196-参-内閣委員会-008号 2018年04月05日


2018年4月5日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 既に御指摘のあった点もございますが、重なる部分をなるべく省きながら質問したいと思います。
 今回の法案の提出の経緯からまずお聞きしたいと思います。
 今お話がございましたように、昨今の古物営業の形態は大きく変化をしている。平成二十六年度に内閣府の規制改革ホットラインに寄せられました要望として、古物商の許可権限は国家公安委員会に格上げして全国共通の許可とすべきという意見や、あるいは、既に一つの都道府県で許可を得ていれば新たな都道府県では届出のみとして許可を不要としてもらいたいという意見、さらには、古物営業を行える場所に集合住宅のエントランスやイベント会場を追加してもらいたいと、こういう御要望が寄せられました。
 これに対しまして、警察庁としては、営業所における営業が前提となっており、各都道府県の治安を維持することについて責任を有する各都道府県公安委員会が最も的確に各管轄区域内の古物営業の実態を把握することが可能であり、また実効的な指導監督を行うことができることから、都道府県公安委員会の単位の許可制を取っている、あるいは、各都道府県公安委員会は相互に独立しており、ある都道府県公安委員会における許可の判断に他の都道府県公安委員会の判断が拘束されるようにすることは適当ではないと、こういう理由をもって、要望への対応は困難であると、こういうふうに当初対応されました。
 一方、内閣府の規制改革推進会議の行政手続部会で各省庁に対して行政手続コストの削減に向けた取組が要請され、その重点分野として各省庁に共通する営業の許可、認可に係る手続が示されました。これを受けて、今回、対応が当初不可とされておりましたことを対応可として法案改正に至っているというふうに理解をしております。
 この対応可となった理由、対応不可の理由がなぜ対応可というふうに対応できるようになったのか、これを説明いただきたいと思います。

○国務大臣(小此木八郎君) もう既に今御説明いただいたようなところもありますけれども、平成二十六年度の規制改革ホットラインへの提案に対する検討において、都道府県公安委員会による古物商の適切な指導監督及び盗品の売買防止等の観点から当面現行制度を維持することが適当と考えられたことから、その時点では対応不可としたところであります。
 しかしながら、その後、古物営業の実態に応じた規制の観点から継続的に検討を進めていたものでありますが、昨年三月、規制改革推進会議の行政手続部会の取りまとめにおいて、各省庁が行政手続コストの削減に向けた取組を進めるべきこととされたことも踏まえて、更に検討を深めるべく有識者会議を開催し、その提言を受け、今回の改正案を立案するに至ったものと承知しております。

○西田実仁君 いま一つなぜ対応可になったかよく分かりませんが、ちょっと先を急ぎますと、警察庁所管の法令の許可制度にはほかにも質屋営業法や風営法があります。この二法は、営業所ごとに営業所の所在地を管轄する公安委員会の許可が必要となっております。また、そのほかには、警備業法、認定制度ですけれども、これは、主たる営業所の所在地を管轄する公安委員会の認定を受けていれば他県での営業所設置や警備業務の実施は事前届出で足りるとなっております。さらに、運転代行業法でありますが、同様のケースでは事後届出となっていると、このように承知しております。
 規制改革推進会議におきまして重点分野とされました営業の許可、認可に係る手続の簡素化、コスト削減への対応ということが言われたわけですが、今申し上げた警察庁所管の法令の中でもまばらで、ように見えますが、その認識と今後の対応について大臣にお聞きしたいと思います。

○国務大臣(小此木八郎君) 一般論としてですが、各業法においては、それぞれの制度の目的を達成するため、その業の性格等に応じて許可、認定、事前届出、事後届出等、それぞれの方法による規制がなされているものと承知します。
 この点、古物営業においては、古物商が盗品等を取り扱う蓋然性の高い業態であることから、今回の改正では、古物営業に係る行政コスト削減の要望が強いことを踏まえ、新たな都道府県に営業所を設ける場合には、許可を求めることまではしないものの、関係都道府県の公安委員会が確実に監督権限を行使することができるよう、関係公安委員会に対し事前に届出をする制度としたものと承知しております。

