196-参-内閣委員会-028号 2018年07月17日


2018年7月17日

○西田実仁君 引き続き、公明党の西田実仁から質問させていただきます。
 端的に御質問したいと思います。なぜIRが必要なのか、また、その中になぜカジノが必要なのかという点であります。
 シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズ社長は、かつて、こういうインタビュー記事を私は拝見しました。カジノの収入があるからこそ利益率の高くない展示場ビジネスを手掛けることができると、こんな発言も記事になっておりました。
 そこで、まず日本を代表する国際展示場、東京ビッグサイト、あるいはパシフィコ横浜などについて、税金がどのように投入され、どういう形で投入されているのか。また、カジノを含むIRについて、国際展示場を整備する場合、これまでとはそういう意味ではどう違うのか、立地自治体の財政負担あるいは整備のスピードなどについてお聞きしたいと思います。

○政府参考人(中川真君) お答え申し上げます。
 まず、我が国を代表する展示施設などについて公的な資金がどのように投入されているのかということについてでございますけれども、まず、東京ビッグサイトにつきましては、土地及び施設をこれは東京都が所有してございます。その管理運営は第三セクターの子会社が行っているというふうに承知しております。また、パシフィコ横浜については、土地を国及び横浜市が所有をし、また、その施設のうち、国立大ホール等一部の施設は国、横浜市等が、そしてそれ以外の施設は第三セクターが所有をし、さらには管理運営は第三セクターが行っているというふうに理解をしております。
 こういう形態になっているのは、建設費ですとか運営管理費が多額である一方、それらを回収するに見合う収益を得ることが難しいことなどから、純粋に民間事業として設置、運営することが困難であるという状況があるためだというふうに考えてございます。
 一方、IRにおきましては、カジノの収益を活用することにより、純粋な民間事業として我が国を代表することとなる規模を有する展示施設が設置、運営されることになります。
 例えば諸外国のIRの例ですけれども、事業セグメントごとの財務諸表が大まかながら開示されているアメリカの代表的なカジノ事業者の開示情報の収支を見ますと、二〇一七年の税引き前利益が約三十・五億米ドルであるところ、カジノ事業に係る収入と営業経費が仮に全くなかったというふうに仮定いたしますと、約十六億米ドルの赤字となる収支が公表をされております。こういうことからしますと、カジノ事業があって初めてカジノ以外の事業が成立する事業構造があるのかというふうに考えているところでございます。
 また、一般論として申し上げれば、純粋な民間事業者が設置し運営する方が、公的主体が関与する場合と比べ、民間ならではの創意工夫ですとかあるいは機動的な意思決定ができると、そういうところに、国際会議、展示施設も含めてカジノ収益を活用するこのIRを整備することの意義があるというふうに考えている次第でございます。

○西田実仁君 日本にとって人口減少ということにどう立ち向かうのかというのは、今、国政上の最大の課題であるというふうに認識をしてございます。
 その中で、観光、中でも滞在型の観光をいかに増やしていくのかというのは、この人口減少というのはいろんな影響を社会に与えますけれども、一つ経済の面だけ申し上げますと、先般の参考人の方からの御示唆もございましたが、最新のデータによりますと、定住人口一人、年間日本人が消費する額というのは、訪日観光客の十二人に当たるということが最近のデータでは分かります。参考人の方は八人という以前のデータを基に言っておられましたけれども、私自身が計算すると十二人ぐらいになります。
 そうしますと、例えば日本がフランス並みに訪日観光客を受け入れる態勢ができるとすれば、単純計算でありますけれども、二〇四五年までの将来推計人口で人口が減る分、フランス並みの外国観光客が来ますと、その消費だけに着目しますと、それに匹敵をするということになるわけで、それだからいいというわけじゃありませんけれども、単に消費だけのことを言えば数字上そういうふうになる効果があるということは認識しておく必要があると思います。つまり、滞在型観光というものをいかに伸ばしていくかということが、人口減少に対する一つの地方における創生ということにもつながっていくというふうに考えているわけであります。
 今、政府からも説明がありましたことも踏まえ、また私が今申し上げたことも踏まえて、石井大臣に改めて、なぜIRが必要なのか、そしてその中になぜカジノが必要なのかということについて御答弁をいただきたいと思います。

