですから、こうした都内に荷物を届けに行こうとする下請の運送業者の方は、ドライバーの高齢化が進む中で、荷さばき駐車場もそもそも少なく、あっても大手のドライバーが先に全部使っちゃっているケースが多いと。勢い路上に駐車して配達すると、路上監視員が群がるようにやってきて罰金一万五千円を徴収され、一日の稼ぎが平均一万円から一万三千円、しかもガソリンやメンテも自分持ちという下請の厳しさの中で、罰金がそれだけ科せられると。駐車違反の切符がたくさん切られると、今度は営業車にタイヤロックを掛けられてしまうと。もう仕事もできなくなって会社を辞めざるを得なくなり、働き先がなくなるという、そういう実態もよく耳にするわけでございます。
 今日はちょっと時間がなくなって、大変、御用意いただいたのに恐縮ですが、都内の荷さばき駐車場の整備状況等は、大変に頑張っていただいているんですけど追い付かないという実態でございます。
 そこで、大臣に最後お聞きしたいと思います。
 荷さばき駐車場の整備がなかなか追い付かないという中で、二輪車と同様、悪質、危険な違反はもちろん厳しく取り締まるにしても、それほど迷惑になり得ない箇所での駐車規制の在り方については緩和していく指導方針を定めてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。また、駐車規制の見直しに伴って、駐車監視員活動ガイドラインというのがあるそうですけれども、これについても、違法駐車の状況の変化とか地域住民等の意見、さらには下請、こうした運送業者の方からの要望なども踏まえて、このガイドライン、是非見直しを行ってもらいたいと。下請運送業者のドライバーにおける働き方改革と貨物集配中の車両に係る駐車規制の見直しの推進について、最後、大臣にお聞きしたいと思います。

○国務大臣(小此木八郎君) この答弁につきましては、まず安全第一だということは申し上げなきゃならないと思います。他の交通の迷惑にならないということが第一義であると思っております。
 その上で、貨物集配中のトラックについての、関係業界から、働き方改革の観点からも様々なものが寄せられております。駐車禁止規制の緩和、要望等、委員がおっしゃいましたことはお聞きしております。
 こうしたことを踏まえて、警察庁においては、本年二月、都道府県警に対して、通達により、安全、円滑な交通を確保しつつ、集配中の宅配車両等を駐車させることができる場所については、貨物集配中の車両の駐車を可能とする駐車規制の見直しを行うよう指示したと承知しております。
 今後、この方針に基づいて、駐車規制の見直しを行いつつ、あわせて、駐車監視員活動ガイドラインについても、変更された駐車規制を踏まえた見直しを行うよう警察を指導してまいります。

○西田実仁君 終わります。

TOP