○西田実仁君 今後こうしたこともいろいろ検討していただきたいと思います。
 先に行きますと、この古物営業法の十三条には、「古物商又は古物市場主は、営業所又は古物市場ごとに、当該営業所又は古物市場に係る業務を適正に実施するための責任者として、管理者一人を選任しなければならない。」とした上で、その第三項には、「古物商又は古物市場主は、管理者に、取り扱う古物が不正品であるかどうかを判断するために必要なものとして国家公安委員会規則で定める知識、技術又は経験を得させるよう努めなければならない。」と、こういうふうに定めております。
 そして、この十三条を受けまして、施行規則第十四条には管理者に得させる知識等として、特に自動車、自動二輪車及び原動機付自転車について古物商等管理者講習の規定が置かれております。すなわち、自動車、自動二輪車又は原動機付自転車を取り扱う営業所又は古物市場の管理者については、不正品に疑いがある自動車、自動二輪車又は原動機付自転車の車体、車台番号打刻部分等における改造等の有無並びに改造等がある場合にはその態様及び程度を判定するために必要とされる知識、技術又は経験であって、当該知識、技術又は経験を必要とする古物営業の業務に三年以上従事した者が通常有し、一般社団法人又は一般財団法人その他の団体が行う講習の受講その他の方法により得ることができるものとすると、こういうふうに法律並びに施行規則で定めております。
 多分、そのせいもあると思いますが、今日お手元にお配りしました警察庁生活安全局の古物商等管理者講習の実施状況を見ていただきますと、この自動車というのが圧倒的にその回数が四十二回と、他の十三あります古物の定義の中ではゼロというところも、その古物によっては、取扱業種によってはありますが、自動車に関しては、恐らくこの法令に基づいて大変に管理者講習が徹底されているんだろうと。もちろん、全業種を対象とした講習も多く、このゼロとされているところもそこで対応しているんだろうとは推測をいたします。
 いずれにいたしましても、こうした自動車が大変に特別な取扱いになっているということを今法律並びに施行規則で申し上げ、実態として自動車の管理者講習が大変に活発に行われるという実態もお示しをしました。
 なぜこのように厳格な規定を自動車、自動二輪車又は原動機付自転車を取り扱う営業所又は古物市場の管理者に設けているのか、お聞きしたいと思います。

○国務大臣(小此木八郎君) もう御指摘の規定を、今、西田委員にお話をしていただいたとおりでありまして、これ平成七年に設けられたものとして、当時、自動車、オートバイ等の窃盗被害、これが多発をしました。盗難自動車等が古物商において大量に換金処分をされていた実態があります。これを踏まえ、自動車等を取り扱う古物商は、管理者に対して、その取り扱う自動車等が不正品であるかどうかを判断するために必要な知識、技能又は経験を得させる必要があったことから、今もおっしゃったとおり、これが設けられたものということであります。