○国務大臣(石井啓一君) 政府といたしましては、議員立法で成立したIR推進法におきまして、カジノを含むIRの整備、推進が国の責務とされていることから、同法に基づいて具体的な制度設計の検討を進め、今般IR整備法案を提出をしたところでございます。
 カジノ収益も活用しまして国際競争力を有する日本型IRを整備することにより、これまでにないような国際的なMICEビジネスを展開をし、新たなビジネスの起爆剤とするとともに、日本の伝統、文化、芸術を生かしたコンテンツの導入により世界に向けた日本の魅力を発信をし、さらに、これらによって世界中から観光客を集める滞在型観光モデルの確立を実現することで我が国を観光先進国へと引き上げる原動力となることが期待をされております。
 一方で、例えばMICE施設については、東京ビッグサイトやパシフィコ横浜の例を見ましても、投資額が多額であること等の理由により純粋に民間事業として整備、運営をされておらず、さらに、日本型IRのように、MICE施設に加え様々な誘客施設を一体的に整備、運営しているものは存在していないと承知をしております。
 これらのことから、魅力的な日本型IRを実現をするため、MICE施設や家族で楽しめるエンターテインメント施設と収益面での原動力となるカジノ施設が一体的に運営をされることが必要と考えております。

○西田実仁君 このカジノ規制については、日本型IRは世界最高水準と、こういう答弁が、御説明がこれまでもありました。
 改めて確認いたしますけれども、世界のカジノにはない初めての規制、これがどういうふうになっているのか、それを全て挙げていただきたいと思います。

○政府参考人(中川真君) お答え申し上げます。
 例えば入場規制について、日本人や外国人居住者に対しまして長期と短期の一律の入場回数制限を課すということ、これは他国に例を見ない初めての規制ということになってございます。また、チップを他人に譲渡することを禁じている、あるいはチップをカジノ行為区画外へ持ち出すことを一切禁止している、こういうことも他国には例がない規制だというふうに考えてございます。そのほかには、このIR整備法案では、事業者の廉潔性確保の観点、あるいはカジノ収益の不当な流出防止の観点、あるいは依存防止の観点、あるいはカジノの広告、勧誘に関する規制、マネロン対策の規制などなど、様々なものを取り入れているということは御理解を賜っているところでございますし、また、先ほども御答弁申し上げましたように、本邦初の規制といたしましては、カジノ事業者に対して暴力団員等をカジノ施設に入場、滞在させることを禁止するとともに、暴力団員等に対してもカジノ施設の入場、滞在を禁止するといったようなことも初めての法制化という形でやってございます。
 これらを総合的に組み合わせまして、ネバダ州ですとかシンガポールなどの先進的な制度と言われているものと比肩できる世界最高水準のカジノ規制が整備されることになると、そういう万全の措置を講じているというふうに考えてございます。

○西田実仁君 このギャンブル等依存症対策基本法の審議の中で参考人からありましたお話に、入場規制については依存症の対策としては必ずしも科学的な根拠はないと、こういう発言がございました。
 今回設けられました、今のお話にもありましたが、マイナンバーを活用した本人確認とか入場回数制限とか入場料とか、これ、依存症に本当に効果があるのかという追跡調査というものはどう行っていくのか、追跡調査の主体、また方法についてお聞きしたいと思います。

○政府参考人(中川真君) お答え申し上げます。
 先般成立いたしましたギャンブル等依存症対策基本法では、政府は三年ごとにギャンブル等依存症問題の実態を明らかにするために必要な調査を行わなければならないというふうにされているところでございます。したがいまして、今御指摘のような制度についても、今後、こういう定期的な実態調査を政府が回していく中でその実施状況を確認をしていくということが基本になると思っておりますし、また、それに加えまして、このカジノ事業を規制、監督するカジノ管理委員会においても、これらの調査結果を注視しつつ、あるいは、このカジノ管理委員会は個別のカジノ事業者からこういう依存防止のための措置の報告を受け、その評価結果なども事業者から報告を受けることになっておりますので、必要に応じてカジノ管理委員会でも依存防止対策の在り方について適切に検討を進めていくと。また、委員御指摘のありました知見の向上とか、こういうエビデンスベースの研究の進展状況なども踏まえて適切に検討をしていくということを考えてございます。

○西田実仁君 この法案には附則が定められていまして、今のお話に加えまして、五年を経過した場合で必要があれば法改正も検討するというふうになっているわけでありますので、今のような追跡調査、知見に基づいて改めるべきところはきちんと改めていくという必要があるのではないかというふうに指摘させていただきます。
 広告及び勧誘の規制についてお聞きしたいと思います。
 法百六条におきましては、特定複合観光施設区域以外の地域において広告物の表示を禁じております。しかしながら、この例外規定がございまして、公共交通機関を利用する外国人旅客の乗降、待合その他の用に供する施設として政令で定めるものを除くと、こういうふうになっているわけです。ということは、この例外的に認められる広告の表示はどのような場所なのかと。外国人旅客が利用する公共交通機関といえば普通日本人の多くも利用するのではないかというふうに思われますし、事実上広告規制が余り効かないのではないかという懸念もございます。
 カジノ規制委員会ではこうした法令遵守を監視するような査察官というのを置いていくのかどうかも含めて、お答えいただきたいと思います。