○西田実仁君 ところが、そうした厳格な規定が置かれました中古自動車の販売ですけれども、フリマアプリ等でインターネット上で自由に売買されています。あるフリマアプリのホームページには、国内自動車本体の買取り、売るなら○○へ、商品は八千点以上あります、特に人気の商品はといって、もう写真で幾らと値段が貼ってあって、もう自由に売買、個人間取引ですけれども、されているわけですね。
 もちろん、このフリマアプリ等は個人間で直接に物を売買する場を提供しているだけで、しかも競りでもないということで、いわゆる法に規定された古物競りあっせん業者ではなくて、法規制の対象外ということは理解をいたします。しかし、同じ中古車の取引、普通の古物に加えて、法令でその管理者を一人置かなきゃいけない、三年以上の経験者、しかも講習もしなければならないという。単に、盗品で扱わないようにという、本人確認のみならず、そうした改造等が起きない、改造等が起きて整備不具合のものが公道を走らないようにするという安全上のことも恐らく加味してそうした厳しい規制に置かれていると思う。
 その中古車が今、そうしたことを別に、単に個人間売買でネット上で売買されるということに、私はどうしても解せない面が正直言ってあります。普通の古物とは違う扱いをしているわけですからね、その自動車については。危険性がある、あるいは盗品が増えたという実態もあるのかもしれません。そういう問題意識からしますと、私は、一方には厳格な本人確認や管理者講習の義務付けがされているのに他方には法規制の対象外で何ら防犯上のコストは負わないと、同じ中古自動車でありながらということに大変に矛盾を感じます。
 この中古自動車販売についてはJUという団体が特に有名ですけれども、そこでは、例えばJU適正販売店という独自の認定制度まで設けていて、やはり車というものは走る凶器にもなり得るわけだから、きちんと整備したところで適正な販売をしなければいけないというところまで自己規制もしているわけです。しかし、一方では個人間取引で、ネット上で写真だけで売買しているんです。それは個人責任かもしれないけれども、公道を走るわけですから、これは私はいかがなものかというように思います。
 有識者会議の報告等ではこうした、今も出ましたけれども、本人確認等について自主規制をして、それを見守るんだという姿勢だと思います。しかし、じゃ、何を見守るのかということを私はここで問いたいというふうに思います。
 例えば、じゃ、このフリマアプリの運営業者が自己規制するというんでしょうけれども、この本人確認、それをやるように自主規制を見守っていくという先ほど話がありました。しかし、中古自動車に関しましては、自動車等に関しましては、それだけじゃ足らない規制を掛けているわけですから、管理者を置けとか、三年以上の経験者の管理者を置けとか、あるいは講習を受けろとか、こういうふうに言っている。じゃ、それもそういう自主規制をやらせるんですかと、そういうことも見ているんですかと。本人確認、あるいは古物台帳の保存管理三年なのか、あるいは自動車の改造等を判定するための知識や技術を習得する管理者講習も義務付けるのか。自主的な取組と一言でおっしゃいますけれども、そこはどう見守っていくのか、これを是非お答えいただきたいと思います。

○国務大臣(小此木八郎君) 今日、課題といいますか、先生方、委員から御指摘されたいろんなその問題点についてはしっかりと共有をしたいと思います。
 一方で、昨年十二月に行われました有識者会議の報告から、自主規制というものについて、インターネットオークション事業者に課されている努力義務同等の本人確認を自主的に開始をしたメルカリの話、様々な意味での自主規制というものをまず生かしていただく。警察あるいは国家公安委員会とすれば、その委員の御指摘されたお話も共有をしているからこそ、まずはその報告を聞いた上で、この制度の改正において、しかしながら、しっかりとその御意見、御認識を共有をして注視をしていくということ、こういったことを踏まえて、今回の改正に際してはまず業界における自主規制の取組状況を見守るとしたところでありますけれども、警察においてそういう取組状況をしっかりと私たちは管理、指導、注視をしていくことが必要であるということも併せて申し上げさせていただきたいと思います。

○西田実仁君 重ねてお聞きしますけれど、要は法律で、また施行規則でこれだけ厳しく中古車に関しては掛けているんですよ。それを今の、注視しているとおっしゃいますけれども、じゃ、何を注視するんですか。本人確認ということだけを注視するんですか。それとも、こういう経験者を、三年以上、管理者として置く、あるいは講習をしっかり受けさせる、こういうことも注視するんですか。そこを是非お答えください。

○政府参考人(山下史雄君) これまでも御答弁申し上げてきましたとおり、フリーマーケットアプリの大手運営業者であるメルカリは、この十二月から、自主的な取組ということで、まず本人確認ということで開始をしたと承知をしてございます。
 委員、今様々御指摘ございました。メルカリにおいては、この盗品売買の実態ということに鑑みて、業界全体としても自主的な取組をやっていきたいということでございます。その中には恐らく、まさにインターネットサイトを管理をしているということでございますので、その管理のサイトで実際に盗品が売買されているのかというようなことを、一つは本人確認でありますし、もう一つはその出品状況みたいなものをしっかりと監視をしていくというようなことも強化をしているものというふうには承知もしてございます。
 自動車につきましては、先生御指摘の様々な点がございますけれども、私どもといたしますと、実際にこのフリーマーケットアプリあるいはフリーマーケットサイトにおきまして、どのような例えば盗品が実際に売買されているのかということについては、今後しっかりと調査をしてまいりたいと思います。
 そういった調査の実態も踏まえまして、また業界とも様々な意見交換、連携を図ってまいりたいと考えております。