○政府参考人(中川真君) お答え申し上げます。
 同様の規制はシンガポールでも行われているところでございまして、シンガポールでは、外国人旅客の誘客の観点から、国際空港やクルーズ船の停泊所などに限定してカジノ広告を認めているということでございます。
 日本におきましても、今御指摘の法案第百六条第二項に関しましては、IR区域以外の地域のうち、主として公共交通を利用する外国人旅客の乗降、待合等の用に供する施設として政令で定めるものにおいては広告物の表示等を可能としておりますけれども、まさしく、この政令で定める施設につきましては、依存防止ですとか青少年の健全育成の観点などからカジノに関する広告の場所、方法等を規制しているという趣旨を十分踏まえて、例えばですけれども、国際線航空旅客ターミナルなどに限定をしてこういう例外を設けることを想定してございます。
 また、カジノ管理委員会は、カジノに関する広告が本法案に違反していると認めるときは広告をした者に対し広告を中止し、又はその内容を是正すべきことを命ずることができるとされておりますので、このカジノの広告の執行についても、カジノ管理委員会が今後中心となって着実な執行をしていくということを想定してございます。

○西田実仁君 この同じく百六条の六項には、二十歳未満の者への影響、依存症への配慮、さらには過度な広告、勧誘禁止の努力義務が課せられております。そして、九項におきましては、カジノ管理委員会について、必要があると認めるときには、カジノ事業又はカジノ施設に関する広告又は勧誘をする者に対し、従うべき指針を示すことができるとなっております。この指針というのはどのようなものを想定しているのか。特に、テレビあるいはインターネットなどの媒体における広告勧誘規制についてお聞きしたいと思います。

○政府参考人(中川真君) お答え申し上げます。
 まず、カジノに係る広告、勧誘に関しましては、このIR整備法案の中では虚偽又は誇大な表示、説明等がまず禁じられてございます。また、広告物の表示場所やビラなどの頒布の場所、対象の制限もございます。また、二十歳未満の者に対する勧誘等の禁止など、その内容や方法を規制してございます。そして、この広告、勧誘をする際には、二十歳未満の者に対する影響ですとかカジノ施設の利用とカジノ行為に対する依存との関係に配慮するとともに、広告、勧誘が過度にわたることのないよう努めるということを義務付けてございます。
 こういう趣旨に照らし合わせましてカジノ管理委員会が広告勧誘指針を示すことができるというふうになっているわけですけれども、具体的には、こういう広告が全ての者を対象としていますことから、この広告勧誘指針の策定に当たっては十分な検討が必要ではあるというふうに考えておりますけれども、例えば行政機関が事業者の広告について指針を示しているものといたしましては、製造たばこに係る広告を行う際の指針というものが、たばこ事業法に基づいて財務省の公告として出されているものがございまして、この指針の中では、例えば、テレビ、ラジオ及びインターネットなどにおけるたばこ広告は、成人のみを対象とすることが技術的に可能な場合を除き行わないという指針が示されてございます。
 このカジノ事業に係る広告勧誘指針についても、この製造たばこに係る広告指針なども参考にして検討していくことを想定してございます。

○西田実仁君 定義についてお聞きしたいと思います。
 第二条の定義は、具体的に一から六号まで、具体的なIRを構成するものが規定されております。それぞれ政令で定める基準に適合するものと記されているわけでありますが、具体的に第六号のところをお聞きしたいと思うんですけど、第六号のところは、国内外からの観光旅客の来訪及び滞在の促進に寄与する施設というふうになっております。一から五までは具体的なイメージができますけれども、この六につきましては例えば美術館とかあるいは博物館といった施設も含まれると考えていいのか、お聞きしたいと思います。

○政府参考人(中川真君) お答え申し上げます。
 法案第二条第六号の施設につきましては、国内外からの観光旅客の来訪及び滞在の促進に寄与する施設となっておりまして、ここはまさしく民間事業者の創意工夫を生かした魅力ある施設をIR施設の構成施設として設置することができるというふうにしたものでございます。
 ただいま西田委員から美術館や博物館についてはどうかというお尋ねでございましたけれども、基本的には美術館や博物館についてもこの第二条六号の施設に該当し得るものだというふうに考えてございますけれども、一方、美術館や博物館が我が国の伝統や文化、芸術などを生かした展示を主として行うという場合には、この法案の第二条の三号に定める我が国の観光の魅力の増進に資する施設にも該当し得る場合があるというふうに考えているところでございます。

○西田実仁君 区域整備計画の認定についてお聞きしたいと思います。
 国交大臣が認定する区域整備計画につきましては、第九条十一項の一号、二号、それぞれ定められておりますが、三号におきまして、カジノ事業の収益が設置運営事業の実施に活用されることにより、設置運営事業が一の設置運営事業者により一体的かつ継続的に行われると認められるものというふうに定義をされております。このカジノ事業の収益が設置運営事業の実施にどれくらい活用される必要があるのか、ごく一部なのか、ほとんど全部なのか、この辺の定義をお聞きしたいと思います。

○政府参考人(中川真君) お答え申し上げます。
 これまでも再々御答弁申し上げておりますように、様々な魅力ある誘客施設を総体として運営していくIR事業の中では、このカジノ収益が果たす役割は大きいものがあるというふうに考えている次第でございます。
 カジノ事業の収益がIRの事業の実施に活用されることによってIR事業がますます誘客効果を大きくし、そして持続的かつ継続的にIR事業が運営されていくようになるということが必要だというふうに考えておりまして、今、西田委員からのお尋ねでは、一部なのか、それとも全部なのかという御質問ではございましたけれども、どれぐらいカジノ収益が充てられなければならないかということについては特に数字として持っているわけではございませんけれども、いずれにしましても、カジノ事業の収益がこの区域整備計画で定めるIR事業を円滑かつ確実に行うために、その収益の内部還元、投入の具合が十分なものになっているかどうかということを審査していくということが大事になります。
 また、そのために、毎年度、国土交通大臣が事業計画に基づいてこのIR事業のパフォーマンスを評価することになっておりますし、またその評価に基づいて必要な指示だとか勧告を行うことができるようになっているということを御理解賜りたいというふうに思います。

○西田実仁君 今の条文の中で継続的に行われると認められることというのがありますが、これは継続的というのはどのぐらいの期間、中長期の収益見通しという、見極めということだと思いますけれども、この事業の継続性について、三年とか五年とか、どういう想定をして見極めると考えているんでしょうか。

○政府参考人(中川真君) お答え申し上げます。
 西田委員御指摘のとおり、このIR事業が継続的に行われるということは非常に重要な要素だというふうに考えております。そういう意味では、国交大臣が認定をするこの区域整備計画の認定の有効性を、最初の認定時は十年、そしてその後の認定の更新時には、以降は五年ごとにこの有効性をチェックするということになっておりますので、法律でこういう区域整備計画の認定の有効期間を定めているということは、少なくてもその認定の有効期間内はIR事業が継続的に行われることが期待されているということでございます。
 したがいまして、この十年間とかあるいは五年間という認定の有効期間においてIR事業が継続的に行われるかどうかということが非常に大事な要素になってまいります。

○西田実仁君 十年の事業計画というのは、なかなか十年後を見極めなきゃいけないというのは大変なことだろうと思いますけれども、最後に、六十八条、依存の防止のための措置及び入場規制についてお聞きしたいと思います。
 この六十八条には種々の依存防止規程が置かれています。その中で、特に家族その他の関係者の申出によって入場制限をすることができると、再三御答弁もあります。この家族は分かりますけれども、その他の関係者の申出、例えばギャンブル依存により家族関係が破綻している場合というのは結構、正直あります。私も知っている方でそういう御家庭がありました。その意味では、このその他の関係者の中に知人、友人、あるいは市町村など公的機関からの申出も含まれるのかどうか、このその他の関係者の範囲を示していただきたいと思います。

○政府参考人(中川真君) お答え申し上げます。
 ただいま西田委員御指摘のような家族関係が破綻しているような場合には、知人、友人、あるいは市町村などの公的機関からの申出がこういう問題の個別の問題の気付きのきっかけになるということは非常に重要だというふうに考えてございます。
 カジノ事業者が、依存防止の観点から、カジノ施設を利用させることが不適切であると認められる者を早期に発見して、退場を促すとか、あるいは病院での受診を促すといった措置を実施するに当たりましては、今御指摘のような方からの情報も重要な情報として活用されるものだというふうに期待をしております。
 なお、この法律の中で書かれている家族その他の関係者のその他の関係者といたしましては、成年後見人ですとか保佐人ですとか補助人などが考えられるというふうに整理をしているところでございます。

○西田実仁君 終わります。

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