○西田実仁君 今、調査をされると言いましたけど、いつまでにされるんですか。

○政府参考人(山下史雄君) これはいつまでにということではございませんで、都道府県警察の方では、まさに窃盗犯捜査ということの過程の中で、例えば犯人を検挙いたしますと、その犯人は一体どこにその盗品を処分をしたのかということを必ず確認をしてございます。そういった中で、じゃ、それはフリーマーケットアプリで処分をしたというようなことがどれだけあるのかということにつきましては、今後、随時調査をいたしたいと思っています。

○西田実仁君 もう一度、更にちょっとしつこくお聞きしますけど、盗品であるということはいけませんよと、流通してはいけませんよ、あるいはその流通経路をたどるというのは法律の趣旨として分かるんですよ。それは一般的な古物としてはそうなんですよ。ところが、自動車に関しては、先ほどおっしゃっていただいたように、あえていろんな意味で施行規則でここまで定めているんですよ、施行規則で、皆さんが作ったその施行規則で。十四条で、改造の有無とか、改造がある場合にその態様や程度を判定するための知識や技術や経験をちゃんと持っている三年以上の人がいなきゃいけませんよと、そして、一般社団法人や一般財団法人その他の団体が行う講習の受講その他によりそれが初めて得られるんですよと。だから、こういう結果になって、ちゃんとやっているんですよ、真面目に。そこはどうやって注視するんですかということを聞いている。
 盗品のことは分かりました、本人確認。そこの安全、改造等、そうしたことを判定する、判断する、そういうことがきちんと担保されているんですかと。ほかの古物とは違うんですよということを皆さんが施行規則で決めているのに、そこだけは盗品だけというのはないんじゃないですかと。それは、だって皆さん警察だから、公道を整備不良の車が走ったら大変でしょう。走る凶器になって事故が起きるじゃないですか。そこをどう考えているんですかということを大臣にお聞きしたいと思います。

○政府参考人(山下史雄君) フリーマーケットアプリあるいはフリーマーケットサイトの運営業者というのは、まさに個人間取引をある意味仲介をするということで、場を提供するということでございます。したがって、例えば出品されたその物品につきまして直接その物を検分しているわけではないと、こういうところでございます。古物商につきましては、実際に古物の買取りということで、実際の物を実際検分をいたします。
 したがって、自動車などが非常に盗品がたくさん持ち込まれたということで、先ほど申し上げたような御指摘のような規定が設けられて、まさに物が持ち込まれるそのときに、それが不正品ではないかどうかということをこれはやっぱりしっかり確認をしていただく必要があると。そのためにどんな不正改造が行われているかというようなことについてのその技術を高めるということで規定が設けられたものでございます。

○西田実仁君 これ、個人間取引なんですよ。消費税が今後上がっていくと個人間取引というのは増えるんですよ。ですから、車がそんな写真だけで売買されて、何の整備をされているかも分からないので本当にいいんですか。これは、ですから、国家公安委員会だけではなくて国交省等々、そういうところとも連携して、是非この問題関心持って連携してもらいたいと思います。
 最後、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(小此木八郎君) 基本的に警察がしっかりとその業界全体をきっちりと見ていくこと、法改正をされて、御協力によりまして成立した場合に、しっかりとフォローをしていく。今御指摘があったように、関係省庁ともしっかりと連携をするところも国家公安委員会として見てまいりたいと思います。そして、適切な指導をいたします。

○西田実仁君 終わります。

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